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〔心〕 「あの時、注文しなければ」と思う前に

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

今年も残り少なくなってきたね。

来年を、君にとっての飛躍の年にするためにも、
出来る限りの準備をしていこう。

今回は、久しぶりに「心」の話。

ついつい、日々やることに追われてしまうと
「心」の重要性を忘れてしまいがちになる。

けれど、最終的には自分の心のありようで
ものごとは、どんな風にも解釈が出来る。

出来る限り、自分や周りの人たちが
豊かに、幸せになる解釈を選びたいものだよね。



さて。
株の売買をしていると、様々なことが起きる。

たとえば、自分が買っていた銘柄を
利益確定した瞬間、株価が急上昇!
自分が利益確定で売った金額よりも、
はるかに高い株価になってしまうこともある。

逆に、
自分が買った瞬間から、急激に株価が下がり、
大きな含み損を抱えてしまうこともある。

自分がやってしまったことを後悔して、
「あの時、もう少し持っていたら、
 ○万円も利益が多かったのになぁ」
とか、

「あの時、注文ボタンをクリックしなければ」
とか、

「買いと空売りを、逆で注文しておけばなぁ」
と、いろいろな執着にとらわれたりするよね。


注文が約定した後、すぐに下落しだした時なんて、
「誰かが、私の売買を監視しているんじゃないか?」
なんていう 疑心暗鬼に陥ってしまったりもする。

誰かが自分の売買を監視しているなんて事が、
現実には あるわけがないんだけれど、本気で、
「口座開設している証券会社が、
 私の売買をチェックしているのかも」
なんて妄想を繰り広げちゃったりもするよね。


人は、自分が一度手に入れたものには
ついつい執着をしてしまう生き物のようだ。
(もちろん、この手紙を書いている私も、
 例外なく含まれる)

どうしても自分が手にしたものと、
他のものとをフラットに見ることが出来ない。


自分が手にしていた株を決済した後、
株価が急上昇すると
「もう少し持っていればよかった」
とは考える。

なぜか、
「もう少し持っていればよかった」
とは考えるのに、他の株には目を向けない。

「もう少し持っていればよかった」
と思う株を、もう少し持っているより、
本日の値上がり率第1位の株を持っていた方が
はるかに儲けは多かったはずだ。

なのに、
「この株を買うより、値上がり率第1位の株に
 目をつけて、買っておけばよかった」
とは、なかなか思わない。


買い注文が約定した後、株価が下落すると
「しまった、買わなければ良かった」
とは考える。

しかし、
「よかった、値下がり率第1位の株を買っているよりは
 損失が少なくてすんだ。ラッキーだった」
とは、考えようともしない。


トレーダーという職業は、
冷静に市場を観察できる人のほうが
継続して利益を出しやすい職業だ。

冷静に市場を観察するためには、
自分がポジションを持っていようがいまいが、
関係なく判断が出来るほうがいい。

プロトレーダーと、アマチュアトレーダーの
メンタル面での一番大きな違いは、
「自分のポジションとは無関係で
 市場や銘柄を見ることが出来るかどうか」
の差だ。

プロは、自分のポジションがどうであろうが、
市場や銘柄の変化に的確に対応して、
適切な判断を下すことが出来る。

アマチュアは、自分が
どの銘柄を、いくらで買ったのか、売ったのか
ということに執着しすぎて、
本来とらなければいけない行動を
とることができなくなる。


市場が暴落したら、
しばらく様子見をすればいい。

明らかに好調な株を買って、
不調な株には手を出さなかったり
売ったりすればいい。

プロも、アマチュアも、
考えることには、大して差はない。

ただし、
プロは、考えを的確に行動に反映させ、
アマチュアは、考えと行動の間に
「自分の資金、ポジション」というフィルターを
かけてしまう。

その違いだけだ。
その違いが、結果に大きな差を生む、
ということなんだよね。


株でも、株以外でも
自分の執着を手放すということは非常に難しい。

そもそも、はじめから執着がなかったら
株に手を出してなんていないんだから、
余計に難しいところだよね。

株で利益を出し行くというところには
もちろん執着をし続けることは必要だろう。

ただ、利益を出していくためには、
ひとつひとつの自分のポジションに対しての執着は
一度手放さなければ、利益は遠のいてしまう。

難しいものだよね。
その難しいことを達成できたトレーダーだけが、
継続して利益を出していけるようになるんだから、
ある意味、厳しい世界と言えるんだろうね。


さて、今回のレッスンは、ここまで。

「執着を持つ」
「執着を手放す」
なかなか ままならないことだけれど、
これからも一緒に取り組んでいこう。

今回も手紙を読んでくれて、ありがとう。
ではまた、手紙を書きます。


空也

 
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〔体〕 トレーダーの宿敵、ドローダウンとは?

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

今までのいろんな話の中で、
継続して利益の出せるトレーダーになるためには、
「心・技・体」が大切だよ、という話を
繰り返しているよね。

自分の思考回路の持ちようである「心」
実践的なテクニックである「技」
土台となる知識やトレード環境である「体」

すべてがバランスよくブレンドされて
はじめて長期間にわたって利益を
出していけるようになる。
という話だったよね。

何回も繰り返しているので
「もう、わかってますって」
と思っているだろうけれど、ぜひ忘れずに
一緒にがんばっていこう。


今回は、トレードルール作りの土台となる
話をしようと思う。
「体」の話だね。

トレードルールを作るときは、どうしても
「勝率」とか、
「トータルでどれだけ儲かるか」
というところだけに目が行きがちだ。

気持ちは分かるんだけれど、
実際にトレードをやっていく中では、
もう少し注意するポイントがある。

それを今回から数回に分けて話していこうと思う。

君が時間をかけて構築したトレードルールが
実践の場で「絵に描いた餅」にならないためにも、
注意するポイントを見ていこう。



さて。

君は「トレードルールが大事」ということを知り、
日々、
「どんなトレードルールなら
 より良いパフォーマンスが出せるかな」
と、トレードルール構築に奮闘していると思う。

「まずは、期待値が高いことが目標」
「売買回数も多く、トータル利益が高いもの」
「できれば、勝率も高いほうがいいな」

なんて感じで、悪戦苦闘しているかもしれないね。

もちろん、君の作り方で問題はない。

ただ、トレードルールと構築する上で、
もうひとつ忘れてはいけない要素がある。

その大きな要素のひとつとして
“ドローダウン”への配慮が挙げられる。

今回は、この“ドローダウン”の話だ。



“ドローダウン”というのは、ある一定の期間中に、
資産金額が目減りした時に使う言葉で、
たとえば、
「この3日間で、総資産の3%のドローダウンが起きた」
とか、
「○月○日から今日までで、*万円のドローダウン」
なんていう風に使う。

以前から言っているように、
トレードでの利益というものは、
トータルで考えるべきもの。

なので、ある特定の期間だけを切り取れば、
必ず資産が目減りしているタイミングも
発生するのは当然だ。


しかし、

あまりにドローダウンの率や金額が大きいと、
トレードの継続や、安定的な利益確保に
支障をきたす。

最も極端な例を、まずは挙げてみよう。

ある人が、とあるトレードルールを構築したとする。
そのルールは、過去の検証上、きわめて素晴らしい
好成績をたたき出していたとしよう。

期待値もよく、年間の利回りが500%以上。
勝率も99%を誇る。
まさに夢のトレードルールだ。

しかし、
このトレードルールには、たったひとつ欠点があった。

それが、
「勝率は99%なのだが、
 もし損失が出る1%にひっかかると、
 ドローダウンは100%」
という欠点。

たとえば、君が100万円を使って、
このトレードルールを運用したとしよう。

毎回99%の確率で、儲けが出る。
年間では、100万円を使って500万円以上の利益になる。

しかし、もし1%の確率で負けトレードになると、
今までの利益と、元金100万円のすべてが吹っ飛ぶ。

そんなトレードルールだ。


こんなトレードルールを開発できたら、
君はこのトレードルールを採用するだろうか?

もし、
「採用する」
というのなら、君はトレーダーではなく、
破滅型ギャンブラーになってしまうことだろう(笑)

ドローダウンという項目を全く考慮しないと、
極端な場合、破産街道まっしぐらになってしまう、
という例だ。
気をつけたいところだよね。


とはいえ、
まぁ、さすがに、今の例は極端すぎだ。

破産まで行かなくても、
ドローダウンを考慮しないと困ることは他にもある。
2つほど、困ることを挙げておこう。

ひとつは、
資産回復にかかる時間と労力。
もうひとつは、メンタル面への影響だ。

ひとつひとつ見ていこう。


「資産回復にかかる時間と労力」
というのは、
「一度ドローダウンをすると、
 それまでに積み上げてきた資産金額まで
 持ち直すのに、時間と労力がかかる」
ということ。

これは、ドローダウンのパーセンテージが
大きければ大きいほど、時間と労力がかかる。

なんとなくは思い描けるだろうけれど、
数字にすると、けっこうインパクトのある話だ。

たとえば、
ドローダウンを10%食らったとする。
100万円の資産が、90万円にまで落ち込んでしまった。

その時、また100万円に戻すのは、
何%の上昇が必要だろうか?

ドローダウンと同じ10%?
残念ながら、そうではない。

90万円から、100万円の資産に戻すためには、

1-(100万円÷90万円)≒11.1%

で、11.1%の資産上昇が必要だ。

20%のドローダウンだと、同じ計算で
25%の資産上昇が必要。

30%だと、約43%。
40%だと、約67%の資産上昇が必要になる。

そして、
50%ドローダウンを食らってしまうと、
100%の資産上昇が必要になる。

100万円の50%が50万円。
でも、50万円の50%増しでは100万円に届かず、
+100%の上昇が必要だ、
というわけだよね。

資産を半分にするのは すぐでも、
資産を2倍にするのは大変時間と労力がかかる
ということは、実体験として分かるだろう。

なので、
トレードルールを作るときには、
期待値、トータル利益、勝率などと一緒に、
ドローダウンも考慮したほうがよさそうだね。
という話。


もうひとつ、ドローダウンにおける
悪影響を挙げておこう。

先ほどちょっと書いたように、大きなドローダウンは
メンタル面へ多大な影響を及ぼす。

いくら君がトレードルールを吟味したとはいえ、
現実に大きなドローダウンを食らったときに、
次の日も淡々と、まったく同じルールを
守ることが出来るだろうか?という問題だ。

人間は、もろい。
いくらシステムが破綻していなかったとはいえ、
資産の大きな部分を失った後、
平静を保っていられるとは限らない。

「本当は、このルールは、もうダメなのでは?」
「ちょっとルールを曲げて、損切りをやめておこうか?」
「なんでこんな目にあわなきゃいけないんだ!?」
なんて、思わないとも限らない。

そして、せっかく構築したトレードルールを曲げて
さらに泥沼に入っていってしまう。とか、

ヤケになって実生活に支障をきたす
なんてことも、起きてしまうかもしれない。

そこまで行かなくても、
「とりあえず、2~3日トレードを休もう」
と言った、精神的ダメージを負うかもしれない。

そして、トレードを休んだ その2~3日で、
一気に損失を回復できたチャンスだった、
なんてことも、けっこう起こりうる話だ。

なので、
自分のメンタル面の強さなども考慮に入れつつ、
ドローダウンという項目にも注目すべきだろう、
ということが言えるだろうね。


ドローダウンは、長い目で見た利益のためには
どうしても発生してしまうもの。

なので、自分がどれくらいのドローダウンならば
時間的、労力的、精神的に耐えられるか?
なんてことも、トレードルールー構築の時に
考慮しておくのもいいだろう。



さて、今回のレッスンはここまで。

今回は、まずはドローダウンとは何なのか?
ということと、ドローダウン発生における
起こりうる悪影響を一緒に勉強した。

次回も、もうすこしドローダウンについて
勉強していこうと思っている。

今回も、手紙を読んでくれてありがとう。
ではまた、手紙を書きます。


空也

 

〔体〕 ドローダウンの抑制する、3つのレベル

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

前回のレッスンでは、
トレードルールを構築するときに考慮するべき
利益とは別の要素、
“ドローダウン”について話したね。

ある一定の期間に資産が目減りしてしまう
“ドローダウン”。

トータルで利益を出すためには、
どうしても目を背けることが出来ない現象なので、
うまく付き合っていかなければいけない。

とはいえ、あまりにドローダウンが激しいと、
トレードが継続できなくなったり、
元の資産レベルに回復させるのが非常に困難になったり、
精神的にきつかったりする。

なので、トレードルールを構築する際には
自分が耐えられる範囲でのドローダウンを
想定して作ったほうがいいよね。
という話だった。

で、今回は、
「ドローダウンを小さくするための方法」
というのを、一緒に見て行きたいと思う。

ドローダウンが小さい方がいいのは、
誰だって小さい方がいい。

でも、やり方がわからなかったら
手が打てないものね。

では、さっそく見ていくことにしよう。



さて。
激しいドローダウンを回避するために
できることというのは、いろいろなアプローチがある。

大きく分けると、3レベルのアプローチがあるので、
ひとつひとつを詳しく説明しながら、
ドローダウン回避の方法を模索していこう。

まず第1レベル。

第1レベルは、トレードルールを構築する際の
銘柄抽出、エントリー、決済(利益確定、損切り)
などを調整する方法だ。

過去において、ドローダウンが少ない銘柄抽出を
するようにする。

例えば、
あまりに株価が低い銘柄へのエントリーは避けるとか、

直近の値動きの激しい銘柄はエントリー候補から外すとか、

チャート上で、上値圏すぎたり、下値圏すぎたりする
銘柄は見送る、なんて方法だ。


また、エントリーや決済を調整する方法もある。

買おうとしていたけれど、ギャップアップして
あまりに高い株価で始まった銘柄は避けるとか、

損切りを早めに設定するとか、

ダラダラ ドローダウンしていく銘柄の
保有日数を減らす、
なんていう方策が考えられるね。


第1レベルのトレードレベル段階で
ドローダウンを下げることが出来れば、
かなりの確率でドローダウンを未然に防ぐことが出来る。

しかし、
ドローダウンを下げることに力を入れすぎると、
今度は肝心の期待値、利益も一緒に下がってしまうことが
たくさんある。

「究極のドローダウン抑制法を発見した!
 それは、トレードをしないことだ!」
なんて話は
「交通事故を起こさないためには、
 車に乗らなければいいんだ!」
みたいな話になり、笑えない冗談だ。

受け取る利益と、ドローダウンの間で、
バランスのよいトレードルールを構築するように
したいものだよね。



次に第2レベル。
トレードルールだけでドローダウンが回避できなかったら、
今度はマネーマネジメントをいじってみよう。

マネーマネジメントのやり方のいくつかは、
以前に話したことがあったけれど、
どの銘柄に、いくら資金を投入するかで
リスクは変わってくる。

特に、エントリー候補銘柄が
比較的たくさん出てくるようなトレードルールの場合、
「分散」が有効だ。

できるだけたくさんの銘柄に分散する
マネーマネジメントをするだけで、ドローダウンを
かなり抑制できることが多い。

また、エントリー候補銘柄に優先順位をつけて、
過去の値動きが少ない銘柄に、多めの資金を投入する
という方法もあるだろう。

トレードルールによって、
最適のマネーマネジメントは異なるので、
一概に「このマネーマネジメントがいい!」
とは言い切れない。

利益だけでなく、ドローダウンを考慮した
マネーマネジメントを採用するようにしたいものだよね。



そして。
トレードルールも構築したし、
マネーマネジメントも、現時点では最適なものを採用した。
でも、もう少しドローダウンを抑えたい、
となった時には、どうすればいいのか?

それが、第3レベルの話。

第3レベルは、
「もうひとつ、別のトレードルールを構築する」
ということになる。

例えば、
あるトレードルールAが買いのルールで、
数年に一度ある市場全体の暴落の時には、
どうしても激しいドローダウンを食らってしまうとしよう。

そこで、
「もう、このルールは、暴落時にドローダウンを食らうのは
 やむをえない」
と考える。

そして、別の「空売り」のルールBを同時に運用して
ドローダウンを回避することにするのが
「もうひとつ、別のトレードルールを構築する」
という方法だ。

先ほどの例では、
数年に一度ある市場全体の暴落の時には、
ルールAは、激しいドローダウンを食らってしまう。

しかし、空売りルールBが同時に運用されているので、
ルールBの方は、普段よりも大幅な利益が出せるように
しておく。

単体のルールAだけでは、激しいドローダウンに
なるところが、ルールBのおかげで
トータルでのドローダウンは抑制できる。
というようになるわけだね。

2つのトレードルールで運用することにより
よりリスクを軽減して運用が出来るようになるわけだ。


もちろん、トレードルールは、
2つが最も良いというわけでもない。

利益の出る時期・タイミングが、
少しずつずれているルールを複数運用すれば、
よりドローダウンを回避できる可能性が高くなる。

複数のトレードルールを構築するのは
非常に骨の折れる作業だ。

骨の折れる作業だが、チャレンジしてみる
価値のあることだと思うので、
やってみるのもいいかもしれないよ。



さて、今回のレッスンはここまで。

トレードをする上でやっかいな問題になる
ドローダウン。

このドローダウンを抑制するための方法として、今回は

・トレードルールの調整
・マネーマネジメントの調整
・複数のトレードルール構築による抑制

という、3つのレベルを紹介した。

「レベル」という言葉を使っているが、
もちろん、どのレベルの方法も大切だし、
優劣はない。

君が運用する際に、もっとも効果の高い方法から
まずはやってみるのがいいだろう。

次回も、もう少しドローダウンにまつわる話を
したいと思っている。

今回も手紙を読んでくれて、本当にありがとう。
ではまた、手紙を書きます。


空也

 
管理人です♪
今回の話で出てきた「マネーマネジメントのやり方」は
こちらから読むことが出来ますー

〔技〕 時間分散の基礎に学ぶ
〔技〕 銘柄分散の基礎に学ぶ
〔技〕 ATRを使ったマネーマネジメント


 

〔体〕 ドローダウン、様々な切り口

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

前回は、ドローダウンを抑制する方法として、
3つのレベルで対処しよう、
という話をしたね。

トレードルールレベルでの調整。
マネーマネジメントレベルでの調整。
そして、ルールを複数持つことにより、
トータルでのドローダウンを抑制するという方法。

どのレベルでも、ドローダウンを抑制することは
可能なので、うまく調整をして
できるかぎりドローダウンが少ない運用を
心がけていきたいものだね。


今回は、一口にドローダウンと言っても、
様々な切り口があるので、いろいろな切り口で
ドローダウンを分析していこうと思う。

様々なドローダウンの切り口の中で、
君が最も気をつけなければいけないのは
どのドローダウンなのか?

一緒に考えていってくれると
君のトレードにも役に立つだろう。

では、早速はじめていこう。



ドローダウンを考えるときに
通常よく使われる区切りとして、
「年間の最大ドローダウン」
というものが 挙げられる。

利益についても「年間利回り」などで
「1年間で、利益(あるいは損失)がどうだったのか」
ということが、よく見られる。

そこで、ドローダウンについても、利益と同じように
「年間」という区切りで、どのようなドローダウンが
発生してきたのかを見るわけだ。

例えば、
「去年の年間最大ドローダウンは18%だった」
みたいな感じだね。

その年の途中には、他にも
5%のドローダウンがあったかもしれないし、
8%のドローダウンがあったかもしれない。

しかし、その中で最も大きかったドローダウンを
特に問題視し、今後のトレードルールの
構築や運用の参考にしていこうというわけだ。


もし、今後の運用の途中で、
いままで検証してきた最大ドローダウン以上の
ドローダウンが発生した場合、
「このトレードルール自体が破綻し始めたのかも」
と、ルール自体の変更の指標にする人もいる。

それだけ、年間最大ドローダウンという数字は、
大切にされていることが多いというわけだね。


そして、その「年間最大ドローダウン」にも
3+1つの見方がある。

「3+1」という言い方をしているのは、
最後のひとつは、他の3つのドローダウンとは
性格が違うものの、見ておきたい数値なので、
ドローダウンに加えたものだからだ。

その、合計4つのドローダウンというのは、

・年間最大ドローダウン率
・年間最大ドローダウン金額
・年間最大ドローダウン期間
・年間最低資産金額

の4つだ。ひとつひとつを見ていくことにしよう。


まず「年間最大ドローダウン率」。
これがドローダウンの中で、もっともポピュラーだろうね。

前回までの説明でも、この“率”の話を中心に
話を進めてきた。

4つのドローダウンの見方の中でも、
最も気をつけてみておきたい数値に挙げる人も多い。

年間最大ドローダウン率を、小さい数値に
おさめておくことが出来れば、少なくとも
破産するということはない。

目安としては、

システムトレードのトレードルールを作る際には、
過去10年間・20年間といった長期間で、
年間最大ドローダウン率を20%程度に抑えておくと、
安定したルールと言えるだろうね。

まずは“率”を見て、トレードルールを構築していくのが
王道と言えるだろう。


“率”以外の3つは、どちらかといえば
メンタル面への配慮のために見ることが多い
かもしれない。

「年間最大ドローダウン金額」
というのは、文字通り、その1年間のうちで
最も大きく損失を被った金額のことだ。

複利運用などをしていると、
年初と年末では、運用資金にかなりの開きが
出てくることがある。

たとえば、
年初は100万円で運用していたのだが、
年末には運用がうまくいって300万円になっていたとする。

すると、同じ「ドローダウン10%」でも、

年初に食らった場合は10万円、
しかし、年末には資金が増えているので
300万円×10%で、30万円の
ドローダウン金額になるわけ。

なので、
「パーセンテージも大事だけれど、
 一気に○○万円の損失を食らったら
 精神的にダメージが大きい」
なんていうこともあるので、
年間最大ドローダウン金額も、大切と言えるよね。


対して、
「年間最大ドローダウン期間」を重視する人もいる。

「年間最大ドローダウン」とは、
ドローダウンが発生してから、元の資産に
回復するまでの日数(期間)のこと。

人によっては、
「ドローダウンのパーセンテージも、
 ドローダウンの金額もへっちゃらだけど、
 ダラダラ、いつまでたってもドローダウン
 したままっていうことに耐えられない」
という人もいる。

大きな資金を持っていて、
多少のドローダウンには、
精神的にも経済的にも耐えられる人なんかには、
「年間最大ドローダウン期間」を重視する人もいるね。

ドローダウン期間を重視する人は、
かなりリスキーなトレードルールでも、
ドローダウン期間が短ければ採用することも多い。

なので、
うまくいくとすごいパフォーマンスをたたき出す
ことも、けっこうあるようだ。


最後に、
「年間最低資産金額」を見てみよう。

これはいわゆる「元本割れ」は、
どのくらいの金額なのか?
という数値。

運用をしているかぎり、ドローダウンは避けられない。

しかし、例えば100万円を運用しているときに、

A.
「100万円の元本を割り込んで、
 90万円になった」

B.
「100万円の元本で運用していて、
 年の途中で150万円になった。
 その150万円が120万円になった」

の、どちらが精神的に楽か?というと、

心理的にはBの
「150万円が120万円になった」
という方が楽、という人も多い。

今までの年間最大ドローダウンの指標で見れば、
“率”で見ても、”金額”で見ても、
Bの方がダメージは大きい。

しかし、人間心理的には、元本割れさえしなければ
「まぁ、もとからなかったものだと思えばいいや」
と思いやすいということもあるだろう。

税金のからみとかもあるしね。

なので、他のドローダウンとは別の見方であるものの、
「年間最低資産金額」というものも、
気をつけて見てみても いいかもしれないね。


さて、今回のレッスンはここまで。

「ドローダウン」と一口に言っても、
様々な角度からの切り口がある。

今回見てきた切り口以外にも、
まだまだたくさんの切り口があるだろう。

たとえば、年間の間で発生しているドローダウンの頻度、
なんかも、見方のひとつかもしれないね。

トレードを継続していくためには、
物的・金銭的な計画も必要だし、
自分のメンタルに、どの数字が
どのような影響を与えるかを考えておくことも大事だ。

物的にも、精神的にも継続できるような
トレードルールを構築していくことが、
君のトレードを確固としたものにしていくんだろうね。


今回も手紙を読んでくれて本当にありがとう。
ではまた、手紙を書きます。


空也

 

〔体〕 初心者の頃の自分に学ぶ、勝つトレード

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

株式トレードというのは不思議なもので、
はじめのうちは「なんとなく買ってみた」株が
上がることも多い。

いわゆるビギナーズ・ラック
みたいなものなんだろうけれど、
初期の1~2回は、儲ける人が多いんだよね。

でも、

「お!もしかしたら、私は株の天才なのかも!?」
なんて思って、欲が出始めると、
なぜか途端に儲けられなくなってしまう。

不思議なことなんだけれど、
君も もしかしたら、
過去、今よりも株の知識が少ないときに
今よりも簡単に儲けられた時があるかもしれない。


それを単なる「ビギナーズ・ラック」で
片付けるのは、簡単だ。

簡単だけれども、もしかしたら
「ビギナーズ・ラック」だけではなく、
初心者の行動には、株で利益を出すためのエッセンスが、
含まれているかもしれない。

なので、今回は、
初心者の時に実践したことの中で、
利益を出すために大切なことを一緒に考えてみたいと思う。

お互いに、ついつい忘れてしまいがちな初心の中から、
明日の利益に結びつくような要素を
拾い出してみよう。

では、さっそくはじめていこう。



まずは、初心者の時はあって、
今の私たちにはないものの筆頭に上げられるものがある。

それは、
「株をはじめて売買したきっかけ」
だ。

当たり前の話だが、
君にも私にも、初めて株を売買した時が、過去にある。

そして、その
「初めて売買したきっかけ」
というのも、人それぞれ いろいろあるだろう。


今の私が、他の人から
「なんで、今日トレードしたんですか?」
と聞かれたら、

「トレードルールのシグナルが出たから」
とか、
「昨日もやっていたから」
とかいう返事になる。

すでに何年もトレードをしている私にとって、
「今日、株トレードをやるきっかけ」は、
単なる昨日からの繰り返しでしかない。


しかし、
一番最初にトレードをやるときには
なにかしらのきっかけがあるものだ。

新聞やテレビのニュースで
「株式市場が、全体的にものすごく好調だ」
「逆に、激しい大暴落があった」
ということを知った、とか。

「今まで株の話なんかしなかった同僚が
 ウハウハ言い出した」
とか、様々な理由だ。

理由は様々なんだろうけれど、
ここに大事なポイントがある。

今までは「株」というものに、
何の興味も持っていなかった君が、
「ちょっと、株でもやってみようかな」
と思い、実際に売買した、という事実だ。

「株をやってみたいなー」
と思っただけでなく、
実際の行動にうつしたというのが、大きい。

意識としては、
「まあ、ちょっとやってみるか」
程度に思っていたのかもしれない。

でも、初めてのことを実際に行動に移すというのは、
相当のエネルギーが必要なことだよね。

人間の脳は、基本的には新しいことや変化に対して
ブレーキをかける習性がある。
(このことは、また詳しく話そう)

なのに、
「株なんて新しいこと、怖い」
「面倒くさい」
「損をするかもしれない」
というブレーキの力をはねのけて
実際の株取引を実行した。これは大きい。

ということは、
意識はともかく、潜在意識的には
「まず、今のタイミングで買えば、
 間違いなく儲かるだろう」
と、君は気づいていたのかもしれない。


株式市場は、ずっと昔から存在していた。

君も、数十年前から「株」というものが
あることは知っていたはずだ。

そして、安く買って、高く売ればいい、
ということくらいは、なんとなく知っていたはずだ。

なのに、今までは株という存在を知りつつ、
今まではずっと見過ごしていた。

しかし、
なぜか君は、あるタイミングで株を始めた。

それはきっと、君にとって、
「最高のエントリータイミング」
だったのかもしれない。

意識では「なんとなく」だったかもしれないけれど、
無意識では、何十年もチェックしてきた
「最良のエントリータイミング」だったのかもしれないね。


今の私は、トレードをすることが日常になっている。
君も、もしかしたら日常になっているかもしれない。

今の私は、トレードが日常になっているので、
「まさに、今、このタイミングでエントリーすれば
 まず儲かるだろう」
なんてことは考えなくなってしまっている。

少なくとも、
私が株を初めて売買した時に比べれば、
全市場的なエントリーのタイミングなんかに
それほど注意していない。

言い換えれば、
全市場がどうなるか、なんてことを
待っていない。待っていられない。


私が初心者の時と今とで、
初心者の時のほうが はるかに勝っていたこと。

そのひとつが
「全市場的なエントリータイミングで入る」
「まず間違いなく儲かるときまで、エントリーを待つ」

ということだろう。

無意識、潜在意識的に、何十年も待っていた
初心者の時と、今はたぶん違うだろうね。



初心者のときとの違いは、まだある。

いざエントリーする段階になったとき、
初心者のときは、初心者なりに、ものすごい研究をしていた。

今から思えば、だいたいは
的外れな研究だったりもするんだけれど、
1銘柄に対する研究時間そのものは、けっこうかけていた。

今は、自分の慣れた指標やニュースを見て
昔に比べれば
「ホイホイ」
エントリーしているような部分もあるかもしれない。

考えてみれば、何10万円も何100万円もするものを
売ったり買ったりするんだから、
時間をかけるのは当然だよね。

なのに、いまは
「ホイホイホイッ」
と判断してしまっているようなところもあるかもしれない。

もちろん、それでトータルでプラスに
なっていればいいのだけれど、
「銘柄の選択やエントリーに時間をかける」
という“姿勢”は、たまに振り返っても
いいかもしれないね。



そして。

初心者のときは、
「儲かる」という意識が強く、あまり
「損する」ということを考えない。

なので、
エントリーするとなったら、
けっこう躊躇なくエントリーしたように思う。

研究はするんだけれど、いざエントリーするときは
潔く、思い切ってエントリーする。

今から思えば
「ありえねー!」
「あぶねー!!」
というエントリーだったとしても、
結果としてはうまくいったりもしたんだよね。

「思い切りのいいエントリー」も、
初心者のときのことを振り返ってみるのも
いいかもしれない。



さて。

今まで見てきたような要素が、
「初心者が儲けられるための要素」
なんじゃないかな?


1.
「ここぞ!」というタイミングまで
市場全体が動くまで、エントリーを待つ。

2.
銘柄の選択やエントリータイミングを
ひとつひとつ丁寧に研究する。

3.
いざエントリーするときは、
潔く、思い切ってエントリーする。


全ての要素を、初心者のときと同じようにやることは
出来ないだろうし、出来る必要もない。

ただ、
「儲けるための要素」として、
たまに振り返ってみるのは、お互いにアリかも
しれないね。



さて、今回のレッスンは、ここまで。

今回は、あえて初心者の頃に戻って、
初心者が持っている「勝てる要素」を
考えてみた。

今回見てきた「勝てる要素」は、
実際に長くトレードをしていくうえでも
大切なことだ。


しかし、

初心者が持っている要素だけで
利益を出し続けることが出来るかというと
そうはいかない。

やはり、初心も忘れることなく
トレードの「心・技・体」を
追求していくことが必要になってくるよね。

これからも、
トレードで利益を出すためのエッセンスを搾り出して
伝えて行こうと思う。

一緒に、成長していこう。


今回も、手紙を読んでくれて、本当にありがとう。
いつも感謝しています。

ではまた、手紙を書きます。



空也

 

〔体〕 素うどんを味わうように、チャートを見る

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

前回のレッスンでは、初心者の時に
なぜか儲かることも多いという話をしたね。

初心者なのに、なぜ儲かることも多いのか?

それは、単なるビギナーズ・ラックというだけではなく、
初心者のときの行動には、儲けるための大切な要素が
含まれているから、という話だった。

初心者のうちは、真剣に、慎重に行っていた作業も、
株式の取引に慣れていくにしたがって
徐々に手抜きになってしまう。

だから、儲けが出にくくなってしまっている
ということもあるのは、間違いない。

お互いに気をつけたいところだよね。


ただ。

「初心者のうちは手を抜かなかったから儲けられた」
という理由だけでは完全には納得できないよね。

初心者の頃よりも、
今のほうが真剣に手を抜かずにやっていることも
たくさんあるし、知識や経験だって、
豊富になっているはず。

なのに、なぜか、初心者の頃より
自分が勝てるようになっている感じがしない。

むしろ、負けるときは
派手にドカンと負けるようになってしまっている。

なんていう悩みも、出てきているかもしれないね。


そう。

初心者のときよりも、今のほう勝ててない場合は、
単に「真剣さが足りない」という理由だけで
全ては答えることができない。

真剣にやっているのに、というか、
真剣にやっているからこそ、
ドツボにハマってしまっていることも、多々ある。

なので今回は、
「初心者の時よりも真剣にやっているのに、
 なぜか負けてしまう理由」
の、代表的な例をひとつ紹介しようと思う。

では、さっそく一緒に見ていこう。



「真剣さ・慎重さが足りない」
「手を抜いている」。

たしかに、初心者の頃よりは今のほうが
一つ一つの売買に関しては、真剣じゃないかもしれない。

でも、それは言い換えれば
「無駄な力が抜けている」
「自然体でトレードできている」
ということでもあるはずだ。

例えば、

車の運転免許を取りたての頃は、
ハンドルを持つ手も震えるくらい緊張し、
安全確認も、メチャメチャぎこちない。

それが、車の運転に慣れてくるにしたがって
片手でハンドルを握り、
スイスイ車線変更なんかもできるようになっていく。

いつまでも免許取立ての頃と同じように
運転していたら、体がもたないし、
かえって危ない運転にもなりかねない。

トレードも同じで、
「いつまでも初心者の頃と同じ
 真剣さ・慎重さで売買しろ!」
なんていうことが、ベストの姿勢かというと
そうでもない。

なので、
たとえ初心者の頃の方がパフォーマンスが
よかったとしても、
「じゃあ、これから初心者の時のように
 ガチガチに緊張してトレードしよう」
なんていう方向性は、間違っている。


では、どう考えればいいのか?

初心者の頃より、今のほうが儲けにくくなっていると
感じているのならば、
「真剣さが足りない」
のではなく、別の要因もあると考える、
というのはどうだろう?

別の要因があるとするならば、
答えはひとつ。

「真剣さ」のように、
初心者のときに「あった」ものが「なくなった」のではく、

初心者のときには「なかった」ものが、
今は「ある」から、儲けにくくなっている、
と考えるわけだ。

つまり、
初心者のときから、今までに蓄えてきた
知識や経験の中の何かが、
逆に君自身の足を引っ張っている、
と考えてみるのは、どうだろう?


知識や経験というものは、何事においても
非常に貴重なものだ。

しかし、貴重なものであると同時に
その知識や経験に縛られてしまうということも
同時に起こってしまうわけだよね。

株トレードにおいても、
蓄えた知識や経験に縛られる。

そして、行動すべき時に行動せず、
売買しないでいい時に売買してしまう。

そんなことは、けっこうありそうだよね。


ひとつ、特徴的な例を挙げてみよう。

株のチャートなんかは、非常に分かりやすい例の一つだ。

チャートというのは、いまさらだけど、
ある期間の始値・終値・高値・安値を、1本の
ローソク足で表現したものを、時系列に並べてある表だ。

いつ、どのような値動きがあったのかを見る上で、
非常に便利な表ではあるが、
本来は、それ以上のものでも、それ以下のものでもない。

「ある期間の始値・終値・高値・安値の連続体」

これが、チャートの、素の正体だ。


素のチャートには、本来トレンドライン
などというものはないし、
移動平均線とか、ボリンジャーバンドなんていう
テクニカル指標も、ない。

RSIが○%とかいうのも、
一目均衡表の雲がどうのこうの、ということも、
素のチャートには、存在しない。

なのに、経験や知識を蓄えていってしまうと、
「チャートには、トレンドラインや指標が
 あるのが当然」
なんていう風に思ってしまいがちだ。


たぶん君が始めてチャートというものを見たときは
どういう風に見ていいのか、分からなかった時も
あるだろう。

そこから、
「あー、上がっているときと、下がっているときでは、
 棒(ローソク)の色が違うんだー」
ということを知り、

「なるほどー。
 じゃあ、今は、この銘柄は、下がっているんだねー」
とか、
「この銘柄は、最近、ものすごい株価が上がったんだねー」
というように、シンプルに見ていた時期もあっただろう。


それが、だんだんと知識をつけてきて
「あー、このチャートは下がってきているけれど、
 移動平均乖離率から見ると、まだ買い時じゃないな」
とか、
「チャート上は上がってきていて、RSIも○%だから、
 そろそろ下がってくるかも」
なんて風に、分析をしだしたんじゃないかな?

そのうち、
「RSIもボリンジャーバンドも、もうこんなに
 下なのに、株価が上がってこないなんて、間違ってる!」
なんて、本末転倒のことを言い出しかねない。


いろいろな知識を積んだり、経験をすることは重要だ。

でも、
あまりにたくさんのフィルター、たくさんの色眼鏡をかけて
チャートを見ると、本質からかけ離れた見方を
してしまいかねない。

チャートは、本来は
「ある期間の始値・終値・高値・安値の連続体」
というものだ。

その、“素のチャート”を見て、分かることも
たくさんある。

もし君が売買を判断する時に、
判断に迷って混乱をしだしてしまった時には、
一度“素のチャート”に戻ってみるのも、いいかもしれない。

あまりにゴテゴテ、様々なトッピングが入っている
うどんよりも、素うどんのほうが美味しいときもある。

株価の“うまみ”の判別が出来なくなったときには、
“素チャート”を味わってみるのも、いいかもしれないよ。

“素チャート”を見て、素直に
「これは、上がるな」
と思えば買い、
「これは、下がっていくだろう」
と思えば、売る。

判断に迷ったときは、
一度試してみるといいだろう。


さて、今回のレッスンは、ここまで。

知識や経験は大切だけれど、
もし判断に迷ったときは、一度手放してみる、
という勇気を持つことも必要なことなのかもしれないね。

ま、株については偉そうに語っている私だけど、
私だってついつい知識や経験を手放せずに
苦しんでいることが、日常にはたくさんある。

知識・経験に縛られずに、
うまく活用できる大人になりたいものだよね。


今回も、手紙を読んでくれて本当にありがとう。

ではまた手紙を書きます。


空也

 

〔体〕 テクニカル指標が機能しないわけ

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

前回は、知識や経験を積み重ねることによって、
逆に儲けにくくなってしまうという事もある、
という話をしたね。

代表的な例として、株価チャートを見るときの
例を挙げてみた。

初心者のうちは、チャートの見方も分からず、
少し勉強すると
「この株は下がっている」
「この株は上がっている」
というくらいは、分かるようになる。

その“素”の状態でチャートを見たほうが、
分かることも多い。

なのに、私たちは知識や経験を積むと
「移動平均乖離率が○○だから・・・」
とか、
「RSI的には、○○だし・・・・」
と言ったように、
様々な「フィルター」「色眼鏡」で
見るようになってしまう。

もし、いくら売買しても利益が出なくなって
頭が混乱してきたときには、一度
“素のチャート”に帰ってみるのもいいかもしれないね。
なんていう話だったね。


と、こんな話をすると

「空也さん、じゃあテクニカル指標っていうのは、
 学べば学ぶほど、邪魔になる存在なんですか?」

「テクニカル指標は、勉強する必要ないんですか?」

なんて思うかもしれない。


確かに前回は、“素のチャート”に
一度戻ってみるのも いいかもしれないという話をした。

しかし、だからと言って
テクニカル指標には何の意味もないとか、
勉強するだけ無駄だ、なんていうことではない。

テクニカル指標というものは、
トレードの先人たちが、知恵を絞って
私たちにのこしてくれているもの。

私たちがトレードをする上で、
使い方を間違えなければ、
非常に強力な武器になってくれるものだ。

ただし、
使い方を間違えたり、誤った解釈をしていたり、
妄信をしてしまうと、とたんに「無用の長物」になってしまう。


なので、今回から数回に分けて
「上手なテクニカル指標との付き合い方」
を一緒に見て行こうと思う。

まず今回は、手始めとして、私が過去に
実際にやってしまった
「間違ったテクニカル指標との付き合い方」
を紹介しよう。

そしてさらにそこから、
「なんでテクニカル指標は、
 素直に機能しないのか?」
を説明していこうと思う。

テクニカル指標を、自分の武器にするか、
足を引っ張る存在にするかは、他ならぬ自分次第。

うまく付き合っていくための方法を
さっそく見ていくことにしよう。



さて。

たいていの株初心者は、
「世の中には、テクニカル指標というものがある」
ということを初めて知ったとき

「こんな魔法の数値があるなんて、すごい!!!!」
と狂喜乱舞し
「この指標さえあれば、儲けるのなんて簡単じゃないか!」
なんて思う。

少なくとも、私は狂喜乱舞した人の一人だ。
お恥ずかしい(笑)


ちなみに、私が初めて知ったテクニカル指標は、
「移動平均線」と「ゴールデンクロス」。

当時の私は、
「ゴールデンクロスさえ見れば、
 大金持ちになるのなんて、約束されたも同然だ!」
なんて、喜び勇んだものだ。

その後、私は当然のなりゆきで、
困惑と絶望に叩き落されたんだけれど、
君には、テクニカル指標に、どんな“初体験”があるかな?


私を襲った「困惑と絶望」は、
「ゴールデンクロスした銘柄なのに、
 指標どおりに騰がっていかない。どうして??」
という困惑。

そして、
「ゴールデンクロスの指標どおりに買っているのに、
 損が積み重なる」
という絶望だった。


そして、
「この“ゴールデンクロス”という指標は、
 もう古くなってしまっていて、使えない指標なんだ」
「じゃあ、今の相場でも機能する、
 “勝てるテクニカル指標”を探してみよう」
と考えはじめた。

この時点で、間違った思考回路だったんだけれど、
当時の私は、間違いに気が付くこともなく
「勝てる指標を探す旅」
を始めてしまったんだよね。

RSI、MACD、サイコロジカルライン、
ボリンジャーバンド、一目均衡表など、
メジャーなものも試したし、

ややマイナーなペンタゴンチャートや
一部の人しか知らないような指標も試してみた。

しかし、
いくら探しても、いくら試しても
私に確実な利益をもたらしてくれる
“魔法の指標”は、見つからなかったんだよね。


今から考えれば、当たり前の話で、
「なんでそんなことに熱心になっていたんだろう?」
とも思うんだけれど、当時としては本気だった。

そして、こんな「魔法の指標を探す旅」をしている人は、
私だけではなく、多くの人がハマってしまう罠らしい。

その証拠に、今でも「勝てる指標」を謳ったテキストは
世の中にたくさん出ているからね。


では、ここからは、
「なぜ魔法の指標を探す旅が
 間違った方向性なのか?」

そして、
「なんでテクニカル指標は、
 機能しないのか?」
という話をしていこう。


まず、
「なぜ魔法の指標を探す旅が
 間違った方向性なのか?」。

なぜといえば、非常にシンプルな答えだ。

世の中に、継続的に、確実に利益をもたらしてくれる
「魔法の指標」なんてものは、
存在しないからだ。

過去、今までにたくさんのテクニカル指標が
生み出されてきた。

しかし、どのテクニカル指標も
使っているうちに、どんどん機能しなくなって
くるという矛盾を抱えている。

さらに、そのテクニカル指標が
世の中に広まれば広まるほど、
どんどん機能しなくなっていくという
運命も抱えてしまっている。

もともと世の中に存在していない、
存在するわけもないものを探しても、
見つかるわけもなく、徒労に終わるだけ。

なので、
「魔法の指標探し」をするくらいなら、
もっと別の方向に力を注いだほうが
利益にはつながりやすい。というわけだ。


では、
「なんでテクニカル指標は、
 機能しないのか?」
という疑問に答えることにしよう。

それは、今までも何回か話してきたとおり
「買いと売りは、必ず同数となる」
という大原則だけで、ほとんど説明がついてしまう。


もし君が、ある銘柄に買い注文を入れたとする。
そして、その注文が約定したとすれば、
必ず、絶対、例外なく、
「売った人」がいるということになる。

株が約定して、出来高が発生するということは、
必ず「買った人」と「売った人」の両者がいるということ。

そして、その株数は常に同数であるということ。

当たり前すぎる話なんだけれど、
ついつい画面に向かって注文していたりすると、
意識しなくなっちゃったりするんだよね。

話を戻そう。

もし、本に出ているような指標が、
完璧に作用するとなると、誰の注文も
約定しなくなる。

例えば、
○日RSIが20%以下になると、
必ず、100%株価は反発するとしよう。

すると、株を買う側は
「絶対反発するから、買おう」
となる。

しかし、売る側とすれば
「持っていれば反発するんだから、
 今売る必要はナイや」
と考えて、売りを引っ込めてしまう。

結果として、売りはなくなり、
買い注文だけがある、という状態になってしまう。


ここまで極端な例じゃなくても、
広く知られたテクニカル指標は、必ず
「裏をかいて儲けよう」
とする人が出てくるため、
結局儲けられなくなってしまう。

「RSIが20%以下まで行くのは
 なかなか難しいから、22%くらいで買っちゃおう」
となり、今度は
「22%でも買いにくくなってきたから
 25%くらいでもいいか」
なんて人も現れる。

そして、さらに大きな資金を持っている人たちが
「RSIが20%以下になると反発すると思っている人が
 たくさんいるな。
 
 じゃあ、一度20%以下になった時に、
 大きく空売りをして株価を下げてやろう。
 
 そして、20%付近で買った人が、
 恐怖で買いポジションをぶん投げるタイミングで
 株価が安くなったのを見計らって買いポジションにしよう」
なんて考える人も出てくる。

結果として、だんだんRSIという指標自体が
「機能しなくなってくる」という事態になるわけだね。


これが、他の人にあまり知られていない
テクニカル指標ならば、多少はいいかもしれない。

しかし、もしそのテクニカル指標が、
しばらく機能し続けたのならば、
おそらく数万、数十万といる市場参加者のうちの誰かが、
その存在に気がつく。

そして、他のテクニカル指標と同じような運命を
たどってしまうということは、充分考えられることだよね。


そもそも、株価というものは、
様々なファクターで上がり下がりしているもの。

そして、売買をしているのは、人間。

大金持ちの、ほんのちょっとした気まぐれで、
株価は大きく変化してしまう。

そんな気まぐれな株価を、
完璧に予測できる指標なんてものができたら、
逆に恐ろしいことになるかもしれないね。


さて、今回のレッスンはここまで。

今回は、過去の私の
「間違ったテクニカル指標との付き合い方」
を見て、
「なんでテクニカル指標は、
 機能しないのか?」
なんていう話も見てきた。

全ての相場で、確実に機能する
「魔法の指標」
は存在しない。

「魔法の指標」を探すのに努力するよりも、
もっと別のことに力を注いだほうが
利益につながるだろう。


しかし、
「じゃあ、テクニカル指標なんて、意味ないじゃん!」
という話ではない。

なので、次回は、どうやってテクニカル指標と
付き合えばいいのか?
という話をしようと思う。

今回も手紙を読んでくれて、本当にありがとう。
ではまた、手紙を書きます。


空也

 

〔体〕 テクニカル指標との付き合い方

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

前回は、全ての相場で、確実に機能する
「魔法の指標」
は存在しない、という話をした。

テクニカル指標というものは、
機能すればするほど、知れ渡れば知れ渡るほど、
どんどん陳腐化していってしまうという
宿命を背負っている。

テクニカル指標を生み出すのは人間だし、
そのテクニカル指標の裏をかこうとするのも、
同じく人間だ。

トレードというものは、
人間がやっている行為なんだから、
その「いたちごっこ」は、市場が存在する限り
永遠に続くんだろうね。

では、
「だとしたら、テクニカル指標なんて
 無用の長物なんですか?」
「指標を勉強するのは、まったく無価値な
 ことなんでしょうか?」
となるかというと、そうではない。

素直に機能しなくなる宿命を背負っているとはいえ、
テクニカル指標は、とても大切なものだ。

ただし、
テクニカル指標を勉強するときに
「必勝法を探すため」
「ずっと利益をもたらす、魔法の手法をみつけるため」
なんていう風に考えながらでは、
その期待は裏切られ続けることになるだろう。

人間同士の付き合いだって
「私にだけ利益をもたらし続ける人はいないかしら」
と思っても、そんな人は いくら探しても現れてこない。

テクニカル指標も同じで、
テクニカル指標との正しい付き合い方がある。

今回は、その
「テクニカル指標との、正しい付き合い方」
を見ていくことにしよう。



ひさしぶりに、カードゲームのたとえから
話を進めていくことにしよう。

かなり乱暴なたとえになるけれど、
テクニカル指標とは、こんなものだということを
分かってもらうには、充分だろう。

では、ゲームルールの説明だ。

1.
ここに、1から100までの番号がふってある
カードが100枚あったとする。

2.
その100枚のカードの中から、
ランダムに1枚のカードが、まず抜かれる。
このカードの番号を見ることは出来ない。

3.
次に、もう1枚カードを引くのだが、
この、次に引かれるカードの番号が
50以下なのか、51以上なのかを当てる、
というゲーム。

4.
君は「50以下」なのか
「51以上」なのかを宣言して、
当たれば君の勝ち、外れれば君の負けとなる。

5.
ゲームは、1回勝負ではなくて、
100回、200回と続けて行うものとする。


つまり、100枚のうちから1枚抜かれた99枚。
その99枚のカードのうち、次に引かれるカードの番号が
50以下なのか51以上なのかを当てるゲームだ。

100枚のうちから最初に抜かれた1枚のカードの
番号を見ることは出来ないとしたら、
さて、君なら、どういう戦略をとる?

ちょっと考えてみて欲しい。


考えてみたかな?
考えてみたら、先に進んでみよう。

正直言って、どう考えても、戦略らしい戦略は
思いつかないと思う。

次に出てくるカードを予想する
ヒントになるものが、全くないからだ。

行き当たりばったりで
「50以下」
「51以上」
と賭けていくか、

ずっと
「50以下」か
「51以上」に賭ける、といったこと程度しか
思いつかないだろう。

しかも、それで勝ちにつながるわけでもない。


では。

少しルールを変えて、ひとつの条件が加わったらどうだろう?

ひとつの条件とは、
「最初に抜き取られた1枚の番号を見ることが出来る」
という条件だ。

これならば、多少の戦略が出てくるような気がしないかな?


もし、最初に抜かれたカードが、50以下の番号ならば、
残っている99枚のカードのうち、
50以下の番号は49枚。
そして、51以上の番号のカードは50枚あることになる。

逆に、最初に抜かれたカードが、51以上ならば、
50以下のカードが50枚、
51以上のカードが49枚 残っていることになる。

ならば、
「最初に抜かれたカードの番号が50以下ならば、
 “51以上”に賭ける」
「最初に抜かれたカードの番号が51以上ならば、
 “50以下”に賭ける」
という戦略を思いつくだろう。


確率から考えれば、非常に薄いロジックだ。

しかし、薄いロジックでも、
あるとないとでは大違い。

いつまでも暗中模索のまま、
100回も200回もゲームを続けるより、
多少でも「勝つ」ロジックがある方が
精神的にも楽だ。

「自分がどちらかに賭ける意味」
「賭ける意味に、一貫性がある」
ということが、どれだけ救いになるかは、
頭のいい君ならば、想像するのは難しくないだろう。


そして。

もうお分かりだと思うけれど、今回の例の
「見ることのできる1枚のカード」こそが、
テクニカル指標そのもの、ということだ。

前回も話したとおり、
「魔法のテクニカル指標」なんてものは
この世に存在しない。

あるのは、今回のたとえ話の
「1枚だけ見ることの出来るカード」
くらいの効能しかないものだ。

でも。
しかし。

その「1枚だけ見ることの出来るカード」のおかげで、
我々は自分のトレードルールというものを
持つことが出来る。

どんなに体調が悪かろうと、
どんなに不機嫌な朝だろうと、
他のことで頭がいっぱいになっていようとも、

ロジカルに、一貫したエントリーをして、
一貫した利益確定、損切りが出来る。

だから、
テクニカル指標とは、
「魔法を見つけるため」
ではなく、

「自分のトレードルールを一貫させるため」
に勉強して、付き合っていけばいい。


現実のトレードでは、
トレードルールに一貫性を持たせることは、
非常に意味のあることだ。

勘だけに頼って売買したら、
いつまでも勘しか武器にならない。

体調が悪かったり、年齢を重ねたりして
勘が鈍ってきたときには、もうおしまいだ。

しかし、
自分の一貫したトレードルールを持つことが出来れば、
体調が悪かろうと、
年齢を重ねて勘が鈍ろうと、
今までと同じトレードを再現してくれる。

さらに、
トレードルールを一貫させていれば、
「ここは、もう少しこうした方がいいな」
という改善をすることも出来る。

勘だけに頼っていたら、
勘を磨くくらいしか改善が出来ない。

改善に改善を重ねれば、
先ほどのカードゲームの例ならば、
「見ることの出来るカード」を
1枚ではなく、5枚くらいにまでは
増やせるかもしれない。

「改善ができる」
というポイントも、テクニカル指標というものが
あればこそなんだね。



さて、今回のレッスンはここまで。

「一貫性を持たせることが出来る」
「改善をすることが出来る」
という、非常に大きなアドバンテージを得るために
テクニカル指標というものは使えばいい。

「ダマシがあるから、このテクニカル指標は使えない」
と考えるのではなく、
「このテクニカル指標のおかげで、
 本来、なんのロジックもない市場で、
 一貫したルールを持つことが出来る」
「そして、ルールを改善させることが出来る」
と考えてみるのは、どうだろうか?


テクニカル指標は、その名の通り“指標”。

市場という大海原を航海しつづけるための
指標=コンパスとして付き合うのが、
お互いに最も幸せな付き合い方だろう。

今回も手紙を読んでくれて、本当にありがとう。

ではまた、手紙を書きます。


空也

 

〔体〕 指標を効果的に学ぶ、3つのポイント

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

前回のレッスンでは、テクニカル指標というものを
どのように捉え、
どのように付き合うのがベストか?
という話をしたね。

どんな時も、君に安定的に利益をもたらしてくれる
「魔法のテクニカル指標」
なんてものは存在しない。

存在しないし、そもそもテクニカル指標というものは
君に「魔法」を授けてくれるためにあるんじゃない。

テクニカル指標は、その名の通り“指標”。
市場という大海原を航海するためのコンパスでしかない。

しかし、その指標、コンパスがあるおかげで、
私たちは、一貫したトレードルールというものを
持つことが出来る。

そして、一貫したトレードルールの中から
改善点を見つけ出して、次のトレードに
活かすことが出来る。

指標に“魔法”を期待するのではなく、
本来の使い方をすれば、
君に最大限の恩恵を与えてくれるだろう、
という話だったね。

さて今回は、前回までの話を踏まえたうえで、

たくさんあるテクニカル指標を
どうやって、どこから学んで行けばいいのか?
という話をしよう。

君が効率的に利益を出していくために、
「テクニカル指標を学ぶ指標」を
一例として紹介する。

君の利益につながってくれれば幸いだ。
では、さっそく見ていこう。


さて。

テクニカル指標を学ぶ順番というのは、実に様々だ。

目に付いたものから学んでいく方法もある。
必要に応じて学んでいく方法もある。

広く、たくさんのテクニカル指標を
まずは学ぶ方法もあるし、
ひとつの指標に精通するという方法もある。

でも、
「学ぶ方法はたくさんのアプローチがある」
では、何の指針にもならないので、
今回は羅針盤として、ひとつの方法を紹介する。

「私は別の方法で学んだ」
という場合でも、参考になることはあるだろう。


今回紹介する方法は、
「自分のトレードスタイルから、
 必要に応じたテクニカル指標を絞って学ぶ」
という方法だ。

これまでのレッスンの手紙を読んできた
君ならば、漠然と
「トレードルールというのは、こんなものかな?」
といったイメージはあるだろう。
(もちろん、なくても焦る必要はないが)

なので、
君がイメージしているトレードルールのスタイルに
合ったものから勉強をしていけばいい。
という形にした。

たぶん、手紙という形では、
最も分かりやすい形だろうからね。


具体的には、以下の3つのポイントから
君に必要なテクニカル指標を絞っていこうと思う。

3つのポイントとは、

1.財務系指標 or トレード系指標?
2.トレンド系 or オシレーター系?
3.順張り系 or 逆張り系?


の3つだ。

いつものように、一つ一つを順に見ていくことにしよう。


まず、
「1.財務系指標 or トレード系指標?」
から見ていくことにする。

指標には、大きく分けて、
財務系指標とトレード系指標の
2つのタイプの指標がある。
(君にとっては、当たり前の話かもしれないが)

財務系指標の代表例としては、
PERとか、PBRとか、ROEなんていうものがある。

興味があれば調べてくれればいいが、要は
その銘柄の企業価値を分析するための指標だ。

その企業の持つ力が、どのくらいあるのか?

今の株価は、企業の持つ価値に対して
割安なのか・割高なのか?

というようなことをはかるための指標だ。

この指標は、今の株価は大切なものの、
今までの値動きがどうだったのか?とか、
前日に上がったのか下がったのか?
なんていうことは関係がない。

もっと長期的な展望、投資的なものの見方をする時に
効果を発揮する指標だといえる。


対して。
トレード系指標というのは、
移動平均線、RSI、一目均衡表と言ったものがある。

種類は色々だが、要は
その銘柄の値動きをはかるための指標だ。

今までの値動きの経緯はどのようなものなのか?

ある一定の期間中の株価と比べて
今の株価は安いのか・高いのか?

というようなことを見る指標。

トレード系指標は、
企業の価値や能力は関係ない。

値動き・株価の変化だけを見て、
ガイドラインにするための指標だ。

企業の能力は見ない指標なので、
短期的に値幅をとるための、まさにトレードのための
指標といえるだろう。


財務系指標とトレード系指標は、
性格を全く異にする指標だ。

ちょっと慣れてくれば、財務系の指標なのか、
トレード系の指標なのかはすぐにわかる。

指標の数値を算出するのに、
決算書に出てくる数字が必要なものは
財務系指標。


指標の数値を算出するのに、
チャートに描かれる株価だけを使用するのが
トレード系指標だ。



財務系指標とトレード系指標を
あわせて使用する投資・トレード手法も
もちろん存在する。

ただ、
はじめのうちは、混ぜて使用するのは
混乱するだけの場合が多い。

特に君は、短期的に利益を出したいと願う
「トレーダー志望」の人だ。

なので、
まずは「トレード系指標」に絞って
勉強すればいいだろう。

財務系指標は、君の余裕資金が
もっと増えてから深く学んでも、遅くはない。



次に。
「2.トレンド系 or オシレーター系?」
を見ていこう。

どちらも、先ほどの分類でいくと
トレード系の指標だ。

なので、“トレーダー”を目指す君には
どちらも必要な指標だといえる。

ただ、テクニカル指標としての性格が違うので、
その違いを、まずは把握しておこう。


トレンド系の指標は、
その名の通り株価の「トレンド」を見るための指標。

移動平均線などが、その代表例といえるね。

ある一定期間の株価の“方向性”が、
上昇トレンドなのか?それとも下降トレンドなのか?

ということを見るための指標で、
オシレーター系に比べると、
やや中長期で株価を見るのに適している。


対して、
オシレーター系の指標は、
株価の「値幅」「値動き」を見るための指標だ。

RSIなんかが、代表例なのかな?

ある一定期間の株価の“振れ幅”が、
大きいのか?小さいのか?

ということを見るための指標で、
トレンド系よりも短期的な株価を見ることが多い。


かなりざっくりと大ナタをふるった説明だが、
イメージはつかめたかな?

トレーダーである君は、どちらも学ぶ必要はあるものの、
まずは自分のトレードスタイルの時間軸、
(超短期なのか、短期なのか、中期なのか、など)で
最初に学ぶ指標を決めてもいいだろう。



最後に
「3.順張り系 or 逆張り系?」
を見てみよう。

順張り、あるいは逆張りという話は以前にしたが、
君はどちらのスタイルが好みかな?

両者とも、よく使われるテクニカル指標には差がある。
なので、その違いを見てみよう。


順張り系の指標というのは、
その名の通り順張りでよく使用される指標だ。

グランビルの法則、ゴールデンクロスなどは
その代表例といえるだろうね。

順張りをするためには、順張りに必要な
テクニカル指標を使う必要がある。
当たり前の話だね。


逆張り系の指標も、同じことで、
逆張りに使用される指標のことだ。

移動平均乖離率なんかは、代表例と言えるかもしれない。

順張り系と同じように、逆張りを行うためには
逆張りに適したテクニカル指標を選び、
逆張りに適した指標の使い方をしないと意味がない。


この、最後の「順張り系 or 逆張り系」に関しては、
「○○という指標は、必ず順張りだ」とか、
「△△は、必ず逆張りにしか使わない」ということはない。

例えば、ボリンジャーバンドなんかは、
使い方しだいで、順張りにも逆張りにも使える。

なので、自分のトレードスタイルに合った使い方を
マスターしていこう、という話になる。

これは、また近々 詳しく話していこう。



さて、ここまで見てきて いかがだっただろうか?

君の中に漠然とあるトレードスタイルを整理して、

1.財務系指標 or トレード系指標?
2.トレンド系 or オシレーター系?
3.順張り系 or 逆張り系?


という3つのポイントから
今の自分に必要な指標を絞り込んでゆく。

まずは無駄なく知識を吸収してから、
しだいに知識を広げていこう、
という考え方だ。

最初に言ったように、
学び方の道筋は、たくさんある。

たくさんあるが、早く利益を出すのに
最も効率的であろうと思う方法を
今回は紹介した。


もし君が、すでにある程度の種類の
指標を知っているのならば、
今回の3つのポイントにしたがって
知識を整理してみるのもいいだろう。

「これは財務系の指標だな」
「これはトレード系」
「こちらはトレンド系だけど、
 オシレーター系の性格も持っているかも」
「これは順張り系の指標だと思っていたけど、
 逆張りで使うことも出来るのかな?」
なんてね。

今回の話が、君の利益に結びつくことを
願っているよ。


今回のレッスンは、ここまで。

今回も手紙を読んでくれて、本当にありがとう。

ではまた、手紙を書きます。


空也

 

〔体〕 バカのひとつ覚えは、アリ?ナシ?

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

前回のレッスンでは、君が利益を出すために、
とりあえず、どのテクニカル指標から学べばいいのか?
という疑問に答える、ひとつのガイドを示した。

結論は、君がイメージするトレードルール、
トレードスタイルによって、
まず学ぶべき指標を絞り込んでみようという
ことだったね。

今回は、前回の話を補足する意味で、
さらに突っ込んだ、ある意味大ナタをふるった
テクニカル指標の学び方を一緒に見ていこう。

今回の話は、かなり偏りのあるやり方に
感じられるかもしれない。

ただ、今まで私が試してきたり、
他の人に教えてきた方法の中では、
最も利益に結びつきやすい方法だった。

なので、君も今回の話を叩き台にして、
君に最もフィットする勉強法を探る
きっかけにしてもらえると嬉しいね。

では、さっそく見ていこう。



さて。
前回の話で、まずは君のイメージする
トレードスタイル、トレードルールによって
学ぶ指標を選ぼうということを提案した。

自分が、財務分析をする投資家なのか?
値動きをとるトレーダーなのか?

中長期のトレンド・方向性を見るのか?
株価の振動を見るのか?

順張り派なのか?逆張り派なのか?

といったスタイルだ。


自分のスタイルとマッチしていない
指標から学んでも、実践には使うことはないので
やや無駄といえる。

また、この「学ぶ指標を選ぶ」という作業は、
自分のトレードスタイルというものを
自分の中で明確にできるという意味もある。

なので、そういう意味を踏まえた上で
学ぶ指標を選ぶという作業をしてみるのも、いいだろう。


イメージとしては、例えば
自分が料理人になる、と想像してみよう。

料理人にも、さまざまな料理の料理人がいる。

和食、中華、フレンチ、イタリアン・・・
様々な料理人がいて、それぞれ素晴らしい料理を
楽しませてくれる。

そして、
和食をつくる料理人には、和食を作る道具があり、
中華をつくる料理人にも、中華独自の道具がある。
フレンチでも、イタリアンでも同じだ。

「○○料理」という、料理のスタイルによって、
使う道具も異なってくる。

それぞれの料理を作るのに、最適な道具というものが
長い年月をかけて作られているからだ。

繊細な和食を作るのには、
中華包丁では難しいし、逆もまた難しい。

自分が ある料理の料理人になるためには、
自分が何の料理を作るプロになるか?
というスタイルを決めて、
そのスタイルに合った道具を揃えることになる。

トレードで使う指標も、
まったく同じことが言える。

例えば。

自分が超短期のデイトレードをして、
短期的な売買益を得ようと思っているのに、
会社の利益と株価の関係を見る、
財務系の指標であるPER(株価収益率)を使っても
効果的に利用することはできない。

順張りを自分のトレードスタイルにしようとしてるのに、
株価の行き過ぎをはかるテクニカル指標を
そのまま使っても効率的ではないだろう。

自分のスタイルを決め、
自分のスタイルに合った道具である
テクニカル指標を身につけたいものだよね。


さて、ここからが今回のレッスンの本題。

自分のトレードスタイルも、なんとなくは分かった。

そして、自分のトレードスタイルに合った
指標というものに、どんなものがあるのかも、
だいたい理解できたとする。

その後、どう勉強していくのが、
利益を出すために、もっとも効率的な
勉強法なんだろうか?

自分のトレードスタイルに合った指標は、
まんべんなく使ってみて、広く学んだほうがいいのか?

それとも、
たったひとつの指標だけに絞って
勉強を深めたほうがいいのか?


もちろん、考え方にはいろいろある。
いろいろあるが、君にオススメする方法は、
「たったひとつの指標に絞って勉強してみる」
という方法だ。

「空也さん、たったひとつの指標を覚えるだけだと、
 なんか 偏りが出てきませんか?」
「選んだ指標が、使えない指標だった場合、
 目も当てられない感じがするんですけれど」
と、君は思ってしまうかもしれない。

でも、
いままで何人かにトレードを教えてきたけれど、
まんべんなく指標を知っている人より、
バカのひとつ覚えで、たったひとつの
指標に精通している人のほうが、成長が早かった。

そして、成長が早かったのは、
ちゃんと理由があると思うんだよね。

その理由には、大きく2つある。


ひとつは、
「どのテクニカル指標も、
 まったく独立した考え方はしていない。
 なので、ひとつを深くマスターすれば、
 応用が楽になる」
という理由。

どんなに複雑に見えるテクニカル指標も、
基本的な考え方は、どこかで必ず共通点がある。

たとえば、
移動平均線に比べると、ボリンジャーバンドは
複雑な計算式を使っていて、
はじめは全く別の指標に見えるかもしれない。

でも、よく分解してみると、
基本的な考え方は、移動平均線と
ほとんど同じだったりする。

ひとつの指標に精通することができれば、
自分の中に「軸」「基準」というものが出来上がる。

その基準に照らし合わせて
「ここは、私の知っている指標と同じ考えだ」
「この部分だけを学べば、あとは応用できるな」
などという判断ができる。

新しいテクニカル指標を学ぶときに、
ひとつのテクニカル指標に精通できていれば、
自分の腹に落とすのにかかる時間を
大幅に短縮できるだろう。


もうひとつの理由。
こちらの理由のほうが、はじめのうちは大きい。

その理由とは、
「ひとつに精通すると決めた時点で、
 “魔法の指標探し”を始めてしまう
 愚を犯さなくなる」
というものだ。

例えば、君が
「まずは移動平均乖離率をマスターすることにしよう」
と決めたとしよう。

自分が
「移動平均乖離率に関しては、もうマスターした」
と感じられるまでは、決して他の指標には
目もくれないと決断をしたとする。

もし君が決断をしたとしても、おそらく、
移動平均乖離率をちょっと勉強して、
ちょこちょこ実践したところで、
すぐには利益を出せるようにはならないかもしれない。

そこで、普通は
「もしかしたら、“移動平均乖離率”という
 指標そのものが、よくないのかもしれない」
と考える誘惑に駆られてしまう。

ゴルフのドライバーの飛距離が伸びないのを
ゴルフクラブのせいにするのと同じように。

そして、私が一番はじめに
自分が儲からないのを、ゴールデンクロスのせいに
したのと、おなじように(笑)

しかし、
「絶対に、移動平均乖離率をマスターする」
と、決めていれば、そんな“指標探しの旅”に
出ることは、ない。

さらに深く深く、移動平均乖離率の
長所と弱点を追求するだけだ。


以前のレッスンで話したとおり、
テクニカル指標は、あくまでも“指標”“コンパス”だ。

「○○という指標なら儲けられるけれど、
 △△だと儲けられない」
ということは、まずない。
(よほどマイナーな指標を、君が選ばない限り)

なので、安心して指標を選び、
ひとつの指標を深く深く追求してみて欲しい。

選び方は、前回のレッスンで話した
自分のトレードスタイルにマッチしていさえすれば、
あとは君の直感でかまわない。

逆張りの短期トレードというスタイルならば、
RSIでも、W%Rでも、サイコロジカルラインでも
なにをはじめに学んでもいいだろう。

ただ、あまりにマイナーな指標から勉強するよりは
ネットで調べてすぐに情報が入手できるような
ある程度メジャーな指標から着手することを
オススメする。


「まずはひとつ」。
君のプロトレーダーのスタートは、
「ひとつ」からはじめてみては、いかがだろうか?



さて、今回のレッスンは、ここまで。

今回は、
テクニカル指標の勉強を進めるにあたって、
まずはひとつの指標をマスターしよう
という話をした。

料理人の世界でも、
まずはひとつの道具が使えることは
とても大切だろう。

包丁一本。
鍋ひとつ。

その、ひとつひとつを丁寧に
学んでいける人だからこそ、
プロ中のプロの料理人になれるんだろうと
私は思う。

君は、どう考えるかな?


今回も、手紙を読んでくれてありがとう。
ではまた、手紙を書きます。


空也

 

〔体〕 理解を深める、3つのレベル

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

前回は、テクニカル指標の勉強を進めるにあたって、
まずはひとつの指標をマスターしよう
という話をした。

ひとつのテクニカル指標をマスターすることによって、
自分の中にひとつの「軸」「基準」が出来上がる。

「軸」「基準」が出来上がってしまえば、
他のテクニカル指標を学ぶときには、
スピーディに、効率的に学ぶことができる。

そして、「軸」「基準」を作っている間は、
存在するはずのない“魔法の指標探しの旅”を
始めてしまう心配もなくなる。

という話をしたね。


今回は、前回までの話を伝えたことで、
やっと君に話せる話をしよう。

今回は、「テクニカル指標をマスターする」
ということがどういうことなのかを
君に伝えよう。

君が、テクニカル指標を学ぶ時の
ポイントにしてくれれば幸いだ。

では、早速はじめていこう。



テクニカル指標の勉強は、
大きく分けると3つのレベルがあると思う。

3つのレベルとは、
・頭で分かるレベル
・胸、ハートで分かるレベル
・腹で分かるレベル

の3つだ。
(この理解のレベルは、なにもテクニカル指標に
 限ったことでは、ないんだけれどね)

これだけでは、意味が分からないと思うので、
ひとつひとつ順を追って説明していこう。


まず。
テクニカル指標の勉強というのは、
どこから始まるか?というと、
「そのテクニカル指標の存在を知る」
というところから始まる。

たとえば、
移動平均乖離率ならば、
「テクニカル指標の中には
 “移動平均乖離率”というものがある」
と知るところから、学習スタートだ。

ま、当たり前だよね(笑)

そこから、
指標の概要を知り、
指標算出の計算式を知る。

さらに必要に応じて、どのような経緯で
そのテクニカル指標が生み出されたのかを
知ると、何かのヒントになるかもしれない。

そして、ここまでは、知識レベルの理解だ。

そのテクニカル指標について書かれた本を読むとか、
テクニカル指標について、ネットで調べれば
いくらでも情報が得られる。

そして、ここまでが先ほどの3つのレベルで言うと
「頭で分かるレベル」
ということになる。


まずは知識で、頭で理解できないと、
先に進むことができない。

この「頭で分かるレベル」をおろそかにすると
後で困ることになるので、
じっくりと得られるだけの情報を収集しよう。


特に大切なのが、そのテクニカル指標を算出している
計算式の理解だ。

どのような計算をして、指標が算出されているかを、
ちゃんと頭で理解しておかなければ、
最終的にマスターすることは、出来ないといっていいだろう。

計算式を理解せずに指標を使っているということは、
料理にたとえると、
「自分で料理を作っているのに、
 材料や調味料については、全く知らない」
というのと同じだ。

材料や調味料について理解しているからこそ、
おいしい料理も作れる。

砂糖が甘くて、塩がしょっぱいと知っているから、
料理を作るときに大失敗をしなくてすむ。

計算式を理解しているから、
テクニカル指標を誤って使うことなく
大損失を避けることができる、というわけだね。


テクニカル指標の中には、
単純な計算式ではなく、少々難解な式を使うものもある。

日常では使わないような、標準偏差とかね。

でも、もしそのテクニカル指標をマスターしたいと思うなら、
ちゃんと計算式の意味を知っておくことは大切なことだ。

もし、
「標準偏差とかは、ハードルが高い!」
と思うのならば、最初に学ぶテクニカル指標を
選びなおすという選択肢もある。

自分のものに出来る!と確信できる指標を選ぼう。



では、次に進もう。

「頭で分かるレベル」の学習が済んだら、
次は実践となる。

実際に少ない金額を使って運用をしてみるか、
運用をしているつもりになって、
学んだテクニカル指標と、実際の値動きを
照らし合わせてみるわけだ。

すると、
「あれ?勉強したとおりに機能しない!?」
とか、
「機能する銘柄やタイミングはあるけれど、
 機能しないものも、たくさんあるじゃん!?」
などと言った発見があるわけだ。

「頭レベル」で、机上の空論で理解してきた指標が、
機能したり機能しなかったりして、
君の感情を揺さぶるわけだ。

「あれ?」
「どうして?」
「ああっ!なるほど!」
「この場合は・・・?」

などと、疑問と発見を繰り返して、
知識・頭レベルの情報が、君の感情レベルでの理解に
落とし込まれていく。

ここでの理解のレベルが、第2のレベル
「胸、ハートで分かるレベル」
というわけだ。

シミュレーションを通して、
机上の空論では絶対に到達できなかった
理解レベルに、深く入っていく。

ここまできて、やっとそのテクニカル指標が
君のものになりつつある、と言えるだろう。


この「胸、ハートで分かるレベル」での注意点は、
現時点では あくまで学習であることを忘れないこと。

いきなり自分のトレード資金全額を使ったり
しないように。

学習のために、実際に売買してるつもりで
チャートを見るとか、
実際にエントリーするにしても、
小額のエントリーまでにとどめておこう。

理解をしないうちから大きな資金を入れるのは、
それはトレードではなく、破滅型ギャンブルだ。

多くの市場参加者が、この破滅型ギャンブルをやって
痛い目を見ている。

気をつけたいところだよね。



そして。

最後のレベルに到達したところで、
君はひとつのテクニカル指標について
マスターしたことになる。

そのレベルが、
「腹で分かるレベル」だ。

第2レベルである「胸、ハートで分かるレベル」を
繰り返していると、

そのテクニカル指標の持っている長所や弱点、
どんな時に機能しやすくて、
どんな時には機能しにくいかが分かってくる。

そして、
特に意識をしなくても、そのテクニカル指標に
基づいて売買が出来るレベルに到達する。

ここまでくると、完全に そのテクニカル指標は
君のものになったといえるだろう。

“君の腹に落ちた”
と言うわけだ。


この「腹で分かるレベル」と、
第2レベルの「胸、ハートで分かるレベル」には、
はっきりとした境界線は ないかもしれない。

ただ、今の自分が
「胸、ハートで分かるレベル」なのか、
「腹で分かるレベル」に到達したのかをはかる
目安みたいなものは、ある。

目安として、2つほど例を挙げておこう。


1つ目。

もし君が、あるテクニカル指標について
「腹で分かるレベル」に到達したならば、
そのテクニカル指標について、
自分の言葉で、弱点を説明できるだろう。

長所については、理解レベルの序盤に
けっこう説明が出来る。

テクニカル指標の説明なんかにも、
たいてい長所は書いてあるしね。

ただ、短所となると、
なかなか説明をしてあるものは少ない。

単に「ダマシが多い」なんてことが書いてあるだけ、
なんてものが多い。


もし君が、あるテクニカル指標を
「腹で分かるレベル」まで理解したのならば、
そのテクニカル指標の“弱点”を
君自身の言葉で、語ることが出来るようになるだろう。

「自分の言葉で」と言うところが重要で、
君の知識、経験、感情すべてに裏打ちされた言葉で
語れるようになったら、
君は そのテクニカル指標についての
マスターと言っていいだろう。


もう1つの目安は。

君が、なんのラインも引かれていない
“素のチャート”を見たとしよう。

ローソク足だけが並んでいる、
何の変哲もないチャート。

その“素のチャート”に、
だいたい、大雑把にテクニカル指標の
ラインが描けたり、数値が分かったりすれば、
それは「腹で分かるレベル」になったといえるだろう。


例えば移動平均線ならば、
“素のチャート”を見ていると、
ボーっと、5日移動平均線とか、
25日移動平均線がイメージ上で見えてくる。
みたいな感じ。

ここまでくれば、立派な変態・・・
ではなく、マスターレベルになったと
いえるだろうね(笑)

そのテクニカル指標を使って、
トータルで利益を出していけるのは
時間の問題だと言えるレベルになった、
と言い切ってしまって、いいかもしれない。



さて、今回のレッスンは、ここまで。

理解のレベルには、

・頭で分かるレベル
・胸、ハートで分かるレベル
・腹で分かるレベル


という、3段階のレベルがある。

日本語は素晴らしいね。
頭、胸、腹と理解が深まるにつれて、
どんどん「落とし込まれて」いく。
っていう表現があるんだもんね。


どのレベルもおろそかにすることなく、
順を追って理解をしていけば、
君はひとつのテクニカル指標のマスターに
なれるだろう。

そして、その努力の成果として
生涯、利益を出し続けることの出来る
トレーダーになっていける、というわけだ。

一緒に、頑張っていこう。


今回も手紙を読んでくれて、本当にありがとう。
ではまた、手紙を書きます。


空也

 

〔体〕 オギノ式避妊法を、トレードに活かす

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

前回は、テクニカル指標の理解を
段階的に はかる事によってマスターしていこう、
という話だったね。


理解のレベルには、

頭での理解、
胸・ハートでの理解、
そして、腹まで落とし込んだ理解

という3レベルがあることを説明した。

腹まで落とし込んだ理解をして、はじめて
ひとつのテクニカル指標をマスターした、
と言える。

テクニカル指標をひとつマスターすれば、
その努力の成果は、利益という形になって
君に報いてくれるだろう。

一緒に頑張っていきたいよね。


今回は、前回の話を踏まえたうえで、
「テクニカル指標をマスターしたうえで、
 次に考えてみること」
の一例を 君に伝えよう。

君がテクニカル指標をマスターした暁には、
今回の話を思い出してみるのもいいだろう。

君がすでに、なにかひとつのテクニカル指標に
精通しているのであれば、
今日の話をヒントにして、
新しいトレードルールを構築できるかもしれない。

では、さっそく見ていくことにしよう。



さて。

話は唐突だが、君は
“オギノ式”
っていうテクニックがあるのを、知っているかな?

いやいや、
これはトレードのテクニックではなくて、
避妊なんかに使われるテクニックなんだけれどね。


「なんだ?
 空也さん、どうかしちゃったのか?」

と思うかもしれないが、ちゃんとトレードの
話につながるので、続いて読んでみて欲しい。


“オギノ式”を簡単に説明をしよう。

“オギノ式”は、過去半年間の月経周期データから、
次の月経予定日を割り出し、その月経予定日の
12日~19日前の8日間を
「妊娠しやすい時期」とする、という方法だ。

なので、妊娠を避けるためには、
上記の計算で算出した8日間を避ければいい、
という避妊法だね。

避妊法としては、確実性に欠けるとか、
いろんな説があるんだけれど、
かなり昔から流布している避妊法のひとつだ。


しかし、

もともとこの“オギノ式”は、避妊法を作るために
生み出されたテクニックではない。

もともとは、子供が欲しいのに、
なかなか出来ないというご婦人方のために、
不妊治療の方法として編み出された知恵だ。

しかしどちらかというと“オギノ式”は、
不妊治療としての認知度より、
避妊法としての知名度のほうが高い。

妊娠したいという人より、避妊したいという人の方が
人数的にはニーズが高いせいかもしれないね。

いずれにしても、本来の目的のためとは、
まったく逆に利用されることのほうが多くなった。
ということのようだ。



ふぅ。
ここから、ちょっとずつトレードの話に戻していこう。

トレードで使うテクニカル指標の中にも
“オギノ式”と同じような経緯を持っている指標がある。

“オギノ式”と同じ経緯を持つ指標というのは、
ボリンジャーバンドのことだ。

ボリンジャーバンドという指標についての
詳しい説明は、ここでは省く。

簡単に説明すると、統計学からヒントを得て、
ジョン=ボリンジャーという人物が
開発したテクニカル指標のひとつだ。

ある一定期間の株価のばらつきが、
「通常よくあるもの」なのか、
「通常から飛びぬけている」のかをはかり、
その度合いをチャート上に、
上下の帯(バンド)として表示する、
というテクニカル指標。

現在では、株価の行き過ぎをはかる
「逆張り系」の指標として愛用する人も多い
メジャーなテクニカル指標のひとつといえるだろう。

しかし。

このボリンジャーバンドを考案した
ジョン=ボリンジャーという人物は、
このボリンジャーバンドを、はじめは
「順張り」のテクニカル指標として使うために
開発をしたんだよね。


「通常よくある」値動きから飛びぬけた株価ということは、
いわゆる順張りで言うところの「ブレイクアウト」と
同じ状態の株だ。

なので、ボリンジャーバンドを
ある一定の範囲で突き抜けた株を買えば、
そのまま上昇していくだろう。
という仮説を立てて、実際に運用をしてみたらしい。

ところが、まったくうまく機能しない。

機能しないどころか、買った株は、ことごとく
下落していくという悲惨な状態だった。

その結果(なのかどうかは、推測の域を出ないが)
ジョン=ボリンジャー氏は相場で破産している。

ことごとく機能しないのならば、
じゃあ逆に使えばいい、ということで
順張りの指標ではなく、逆張りの指標として
有名になってしまった、というわけだ。

「順張り」という本来の目的とは、
まったく逆に利用されている、と言えるだろうね。



さて、
今回のレッスンで、私が君に伝えたいことが
見えてきただろうか?

“オギノ式”も、“ボリンジャーバンド”も、
開発された当初の目的とは、全く逆の利用法で
現在は認知されている。

認知されているということは、
有用性を、多くの人が認めているという
何よりの証拠だ。

有用性があるのならば、本来の目的とは
まったく違う使い方をしても、
それは「間違った使い方」ではない。


そして、この逆に使っても良いという法則は、
今君が使っているテクニカル指標や
トレードルールにも当てはまる。


君の使っているテクニカル指標を、
一度リセットして見直してみて欲しい。

君がテクニカル指標をマスターしているのであれば、
通常 世間で言われているような使い方だけに
こだわる必要は、ない。

順張り系のテクニカル指標を、
逆張りに使ってみるのを試してもいいだろう。

短期の株価の振動を見るための指標を、
長期に転用できないかを考えてみるのも
大いに試してほしい。


君が作ったトレードルールにしても同じことだ。

売買すればするほど損が蓄積していくルールは、
売りと買いを逆転させれば
素晴らしいパフォーマンスを叩き出す
ミラクル・ルールになるかもしれない。

勝率が低すぎるルールは、
勝率の高いルールに生まれ変わらせることが
できるかもしれない。


ある程度のレベルに到達している必要は
あるかもしれないが、
既存の考え方を、あえて壊してみるのは
価値のある行動だ。

「○○という指標の使い方は○○じゃないといけない」
なんて考え方を一度壊して、
君自身の新しい使い方を研究してみるのも
とても大きな発見につながるかもしれないね。


さて、今回のレッスンはここまで。

いきなり“オギノ式”の話で
ビックリしたかもしれないけれど、
私が君に伝えたい内容は、伝わったかな?

はじめは、基本に忠実であることも大切だ。

大切だが、学んだ知識を、あえて意識的に壊したり、
離れてみたりすることも、同じように大切だ。

「トレードで利益を出す」
という目的を見失わずに、
学んだり、壊したり、離れたり、
試行錯誤を繰り返してみて欲しい。


今回も手紙を読んでくれて、本当にありがとう。
ではまた、手紙を書きます。


空也

 

〔雑記〕 象を知る。トレードを知る

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

今回は、ある本を読んでいたところ、君に伝えたくなった
たとえ話が出ていたので、一緒に見てみたいと思う。

いつもとちょっと趣向は違うけれど、
トレーダーとして学習を深めるということに
非常に的を得た内容だったので、
さっそく紹介することにしよう。



むかしむかし、あるところに
7人の盲目の男たちが住んでいた。

彼らは仲良く、協力し合いながら
生活を共にしていたのだが、
7人の全員が、他の人から見ると
ちょっと不思議な夢を持っていた。

その夢とは、
「象という動物が
 どんな姿をしているのかを知りたい」
という夢だった。

彼らは、象という動物が、
どのような姿をしているのか、
まったく知らなかった。

象という動物がいるらしい。
でも、姿はまったく想像できない。

いつか、象という動物を
深く知るチャンスがあったらいいな、
というのが、7人の男の夢だった。


そんなある日のこと。

男たちの住んでいた町に、
サーカスの一団がやってきた。

華やかな衣装、
楽しげな音楽、
見るものの心を奪うパフォーマンス。

サーカスの一団は、
あっと驚くような出し物を、
たくさん引き連れて町にやってきた。

そして、その中には
一頭の象も、いた。


7人の盲目の男たちは、
サーカス団が町にやってきたことを知ると、
「これは象を知るチャンスだ!」
とばかりに、サーカス団のテントまで足を運んだ。

盲目の男たちは、サーカス団の団長に、
自分たちが象を知りたいという夢を
持っていることを語り、
「ぜひ、象に触らせてくれないか」
と懇願した。

サーカス団の団長は、はじめは困惑したものの、
しだいに彼らの熱意を汲み取り、
「わかりました。どうぞウチの象に
 触ってください。
 ただし、それほど長い時間は割けません。
 7人同時に、ほんのちょっと触るだけなら
 いいでしょう」
と、象に触ることを承諾した。


7人の盲目の男たちは団長に感謝し、
団長は、象をつないでいる場所まで、彼らを案内した。

「では、どうぞ」

団長が7人の男を促すと、
7人の男は、いっせいに、思い思いに
象を触りだした。


ある男は、象の足を。

ある男は、象の尻尾を。

ある男は、象の胴体を。

ある男は、象の耳を。

ある男は、象の鼻を。

ある男は、象の牙を。

ある男は、象の額を。


「はい、そこまで!」
サーカス団の団長は、喜んで象に触っている
男たちには申し訳ないと思いながらも、
彼らと象を引き離した。

盲目の男たちは、団長に礼を述べながら、
家路についた。

帰りの道すがら、
男たちは興奮がさめやらぬ調子で、
象に触ることができた夢を語りだした。


ここからが、今回 君と共有したい話だ。


象の足に触った男が言った。
「象ってのは面白い動物だなぁ。
 まるで、柱のような動物だった」

それを聞くと、他の6人は不思議がり、
口々に反論を言い出した。

象の尻尾に触った男は、
「柱?いや、柱というよりも
 縄のようにグニャグニャした動物だったよな?」
と言い、

象の胴体を触った男は、
「いやいや、大きな壁みたいな動物だったぞ。
 とても大きな感じだ」
と、怪訝な顔をする。

そうかと思うと、今度は
象の耳を触った男は
「たしかに大きい動物だった。
 でも、柱とか縄とか壁というよりは、
 大きなうちわみたいな動物だった。
 私は顔をあおがれちゃったよ」
と、不思議そうに話す。

象の鼻を触った男は、
「いや、ホースみたいに、水を吹き出していたぞ」
と言ったかと思うと、
象の牙を触った男が
「硬い硬い、とがった棒みたいな動物だった」
と反論する。

しまいには、象の額に触った男が
「みんな おかしいんじゃないか?
 岩みたいに硬くてゴツゴツした感じの
 動物だったじゃないか!!」
と叫びだす。


7人の男たちが、全員違ったことを主張し、
それぞれ一歩も退かない。

反論、反論、また反論。

そして、最終的に
「君たちは、全員おかしい。間違っている!」
「そんな感性の君たちとは、もう一緒にすごしていけない」
と言って、全員がバラバラの道を進みだして
しまったとさ。



さて、物語は、ここでおしまい。

君は、どう感じただろうか?
君は、どの盲目の男の意見が正しいと思っただろうか?

「空也さん、どの男の意見も、ちょっと見当はずれですよ。
 象は象。一部分だけじゃ、偏っちゃいますよ」

と、思ったんじゃないかな?

私も、一部分だけ見たところで、
象がどんな動物かを語るのは、ナンセンスだなー
って思ったよ。


ただね。

この話は、非常に重要なエッセンスが
詰まっているな、と感じたんだ。

一部分だけ見て、全体を語ろうとしてしまうことって、
他の事で、けっこうあるんじゃないかな?
と、我が身を振り返っちゃったんだよね。

自分が「○○は、○○に決まってる!」と思ったら、
他の人の意見に耳を貸さずに、
自分が正しいと思い続けてしまうことって、
あるなー、って思ったんだ。


物語に出てくる、7人の盲目の男たちも
「もしかしたら、私とは違う
 別の見方があるのかもしれない」
と思って、相手の意見に耳を傾ける余裕があったら。

喧嘩別れせずに幸せに暮らせたばかりか、
「本当の象の姿」に、少しでも近づけたかもしれない。

私も、日常生活の中で、いろいろ気をつけないとなー
って思ったんだよね。


そして。

君も、
今までずっとトレードのレッスンを受けている中で、

「この考え方は、ちょっと空也さんが間違えて
 いるんじゃないかな?」
と思った部分もあるかもしれない。


そのように、君が思ったところがあったとしたら、
それは私の責任だ。

君の利益につながるように手紙を書いているけれど、
もしかしたら、私の勘違いなどもあるかもしれない。


さらに、
「前言っていた話と、今回の話、
 ○○の部分では、矛盾しているんじゃない??」
なんて箇所も、あったかもしれない。

それも、私の説明方法が下手なせいかもしれない。

君に最適な方法で伝えようとするあまりに、
かなり偏った見方で説明していることも
たくさんある。

なので、細かく見ていくと矛盾しているように
感じられる部分も、あるかもしれない。


私は、トレードという、「大きな象」を
君に説明しようとしている。

大きな象を説明するために、これからも
「象は柱だ」と言ったかと思えば、
「象は縄だ」「壁だ」「うちわだ」「ホースだ」と
いろいろ言うだろう。

他のトレーダーとは、全く逆の話もするかもしれない。

その中で、君はこの手紙をうまく使って
「なるほど、トレードというものは、
 そんな見方もあるんだね」
「トレードという、大きな象を
 そんな風に表現することもできるんだね」
と、大きな視点で見てみるといいかもしれない。


私の話を聞き、他のトレーダーの話にも耳を傾ける。
そして、最終的に君自身の手でトレードという
「大きな象」の全体像を捉えてもらえれば幸いだ。

今回も手紙を読んでくれて、本当にありがとう。
ではまた、手紙を書きます。


空也

 

〔雑記〕 自分専用の秘書をもつこと

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

日々やるべき事に追われながらも、
トレードの勉強を継続してくれてありがとう。

トレードの勉強に限らず、日々やっていることって、
人に話すと大したことはなくっても、
実際やっている側としては、
時間も労力もかかって、大変なことが多いよね。

特に、これから年末にかけて、
やるべきことは多いのに、なかなか思うように進まない、
なんてことは、増えてくるかもしれないよね。


なので、

今回から数回に分けて、
トレードの話をちょっと離れて、時間を効率的に使う
いくつかのテクニックを紹介しようと思う。

お金とか、体力とか、人脈とか、
他の資源は、個人によって多い/少ないがあるけれど、
時間だけは誰でも1日24時間というのは、変わらないからね。

大統領でも、やることが全くない暇な人でも、
君も、私も、1日は24時間。変わらない。

その24時間の中で、何をどのくらいやるか?
どのような24時間を積み重ねるかで
人生は決まるといってもいい。

もし君が、本当にやりたい事をやる
時間を作れないまま日々をすごせば、
いつの間にか年齢だけを重ねてしまうこともあるだろう。

でも逆に、
やらなければいけない細かい作業を
チャッチャと終わらせて、
本当にやりたい、やる必要のある大切なことに
時間を使うことが出来たら、
今よりももっと豊かな人生を生み出すことも自由自在だ。

お金を得ることも大切。
そして、自分に与えられた時間を、
どのように使うのかも とても大切なことだ。

君のかけがえのない時間を、もっとも輝かせるために、
一緒に学んでいこう。



さて。

まずは、ちょっとイメージをしてみて欲しい。

世の中には、いろんなジャンルに同時に挑戦しながら、
挑戦した分野すべてで
成功を収めるような人って、いるよね。

大成功とまで行かなくても、
あれも、これも、それも、どれも
たくさんのことを同時にやりつつ、
パワフルに活躍している人って、いるよね。

社会的に脚光を浴びる人物で、
たくさんのことをこなしている代表例といえば、

たとえば大統領とかは分かりやすいし、
大人気の芸能人、タレントなんかも、
ドラマやバラエティーやCMや雑誌のインタビューとか、
「どこにそんな時間があるの!?」
なんていう大活躍をしている人もいる。

会社の経営者とかも、様々な業務をこなしながら
外部業者との打ち合わせや銀行との折衝をやり、
自分の会社の行く末を見据えながら頑張っている方も多い。

彼ら彼女らは、時間をうまく使っている
分かりやすい代表例と言えるだろうね。


では。

今、例に出したような人たちと、
私たち一般的な人たちの、一番大きな違いを
生み出しているものは一体何なんだろうね?

時間をうまく使うという意味において、
大統領、大人気の芸能人、会社の経営者にはあって、
我々には、ないもの。

もちろん、要因はひとつではないだろう。
頭の回転の良しあしとか、判断能力とか、
その人 個人の持っている能力も、あるかもしれない。

でも、物理的なものもある。
時間をうまく使っている人が持っていて、
時間をうまく使えていない人は持っていないものが、ある。

両者の違いを分ける、大きな存在の一つに、私は
「秘書・マネージャー」の存在があると思う。


秘書は、時間に追われる才能ある人たちが、
もっとも効率よく時間を使うことができるように
やるべきことを整理し、
スケジュールを組み、
段取りを考えてくれる。

そして、
一日のオンタイムが始まった時点で
「本日の予定は、
 *時**分から*時**分までは、○○。
 *時**分から*時**分までは、△△。。。」
と、やるべきことをまとめておいてくれる。

専属の秘書を持っている人は、
「今日は、いつ、どこで、どんなことを
 しなければいけないのか?」
ということを、考える必要は、ない。

少なくとも、今日何をするかを考えながら
今日という一日を過ごす必要はない。


我々一般人は、どうしても
「今日は、何をしようかな」
「今日は、何をしなくちゃいけなかったんだっけ?」
と、考えながら行動することも多い。

やるべき事を考えながら行動をするという私たちと、
行動する時は、やるべきことが決まっていて、
やるべき事自体は考えなくていい人との違いは大きい。

忙しい人が、たいてい秘書を雇っているという事実から
考えても、秘書の存在は大きいと言えるんだろうね。


ただ、

「そうかー、秘書が雇えると、
 それだけ時間が効率よく使えるのかー」
「いいよなー、秘書が雇える身分の人はー」

なんて話で終わってしまうと、
明日からの君の活動には、なんの役にも立たない。

ここで、
「早く秘書が雇えるくらい、大金持ちになろう!」
なんていうつもりもない。

今回伝えたいのは、もっと別の話だ。


今回伝えたい話というのは、

「君にも、有能な秘書を無料で使うことが出来る」

という話だ。

今回紹介する有能な秘書は、何の引継ぎもしないまま、
君のスケジュールを完璧に把握してくれる。

そして、どんな有能な秘書でも、
君とのコミュニケーションミスや手違いなどで
スケジュールを間違ったりすることはあるが、
今回紹介する秘書は、君とのコミュニケーションミスを
絶対におかさない。

さらに、君との相性もバッチリだし、
柔軟に対応もしてくれる。
プライベートに差し出がましいことを
言うこともない。

そして、素晴らしいことに
報酬に対する文句も、決して言わない。
君が解雇するまでは、永遠に君に従ってくれる。

必要なものは、ただひとつ。

君との打ち合わせのために
1日20~30分の時間を必要とするだけだ。

どうだい?
ちょっとは興味をもってくれたかな?


では、もったいぶらずに紹介しよう。

君の専属秘書!
それは、「君」だ。

君自身が、君の専属秘書になる。
どう?
絶対にミスコミュニケーションを起こさないだろ?


「なーんだ。空也さん。
 結局、自分のスケジュール管理を自分でやるって
 そういうことですね」
と、君はがっかりしたかもしれない。

たしかに他の人から見ると、そうなんだけれど、
今回紹介をする方法は、若干ニュアンスが違う。

ちょっと分かりにくいかもしれないけれど、
君の中に、もう一人の人格を作り出すような、
そんなイメージだ。


君の中には、すでにたくさんの人格が存在していると思う。
例えば、
「会社員」
「○○さんの恋人」
「父」「母」
「夫」「妻」
「○○の趣味を持つ趣味人」
そしてもちろん「トレーダー」。

君が「会社員」であるときには、
会社員として相応しい振る舞いをしているだろうし、

「恋人」であるときは、「会社員」の時とは
別の振る舞いをして、
会社員であるときとは別の言葉を使っているだろう?

そんな君のたくさんの人格の中に、
「君自身の秘書」
という人格を、ひとつ増やしてみて欲しい、
という提案だ。

「君自身の秘書」は、自分のボスである「君」の
スケジュールを管理するために、
毎日数十分、ボス(君のことだ)と打ち合わせをする。

そして、打ち合わせの時以外は、
ボスに「これから何をするんだっけ?」
と考えさせないように、明日の詳細なスケジュールを
作成する。

当日、ボスが実際に行動をするときには、
ボスは自動的に行動するだけにしておくのが
「秘書」の務めだ。


ちょっと分かりにくいかな?

君が、君自身の中にいる「秘書」と
打ち合わせて、綿密なスケジュールを作成する。

当日を迎えたら、
君は「秘書」が作成した綿密なスケジュールどおりに
業務をこなしていく、というイメージだ。


「なんか、いまいちピンと来ないなー」
と思っているかもしれないけれど、
君は以前、自分の中の「秘書」を使ったことがあるはずだ。

いつ?

と思っているかもしれないが、
たとえば、前々から予定をしていた旅行なんかの時だ。


考えてみれば、
今まで行った事のない土地に、
普段は使わないような交通手段を使って、
分刻みのスケジュールで観光をして、
無事に戻ってくる、というのは、けっこう大変なことだ。

たとえば、唐突に
「明日から4泊5日で、グァムに行ってきて」
と言われて、君は充分に満喫して帰って来れるだろうか?

グァムに慣れていれば可能かもしれないけれど、
もし初めてグァムに行くなら、満喫するのは
ちょっと難しいよね。

旅行をするときには、君は
「君自身の秘書」と綿密な打ち合わせをして、
スケジュールを組み立てて行動をしているはずだ。

そして、そのスケジュールのおかげで
充分楽しい旅行にすることができるという
効果も、すでに体験していることと思う。


なのに、
なぜか毎日の生活の中では、とても効果的な
「秘書」を使わずに、行き当たりばったりで
行動してしまっている人も多い。

せっかく君の中に、君にとって世界一有能な秘書が
住んでいるんだから、使わない手はない。

使い方は、とても簡単だ。


やるのは、一日の終わりがいいだろう。

まず、自分が自分の秘書になったつもりになる。

そして、手帳(なければ、ただの紙でもいい)を開き、
明日やるべき事を整理する。

普通に手帳を使っている人は
「○時から会議」とか、
「○時まで営業」程度のことは書いてあるかもしれない。

でも、それでは「秘書」失格だ。

君自身という手ごわい「ボス」が満足できるような
出来る限り精密なスケジュールを作らなければならない。

何時に、どこで、どのような作業を
どこからどこまで進めるのか?

何時には、誰と会い、どのような話をするのか?
そこで求められている結果は何なのか?

「ボス」に質問をされたら
すべてスラスラと答えられるように、
完璧にスケジュールを作っておくことが必要だ。

当日、「ボス」が、どんなにボーっとしていても
目的の時間に、目的の場所で、目的の成果を
あげられるように。


そして、全てのスケジュールが確認できたら、
君は「秘書」から「ボス」になる。

「ボス」の厳しい目で、
本当に最も効率的なスケジュールに
なっているのかを確認する。

「ボス」の人格である君は、確認するだけでいい。
スケジュールを実際に作るのは「秘書」の
仕事だからね。

そして、このスケジュールでいいだろう、
ということになれば、あとはぐっすり眠ればいい。


ま、ちょっとしたゲーム、お遊び感覚で
はじめはやってもらえばいいと思う。

毎日やるのが面倒くさければ、
「明日は忙しい一日になるぞ」
と思った日だけでもいい。

一度、試してもらえば、効果は分かってもらえるはずだ。

「やることを考えながら行動する」のと、
「やることは全部決まっていて行動する」のが、
これほど違うのか!?
と、驚いてもらえることと思う。

ぜひ、忙しい時に試してみて欲しい。



さて、今回のレッスンは、ここまで。

今回は、トレードの話ではなかったけれど、
忙しくなる君に、最良の時間を送ってもらいたいと思い
このような内容にした。

次回も、もう少し時間管理について話したいと思う。


今回も、忙しいところ手紙を読んでくれてありがとう。
ではまた、手紙を書きます。


空也

 

〔雑記〕 やるべき事をやっている内は、豊かになれない

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

前回は、通常の株のレッスンをちょっと変えて、
“時間の使い方”について勉強したね。

我々は、
スケジュールを考えたりまとめたりすることと、
行動することを、
ついついごちゃまぜにしてやってしまいがちだ。

でも、それでは効率的な時間を使うことが出来ない。

スケジュールを組み立てるときは、
スケジュールを組み立てることに集中する。

そして、行動するときは、行動だけに力を注ぐ。

そうすることによって、
時間も効率的に使えるし、本来の能力を充分に発揮できる。

なので、
スケジュールを組むためだけの自分の人格、
「秘書」を自分の中に作ってみよう、
という話だったね。

いつものレッスンの内容にも言えることだけれど、
特に前回の話は、聞いているだけとやってみるのとでは
実感が全く違うことだと思うよ。

まずは、ほんのちょっとでもいいので、
実行に移してみる、というのをお勧めするよ。


さて、今回も前回に引き続いて、
時間をうまく使うコツを話そうと思う。

年末に向けて、本当に
忙しくなってきているであろう今の時期。

本当は、この手紙を読む時間をとるのも大変だと思う。

そんな中、この手紙を読むことを選んでくれている君に
なるべくゆったりとした時間も作ってもらえるように
頑張ってコツを伝えていこうと思っている。

では、早速はじめよう。



君は、毎日忙しく過ごしていると思う。

「いやいや、時間は、けっこうもてあましているよ」
なんて思っている時もあるかもしれないけれど、
現代に住んでいる以上、やっぱり忙しい時も
たくさんあるはずだ。

少なくとも、数世代前の君と同じ年齢の人と
今の君を比べたら、今の君のほうが忙しい日々を
送っているのは、間違いない。

現代は、意識してスケジュールを管理しないと、
自然と、すぐに忙しくなってしまう
時代なのかもしれないよね。

そんな忙しい現代に生きる中、
どんな風にスケジュールを組むのが
ベストなんだろうね?

例えば、
予定が入ると、あんまり考えなしに
開いている日程に予定を入れてゆくとか。

やるべき事を頭で思い浮かべて、
優先順位の高いものから順番につめてゆくとか。

「いつが予定開いてる?」
と聞かれると、つい
「いつでもいいよ」
と言ってしまい、相手の都合に合わせて
スケジュールを決めてしまうとか。
どうだろうね??

ま、いろいろだけれど、
今、例に出したような方法は、
あんまり戦略性を感じられるものではないよね。

やることがたくさんあるのだから、
やはりスケジュールは、戦略的に組み立てた方が
よさそうだ。


では、戦略的にスケジュールを立てるためには
どのような方法をとればいいのか?

まずは、とても効果があって
すぐに実践で試せる方法を紹介しよう。

その方法とは、
「やらないことを決める」
ということだ。
詳しく説明しよう。


「やらないことを決める」。

これは、非常に効果の高い方法なんだけれど、
あまりやっている人を見たことがない。

具体的に見ていった方がわかりやすいと思うので、
例を出して見ていこう。

まず最初は、予定を立てる時に、
「やるべき事」のリストを作る。

例えば、
「○○の資料をまとめる」
「△△に営業に行く」
「××について、□□と打ち合わせ」
「銀行に行って、振込み」
などといった仕事上のことから、

「○○さんに、誕生日祝いのメールを出す」
「両親に電話する」
「△△の本を読む」
という、プライベートに関することまで。
なるべく細かいことまで出したほうがいい。

ポイントはこの後だ。

普通は
「優先順位に従って、スケジュール帳に
 書き込んでいく」
となるかもしれないけれど、
今回紹介する方法は、ちょっと違う。

「やるべき事」を書いたら、今度はその中で
「やらない事」を決めるんだ。

「いやいや空也さん。
 全部やるべき事だからリストに
 書いたんじゃないですか。
 やらない事なんて、ひとつもありません」
と、君は反論するかもしれない。

でも、
本当にそうだろうか?

君が望んでいる目的を、一度振り返ってみて欲しい。

それはお金持ちになることかもしれないし、
豊かな人間関係かもしれないし、
健康かもしれないし、
君の夢につながる活動かもしれない。

そんな、君が望んでいること。

作ったリストに書かれている項目は全て
君が望んでいる目的に、つながっているだろうか?

もし、君が望んでいる目的ではないことが
「やるべき事」に入っているのならば、
そんなことに君の労力と貴重な時間の
多くを割いてはいけない。

もちろん、全部が全部
君が望む目的につなげるのは難しいかもしれない。
付き合いとか、社会的義務もあるからね。

でも、出来る限りの時間とエネルギーを
君が望む方向に使わなかったら、
いつまでたっても君の望む方向には人生は進まない。

アメリカに行きたいと思っているのに、
いつまでたってもアメリカ行きの船や飛行機に
乗らなければ、永遠にアメリカには到着しない。

お金持ちになりたいと思っているのに、
いつまでたってもお金持ちになるために
時間とエネルギーを使わないのならば、
永遠にお金持ちになることはない。

当たり前の話だよね。

なので、
自分の望む目的に照らし合わせて
「やるべき事」の中から、勇気を持って
「やらない事」を選ぶんだ。

「やった方がいいこと」なんて、
あふれかえっている。

「やった方がいいこと」を順にやっていっても、
いつまでたっても終わることは、ない。

それよりも、あえて
「やらない事」を選ぶ。

そして、君の望む目的に合った活動を
とことん集中してやる。
その方が、効率的だ。

勇気が必要な作業だが、
自分の望む目的を明確にしながら、
どの項目を「やらない事」にするかを、考えてみて欲しい。


できただろうか?
では、次に進もう。

自分の望む目的に合っていない
「やらない事」を選んだら、
次に「やらない事」の処置を考える。

そのまま「やらない事」を放置すればいいのか?
今は やらないけれど、いつかは やるのか?
誰か、他の人にやってもらうのか?
やったことと同じ効果のある、他の方法を試すのか?

いろいろだけれど、
「やらない事」を決めて、処置を考えて、
その処置を実行する。

そして、その後やっと本来の
「やるべき事」に着手をすればいい。


はじめのうちは、「やらない事」を決めて
実際にやらない、という事に抵抗があるかもしれない。

「やらない事」を決めるのも、
慣れないと、けっこう難しい問題だしね。

ただ、このやり方を学べば学ぶほど、
君の時間の使い方は、どんどんうまくなっていく。

さらに、「やらない事」を決める、というのは、
非常に主体的な生き方につながるので、
人に左右されないで、豊かな人生を送ることにも
つながる。

私の知っている、時間の使い方がうまい
億万長者たちは、全員がこの
「やらない事」を決める、という事に長けている。

みんな 自分が選んでやっていることは様々だけれど、
自分が「やる事」「やらない事」を、明確に分けているから、
豊かになっていけるのかもしれないね。


君は、

人から色々用事を言いつけられて、
その用事に反応しているうちに年をとり、
人から用事を言いつけられなくなったら
何をしていいか分からなくなってしまう人生も選べる。

逆に、

自分で自分の望む方向を決め、
「やる事」「やらない事」を自分自身の意志で決め、
年をとっても、いつまでも主体的に
活動して豊かになっていく人生も選べる。

どちらも、悪い人生ではない。

でも、もし君が後者を望むのであれば、
どんな小さなことでもいいので、
「やらない事」を決めてみる、ということを
お勧めするよ。



さて、今回のレッスンはここまで。

時間を効率的に使う、というと つい
「いかに多くの事を短い時間でこなすのか?」
と考えがちだ。

でも、豊かな人たちの発想は、まるで違う。

「いかに多くの事を短い時間でこなすのか?」
ではなく、
「いかに、自分がやらない事を増やすのか?」
を考える。

はじめは、簡単なことではないかもしれない。
でも、チャレンジしてみる価値のあることだ。


何かをやる前に、ほんのちょっとの間だけでも、

「これは、自分の望む方向にマッチしているかな?」
「自分がやらないとなると、他にどんな方法あるかな?」

と考えるだけでも、だいぶ違うと思う。

君が、君の望んでいる時間を過ごせることを願って。


今回も手紙を読んでくれて、本当にありがとう。
ではまた、手紙を書きます。


空也

 

〔雑記〕 忘れがちだけど大切な、1つのスケジュール

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

前回は、時間の使い方ということで、
「やらない事」を決める。という話をしたね。

私の周りにも、君の周りにも、いつも
「やった方がいいこと」
「やるべき事」
っていうのは、あふれている。

たいていのことは、やらないよりも
やった方がいいに決まっている。

でも、自分が望む方向、自分が望む将来のために
本当にやらなければいけないことというのは
実は限られている。

「やった方がいいことを、いかにたくさんやるか?」
というアプローチでは、豊かな人生を送ることは
できない。

豊かな人生を送っている人の多くは、
「自分がやらなくていいことを、いかに増やすか?」
という事に力を注いでいる。

そして、本当に自分が望む将来のために
やるべき、数少ないことに全力を傾ける。

だから、他の人には到達できない、
豊かさを味わうことが出来る。

君のイメージする、いわゆる「お金持ち」も、
あくせく働いているイメージよりは、
のんびりしているイメージじゃないかな?

なので、君も「やるべき事」を考えるのではなく、
「やらない事」を勇気を持って決めて、
時間を有効に活用してみたらどうだろう?

という内容だったね。


今回も、引き続き時間の使い方の話だ。

前回の話もそうだが、今回の話も
私だけのオリジナルの話ではない。

私の周りにいる、時間的にも経済的にも豊かな人たちが
実践をしている方法だ。

君のインスピレーションになることを願って、
今回もスタートしよう。


さて。

前回の話で、君の望む将来のために
やる事というのに、力を傾けるのがいい。
ということは理解してもらえたことだと思う。

君の望む将来は、どんなものが揃っているだろう?

経済的に困ることがなく、
自由に何でも買えるという将来かもしれない。

君が大好きな、素晴らしい人たちに囲まれて、
愛情に満ち溢れた毎日を送ることも含まれていることだろう。

さらに、いつまでもエネルギッシュで、
若々しく、心身ともに健康に活動できることも
大切なことだろう。

さらに、自分自身のやりがいとか、
こうなったらいいな、という夢を持って、
夢に突き進む時間も、とても素晴らしいことだよね。

どれも素晴らしいことだし、
君には、全てを手に入れる権利も能力も価値もある。

なので、
君の望む将来のために、日々やることを
決めていってくれるのが、もっとも良いことだろう。


その上で。

けっこう忘れがちな、もうひとつの大切なことを、
君のスケジュールに組み込んでいって欲しい。

充実した、豊かな人生を送るために必要なことなのに、
かなり成功した人でも忘れがちな、ひとつのこと。

それは、
「空白の時間」
だ。


ビジネスやトレードをバリバリこなし、
多くの人たちとの楽しいひと時を過ごし、
ジムに通ったり食事に注意したりして健康を保ち、
自分の夢を追いかけている。

そんな充実感を求めすぎていると、
あれもこれも全てをやりたくなってくる。

そして、空いている時間はもったいないとばかりに
スケジュール帳の空欄には、どんどん
予定を詰め込んでいく。

たしかに、それはそれで充実した人生かもしれないけれど、
私が考える「豊かな人生」とは
少し違っている部分もある。

全てのことを充実させるために頑張ることは大切だ。

しかし、それと同じくらい大切な時間が
なにもしない「空白の時間」だと、私は考えている。

表面的には何もしていないように見える時間にこそ、
無意識の中では、今までの考え方を整理し、
新しいことを始めるためのエネルギーを蓄えている。

「無意識下のエネルギー蓄積」なんていう、
大それた何の目的が無かったとしても、
寝る時間以外に、ひとりでボーっとする時間は
とても大切だと思う。

とは言え、
前回も話したとおり、現代に生きている限り、
流れに任せていたらどんどん予定があふれてきて
しまいがちだ。

なので、
「空白の時間」は、意識して作る必要がある。


いろんな予定を入れた後、たまたま空いていた時間が
「空白の時間」ではない。

むしろ、スケジュールを組み立てるときに
まっさきに「自分の空白の時間」を
手帳に書き込むのだ。

例えば、
「水曜日の夕方から夜にかけては、
 自分の空白の時間にする」
とか、
「毎月第3土曜日は、
 丸一日空白にする」
と決める。

そして、「空白の時間」と決めた
スケジュールに関しては、
他のスケジュールと同様、
「すでに予定が入った時間」として扱う。

友達に飲みに誘われても、
残業を頼まれても、
別の用件が入りそうになっても、
「もう、予定が入ってしまっているから」
と言って、断る。

そして、自分の
「空白の時間」を愉しむのだ。

もちろん、他の用件のほうを
優先させなければならない事態も起こる時はあるだろう。
それは、他のスケジュールの時と同様だ。

家族と遊園地に行くと決めていたのに、
仕事になってしまうこともあるかもしれないのと同じように、
空白の時間と決めていたのに、
別の用件に時間を割かなければならないこともあるだろう。

でも、
仕事になったら、別の日に家族と遊園地に行くのと同様に、
他の用件が入ったら、別の日に「空白の時間」を設ける、
というくらい、「空白の時間」を大切にするんだ。


「空白の時間」を意識的に持つことで、
君の人生の質は、格段に上がる。

余った時間を空白の時間とするのではなく、
意識的に「空白の時間」を作る。

これも、主体的に人生を生きるための
とても大切な、ひとつのやり方かもしれないね。


さて、今回のレッスンは、ここまで。

時間の使い方というと、
どうしても「詰め込み方」だと
思ってしまうことが多い。

でも、
前回のレッスンは
「やらない事」を決めるという話だったし、
今回は
「空白の時間」を作るという話だった。

「詰め込み方」と対極にある考え方が、
いろいろ私が試した中で、
もっとも効果的な「時間の使い方」だったんだよね。


トレードでも、時間の使い方でも、

他の人がやらないこと、
他の人とは別のアプローチをすることが、
他の人は感じられない豊かさを感じる
ひとつの秘訣なのかもしれないね。


今回も手紙を読んでくれて、本当にありがとう。

ではまた、手紙を書きます。


空也

 

〔雑記〕 脳の再起動時間を短縮する

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

前回、前々回と、年末に向けて「時間の使い方」を
話してきたけれど、君の参考に なっているかな?

「実行するとなると、なかなか難しいです」
という君の気持ちは分かる。

分かるので、まずは出来る範囲で、
出来るところからはじめるのが
もっとも良いかもしれないね。

前回、前々回と話した
「やらない事を決める」と言ったことや
「空白の時間を、意識して作る」と言うことは、
いきなりやってみよう!と思っても、
ちょっとハードルが高いと感じることも
あるかもしれない。

なので、
今回は、今日からすぐに始めることの出来る
時間の使い方の、ちょっとしたコツを伝えようと思う。

今回の話は、今までやっていることに、
ちょっと変化を加えるだけで実行できることなので、
とっつき易いはずだ。

年末に向けては、とっつき易いところから始めて、
本格的な時間管理については、来年から始めてみる、
というのも、良いかもしれない。

では、早速始めていこう。



君は、何か作業をして、それを一旦切り上げようとする時、
どんなタイミングで終えることにしているかな?

非常にシンプルな具体例をあげてみることにしよう。

例えば、
何かの問題集を解いているというシチュエーションに
してみようか。
(まぁ、君が最近問題集にとりかかることは
 少ないかもしれないけれど)

その問題集には、
1ページに必ず10問の問題があるとする。
そして、1ページ10問の問題が、100ページ
あるとしよう。

とても1日で終えられる分量では、ない。

この問題集を、数日かけて
全問やりとげるとなったら、
きみはどんなやり方をするだろうか?

最初のページから始めようが、
最後のページから始めようが、
それは君の自由だが、いずれにしてもコツコツ
やり続けなくてはいけないよね。

で。

今回 注目して欲しいのは、
とりあえず、問題集を中断する時に、
どんなタイミングで切り上げるか?というところだ。

君なら、どんなタイミングで切り上げることにする?

「うーん、空也さん。
 そりゃあ まあ、とりあえずキリのいいところで
 やめると思いますよ」

「例えば、10ページやったら、やめるとか、
 そんな感じだと思います」

と、いうことが、多いんじゃないかな?


この問題集のたとえじゃなかったとしても、
「とりあえず、キリのいいところまではやろう」
っていう風に考えることって、けっこう多いんじゃないかな?

とりあえず、資料を作成するところまで。
とか、
とりあえず、第1章までは本を読んでしまおう。
とかね。


でも、

時間をうまく使うという意味においては、
この「キリのいいところまで」というのが、
けっこうハマりやすい“罠”だったりするんだよね。


そもそも、
なんで次の日も継続してやることになっている作業を、
「キリのいいところ」で終わらせる必要があるんだろう?

それは、自分の中で、なんとなく
「やり残している感」があると、
モヤモヤするから、とか、

昔から親に
「キリのいいところまでは、きちんとやりなさい」
といわれ続けてきたから、
なんていう、あいまいな理由でしかない場合が多い。

でも、
継続する作業を一旦中断するときには、実は
「キリのよくないところ」でやめる方が、
実は効率がいい。


君も、実体験上でなんとなく分かると思うけれど、

一旦やめていた作業を再開して、作業を継続する際に、
最も時間とエネルギーがかかるのは、
「再開して、作業の波に乗るまで」
だったりしたことは、ないかな?

一度ノッてきてしまえば、サクサク進められる作業も、
中断していた作業を再開し始めの時って
なんとなく億劫だったり、

「あれ?どんな風にやればよかったっけ?」
「どんな流れだったかな?」
と、確認するのに時間がかかったりすることって、
あるよね?

それは、君の脳の中で
「この作業は、すでに終了したもの」
と認識しているから。という理由が大きい。


いわゆる、キリのいいところで作業をやめてしまうと、
君の脳は、「ふぅ、作業終了」と認識してしまい、
その作業について考えることを、完全にやめてしまう。

パソコンに例えると、完全にシャットダウンして
電源を切ってしまった状態になる。

完全に電源を切った状態から、また作業を開始するためには
電源を入れなおして、パソコンを起動しなおさなければ
ならない。

君の脳も、まったく同じことだ。

脳が作業を再開するためには、
「脳の再起動」をして、今までの経緯を
思い出すという、隠れた作業をしなおさないといけなくなる。

これが、けっこう時間のかかることだったり
するんだよね。

なので、出来る限りこの「脳の再起動」に要する時間を
短くすることが出来れば、相当効率が上がる。

そして、
この、脳の再起動時間を短縮させる方法が、実は存在する。

それが、作業をあえて
「キリのよくないところでやめておく」
と言う方法だ。


最初に話した問題集の例ならば、
10ページとか、キリのいいところで問題をやめるのではなく、

たとえば、11ページの3問目の、そのまた途中で
あえて「本日は終了」とするのだ。

「せっかくキリのいいところでもやめられるのに、
 キリのよくない、しかも問題の途中でやめるんですか?
 なんか気持ち悪いな。。。」
と、君が思ったのならば、このテクニックは成功だ。

このテクニックのキモは、
「モヤモヤした感覚を残す」
ところにある。

この「モヤモヤした感覚」こそが、
脳がシャットダウンしていない状態の証拠だからだ。

脳をシャットダウンさせるのではなく、
すぐまた作業を再開できるような「スリープ」状態にしておく。

これが、脳が再起動するまでの時間を短縮して、
今までの経緯を瞬時に思い出せるようにしておくコツだ。



この「モヤモヤ感を残す」という方法を巧妙に使っているのが、
テレビドラマだ。

連続シリーズもののテレビドラマは、必ず
「キリのいいところ」では、終わらない。

何か新しい事件が発生したり、新しい登場人物が出たり、
「これから、また何か起こるかも!?」
と、視聴者を期待させておいて、
「次回に続く」となる。

何も、最後の3~4分で新しい事件を発生させなくても、
新しい登場人物を出さなくても、
その回のドラマを終了させるように作ることは
可能のはずだ。

なのに、あえて番組の製作者は、視聴者に
「モヤモヤ感」を残すような形に
ドラマを区切っている。

1回1回のドラマだけでは ない。
途中のコマーシャルに入る部分でも、
ほとんどの場合、「モヤッ」とした部分で区切って
コマーシャルに入る。

なぜ、そのようなモヤモヤした作りにしているのだろうか?

答えは簡単だ。

答えは、
「ドラマを継続して見てもらいたいから」
「コマーシャルの間に、チャンネルを変えられたくないから」
だ。

あえて「モヤッ」とした部分を残しておいて、
視聴者である我々を、
「次を見たい」という気持ちにさせておくわけだ。

そして、物語が再開したら、
すぐに物語の続きに感情移入できるように
作られている、というわけ。

昔から、同じような作りで番組が作られている、
ということは、それだけ効果が高いということでもある。


ならば、

その効果をドラマ制作者だけに使わせておくことはない。

君の、普段の生活でも、うまく利用してしまおう
という話だ。

継続しておこなう作業については、
「キリのいいところ」ではなく、
あえて「最もキリの悪いところ」で中断する。

すると、
「脳の再起動」のための時間が大幅に短縮され、
すぐに作業の波を取り戻すことが出来る。

ぜひ試してみて欲しい。
効果の大きさに、きっとびっくりすることだろう。



さて、今回の話は、ここまで。

今回紹介した話は、どんな場面でも使えるが、
特に読書の時とか、
長期間一定の作業を繰り返す時などには
絶大な効果を発揮する。

「キリのいいところ」
ではなく、
「最もキリの悪いところ」
が、君の時間を効率よくしてくれるなんて
何か不思議な話だよね。

固定観念に縛られることなく、
いろいろ試してみると言うのが正解、という
ひとつの証拠とも言えるだろうね。


今回も手紙を読んでくれて、本当にありがとう。

ではまた、手紙を書きます。


空也

 

〔技〕 1,000万円と3億円の、どちらを選ぶ?

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

前回までは、時間の使い方ということで、
トレードとは直接的にはつながらないように見える
話をしてきた。

実際のところは、時間の使い方もうまくなれば、
その分トレードの学習にも活かせるので、
まったく無関係、という話でもないんだけれどね。

どんな話も、どんな内容の知恵でも、
トレードに活かそうと思えば、なんでも活かせる。

一見関係のなさそうな話でも、
「この話は、今の自分に置き換えると
 どんな価値を生み出すだろう?」
なんて考え出すと、色々なアイディアが生まれる
こともあるだろうね。


とはいえ、
トレードがうまくなりたいから手紙を読んでいる君に、
トレード以外の話ばかりをするのも、
またおかしな話だよね。

なので、今回からはまた、
しばらくトレードの話に戻りたいと思う。

今回から数回に分けて、
“トレード資金”について話していこうと思う。

とかく、トレード資金は多い方が圧倒的に有利だ、
と思ってしまうことが多いけれど、
実はトレード資金が少ないからこそ
恵まれているものも、ある。

我々は、外国人機関投資家などから比べれば、
手元にあるトレード資金は、スズメの涙だ。

しかし、少ない資金だからこそ、
有利なポイントを考えてトレードをしていくことが
大切になってくる。

では、早速始めていこう。



まず。

仮に、君が あるお金持ちから依頼されて
トレードをやることになったとする。

その時、君の雇い主であるお金持ちが、
運用資金について、2つの選択肢を
君に提示したとしよう。

運用成績を、年利回りのパーセンテージで
評価される
としたら、
君なら、どちらの運用資金を選択する?

A.運用資金、1,000万円
B.運用資金、3億円



さて、君なら、1,000万円運用と、
3億円運用の、どっちを選ぶ?

「そりゃ空也さん、資金が多くあれば多くあるほど、
 稼ぎやすいに決まってますよ」
「だから、みんな“B”の3億円を選ぶに
 決まっているじゃないですか」
と、思ったかな?

たしかに、資金が潤沢にある方が、有利な面も多い。

一度に多くの銘柄に仕掛けることも出来るし、
精神的にも、トレード資金に余裕があるのは
心の余裕にもつながるからね。

でも、私だったら、この条件だったら、
A.の1,000万円を選択して運用する。


ちょっと、ひっかけ問題みたいな感じに見えるかな?
でも、落ち着いて考えると、この2つの選択肢だったら、
A.の1,000万円を選択する方が、
私には有利に思える。

理由を見ていこう。


まず大前提として、
評価方法が「実際に儲けた金額」ではなく、
「年間の運用利回りのパーセンテージ」である
と言うところが大きい。

仮に、年間で30%の利回りを目標にしたとすると、
A.の1,000万円では、300万円稼げば良いのに対して、
B.の3億円では、9,000万円以上を稼がなければ
評価が同等以上にならない。

これは、かなり厳しいハードルのように思う。

「いや、空也さん。
 同じ30%の年利回りだったら、
 ハードルは同じなんじゃないですか?」

と思うかもしれないが、実際の市場の売買の現場では、
表面上の数字からは分からないこともある。

分からないことの代表例としては、
この3億円という金額の「中途半端さ」だ。


株で儲けるためには、
安く株価を買って、高く売り抜けるということが必要だ。

その、安く買って高く売るためには、
大きく分けて
「株価の流れに乗る」
という方法と、
「株価の方向性、流れを自分で作って売買する」
という方法がある(らしい)。

多くの一般投資家/トレーダーは
「株価の流れに乗って」利益を出そうとするのに対して、
機関投資家などのメインプレイヤーたちは
「株価の方向性、流れを自分で作って」利益を出そうとするらしい。

では、3億円の運用資金の場合は、
どちらの戦略を基本にすればいいのだろうか?

「3億円」という金額は、たしかに非常に大きな金額だ。
しかし、1日の売買代金が1兆円もあったりする
株式市場の中では、かなり「半端」な金額であるともいえる。

我々一般投資家/トレーダーからすれば大きな金額だが、
株価の方向性に大きな影響を与える、機関投資家などの
「メインプレイヤー」からすれば、
3億円は、大した金額ではない。

3億円という運用資金で、
株価を自分で吊り上げたり、方向性を決めたりして儲けるのは
まず無理と言えるだろう。

なので、3億円という資金で
「株価の方向性、流れを自分で作って」利益を出す道は
閉ざされていると考えていい、と言える。


では。
自分で株価の方向性を形成できないならば、
株価の流れを読み、その流れに乗って
利益を出す必要があるのだが、
今度は3億円という金額が、足を引っ張る可能性がある。

「え?なんで?
 金額多いのが、なんで足を引っ張るんですか?」
と、君は思うかもしれない。

でも、売買の大原則である
「売り方と買い方がいて、始めて売買が成立する」
ということから落ち着いて考えれば、すぐに分かることだ。

1,000万円を使って買った株が値上がりした場合、
その株を売却しても、売買代金がある程度ある銘柄ならば
それほど大変じゃないだろう。

しかし、仮に3億円をひとつの銘柄に投下した場合、
よほどの流動性がある銘柄でも、
株価に影響を与えないわけには、いかない。

買うときは自分で株価を上げてしまって買うことになるし、
売るときは、自分の注文が株価を引き下げてしまうことも
非常に多くなるだろう。

もちろん、エントリーする銘柄を分散させれば、
重大な株価への影響は防げるかもしれない。

しかし今度は、そんなに都合よく
自分のエントリールールに見合った銘柄が
たくさん出てくるかというと、そうでもなかったりする。

自分の注文が株価に影響をほとんど与えずに、
エントリーに最適な銘柄に、常に無理なくエントリーするためには、
3億円という金額は、なかなか難しい金額である場合が多い。


株価の方向性を作るには少なすぎる金額で、
株価の流れに常に乗り続けるためには、やや多い金額。

「帯に短し、たすきに長し」
と言える金額に、私には思えるかな。

なので、一番最初の
A.運用資金、1,000万円
B.運用資金、3億円

の、年利回り勝負ならば、A.の1,000万円を
選択して、私は売買をすると思うよ。


もちろん、
3億円を選択して、3億円をうまく運用できる
トレードルールを作ることも可能だろう。

また、市場全体の大暴落→反発などの
大きな動きがある時には、大量の資金で
たくさんの銘柄を買いまくる方が有利になる時もある。

ただ、
トレードルール作成の難易度は
1,000万円を運用するルールのほうが作りやすいだろう。

さらに、いつおこるか分からない暴落を期待して
3億円をチョイスするのは、「トレーダー」ではなく、
暴落が起きるか起きないかに賭けている「ギャンブラー」
と言えるだろうからね。

やっぱり、選択肢としては、A.の1,000万円かな、
となる。


さて、今回のレッスンは、ここまで。

まず今回は、トレード資金について、
多くの人が考えている、
「資金が多ければ多いほど
 有利なことばかりだ」
という勘違いを、一度立ち止まって再考してみた。

トレード資金が多ければ多いほど有利、
とは一概に言えないのかもしれないな、
と、君が気づいてくれれば幸いだ。

次回は、もう少しトレード資金について
突っ込んだ話をしたいと思っている。

今回も、手紙を読んでくれて、本当にありがとう。
ではまた、手紙を書きます。


空也

 

〔技〕 大きな運用資金がもたらす弊害

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

前回は、トレードをする際の運用資金について
普通疑いもしない
「運用資金は、多ければ多いほど有利」
という考えを、再考してみた。

確かに運用資金が多ければ有利な
側面もあるのも事実だ。

利益は、期待値と売買回数と
運用資金によって決定するからね。

しかし、だからといって
有利な面ばかりかというと、そうでもない。

資金が多ければ、多いなりの
問題も出てくる。

なので、もし1,000万円の運用と
3億円の運用で、年利回り競争をするのならば
私だったら1,000万円での運用を
チョイスするね、という話をした。


まぁ、実際は
私たち個人トレーダーは、年利回りの
パフォーマンスを競争することは、まずない。

自分の運用資金の金額を、
どれだけプラスに出来るかが
もっとも興味のあるところだよね。

なので、
今回は、実際に私たち個人トレーダーが
現場で運用する場面において、
大きな資金を持っているがゆえに出てくる問題を
見てみようと思う。

君は、
「今のところ、自分が運用しているのは
 大した金額じゃないから、あんまり関係ないや」
と思っているかもしれない。

でも、本気でお金持ちを目指しているのならば
今のうちから
「大きな金額を扱うようになると、
 こんなことも考える必要があるんだ」
と対策を考えておくほうがいい。

さらに、今回の手紙を読んで
「大きな金額を扱っている人は
 こんなことを考えるんだ。
 ならば、それをどうにか今の自分に利用できないか?」
と考えることによって、君の明日からのトレードの
大きなヒントになるかもしれない。

どんな知識も、どう使うかは
自分自身の選択にかかっているわけだもんね。

では、本題に入っていこう。



さて。

実際の株式市場というトレード現場で
売買をする場合、まっさきに気になる数字は
「今、いくら儲かっているのか?
 損をしているのか?」
という“金額”だと思う。

かなりトレードの経験が深い人でも、
真っ先に、直感的に
「何%儲かっているのか?
 何%マイナスなのか?」
という“割合”で考えるよりも、
“金額”を先に考えるトレーダーのほうが
多いんじゃないかな?

金額で考えるのは、別に悪いことじゃないんだけれど、
運用資金が大きくなったときに、いつも
“金額”だけで考えていると、
メンタル的にしんどい場面にも出くわすことになる。


例を挙げて説明しよう。

たとえば、今 君が1,000円の株を
100万円分買ったとしよう。
ちょうど1,000株だね。

その場合、もし株価が1円騰がって
1,001円になった場合、
君の資産は+1,000円になる。

もし株価が買値より1円下がっても、
-1,000円。

このくらいならば、精神的にも
グラつくことはないだろう。

もし買値より10ティック、
10円下がったとしても
-1万円なので、
許容できる範囲の損失じゃないかな?


では。

今度は同じ1,000円の株を
1億円分買ったことにしよう。
(手数料や、実際の売買板に与える影響などは
 今は、考えなくていいことにしよう)

1億円分なので、10万株。

1円騰がっただけで、10万円の利益に
なるわけだ。

そして、もちろん、株価の気まぐれで
1円下がっただけで、10万円の損失が
出てきてしまう。

もし10円下がったら、
それだけで100万円の損失だ。


割合、パーセンテージで考えれば、
100万円分買ったときも、
1億円分買ったときも、
1,000円から1円動くと0.1%の
利益/損失になる。

しかし、目の前で10万円刻みで
利益と損失が行ったり来たりするのを、
1,000円の利益/損失と
同じように見ていられるかと言うと、なかなか難しい。

「空也さん。資産が1億円もあれば
 10万円のプラスマイナスなんて
 屁でもないんじゃないんですか?」
と、君は思うかもしれない。

でも、自分が精神的に許容できるリスクと、
保有資産は、別の話だ。

たとえば、君がいきなり明日から
今の100倍の資産を運用できるとして、
今の100倍の利益額/損失額が出る状況になったとしよう。

利益のほうはともかく、
今の100倍の損失額が出るかもしれないという状況で、
今とまったく同じ気持ちでトレードできるだろうか?

たとえ保有資産が増えていたとしても、
君の脳や無意識は、すぐには適応しきれずに
同じ精神状態ではトレードできなくなる可能性が高い。

保有資産と、その人が許容できるリスクは全く別の話で、
精神的に許容できるリスクは、
様々な経験によってしか広げることはできない。


なので、

運用資金が大きくなればなるほど、
今度はメンタル面のコントロールがより難しくなる、
という問題が発生する。

心の底から
「10万円のリスクでも、
 100万円のリスクでも受け入れる」
という精神状態にならなければ、
大きな資金を運用して、
継続した利益に結びつけるのは
難しいと言えるだろうね。



大きな資産を運用する問題は、
精神面だけではない。

トレードルールを作る際にも、
大きな資金は「大きなハードル」という
皮肉を生み出してしまいがちだ。


例えば、
「○○という条件に合致した場合、
 翌日の寄付きで成行注文する」
というルールを作ったとしよう。

検証の段階では、
作成したトレードルールで
素晴らしいパフォーマンスをあげていることが
確認できたとする。

「よし!
 このルールを使えば、
 爆発的に利益をたたき出せるぞ!」

と思ったのもつかのま。

運用資金が大きいと、検証どおりの
パフォーマンスが出ない事が、非常に多い。

なぜならば、
自分の資金が、株価を自分の不利な方向に
動かしてしまうからだ。

買うときは、株価を引き上げてしまい、
売るときは、株価を引き下げてしまう。

結果として、
検証であがってきたようなパフォーマンスには
とても届かない、残念な結果になってしまうことも多い。

「成行注文だから、株価を不利に
 上げ下げさせちゃうんじゃないの?
 じゃあ、指値にすれば大丈夫なんじゃない?」
と考えることも出来るが、そうなると今度は
売買板に自分の大きな指値注文が表示され、
他のトレーダーに無言の圧力となってしまう。

そこまで行かなくても、
自分の指値の順番に届かなくて、
ポジションを持ちたい銘柄が買えなかったり、
買えても、自分が注文した株数全ての注文が
約定しなかったりと、検証とズレることが多い。

保有資産が大きければ大きいほど、
トレードルール作成時点の検証と、
実際の運用とのズレが大きくなってしまう。

結果として、
ベストの検証結果ではない、
大きな運用資金でも運用可能なルールに
「下方修正改造」をしなければならないことも多い。

難しいところだよね。



今回のレッスンは、ここまで。

今回は、大きな資金を持っていると発生する問題のうち、
精神的な面をひとつと、
技術的な面をひとつ紹介した。

「大きな資金=圧倒的有利」
ではないことが、前回と今回で
理解できたことだと思う。

とはいえ、
「○○は問題だ」
「△△は有利とは言えない」
と言う話だけをしていても仕方がないので、

次回は、少ない資金を運用する時のメリットと、
実際にどのように運用するのがいいのか?

という話をしていきたいと思う。


今回も手紙を読んでくれて、本当にありがとう。

ではまた、手紙を書きます。


空也

 

〔技〕 小さな運用資金を活かす戦略

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

前回、前々回と、大きな運用資金をもっていると
起きる可能性のある弊害を見てきた。

大きな資金があるということが、
圧倒的に、いつでも有利になるかと言うと
実は そうとも限らないと言うことを
発見できたね。

大きな資金を運用するとなると、
自分で株価を不利に動かしてしまわないように
運用するための努力が必要だったり、

大きく保有資産が上下することに耐えるために
強靭なメンタルが必要だったりと、
必要になることが増えるわけだ。

我々はついつい大きな資金を持っている
機関投資家や、一部の外国人投資家を
うらやましく思ったりすることもあるけれど、
実は、我々には分からない、大きな悩みも
抱えているのかもしれないね。


さて、今回は、前回までの話を受けて、
今度は小さい運用資金を、どうやって運用すれば
最大限にメリットを活かすことが出来るのか?
ということを、一緒に考えていこう。

少ない運用資金には、
少ない運用資金なりの
ベストな運用方法があるのだろう。

資金が少ない時にベストである方法で
資金を増やして、大きな資金を作り、
大きな資金で運用する方法に移行していくのが
理想的な運用方法だよね。

では、さっそく見ていくことにしよう。



さて、前回までの話で見てきた、
大きな資金で運用する際のデメリット。

このデメリットは、裏を返せば
「小額資金で運用する際のメリット」
に出来るものが あるかもしれない。

大きな資金が足かせとなっている
デメリットなんだから、
資金が小さくなれば、そのデメリットは消え、
メリットだけが残る。ということになる。

まずは、デメリットをひっくり返すことで
メリットに出来ないかを探ってみよう。


では、前回までに見てきたデメリットは
具体的には どんなものだったかを、
改めてみてみることにしよう。

具体的には、

・ちょっとの株価変動で、自分の資産が大きく動いてしまう
 という、精神的な負荷が大きいこと。

・自分の注文が株価を動かしてしまい、
 自分に不利な売買しか出来なくなってしまう。
 さらに過去検証とのズレが大きくなってしまう。
 という実質的なデメリット。

という、精神的、実質的なデメリットだった。

この中で、精神的なデメリットについては、
個々人が抱いているメンタルの
キャパシティによる所が大きいので、
誰にでも共通するメリットを見つけるのは難しいかもしれない。

ただ、誰でも売買する金額が少なくなれば、
精神的プレッシャーは減ることは間違いない。


なので、

もし君が、いわゆる“スランプ”の状態になり、

「いくら売買しても利益が出ない」
とか、

「エントリーするのが怖くなってしまった」
なんていう状態になったら、
売買する金額を、極限まで下げて“リハビリ”するのは
有効な手段だろう。

「損をしても、大した金額じゃない」
と思える中で、ストレスフリーな状態で売買することにより、
調子を取り戻すことができたり、
今まで見えていなかった 新しい売買テクニックを
思いつくきっかけになるかもしれない。

「小額の運用資金で売買するメリット」
とまでは行かないが、
小額だからこそ 自分の調子を取り戻して、
スランプを脱出できるのであれば、
積極的に「小額」を試してみるのも、アリだろう。



さて、ここからが本日の本題。

先ほどおさらいした
「大きな資金での運用のデメリット」
の中に、

・自分の注文が株価を動かしてしまい、
 自分に不利な売買しか出来なくなってしまう。

というものがあった。


ということは、

逆に、小額の資金であれば、
自分が株価を動かしてしまうという心配をせずに
いくらでも売買ができる、ということだ。

考えてみれば当たり前だし、
そんなことを意識せずに、今まで売買をしていたかもしれない。

でも、
これは非常に大きなメリットだ。

想像してみて欲しい。

大口の外国人投資家や、
機関投資家が、自分の資金の大きさに
身動きが出来ないでいる状況の中、

君は、身軽に利益を取っていくことが出来るわけだ。


例えるならば、
大口の外国人投資家や機関投資家が、
大型マグロ漁船みたいな
バカでかい船。

そして、我々は小型のボートだ。

大型の船は、大がかりな仕掛けをして
大漁を狙うが、いつも“大物”を狙えるような
海の状況では ないときもある。

“大物”が狙えそうにないときは、
大型マグロ漁船は 何もすることがないだろう。

しかし、
小型のボートである我々は、
どんなときでも釣り糸を垂れて、
自分が満足できるだけの“獲物”を獲ることができる。
というわけだ。

トレードで言えば、
市場全体の出来高が少なくて、
大口が活発に動こうにも動けないときも、
我々は売買を繰り返すことが出来る。

「いつでも動ける。好きなだけ動ける」
というのは、実は非常に大きなメリットであるといえるよね。


メリットその2。
はるかに大きな資金を持った大口トレーダーは、
株価を自分で動かしてしまう。

結果として、好むと好まざるとにかかわらず、
自分で「株価の流れ」を作らざるを得ない。

自分で「株価の流れ」を作って、そこで儲けなければ
儲けることが出来ないわけだ。

我々のように、買った株がちょっと下がった後
「たまたま」「運が良くて」
株価が上昇してきて助かった、なんてことは、まず ない。

大口は自分が仕掛ける前から
どうやって売り抜けるかをグランドデザインしてからじゃないと、
利益を出すことができないだろう。

そうでなくとも、証券会社のファンドの運用者なんかは、
「なぜ、この株を買ったのか?」
「なぜ、この株を売ったのか?」
と言うことを、上司やお客さんに説明できるように
しておかなくちゃいけないしね。

その点、小額を運用しているトレーダーは、
「株価の流れ」に乗るだけでいい。

もちろん、流れを読み間違えると
手痛いダメージを負うことになるが、
大口が「株価の流れ」を作りそこなった時よりも、
はるかに少ないダメージですむ。


先ほどの漁船の例で言えば、
我々は、大型マグロ漁船が、漁を出来ないときにも
魚を獲ることができる。

そしてさらに、大型マグロ漁船が大きく
“獲物”を獲る時にも、
大型マグロ漁船が作った「流れ」に乗って、
利益を確保することも出来る。
というわけだね。



メリットその3。
小額であれば、もし自分の売買が損失を生みそうなときには、
すぐに損切りをすることができる。

損切りするときに、成行売りをしたところで、
1~2ティックのダメージで済むことが多いだろう。

しかし、大口は、そうはいかない。

大口は、仕掛けを作ってから売り切るまでを
かなり計画的にやらないと、
そもそも望まれている利益を出せないので、
動きが我々よりは遅くなる。

もし、損切りをするとなって成行で売ったりしたら、
10~20ティックは、簡単に自分で値を下げてしまうことも
多いだろう。

すばやく体勢を立て直すことが出来るのも、
小額ならではのメリットと言えるだろう。

先ほどの漁船の例で言えば、
急に海が荒れて、大風雨となったとする。

海が荒れて、舵がきかなくなった時にも、
小さな漁船なら、なんとか大破することなく
生き残ることが出来ることが多い。

しかし、
大型漁船は、難破・沈没をしてしまうことすら
珍しくはないのだ。
っていう感じだろうね。



さて、今までで、小額ならではの3つのメリットを見てきた。

3つのメリットとは、

・市場が活発じゃなくても、売買ができる
・自分で「株価の流れ」を作らずに、流れに乗ることができる。
・すばやく撤退することができる。

という3つだ。


この3つのメリットを踏まえると、
小額の運用資金であることを活かして
利益を出すために、ベストな戦略が見えてくるだろう。

それは、
ともかく、売買するチャンスの多さと身軽さを活かすこと。

持っている資金が小さければ小さいほど、
大きな株価の流れを待つだけでなく、
日々の小さな株価の動きでもつかむこと。

そして、株価の流れが出来たときには、
その流れにもキチンと乗れるような「相場師の目」を
養っておくこと。

さらに、ひとつひとつの売買に執着せずに、
フットワークの軽さを活かして
利益確定/損切りをこなすこと。

ということじゃないかな?


メリットを活かすためには、
日々の売買回数は、多い方がいいだろう。

せっかく、どんな市場の状況でも
コツコツ稼げるのであれば、「漁」に出るのは
多い方がいい。

さらに、「漁」に多く出ていることによって、
株式市場と言う「海」に慣れることも出来る。

慣れれば、大きな流れにもキチンと乗れるようになるだろう。

そして、たくさんの売買を繰り返すためにも、
損切りにためらわず、塩漬け株を減らし、
とりそこなった利益にも執着せずに
淡々と日々の売買を重ねていくのが、
ベストな戦略と言えるんじゃないかな?



さて、今回のレッスンは、ここまで。

今回紹介したメリット以外にも、
もっとたくさんのメリットを見つけることが
できるかもしれない。

自分が持っているものを
「少ない」
「足りない」
「デメリットだ」
と、捉えることは、誰だって出来る。

でも、
その中で、自分が今 持っているものを
どう有利に活用できるのかを考えてみることが、
現状打破のセオリーなのかもしれないね。


今回も手紙を読んでくれてありがとう。
ではまた、手紙を書きます。


空也

 

〔技〕 運用資金の大小に合わせたセオリー

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

今回は、しばらく話をしてきた
運用資金の大小によるメリット/デメリットを
ひとまずまとめておきたいと思う。

運用資金は、大きいければ大きいほど
何事も有利!というわけではない。

大きな資金を運用するには、
強靭なメンタルトレーニングも必要だし、
自分が株価を動かしてしまうという
逃れられないデメリットが存在してしまう
と言う話をした。

逆に、運用資金が小額ならば、
小額ならではのフットワークの軽さを活かせる
トレードをするのがいいだろう、
という話もしたね。

具体的には、

資金を有効に回すためや、
相場観を養うためにも
出来る限り、日々の売買をたくさん繰り返すこと。

そして、フットワークの軽さを活かして
ひとつひとつの売買に執着しないで、
早めの決済を心がけてゆく方がいいだろう。
という話をしたね。


その上で、
今回は、君がトレードを重ねてゆくのに、
資金が小額の時期から、資金が大きくなってゆく
モデルケースのガイドラインを示していこう。

自分の資金が大きいか小さいかに合わせて、
自分が市場の中でやるべきことは変わってくる。

その、ひとつの目安となれば幸いだ。

では、早速始めていこう。



まずは、資金が少ない時。

少ないと言っても、人によって感じ方は
あるだろうが、
まぁ、数十万円から5百万円に満たない時
くらいを目安に考えてみて欲しい。

運用資金が5百万円に満たないときに、
君が持っている最大の「武器」「メリット」は
なんだろう?

それは、
前回の手紙でも伝えたとおり、
「フットワークの軽さ」
が、君のもつ最大の「武器」だ。

ある程度売買が活発な銘柄であれば
自分が株価を不利に動かしてしまうと言う心配はないし、
いざと言うときには、すぐに損切りができるという
利点を、最大限に発揮することが出来る。

で。
運用資金が少ない時は、
往々にして、トレードの経験や知識も
豊富ではないことの方が多い。

なので、
運用資金が小さいときには、
フットワークの軽さを活かしつつ、
しかもトレードの経験を重ねていけるような
トレードスタイルが好ましいだろう。

トレードの経験を積むための方法は
いくつかあるが、やはり「売買回数」に勝る
トレード経験は少ないだろう。


ただ。

ただ単に、闇雲に売買回数だけを
重ねたところで、効率的な経験を
積むことは難しい。

ひとつひとつの売買は丁寧に、
しかも売買は多くしていくことが
もっとも実りのあるトレード経験になるだろう。

ひとつひとつの売買を丁寧に行うためには、
エントリーから、
保有中の値動きから、
決済、
そして自分が決済をした後、
の全ての値動きを見る必要がある。

その全てのタイミングでの値動きを見るためには、
一度にたくさんの銘柄にエントリーしていたのでは
なかなか集中して見ることが出来ない。

運用資金も限られているわけだから、
銘柄の分散は極力避けて、
少ない銘柄数で売買するほうがいいだろう。

具体的には、1度に同時にエントリーしている銘柄は
1~2銘柄に限定するくらいがいい。
多くても、3銘柄くらいまでが、同時に見ていられる
銘柄数の限界じゃないかな?

1回1回は少ない銘柄数で売買し、
丁寧な売買をして経験を積み重ねていく。

そして、売買を量的にもアップさせるために、
市場に参加している日数を増やすのが、
ベストな戦略と言えるだろう。

「ひとつひとつは丁寧に売買し、
 市場参加日数を出来る限り増やす」ことで、
トレード経験を、質的にも量的にも
アップさせていくのがいいだろう。

結論としては、

・ひとつひとつの売買を丁寧に見るために、
 1度にエントリーする銘柄は、1~2銘柄に限定する。

・売買経験を多くするために、
 出来る限り、市場参加日数を増やす。
 出来れば、毎日トレードに参加をする。

という方法が、小額の運用資金のメリットを活かし、
かつ経験も蓄えられる方法だと思う。


なので、

トレードルールを作成する際も、

「市場が大暴落した時にだけ
 エントリー候補が出る」

といったルールではなく、
ほぼ毎日エントリー候補が出てくるような
トレードルールのほうが好ましいだろう。

ほぼ毎日、エントリー候補が出てきて、
そのうち一度にエントリーするのは、
1~2銘柄である、というようなトレードルール。

さらに付け加えると、
何日も保有しているようなルールだと、
保有している間は資金が眠ってしまうことになるので、
デイトレードや、数日間だけ保有するような
ルールのほうが、資金効率が良くなるだろう。


蛇足だが、トレード経験が浅いうちは
敗けが重なると、精神的に辛くなってくるので、
ある程度勝率も気にした方がいいかもしれない。

今回の手紙では、
具体的なルールについては言及しないが、

例えば、株価や出来高の上昇率ランキングの
高いもの1位と2位をエントリー候補にする、
などのトレードルールは、
発想のスタートとしては、いいかもしれないね。



期待値プラスのルールであれば、
売買を重ねているうちに、トータルでは
利益を重ねていくことが出来るだろう。

そのうち、運用できる資金量が増えてくることになる。

すると、今までの
「1~2銘柄」
「毎日参加」
のルールが、最も効率が良いルールでは
なくなってくる可能性も出てくる。

1~2銘柄だけのエントリーでは、
自分が(わずかながら)株価を動かしてしまうことになったり、
デイトレードよりも、多少は保有していたほうが
トータルの利益が増える公算も出てきたりする。

そうなったら、ルールを見直してもいいかもしれない。

ルールを見直すだけの「相場観」や「経験」を
積んだだろうしね。


例えば、
ひとつひとつを丁寧に見るトレードルールではなく、
1度にエントリーする銘柄数を増やして
トータルでの売買回数を増やしてみる方法もあるだろう。

また、今までよりも保有日数を延ばして、
期待値をアップさせることが出来るかどうかを
試してみるのもいいだろう。

さすがに、大口の外国人投資家や機関投資家のように
「株価の流れを作る」というような真似は
難しいだろうけれど、
一番最初の資金量/経験よりも、
自分のスタイルのバリエーションを増やすことは
出来るはずだ。

トレードを「儲ける技術」として
色々試せる、楽しい時期だといえるだろうね。



そして、
さらにさらに運用資金がアップしてくると、
こんどは資金が大きいがゆえの「足かせ」が
目立ってくるようになるだろう。

自分の買い/売りが、株価を大きく動かしたり、
強靭なメンタルトレーニングが必要になってくる。

今までのように、
「偶然、株価の上昇があって助かった」
みたいなケースは、極端に減ってくるわけだよね。

もし、そこまで大きな資金が運用できるようになったら、
日々の売買で儲けるトレードではなく、
会社の決算や企業価値を見てゆく
長期投資や、別の商品への投資にシフトしていく方が
いいのかもしれないね。

大きな資金は、フットワークではなく、
重厚で長期的な資産運用で殖やしていくのが
まさに“王道”と言えるだろう。



よくある間違いが、

運用資金が数十万円なのに、
「私は長期投資家だ」
「ウォーレンバフェットにあこがれているので、
 企業価値を見て投資する」
なんて言って、
フットワークの軽さという利点を活かさず
暴落に巻き込まれたりする人がいる。

たとえ成功しても、
数十万の資金が数年間で20%くらいなのに、
暴落は、しっかり食らってしまう。


逆に、
会社の退職金などで、まとまったお金が入った人が
お金と時間(=暇)があるからという理由だけで
自分の持っているお金の大半を使って
「デイトレごっこ」をやってしまうこともある。

ある程度たくさんのお金を持っている
というメリットを活かさず、
何の経験も積まないままデイトレに興じる。

結果として、またたくまにお金をなくして
途方に暮れる、という悲惨な運命を背負ってしまう。

当たり前の話だが、期待値がマイナスならば、
大きな資金をもっていても、利益は出ない。

それどころか、雪だるま式に損を重ねてしまうという
目も当てられない事態が待っている。


小さな資金で経験を重ねながら利益を出していき、
ゆくゆくは重厚長大な長期投資をするのが
セオリーだ。

君には、決して
小額な資金で
「ウォーレンバフェットごっこ」
をやったり、
ある程度まとまったお金を使って
「デイトレごっこ」
をやったりするという、
愚かな道は選択しないで欲しい。

お互い、気をつけていこう。



さて、今回のレッスンは、ここまで。

小さな資金には、小さな資金のもつ長所があり、
大きな資金には、大きな資金を活かせる方法がある。

どんな道具でも、同じだよね。
小さなカッターと、大きな斧では、
同じ刃物でも使い方が違う。

お金も、私たちにとって
とても身近で大切なツール、道具だ。

役割に合ったところで、
役割に合った使い方をするのが、
道具も喜んで最大限の力を発揮してくれる
秘訣なんだろうね。


今回も手紙を読んでくれて、本当にありがとう。
ではまた、手紙を書きます。


空也

 

〔心〕 高橋大輔とブルース・リーの着眼点

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

今年も、残すところ 後わずかとなってきたね。

今年1年のトレードを振り返って、
君はうまく利益を出すことが出来たかな?

それとも、トータルマイナスで
残念な思いをしているだろうか?

私の周りのトレーダー仲間の多くは、
11月上旬からの上昇相場に乗って、利益は確保したものの、
全体的には厳しい、儲けにくい相場だったと
振り返る人が多いように見受けられる。


うじうじ悩んでいるだけなのは
なんの生産性もないことだけれど、
今までやってきたことを冷静に総括して
これからの活動に活かすことは、とても大切なことだ。

年も押しせまって来たので、
今回から何回かに分けて、
今年のトレードを振り返り、
来年からのトレードに活かせるようなヒントを
一緒に見ていきたいと思う。

いつもは、君と理解を共有するために
かなり噛み砕いた(言い方を変えれば、くどい)
手紙の書き方をしている。

順を追って説明し、
同じ事を 言い方を変えて話し、
私なりの意見を伝えるのが、
君に最も利益になると考えているからだ。

しかし、今回から数回の手紙は、
あえて出来る限り言葉を少なくして、
その分、君に考える時間をとってもらおうと思う。

かなり、捉え方が自由がエピソードを選んで届けるので、
君自身が肉付けをして、来年からのトレードに
備えてくれるとうれしいな。

ここまでで、かなりくどくなっているので(笑)
さっそくエピソードに入ろう。



フィギュアスケート選手の、高橋大輔。

2010年バンクーバーオリンピックでの
見事な復活と銅メダル獲得を、鮮明なイメージで
覚えている人も多いだろう。


アクション映画スターの、ブルース・リー

鍛え抜かれた見事な肉体とカリスマ性で、
多くの人々の心をとらえて離さなかった伝説的な人物を、
君も知っていることだろう。


この二人には、実は共通点がある。

もちろん、世界のトップクラスの人間であるとか、
素晴らしい身体能力の持ち主であるとか、
自分に対するストイックさとか、
挙げればきりがないかもしれない。

が、
今回君に話したいのは、
彼らの“練習方法”についてだ。


通常、練習というと
自分が出来る最高のパフォーマンスを出すために
自分の能力を最大限に引き出せる環境で
練習するのが普通だ。

そして、
変なクセがつかないためにも、
失敗したり、自分が納得のいかなかった時は
途中で「仕切りなおし」をして、
また気持ちを切り替えて、成功するように
練習をする。

しかし、高橋大輔選手やブルース・リーは、
そのような“普通”の練習以外にも
全く別アプローチの練習も取り入れていた。


それは、

「自分が不利な状況」
「自分が失敗したときの状況」
からスタートする練習。

高橋選手は、フィギュアスケートで
自分がジャンプやターンをミスったり、
転倒してしまったりすることもあり得ることを知っていた。

なので、失敗したときに備えて、
あえてミスからの立ち直り方や
転倒から演技に戻るための練習をしていた。


ブルース・リーは、カンフーのトレーニングで、
いつも自分が有利な立ち位置で攻撃できるわけではない
ということを知っていた。

そのため、あえて自分が地面に倒されて
相手が襲い掛かってくるようなシチュエーションでの
パンチやキックの練習をしていたそうだ。


「自分が失敗するときがある」
「いつもベストなポジションで あるわけがない」
という前提に立ち、その時に、

どのように立ち直るか?
どのように動くのか?

ということを、練習の段階から取り入れていたそうだ。


練習で できないことは、
本番では できない。


高橋大輔選手。
ブルース・リー。
彼らは、自分が失敗することを受け入れ、
その時のための準備も怠らなかったからこそ、
オリンピックのメダリストになり、
伝説的なアクションスターになったのかもしれないね。

私たちトレーダーは、
自分の失敗のために、
どんな準備をしておけるんだろう?

起こりうる失敗。
環境や他の人が原因のものもあるだろうし、
自分が原因のものもあるだろう。

その、起こりうる失敗に、
我々は、どんな備えを、普段からしておけるんだろうね?


今回のレッスンは、ここまで。

お互いに、自由に想像の翼を広げて
考えてみたいことだよね。

今回も手紙を読んでくれて、本当にありがとう。
ではまた、手紙を書きます。


空也

 

〔体〕 2010年、相場では。

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

気持ちよく新年を迎えるために、
仕事とか、大掃除とか、忘年会とか
とにかくあわただしい毎日が続いているかもしれないね。

そんな、いつもよりも時間に余裕のない中、
手紙を開いてくれてありがとう。

今、私の手紙を読むという選択を
してくれていることを後悔させないためにも、
限られた時間の中で、最大限の気づきを得られるような
内容を紹介しよう。



前回の手紙でも少しだけ触れたように、
今年の、特に前半は、熟練したトレーダーも
思うように利益を出せなかった人が多かったようだ。

少なくとも、私の周りにいるトレーダー仲間は、
「前半は、結果として利益が少なかった」
と言う人が多い。

では、なぜ儲けにくかったのだろうか?
ということを、いくつかピックアップしていこう。

とはいえ、
毎年毎年、後から振り返ってみて
「いやぁー、今年は儲けやすかったなぁー」
「本当に、順風満帆だった」
なんていう年は皆無と言っていい。

そして、ある人が儲けにくさを感じているとき、
別の人は儲けやすさを感じることもある。

なので、ピックアップするのは、例年とは違った
今年に限定した要因だけにとどめることにしよう。



1.大きなトレンドの発生が少なかった

例年に比べると、市場全体が比較的穏やかな値動きで、
後半はともかく、トレンドの発生が
やや少なかったかもしれない。

ここ数年の中では、
激しい暴落も少なかったので、
「ここでエントリー!」
のポイントが少なかったかもしれないね。

結果としては、出来高/売買代金についても
ものすごく増えたことがなかったので、
おとなしい値動きで終わったかもしれない。



2.アローヘッドの導入

2009年の終わりから今年の初めにかけて
トレーダーたちの中で もっとも興味深かったニュースは
「2010年からのアローヘッド導入」
だったんじゃないかな?

今までよりも格段に注文反映の
スピードが速くなり、
個人が見られる売買板の表示も増えた。

一見、いいことづくめのような感じだ。

だが、導入される前は
どんな風に影響があるかわからない
と言う理由で、個人トレーダーの中では、
懐疑的意見が多かったのも事実だ。

中には
「各証券会社のファンド運用のディーラーたちに
 有利な売買が出来るようなシステム構築がされている」
と言ったような、嘘か本当かわからないような
“都市伝説”も生まれたみたいだしね。

実際には、アローヘッドが
ファンド運用者に有利なシステムに
なっているかどうかは、わからない。

分かったところで、我々個人トレーダーが
そのシステムに対抗しうる手段を構築できるのかも
疑問だしね。


分からないことは、分からないこととして、

大きな事実としては
アローヘッドの導入により、
日々の流動性を作っているトレーダーたちが慎重になり、
前半は売買を控えていたということがあった。
ということだけだ。

それも、大勢にはほとんど影響がなかったことかも
しれないけれどね。



3.呼び値の変更

もし、今年が例年に比べて儲けにくい年だったとしたら、
この「呼び値の変更」が大きいんじゃないかな、と思う。

特にその日のうちにエントリーと決済を済ませてしまう
デイトレーダーや、数日間の保有で決済してしまう
スイングトレーダーにとっては、
呼び値の変更は大きかったと思う。


アローヘッド導入と時期を同じくして、
呼び値の変更が行われた。

(*管理人注~呼び値については、こちらを参照)

変更が行われる前は、例えば
2,000円で買った株が、1ティック上昇すると
2,005円になることがあった。

3,000円で買った株は、1ティックの上昇で
10円の値上がりをすることもあった。


しかし今は、
2,000円で買った株が1ティック上昇しても
1円の上昇にしかならず、
3,000円でも、5円の上昇にとどまる。

非常に細かいことだが、
日々のトレードの中で、1ティックで5円とか10円が
上昇するのが変更になったことは、
超短期トレーダーにとっては、大きいことだ。

さらに、今まで2,000円から2,005円の売買は、
1つの売買板に集約されていたのが、
1円刻みとなった結果、5ティックの売買板に
分散されてしまった。

結果として、板の厚みがなくなり、
ある程度大きな資金を動かしているトレーダーにとって、
心理的に売買がしにくくなったということも
挙げられるかもしれない。


もし君がシステムトレードで資金を運用していて、
なぜか、今年に限って運用成績が悪いという場合は、
この「呼び値の変更」が影響しているかもしれない。

よかったら、調べてみて欲しい。



さて、今回も前回に引き続き、
あっさり目の手紙で終わることにしよう。

トレードを継続していく上で、
儲けにくい年とか、比較的堅調にいく年というのは
ある程度あるだろう。

しかし、
実際のトレード現場で
「楽だなぁ」と感じることは少ないし、
誰でもうまくいくという時期は本当に限られている。

やはり、日々の積み重ねが
とっても大切になってくるということだろうね。


その中で、今回は あえて
「今年、儲けにくかった理由」
というのを挙げてみることにした。

客観的な事実に基づいて、
その事実が、どのような影響を与えたのか?
それとも、影響がなかったのかを考えるのは
有意義なことだろう。

来年からのトレードに備えて、
起きた事実を見据えてみるというのも
プラスになるかもしれないね。


今回も手紙を読んでくれてありがとう。
ではまた、手紙を書きます。


空也

 

〔心〕 1mmの成長が、別世界につながる

 
こんにちは、トレーダーの空也です。
今回の手紙で、私からの年内の手紙は
締めくくろうと思う。

残る数日は、株を忘れるもよし、
今年のトレードを振り返ってみるのもよし、
お互い、充実した時間をすごそう。


さて。

10月から始まった君と私のレッスン。
まだ3カ月たらずのレッスンだけれど、
君のトレードに活かせる内容は、あっただろうか?

「とても役に立っています!」
と、君は言うかもしれないし
「残念ながら、望んでいるパフォーマンスまでは
 至っていません」
と言うかもしれない。


私個人としては、
君には後者の意見を持ってほしい。

書き間違いではない。

君には「役に立っている」と言われるよりも、
「望んでいるパフォーマンスには至っていない」
と言われることを望んでいる。


なぜなら、

たった3カ月足らずのレッスンで
実質的な利益などは、なかなか出ないだろう
という理由がひとつ。

そして、もっと大きな理由としては、
たとえ少々の利益が出たからと言って
「これで満足。大丈夫」
なんて、君には満足してほしくないからだ。


どうせならば、
今、君が抱いている人生観そのものが変わるような
パフォーマンスを、君には望んでほしい。

そして、
「本当に生まれてきてよかった」
と、今よりも もっと実感してほしい。

株式トレードは、それだけの可能性と
エネルギーを秘めている、とても壮大なものだからね。

けっして
「まぁ、このくらいまで稼げれば満足」
「今の収入にちょっとプラスできればいいや」
なんて、自分で自分の可能性を潰すような考えは
持たないでくれると嬉しいな。



「そうは言っても空也さん。
 そんな夢みたいなパフォーマンスを目指すどころか、
 今は損切りとか、塩漬け株に囲まれて
 いっぱい いっぱいです」
なんて、君は思っているかもしれない。


でも。

もし君が、私からの手紙を真剣に読んでくれて、
君に必要な栄養分を取り入れてくれているならば。

もし君が、少しでも君が君自身のために、
真剣にトレードに取り組んでいるのならば。

成果が出るのは、時間の問題だ。



今年最後の例え話をしよう。

仮に、人の成長を、地面に埋められた
「豆」に例えたとしよう。

地面に埋められた豆は、地面から自分の芽を
地表に出そうと、必死にがんばって伸びてゆく。

でも、
はじめのうちは、どんなに芽を伸ばしても、
依然として地面の中からは出られない。
まわりの景色は、暗い地中のままだ。

自分の中身を割って、
精一杯努力して、周りの土を押しのけて
上へ上へと 這い上がっているのに、
外の太陽を浴びることが、できない。


しかし、

そこで
「もう太陽を浴びることなんて、ないんだ」
「芽を出して大きな木になるなんて、出来ないんだ」
と、上へ伸びようとするのをあきらめてしまったら?

一生、地表へ出て太陽を浴びることは、ない。


はたから見たら、
「確実に、地表に近づいているじゃないか」
「もう少しで、太陽が見られるじゃないか」
と思っても、
豆自身があきらめてしまったら、おしまいだ。

腐って、
他の豆の養分となって、
大樹となることなく、豆の一生を終える。

でも、あきらめずに、
毎日少しでも上に伸びることを続けていたら、
必ず、いつの日か地表に出て、
まぶしい太陽の光を浴びることが出来る。

そして、双葉を芽吹き、
やがて大樹となって、そびえ立つ事も出来る。


人の成長には“沸点”がある。
1℃から99℃までは、
冷たい熱いの違いはあれど「水」のまま。

99℃から、たった1℃上昇すると、
まるで違う気体へと姿を変える。


太陽の光を浴びる大樹となるか、
腐った豆となるか?

沸点を超えて、別世界を見るか、
別世界を見ることなく終わるか?

その差は、もしかしたら
あと残り1mm進むか、
あと残り1℃上昇するかといった
差であるかもしれないんだ。


今、君や私が目指している
理想的なトレーダーになるために、

「望む利益が出る」という芽を芽吹かせるために、
地中をあと100m進まなければならないのか、
1mm進むだけでいいのかは、わからない。

ただ、進むことをやめてしまったら、
腐って終わりだ。


まずは進むことをあきらめないこと。

そして、正しい学習を実践し、
最低限の実践を継続できるための
マネーマネジメントを怠らないこと。

この点を守れば、かならず
利益を継続して出せるトレーダーに
なることができる。

いつか大樹になることを信じて、
来年も一緒に進んでいければ幸いだ。


年が押し迫る中、手紙を読んでくれてありがとう。

来年も、どうぞよろしくお願いします。


空也

 

〔管理人より〕 2010年、ありがとうございました!!!!

 
どうもこんにちは、管理人です。

今年10月から始まった
「専業トレーダーの私信。盗み読みしてみる?」
をいつも読んでいただきまして、ありがとうございます。

億万長者トレーダーである空也さんに
さまざなレッスンを受ける中で、せっかくレッスンを受けるのに
自分だけが独り占めするのはダメ!
ということで、空也さんからの手紙をブログとして
アップしてきました。

せっかくレッスン受けているんだから、
独り占めしておけばいいじゃん!?
という意見もあると思うんですが、それは
空也さんの教えに反するんですよねー

自分が欲しいもの、得たいものは、
他の人と分かち合わないとダメ!って言われます。

挨拶してほしいなー、と思っているだけじゃなくて
自分から挨拶すれば、相手も挨拶してくれるようになる、
みたいな感じなのかな?ちょっと違う?(笑)

でも、たしかに自分ひとりが大金持ちになっても
一人ぼっちだったらつまらないでしょうし、
空也さんのレッスンが、まだお会いしていない
誰かのためになるのなら、それも素敵なことだな、と
最近は思えてきています。



おかげさまで、この年末に、
念願のブログランキング50位以上になりました!!!

ブログランキングが上がっているということは、
それだけ空也さんのレッスンが、
多くの人にインスピレーションを与えているということなので、
とっても嬉しいです。


空也さんの弟子であり、ブログの管理人である私としては、

・より読みやすい形で、空也さんの手紙をブログにアップする。

・皆様も疑問に思っているであろうことを、
 空也さんに手紙に書いてもらう。

ということを念頭に置いて、頑張りたいと思います!


念願のブログランキング50位以上になったので、
管理人も、やっとニックネームを名乗ることができます。

どんなニックネームにしようかなー、と思ったんです。

あんまりオカタイのはイヤだし、かといって
なんの意味もないのもなー、と思っている矢先、
昨日ブログにアップされた話が飛び込んできました。

「豆」の話ですね。

そっか、自分はいま「豆」なんだなー、
と、なんだかピンときました。

(空也さん、もし例えるならは、
 「豆」じゃなくて「種」なんじゃないの?
 というツッコミは、やめておきました(笑))

発展途上ですが、大きな可能性を持っている「豆」。
どんどん周りから必要な栄養分を吸収して、
将来大樹になる「豆」。

それに、空也さんの一字をもらって、ニックネームにします。


管理人名「そらまめ」。


脱力具合と、思いのバランスがいいかな?
と思うんですが、どうでしょう?微妙でしょう?(笑)



本当に、今年の最後に命名できるなんて、ドラマチックやわー。
毎日応援クリックをしてくださった方、
「いいね!」と思ったときにクリックしてくださった方、
ふと立ち寄ったときにクリックしてくださった方、
本当にありがとうございます。

クリックしている、していないにかかわらず、
このブログを読むために時間を費やしてくださっている事に
最大限の感謝を贈りたいと思います。

本当にありがとうございます。

来年も、たまに「管理人そらまめ」が登場すると思いますので、
どうぞよろしくお願いします。


年末年始(12/31~1/4くらいまで)は、
ブログの更新はお休みになると思います。


来年も、
空也さん、管理人そらまめ、そして
「専業トレーダーの私信。盗み読みしてみる?」を
どうぞよろしくお願いいたします。

2011年が、飛躍の年になることを
お祈りしています!!!!!!!!


管理人そらまめ

 
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