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〔雑記〕 仕組み作りの達人たちの、「ドアノブ思考」

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

前回のレッスンでは、投資競馬を例に挙げて、
立場の違いを想像して、考え方を変えてみる。
という話をしたね。

巷をにぎわせている投資競馬。

その投資競馬を「やる」と聞いたときに、
投資競馬会社から情報をもらうという
「お客さん」になる立場だけを考えただけでは、
ちょっと柔軟性に欠ける。

実際にどう行動するかは全く別として
「もし自分が投資競馬会社を経営する側なら?」
「もし自分が投資競馬会社に出資している
 オーナーなら?」
と、想像の翼を広げてみるのも、面白い。

そして、
自分がどの立場だと、どのように考え、
どの立場だと、どんな時にお金を受け取れるか?
と考えてみると、今まで見えてなかったものが
見えてくるだろう。

「相手の立場になって考える」
というのは、道徳的なだけの話じゃない。

君がトレードをする時にも、

「もし今、自分が買いでエントリーするなら?」
と考えるのと同時に、
「もし今、自分が売る側の立場だったら?」
と考えられると、視野が広くなるだろう。

君が株を買おうとしていて、
実際に買えたのならば、

絶対に、最低一人は君が買ったタイミングで
その株を売った人がいるということ。

売った人の考え、立場などにも
想像の翼を広げられると、いいだろうね。



と、ここまでが前回の復習。

今回は、前回の話を踏まえたうえで、
さらに一歩 突っ込んだ話をしよう。

それは、うまくいく仕組みを作る人が、
必ず持っている「ある思考」の話。

仕組みの中には、うまく稼動する仕組みと
全然うまくいかない仕組みがある。

そして、うまくいく仕組みと、
全然ダメな仕組みは、根底に流れる思考が
全く違う。

仕組みを作るのは、あくまでも人。

なので、仕組みがうまくいくかダメなのかは、
仕組みを作る人の思考、思想で決まる、
というわけだ。

うまくいく人は、意識的か無意識かは別として
必ず、今回話す「ドアノブ思考」を持っている。

「ドアノブ思考?ってなに?」
ということを、今回は話していこうと思う。

今回の手紙を読めば、
トレードだけでなく、
ビジネスでうまくいく人の思考回路も分かるだろうし、
たくさんの異性にモテる人のスタンスもわかる。

君が、どの場面で今回の話を活用するかは任せるが、
意識して考えると、とても役に立つ思考回路になる。

では、さっそく始めていこう。




先日、久しぶり洋服を買いに街へ出ることがあった。

たくさんの洋服屋がある中で、
店頭に 気になった服が飾ってあった
あるお店に入ってみた。

たまたま私がお店に入ったタイミングに
お客さんがいなかっただけなのか、
いつも暇なお店なのかは分からないが、
私が店に入った時には、他のお客さんはいなかった。

で、店に入って、1分もしないうちに、
「なにか、お探しですか?」
と、店員さんが近寄ってきて、

「サイズはどのくらいですか?」
とか、
「ウチには、こんな洋服もありますよ」
と、勧めてきた。

店員さんとしては、親切心からなのかもしれない。

でも、ゆっくり店内を見たい私としては
ちょっと放っておいてほしいというのが本音だった。

君にも、こんな経験は、ないかな?


店員さんの真意は分からないが、私には
「お前を、お客として逃してなるものか!」
「今月、ノルマが厳しいんだから、買え!」
と迫られているような気がして、
きゅうくつな思いをした。

で、結局その店では買わずに、店を出たんだけれどね。

店を出た後、私は
「あー、あの店員さんは
 ドアノブ思考がわかってないなー」
と思ったんだ。


次のお店では、とても慣れた店員さんが、
私が自由に店内を見たのを見計らって、
さりげなく、声をかけてくれた。

そして、常に
「買うか買わないか、お客さんの自由です」
「気に入った服があれば、お手伝いします」
といった姿勢を崩さず、
さりげなく、さりげなくこちらの要望に
受け答えをしてくれた。

結果として、このさりげない対応をしてくれた
店員さんから、お気に入りの洋服を買い、
予定になかった小物も、気持ちよく買って帰る
ことができた。

買った物を手にしながら、私は
「あの店員さんは、ドアノブのことが
 わかっているな」
と感心していた。



「空也さん、だからその
 ドアノブ思考ってなんですか!?」
と、君が思っているだろうから、詳しく説明する。

ドアノブ。
扉についている取っ手のことね。

普段君は、ドアを開けるときに
ノブを回して開けていると思う。

ノブがあるから、ドアは開けられるし、
ノブがなかったら、ドアを開けるのは
ちょっと無理だろう。

で。

もし人の心・気持ちにもドアがあるとしたら、
ドアノブは、どこに、どっちについているのか?
という話。


たとえ話をしてみようか。

例えば、
売れない、ダメセールスマンは、
「絶対、このお客さんに商品を買ってもらうぞ!」
と意気込んで、
お客さんの意向を全く考えずに売り込む。

そして、結果失敗する。
さっき話した、私がはじめに入った
洋服屋の店員さんのように。


対して、
うまくいく仕組みを頭に持っているセールスマンは、
「お客さんも都合があるだろうから、
 買うか買わないかは分からない」
というスタンスで、でも丁寧に接する。

結果、お客さんも気持ちよく買ってくれることが多い。
私が、つい予定にない小物も買ってしまった
洋服屋の店員さんのように。


さて。

両者の違いは、何だと思う?

両者の違いは、
「相手の心のドアノブ(取っ手)が、
 どっち側についているか?」
という認識の違い。

両側にドアノブがついているドアなのか?
外側にドアノブがついているのか?
それとも内側にだけドアノブがついているのか?


ダメなセールスマンは、心のどこかで
「お客さんに、買わせることができる」
「お客さんをコントロールできる」
と思っている。

お客さんの心のドアのノブは、
自分側についていると思っているわけだ。

少なくとも、自分の方からも
心のドアノブを回せると思っている。

そして、自分がノブを回して
お客さんの心のドアを開くことができると
思っている。

でも、
誰だって、自分が大して面識のない人に
コントロールされるのは好きじゃない。

だから、
「コントロールされる」
と思った瞬間、かたくなに心を閉ざしてしまうのは
自然の流れといえる。

心を閉ざしてしまったら、
買おうとしていた物も魅力がなくなってしまうから、
結果として、買わない。

セールスマンから見たら、売れなかった、
となる。


逆に、うまいセールスマンは、
「お客さんを最終的にはコントロールできない」
と思っている。

お客さんの心のドアのノブは、
相手側・お客さん側についていると知っている。

自分側には、ドアノブはついていないということを
ちゃんと認識している。

だから、
自分が勝手にドアノブを回して
お客さんの心を開くことは出来ない、

あくまで、自分ができるのは、
相手の心のドアの前で話したり、
“ノック”をすることだけ、ということを知っている。

コントロールを手放しているから、
無理・無茶なことはしないで、
相手の自由意志を尊重する。

そして、自由意志を尊重していることが
相手に伝わるから、相手も心のドアノブを回して
ドアを開けてくれる、というわけだ。


なので、

もし、人の心にドアがあるとしたら、
そのドアノブは内側にしかついていない。
と、考えると、うまくいくことが多い。


そして、

トレードの場合も、人の心と同様のことが言える。

トレードで利益を出せなくて、
怒ったり、悲しんだりしている人は、
心のどこかで
「値動きはコントロールできる」
と思っている。

値動きの決定権、ドアノブは
自分が回せるはずだ、
と、無意識に思ってしまっている。

でも、
「こんなに下がったんだから、
 後は上がるだけだろう」
とか、
「この急上昇は、もうしばらく続くはず」
なんて思うのは、こっちの勝手。

値動きも、人の心と同じように
こっちで読みきったり、
コントロールしたりはできない。

このことを完全に腹に落として理解したとき、
新しい視野がひろがるかもしれないよね。


ドアノブは、相手側。
ドアノブは、自分側にはついていない。

人の心も、値動きも。ね。



さて、今回のレッスンはここまで。

今回の話だけだと、
「なんかきれいにまとまってるなー」
という話に受け取れるかもしれない。

なので、
次回は、今回のドアノブ思考を踏まえて、
敏腕ビジネスマンが、
異性にモテモテの人が、
プロトレーダーが、
どのような仕組みを作るのかを
紹介していこう。

今回は
「人の心のドアノブが~~」
とか、きれいに言っていたけど、

次回は雰囲気がガラッと変わって
ドライな話になると思う。

なるべくたくさんの方向から話をして、
君の応援をしていくことにするよ。


今回も手紙を読んでくれてありがとう。
ではまた手紙を書きます。


空也

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〔雑記〕 人の行動を仕組み化する「多重ドア戦略」?

  
こんにちは、トレーダーの空也です。

前回のレッスンでは、
うまく仕組みを作れる人が持っている
「ドアノブ思考」
を紹介したね。

ドアノブ思考とは?
人の心にもドアがついているとしたら、
そのドアノブ(取っ手)は、
どこに、どっちについているか?
というたとえ話。

もし、人の心にドアがついているとしたら、
そのドアノブは、
相手側、内側にしかついていない。

相手が心を開いていないのに、
こっちが勝手に相手の心のドアを
こじ開けることはできない。

出来るのは、せいぜい相手の心のドアの前で
話しかけるか、ノックすることくらいだ。
という思考法。

この
「相手側にしか心のドアノブはついていない」
ということを知っているのと、いないのとでは、
相手へのアプローチが全く変わってくることは
なんとなく想像できるだろう。

そして、結果として、
「俺がお前の心を開いてやる!」
と頑張るアプローチと、
「相手の自由意志を尊重する」
とノックするアプローチだと、
後者のアプローチの方が
相手が心を開くことが多い。

君も、アプローチをされる側だったら
どっちが気持ちがいいか、
わかるんじゃないかな?


と、ここまでが前回の復習。

ただ、前回の話だけだと、
「空也さん。たしかにその通りでしょうし、
 いい話だと思います」
「でも、これのどこが仕組み作りの話なんですか?」
と、疑問を持ってしまうことだろう。

なので、今回は、前回の話を踏まえたうえで
「ドアノブ思考」を前提とした仕組み作りの
話をしよう。

ビジネスでうまく稼動している仕組みを持つ人も、
いつも異性にモテている人も、
利益の出るトレードの仕組みを作る人も、
今回話す内容を、無意識に使っている。

今回の内容を、君が意識的に使い、
仕組みを構築することができれば、
他の人より数段上の仕組みを作ることができるだろう。

前回は、ややきれいにまとまっている話だったけれど、
今回は、いきなりドライな話だ。

ドライな話だけれど、
その中に真意を見つけてくれると、うれしいな。

では、はじめていこう。




今回も、ドアの話を前提に話を進めていく。

そもそも論だが、相手の心のドアが
閉まっているのは、どういう時なんだろう?

人の心のドアは、いつも閉まっているわけじゃない。

大好きな人と安全な空間にいるときは
心のドアは開きっぱなしだ。

感覚としては、わかるだろう?

では、どんな時に人は心のドアを閉めるのか?
ドアは、何のためにあるのか?


それは。

ドアがあるのは、
自分にとって大切な何かを守るためにある。

「大切な何か」とは、
別にお金に限ったことじゃない。

お金を取られるのは嫌だ。
時間をとられるのは嫌だ。
面倒くさいのは嫌だ。
危険なのは嫌だ。
格好悪いのは嫌だ。

いろいろだけど、嫌なものを避けるために、
相手の心には、ドアがついている。

そして、
金額が高ければ高いほど、
取られる時間が多ければ多いほど、
面倒くさければ、面倒くさいほど、
危なければ、危ないほど、
格好悪ければ、悪いほど、

心のドアはかたく閉ざされ、
ドア自体も重く、重くなる。

そして、前回も話したとおり、
「心のドアノブは、相手側・内側にしかない」。

となると、ではどうやって
相手にドアを開けてもらうのか?


やり方は、いくつかしかない。

いくつかあるやり方の中で、
もっともシンプルで効果的な
やり方のひとつは、
「好奇心」をくすぐる方法だ。

相手の好奇心を刺激すればいい。

楽しそう。
勉強になりそう。
儲かりそう。
健康になりそう。
格好良さそう。

なんでもいい。

人は、好奇心が強くなればなるほど、
心のドアを開けたくなる力は強くなる。

そして。

好奇心が、大切な何かを守る気持ちを
上回ったとき、心のドアは開かれる。

これはもう、シンプルな方程式だ。


好奇心 > 守る気持ち = ドア開く

って感じ。

人が心を開き、行動するのは、
ほとんどの場合、この方程式が働いている。

「お金かかるけれど、楽しいから」
「時間はかかるけど、儲かりそうだから」
「このくらいの手間で手に入るんならOKだ」
「危ないけど、魅力的な男性なの」
「いいだろ、このロレックス。高かったけど」

などなどなど。

人が心を開いて、行動する基本は、
この方程式ひとつだと言っても過言ではない。

(ま、本当はもうひとつ
 不安を強めてドアを開けさせるっていう
 行動の方程式があるんだけれど、今回は割愛)



人が行動するのは、心のドアが開くから。

そして、心のドアには

好奇心 > 守る気持ち = ドア開く
 
という方程式がある。


ならば、
仕組みを作る側としては、どうすればいいか?
君なら、どうする?

答えから先に言ってしまうけど、
仕組みを作る側としてやることは、

・相手の好奇心を刺激する
・相手の守っている気持ちをやわらげる

という、2つしかない。


出来る限り、相手の好奇心が
刺激されるような提案をして、

そして相手の守っているものを
損なわないように、ハードルを下げる。

「この品質で、この価格!」
「1日○○分で、英語がペラペラ」

なんていうのは、分かりやすい例だね。



そして、不思議なことに、
心のドアには
「開いたドアは、
 次に開けるときには、前回より軽くなる」
という法則もある。

仕組み作りの達人たちは、
この法則をうまく使う。

始めは、
かたく・重く閉ざされていた
心のドアを開くために、限界まで
「相手の好奇心を刺激」して、
「相手の守っている気持ちをやわらげる」。

そして、一度 相手の心のドアが開いたあとは、
もう一度相手の好奇心を刺激して、
前回よりもちょっと負荷の重い提案をする。

例えば、
始めはお試しで無料だったけど、
次は100円を支払ってもらう、とか。

始めは名前を聞くだけだったけど、
次は携帯のメールアドレスを教えてもらう、とか。

はじめから
「100円です」とか
「携帯のメールアドレス教えて」では無理だったのに、
心のドアが一度開いていると、
「また好奇心を刺激してもらえるなら」
と、提案に乗ってくれることが多い。


そして、
・相手の心のドアのかたさ・重さ、
と、
・相手の好奇心、
を計って、絶妙なバランスで

好奇心 > 守る気持ち

を継続させる。


で、
「開いたドアは、
 次に開けるときには、前回より軽くなる」
という法則を用いながら、
より負荷の重い提案をしていくわけだ。

無料から始まり、
100円、300円、500円、1000円・・・
そして、最終的には何十万円を支払ってもらう。

という感じ。

もちろん、相手はバカじゃないので、
好奇心を本当に満足させてくれるものを
提供する必要がある。

必要があるし、根底に人間的な気持ちがないと、
あっという間に破綻する。


ただ、人間的な気持ちがあったとしても、
最初に提示するものが何十万円のものだと、
よほどじゃないかぎり

好奇心 > 守る気持ち

とならないので、売ることは出来ない。


なのに、ドアを開くことを繰り返しているうちに
何十万払ってもいい、と「教育」されるというわけだ。




さて。

ここからが、仕組み作りの達人の本題。

仕組み作りの達人たちは、
今まで話したような法則を、
意識的か無意識かは別として、
体験上知っている。

なので、今まで話した法則を、
完全に仕組み化してしまうわけ。


つまり、どういうことかというと。

まず最初の接触では、
出来る限りの好奇心を刺激して、
かつ相手の守りたいものを守れるという
条件に合うものを提示する。

この、最初に提示するものを
自分の中で決めてしまうわけだ。

ビジネスなら
「あなたの肌を美しくする○○。
 いまなら7日分無料。
 お申し込みは、3分で完了」
みたいな形で、
最初に提示するものを決めてしまう。

提示する好奇心と、
相手に求めるものを、
完全に自分の中で決めてしまう。
仕組み化してしまうわけだ。


そして、
最初に提示したものを試した人には、次に
さらに好奇心をくすぐる△△を薦める。

その時に相手に求める負荷は**円、
ということも、決めてしまう。


さらに、
△△の提案にも乗ってきた人には、
××を***円で。

さらにさらに、次には
□□を****円で。

というように、
相手が通るルートを
完全に仕組みとして決めてしまう。


相手に心のドアがあったはずなのに、
まるで、こちらのほうで
ドアを何重にも用意して

「このドアを開けたら、
 次はこのドアだよ」
「このドアを開けると○○という
 好奇心が満たせるよ。
 そのために**円が必要だよ」
「さらに、次には、
 このドアはいかが?」

と、待ち受けるような形にする。
仕組み化だ。

で、
相手の好奇心を満足させながら、
自分も受け取りたいものを受け取れる
仕組みにする。



この、多重のドアをこちらで用意する
「多重ドア戦略」
とも言うべき方法は、仕組み作りの
さまざまな場所で使われている。

デパートの食品売り場の試食から始まり、
宗教で高価な壷を売ってしまうものまで、
さまざまだ。

「多重ドア戦略」
を使うことによって、
相手の好奇心を満たしつつ、
相手の心を開き、
自分の得たいものも
受け取ることができるようになる。


そして。さらに。

多重ドア戦略は、
提供する好奇心と負荷を仕組み化したものなので、
たった一人に対して提案をしなくてもいい。

つまり、
他にも興味がありそうな人に対して、
何十人、何百人、何千人と、
同時にオファーをすることができる。

一度作った仕組みは、
比較的容易にコピーできるわけだ。

多重ドアは、
一人に対して奥に広がっているだけでなく、
たくさんの人に対して、
横にも広げることができるわけだ。

仕組み作りの達人たちは、
奥にも、横にも広げられるように
仕組みを作っていく。

より広く、より深く、
そして好奇心と守りたいものの
バランスをとりながら。


相手の自由意志を尊重するがゆえに、
相手がドアを開けることを選ばなくても
よしとする。

ただ、たくさんの相手に
オフォーをすることによって、

本当に必要としている人に
自分が提供できるものを提供するようにする。

そして、自分が得たいものも
得られるようにする。というわけ。



うまくいく仕組みは、どこかしらで
今回説明したような仕組みを応用している。

これは、ビジネスでも、
異性を射止めるということでも、
トレードでも同じだ。

今回説明した話だけを見ると、
なんかとんでもないダマシのテクニック
みたいに見える部分もあるかもしれない。

たしかに、悪用しようと思えば、
どんな仕組みでも作れるだろう。

ただ、根底に流れているのは、
前回のレッスンで話した、
人の自由意志を尊重する「ドアノブ思考」
だということを忘れないでほしい。

人を自分の利益のために
コントロールしようとする仕組みを作れば、
後で、それなりの「代償」を支払うことに
なるからね。

君なら、私が本当に伝えたい真意を
汲み取ってくれることだろう。



今回のレッスンは、以上だ。

今回の話は、どちらか言うと
トレードの話というよりは
人がかかわるビジネスや人間関係の話だと
思ったかもしれない。

ただ、トレードもビジネスも
根っこの部分では同じ。

人に自由意志があるように、
値動きにも自由意志がある。


全てが自分の思い通りにはならないんだから、

自分の思い通りにはならないという前提で
仕組みを考えればいい。

そのために、
ひとつの銘柄の、一回の売買に
変にこだわるのではなく、
深く、広くドアを用意すればいいんじゃないかな。

と、私は思う。



君の中には、今回の話は
どんな意味が生まれてきただろう?


今回も、手紙を読んでくれて本当にありがとう。
ではまた手紙を書きます。



空也


 

〔技〕 パフォーマンスを左右する、マネーマネジメント

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

前回までしばらくは、
「相手の立場になって考えてみる」
「心のドアノブ思考」
「多重ドア戦略」
などの話をしてきたね。

仕組み作りの達人が、人の心理から
どうやって自分の仕組みを作るのか?
という話。

人の心理も、株の値動きも同じで
完全に予測・コントロールはできない。

なので、
完全に予測・コントロールはできない
という前提で、仕組みを構築しないと、
うまく仕組みは動かないということも一緒に学んだ。


そして、
前回までがトレードからは やや遠い話に
感じられているかもしれないので、
今回からしばらく直球でトレードの話をしよう。

今までも少しずつは話している話だが、
今回から数回に分けて、
「マネーマネジメント」について、
基礎的な話をまとめてしていこうと思う。


トレードにおいては、
トレードの「心・技・体」。具体的には、
基礎的な知識、
具体的なテクニック、
メンタル、
全てが大事だ。

大事だが、
その中でも、少なくともテクニック面で
マネーマネジメントさえ怠らなければ、
「大損害をくらって市場から退場」、
といった事には、ならない。

大損をする人は、たいてい
マネーマネジメントの概念を知らないか、
知っていてもマネーマネジメントを守れなかったかの
どちらかしかいない。

君が一流のトレーダーとなるまでには、
損失が1回も、まったくなかった、
というわけには、行かないだろう。

しかし、マネーマネジメントさえ抑えておけば、
資金的にも、精神的にも
再起不能になるような大損害をくらうことは、なくなる。


ここ数年でも、
一夜にして市場の様子が激変する大暴落が
何回もあった。

おそらく、これからも市場の大暴落は
起こり続けるだろう。

その中で、君は生き残って
安定して利益を出していきたいと思っていることだろう。

なので、
このあたりで、基礎的なマネーマネジメントを
抑えておくことは、
君にとって大切なことだと思う。

今回からの話を、きちんと実践に生かせれば、
少なくとも市場からの突然の退場は、ない。

市場にとどまり続けられる限り、
君の学びは継続し、
そして利益を出せるようになっていくだろう。

市場参加者の90%が損を出し、
そのうちの何割かが毎年 市場から退場する。

利益を出すのが最終目的だが、
まずは「負けない技術」も学んでおくことにしよう。

では、今回もはじめていこう。



さて。

そもそも、マネーマネジメントという概念は
どのような前提のもとにある概念なのか?

仮に、もし“勝率100%のトレードルール”
というものがあったら、マネーマネジメントは
無用の長物だ。

買った株が100%上がると分かっていたなら、

・自分の資金を全額投入して、
・信用取引の枠も全て使い、
・見込めるパフォーマンス以下の金利ならば
 借金をしまくって

エントリーすればいい。
それだけで、君は大金持ちだ。

しかし。

現実には、勝率100%のトレードルールもないし、
「絶対勝てる、この銘柄」も存在しない。

前回までの話でも見てきたとおり、
人の心理や値動きを完全に
予測・コントロールすることはできない。

全ての銘柄が
「絶対わからない、この銘柄」なわけだ。

たとえ勝率が99.9%の
トレードルールであったとしても、
1,000回に1回の負けが
次のエントリーで来ないとも限らない。

なので、現実的には、
「損失を出す可能性」も考慮に入れなければならない。

そこで出てくる考え方が、
マネーマネジメント(資金管理)だ。



マネーマネジメントがうまく出来るか出来ないかが
君のトレードライフを決定付ける。

トレードルールに重きを置く人も多いが、
はっきり言ってしまえば、
マネーマネジメントができれば
トレードルールは、かなり適当でもかまわない。

極端な話、トレードルールに相性のいい
マネーマネジメントができれば、
本来は期待値がマイナスのトレードルールでも
ちゃんと利益を出すことができたりもする。


そこで、
マネーマネジメントを分かってもらうために、
極端に単純な例を出そう。

君が、あるカードゲームに参加するとする。

カードゲームのルールは以下の通り。

・3枚のカードがあり、
 カードに書いてある字が
 「当たり」なら君の勝ち。
 「はずれ」なら君の負けとする。
・3枚のカードのうち、1枚が「当たり」
 2枚が「はずれ」と書いてある。
・「当たり」になれば、賭けていた金額が5倍になる。
・「はずれ」ならば、賭けていた金額が全部没収となる。
・全部で3回戦行う。
・1回戦目は、3枚のうち1枚を引く。
・2回戦目は、1回戦で引かれたカードを除いた
 残りの2枚のうち1枚を引く。
・3回戦目は、残った最後の1枚を引く。

以上だ。

当たれば、賭け金が5倍。
外れれば、賭け金が没収。
そして、3回戦のうち、必ず1回は当たりが出る。

さて、
君がもし30万円の資金を持って
このゲームに参加するとしたら、
どのような戦略をとる?


勝つ確率は、1回戦目は3分の1。
2回戦目は(1回目に当たりが出ていなければ)50%。
3回戦目は、100%勝つ。

どうしようか?


まず、もっとも利益が出る賭け方は、
どうなるだろう?

それは、
1~3回戦目のどこで「当たり」が出るかを
勘で予測する。
そして、自分の勘をたよりに30万円を
賭けるのが、最も利益金額が大きい。

30万円×5倍で、150万円となり、
利益は差し引き120万円だ。でかい!

ただし、「当たれば」だが(笑)

もし勘が外れた場合は、
よくて利益も損失もなし。
悪ければ、破産、となる。


では、もし30万円を3等分して
1回の勝負に10万円ずつ賭けていった場合は
どうなるだろう?

3回のうち1回は、必ず当たりが出て、
しかも勝てば資金が5倍となるので、

10万円ずつ賭けていった場合は、必ず1度は
10万円×5倍=50万円
となる。


資金の配分だけで、
「勝つか負けるか運任せのゲーム」が、
「100%お金を増やせるゲーム」
になるわけだ。

これが、マネーマネジメントを
考える意味になる。


もちろん、今回の例は、極端すぎるかもしれない。

ただ、マネーマネジメントを考えることで、
今回の例のゲームが、“バクチ”から
“資金回収マシン”にレベルアップする、
という意味は、わかってもらえるだろう。

そして。

ここまで単純という訳には行かないが、
トレードにおいても、今回の例のようなことは起こる。

大した期待値がないトレードルールでも、
マネーマネジメントしだいで、
相当回収率のいいパフォーマンスが出せるし、

期待値がすばらしいトレードルールでも、
マネーマネジメントが下手ならば、
あっという間に破産することができる。

なので、
一流のトレーダーになればなるほど、
トレードルール作りよりも
マネーマネジメントを磨く方に時間をかける。

マネーマネジメントを少し変えただけで、
年間のパフォーマンスが倍になる、
なんてことも、けっこう起こるからだ。



もし君が、ある程度トレードルールを
作り終えていて、
「なんか、もういじるところが思いつかないなー」
と思っているのならば、
マネーマネジメントの方をいじってみるのも
いいかもしれない。

パフォーマンスの飛躍的向上につながる
かもしれないからね。


とはいえ、

「空也さん、じゃあマネーマネジメントって
 具体的にはどうやればいいんですか?」

という疑問が湧いてくることだろう。

なので、
次回は、実践で使うことの出来る
マネーマネジメントの具体的な基本例を
レッスンしていこう。


今回は、まず

「マネーマネジメントは重要」

「マネーマネジメントしだいで、
 ギャンブルが資金回収マシンにもなりうる」

ということを、きちんと腹に落としてくれればいい。



君の大切な資金を
イチかバチかのバクチにさらす必要はない。

君のトレードルールに、もっとも相性のいい
資金管理を見つけていこう。


今回も手紙を読んでくれて、本当にありがとう。

ではまた手紙を書きます。



空也


 

〔技〕 時間分散の基礎に学ぶ

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

前回は、「マネーマネジメント」の重要さについて
一緒に学んできたね。

君のトレードルールに合った、
適切なマネーマネジメント(資金管理)をすれば、
「イチかバチかのギャンブル」

「資金回収マシン」
に変えることができる。
という話をした。

もちろん、トレードルールに合った
最適なマネーマネジメント方法を見つけるのは
骨の折れる作業だ。

しかしその骨の折れる作業は、
苦労に見合った「利益」という果実を
君にもたらしてくれる。

トレードにおける他の学習や実践に比べて、
君に直接的に利益をもたらしてくれるのが
マネーマネジメントだろう。

少なくとも、マネーマネジメントを知ることで
君が突然、一日で全資産を失ってしまう
なんていうことは、なくなる。

なので、
今回も、マネーマネジメントについて
くわしく見ていくことにしよう。

ここしばらく、数回はマネーマネジメントに
話を絞っていくので、君も集中して
マネーマネジメントに取り組むのも
いいかもしれない。

では、さっそくはじめていこう。



さて。

まず、マネーマネジメントは何で必要か?
というと、
「自分が次に行う売買が、
 利益になるか損失になるかわからないから」
ということになる。

前回も、詳しく説明したとおりだ。

では、
「利益か損失かわからない」
という前提の下にやるべき行為というのは、
どのようなものだろう?

前提は、
利益が出るかもしれないし、
損かもしれない。

ただ、トレードは1発勝負のギャンブルではなく、
資金の続く限り何回でも売買を
することができる。

何回でも売買ができる。というのがポイントだ。

となると、
1回の売買に、全ての資金を注ぎ込むのではなく、
何回もある売買に、計画的に資金を分散させればいい。
ということになる。

その「分散」のやり方が上手いか下手かが、
マネーマネジメントの真髄になる。というわけ。



では。
「分散」が、マネーマネジメントを決する、
となった時、資金を「何」に分散することができるのか?
を考えてみよう。

トレードの場合、分散できるものは
大きく分けると2つしかない。

2つというのは、
「時間」と、
「銘柄」だ。

自分の大切な資金を、
時間を分けて分散する。

もしくは、
複数の銘柄に分散する。

あとは、この2つの複合系しか
基本的には、ない。

そして、この
時間分散と、銘柄分散それぞれのやり方と
組み合わせで、トレードルールに合った
最適のマネーマネジメントを模索していく、
ということになる。



では実際に、どのような分散の仕方があるのかを、
見ていくことにしよう。

今回は、2つの大まかな分散のうちのひとつ、
「時間分散」
を詳しく説明する。

「銘柄分散」に関しては、また次回以降に
話していこう。




さて、時間分散。

ひとつの銘柄でも、
自分が買うタイミング、売るタイミングで
利益が出たり、損失が出たりするのは
もう理解しているだろう。

そして、どのタイミングで買えば
利益が出るのかがわからないから苦労する。
そうだよね?(笑)

ならば、買う、もしくは売るタイミングを
分散して、トータルで利益が出るようにしよう、
トータルで利益が増えるようにしよう、
というのが、時間分散の考え方だ。


前回、3枚のカードから「当たり」が出たら
利益が出るけれど、「はずれ」だったら
賭け金が没収、というゲームの話をした。

そして、資金を3等分すれば、
絶対勝てるゲームになってしまう、
という話をしたね。
覚えているかな?

あのときにした「資金3等分」が、
時間分散だ。

「当たり」が出てくるタイミングがわからないから、
資金を3等分して、「当たり」を待ったわけだよね。

タイミングをずらして、資金を投入していく、
これが時間分散の考え方だ。

時間分散は、基礎から応用までたくさんの方法がある。

その中でも、もっとも基礎的な話からしようか。

個人的には、けっこう「化石化」している話だけれど、
今でも有効であるともいえる「ドルコスト平均法」の話だ。


「ドルコスト平均法」
という言葉は、知っているかな?

投資の基本的な概念ともいえるけれど、
軽く説明しよう。


ドルコスト平均法のルールは、
「必ず同じ銘柄(商品)に、必ず同じ金額を
 一定のタイミングで投入していく」
というもの。

具体的に説明しよう。

分かりやすくするために、とんでもなく激しい
乱高下をする銘柄を例に出して、
さらに手数料などは考慮しないで説明する。

ある銘柄Aに、
君は総資金400万円を
ドルコスト平均法の考え方を使って
毎月100万円を投入していくことにする。

初月の株価は1万円。
100万円÷1万円=100株
なので、100株を買うことになる。

第二の月。株価は2万円。
100万円÷2万円=50株
なので、50株を買うことになる。

第三の月。株価は急落、5千円。
100万円÷5千円=200株
なので、200株を買うことになる。

最後、第四の月。株価は、2万円。
100万円÷2万円=50株
なので、50株を買うことになる。

合計では、
400万円で、400株を買えたことになる。
平均単価は、1万円。

平均単価を超える月が2回もあった。
もし株価が2万円の時に400万円全額を
使っていたら、半分の株数しか買えなかったんだから、
ドルコスト平均法で時間分散して、よかったでしょ。
という話になる。


計画的に資金配分をすれば、
ドルコスト平均法は、今でも有効な手なのかもしれない。

ただ、
株価が急落しているときに、
より多くの株数を購入するわけだから、
より多くのリスクを請け負うということになる。

ドルコスト平均法が有効なのは、
「急落するときもあるけれど、
 基本的には上昇トレンド」
という銘柄には、いいかもしれないね。

個人的には、のんびりした手法である
ということと、
全体が長期上昇トレンドではない現在に
そのまま採用するのは難しいと思っている。

ただ、応用の方法はたくさんあるだろう。
なにしろ、時間分散の基本だからね。


例えば、
ドルコスト平均法の時間軸を短くして、
さらに株価が下がったときだけ買う、
というのが、いわゆる「ナンピン」だね。

「ナンピン」の場合は、

・一定額を購入する
・一定株数を購入する
・下がっていったら、
 投入金額や購入株数を増やす

などなど、やり方は無限に広がる。

何回までナンピンするのか?
投入金額は一定なのか?
それとも増やしていくのか?
増やす場合は、どのような割合で?

どんどん、やり方が増えるわけだよね。

いずれにしても、
「資金が枯渇する前には上昇する」
「平均購入単価よりも、いつかは株価が上になる」
という前提で時間分散をしていく、
という方法だね。

うまくいくトレードルールと合わせれば、
相当の効果を生む方法だろう。

ただし、トレードルールとの相性を間違えると、
とんでもない含み損を抱えるので
注意したほうがいいだろうね(笑)



もうひとつ。
時間分散の話を踏まえたうえの、応用編の話をしよう。

「信用取引は、こわい」
「信用枠は、使いたくない」
「でも、パフォーマンスはあげたい」

なんていう時に使える方法だ。

仮に、
「1泊で必ず決済する」
というトレードルールを完成させたとしよう。

当日の寄り付きで買ったら、
翌日の寄り付きで必ず決済する、というルール。

そして、毎日エントリー候補銘柄が、同じように出てくる。
それで期待値がプラスだったとしよう。

上記のルールの場合、
現物取引しか使わない場合、
翌日エントリーに使う資金を残しておかなければならない。

400万円あれば、
・当日エントリー → 翌日決済 に200万円。
・翌日エントリー → 翌々日決済 に200万円。

という形にしないと、寄り付きで買うための注文が出せない。

時間分散という概念も考慮に入れつつ
トレードルールを構築しているのに、
資金効率的に、ちょっともったいない。

そこで、信用取引を使う。

信用取引を使えば、
・当日エントリー → 翌日決済 に400万円。
・翌日エントリー → 翌々日決済 に400万円。

という注文は、楽に出せる。


そして、実質上は、
前日エントリーしている銘柄を手放すのと、
当日エントリーしているタイミングはほぼ同時なので、
市場にさらしているリスクは800万円ではなく、
400万円のまま。となる。

ちょっと分かりにくいかな?

信用取引を使ってはいるんだけれど、
それはあくまで注文のためだけ。

寄り付きの9時には、ほんの一瞬だけ
投入金額が2日分の800万円になるんだけれど、
すぐに前日エントリーした分は決済される。

だから、実質上のリスクは400万円分となる。
という話。

もし理解しにくかったら、
何回か読み直してみてくれるとわかるだろう。
分からない場合は、また質問してくれてもいい。


信用取引で、使える金額は増やしているものの、
現物以上のリスクは、実質ほとんど取っていない。
ということもできる。という話だ。

時間分散という概念を理解した上で、
信用取引を使うと、上記のようなルールで
運用することも可能になる。

今回の例では一泊としたが、
応用すれば、また違った使い方も出来るだろう。

君も、いろいろ試してみると、いいかもしれない。




さて。
今回のレッスンはここまで。

マネーマネジメントの中の、分散。
その中でも、今回は時間分散について詳しく説明した。

「次の売買が、利益になるか損失になるか分からない」
   ↓
「売買は、資金のある限り何回でも出来る」
   ↓
「ならば、売買のタイミングをずらして、資金を分散しよう」

というのが、時間分散の考え方だ。

もちろん、今回説明したものだけが
時間分散のやり方ではない。

また、機会を見つけて、時間分散の話もしていこう。


次回は、もうひとつの分散である
「銘柄分散」の話をしていく。

複数の銘柄に、どれくらい資金を入れるといいのか?

というひとつの質問から、
さまざまな考え方をしていく
マネーマネジメント法だ。

こちらも、君のインスピレーションになることだろう。
楽しみにしていてほしい。


今回も手紙を読んでくれて、本当にありがとう。

ではまた、手紙を書きます。



空也


 

〔技〕 銘柄分散の基礎に学ぶ

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

前回は、マネーマネジメントの分散。
その中でも「時間分散」について一緒に学んだね。

「次の売買が勝つか負けるか分からないんだから、
 資金を分散しておこう」
「そして、また別のタイミングで売買しよう」

というのが、時間分散の考え方。


今回は、

「次の売買が勝つか負けるか分からないんだから、
 資金を分散しておこう」

という所までは同じなんだけれど、

「そして、また別のタイミングで売買しよう」
ではなく、
「そして、また別の銘柄でも売買をしよう」

という「銘柄分散」という考え方を学んでいこう。


実際のマネーマネジメントでは、
時間分散と銘柄分散を組み合わせて
マネジメントすることが多い。

でも、「時間分散」と「銘柄分散」がある、
ということを意識しながら組み合わせるのと、
ただなんとなくマネーマネジメントを
しているのでは雲泥の差がある。

なぜならば、

意味をしっかり分けて考えることができれば、
マネジメントを見直すときに
「ここは、時間分散を見直したほうがいいだろう」
とか、

「これは、銘柄分散に改良の余地があるかも」
といったように、はっきり原因を究明しながら、
目的を持って見直すことができるからだ。

「良くないところが、わからない」
「わからないところが、わからない」
では、改善のしようがない。

仮説を立て、検証し、改善をするためには、
大まかな概念の区別をしておいたほうがいい。

そのためにも、、
今回は「銘柄分散」にフォーカスをして、
勉強していくことにしよう。



さて。

銘柄分散は、
「勝つか負けるか分からないから、
 いくつかの銘柄に分けて資金を投入しよう」
という考え方。


ここでマネーマネジメント的な課題は

「それぞれの銘柄には、
 どうやって資金を振り分けるのか?」

というものがある。

トレードルールを作っていく際に、
だいたいどのような銘柄が
エントリー候補になってくるかは
決まってくる。

例えば
「この日は、○○という条件がそろった
 銘柄が5つ出てきたから、
 この銘柄群にエントリーするか」
ということが、トレードルールの
時点でだいたい決まる。

ここから先の作業が、
マネーマネジメントとなる。

期待値がプラスだということが
たとえ分かっていたとしても、
パフォーマンスを最大化できるかは
マネーマネジメントにかかっている。

ここから先の
「それぞれの銘柄には、
 どうやって資金を振り分けるのか?」
が、重大となってくるわけだ。

なので、
今回のレッスンでは、それぞれの銘柄への
資金の割り振り方法の中でも基礎的なものを、
いくつか紹介しよう。



さてさて、

最も単純なマネーマネジメントは、
「各銘柄の最低売買単位を売買する」
というもの。

最低売買単位が
1000株なら1000株。
1株なら1株を買って、売る。
という方法だ。

この方法のメリットは、
・少ない資金でも、実践が試せる。
・パーセンテージ単位で、
 実際に期待値の通りに運用できるか
 試せる。
などがあるだろう。

ただ、
・購入金額の差が、銘柄によって、
 相当差が出てしまう。
・自分の資金を充分に活用できない
などのデメリットも多い。

最低売買単位が数万円の銘柄もあれば、
百万円を超える銘柄もある。

そんな中、最低売買単位でバッサリ
区切ってしまうのは、少々乱暴だ。

なので、
「各銘柄の最低売買単位を売買する」
という方法は、あくまで練習用の
方法という感は否めない。
(もちろん、うまくいく
 トレードルールも、あるだろうが)


次に。
最低売買単位という
「株数」で区切る方法から発展したのが
「候補銘柄に同額資金を割り振る」
という方法。さっそく具体的に見てみよう。

候補銘柄一つに対して、
例えば30万円なら30万円。
100万円なら100万円と
自分で1銘柄あたりの売買資金を
あらかじめ決めて売買するという方法だ。

1銘柄に100万円を投入すると決めた場合、
候補銘柄が5銘柄出てきたら、
最低でも500万円は必要になる。

売買株数は、具体的には

一銘柄あたり投入資金÷株価

となるね。

もちろん、売買単元との
からみもあるので、完全にぴったりの
株数とはいかないだろうけれど、
だいたい一定金額を投入することになる。

メリットは
・期待値のパーセンテージに応じた
 損益を受け取ることが出来る。
・資金の管理がしやすい。
などかな?

デメリットとしては、
・候補銘柄が少なかった時は
 資金を寝かすことになる。
・候補銘柄が多かった時は
 全ての候補銘柄にエントリー出来ずに
 期待値が狂う可能性がある。

という感じ。
マネーマネジメントの基礎的方法なので、
期待値に素直に反応することが多い。

ただ、エントリー候補の銘柄数に
極端に左右されてしまうという欠点を
トレードルールの方で
フォローする必要のある方法とも
言えるだろう。


他には。
資金を最大限に有効的に
活用するという方法では、
「当日投入する資金全額を
 エントリー候補銘柄数で割る」
という方法もある。

この方法では、
エントリー候補銘柄が1つの日は、
資金の100%をひとつの銘柄に投入し、
エントリー候補銘柄が5つの日は、
各銘柄に資金の20%ずつを投入するわけだ。

・資金の無駄はない。

というメリットがあるが、
銘柄数が1つの日に、
該当する1つの銘柄に運命を託すという
リスクがある。

候補銘柄が少ない日の勝率が
高いトレードルールとは
相性のいい方法だと言える。

また、比較的短期の日数で資金を回す
ルールにも、相性がいいかもしれない。



今回のレッスンでは、あと一つくらい
紹介しておこうか。

今までの方法は
「トータルでは利益が出る」
ということに着目したマネーマネジメントだった。

次に紹介するのは
「もし損失になった時の
 ダメージを想定した」
マネーマネジメントだ。

具体的方法としては
「自分の総トレード資産の
 許容損失と、損切りパーセンテージから
 売買株数を決める」
という方法になる。

具体的に説明しよう。

例えば、
・自分の総トレード資産は500万円
・1回の取引の許容損失1%
・損切りは5%で損切りする
と決めたとする。

その場合、
1回の取引での許容損失額は

500万円 × 1% = 5万円

となる。

次に、5%で損切りしても
5万円に収まる金額は

5万円 ÷ 5% = 100万円

となるので、
1銘柄あたりに投入する金額を
100万円までとするわけだ。

これが例えば、

・総トレード資産が500万円
のまま変わらずに、

・1回の取引での許容損失2%
・損切りは4%
と決めた場合は、

500万円 × 2% ÷ 4% = 250万円

となり、1銘柄への投入資金量は
250万円までとなる。

自分のトレードルールと
許容損失額を考慮に入れた方法なので、
自分のトレードルールに合わせた
マネーマネジメントがやりやすい。

長くトレードを続けていくためには
1回の取引での許容損失額は
多くても2%程度までに
抑えておいた方がいい。

はじめは2%では、やや多いかもしれない。

自分で損失許容量を2%と決めていても、
不測の事態(例えば、ストップ安で売れない、とか)も
起り得るので、実践ではさらに多くの
損失を被る場合もあるしね。

このマネーマネジメントを採用する場合、
“逆指値”という注文方法が利用できる
証券会社を使うといいだろう。

はじめに決めておいた損切りのリミットで
躊躇なく損切りをするためには
逆指値を使っておいた方が楽だからね。



さて、
今回のレッスンは、ここまでにしておこう。

今回は、具体的な銘柄分散の
マネーマネジメント方法を
いくつか羅列してみた。

もちろん、今回見てきたもの以外にも
自分の資金の振り分け方法はたくさんある。


例えば、
トレードルールの条件を細分化していき、

Aという条件に合致した場合は10万円を投入。
AにもBにも合致した銘柄には30万円を投入。
AにもBにもCにも条件が合致した場合は50万円を
投入する。

なんていう方法もある。

勝率や期待値が高く見込まれるであろう場合は
投入資金を増大させるという やり方だ。

他にも、今回紹介したマネーマネジメントを
組み合わせたりする方法もあるだろうね。



銘柄分散のマネーマネジメントだけでも、
たくさんの方法がある。

時間分散と銘柄分散を組み合わせれば、
一人ひとり違った、
無限のマネジメント方法になるだろう。


そして、
最も大切なのは。

マネーマネジメントは、
運用する君自身との相性と、
トレードルール自体との相性によって
決めるべきだ、ということだ。

一番最初に紹介した
「最低売買単位に資金投入する」
というマネーマネジメント方法が最適!
というトレードルールだって、あるだろう。

逆に、非常に高度なマネーマネジメントの
手法を覚えたとしても、
君自身や、トレードルールとの相性が
ちぐはぐだったら、まったく機能しない。

すべては、全体のバランスだということを
覚えておいてほしい。


次回も、もう少し銘柄分散の
マネーマネジメントを一緒に見ていこう。

確率統計の概念を持ち込んだマネーマネジメント
などを紹介していって、
学習を深めていきたいと思っている。

君にとって最適のマネーマネジメントが
見つかるよう、頑張っていこう。


今回も手紙を読んでくれて本当にありがとう。
ではまた手紙を書きます。



空也


 

〔技〕 ATRを使ったマネーマネジメント

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

前回は、マネーマネジメントの中でも
「銘柄分散」に特化した話をしたね。

トレードルール上で候補に挙がってきた
それぞれの銘柄に、いくらの資金を投入するか?

というのが、マネーマネジメント上の課題。

その課題をクリアするために、
具体的なマネジメント法をいくつか紹介した。

そして、
たくさんあるマネーマネジメントのやり方の中で、
君自身と、使っているトレードルールに
マッチしたマネーマネジメントをする必要がある。
という話をしたね。


今回も、前回の話の続きだ。
具体的なマネーマネジメント法を紹介する。

今回は、前提となる知識のインプットも含めて話すので、
紹介する方法は、1つ。

今まで紹介した方法も、
トレードルールにマッチすれば相当の威力を発揮する。

そして、
今回紹介する方法は、今まで紹介した方法と
考え方が若干異なる方法だ。

うまく使えば、
君のトータル利益の増大と、
トレードを継続させる力になってくれるだろう。

では、今回もはじめていこう。



さて。

前回に紹介した様々な手法は
「一定の株数/金額/割合を投入する」
「トレードルールの損失許容量で
 一定の金額を投入する」
など、どの銘柄に対しても一定量を投入する方法だった。

もちろん、今まで話してきたとおり、
一定量を投入する方法がうまくいくこともたくさんある。

とはいえ、
また別の考え方があるのも事実だ。


例えば、
同じ1,000円の株価の銘柄でも、
1日にだいたい2~3円しか動かない銘柄もあれば、
数十円も激しく動く銘柄もある。
銘柄のクセ、みたいなものだね。

ここで、1日2~3円動く銘柄と、
数十円上下する銘柄を、
「同じエントリー候補銘柄」として
扱っていいのか?という話になる。

仮に、
・1日2~3円動く、株価1,000円の銘柄A
・1日に20~30円動く、株価1,000円の銘柄B

があるとする。

ある日、たまたま同じ日に、銘柄Aと銘柄Bが
エントリー候補銘柄にあがってきた。

トレードルール上は、エントリー候補
という意味においては、同じ。

だが、ここで同じ量の資金を投入するのが
本当に“公平”なのだろうか?

もし、トレードルールが
寄り付きで買って、引けで売るという
ルールだったとしたら、

銘柄Aは、1,000株買ったら、
2,000円~3,000円の利益、
もしくは損失で終わる可能性が高い。

そして、銘柄Bは、1,000株買ったら
2~3万円の利益、もしくは損失になる可能性が高い。

ここで、値動きが比較的落ち着いている銘柄と、
値動きの激しい銘柄に、同じ金額を投入することは
マネーマネジメント上、最も理にかなっているのか?
という疑問がわく。

この疑問に答えるようなマネーマネジメントが
今回紹介する「ATR」を考慮した方法だ。


該当する銘柄の、ある一定期間の値幅(レンジ)から、
「だいたい、このくらいのレンジで値動きするだろう」
という予測を立て、

・値動きの少ない、レンジ幅が狭い銘柄は
 多目の資金を投入する。
・値動きの大きい、レンジ幅の広い銘柄には
 少なめの資金を投入する。

そして、1売買ごとのリスク/リターンを
マネジメントしよう、という方法。


先ほどの例なら、
値動きの少ない銘柄Aには1,000株。
値動きの大きい銘柄Bは、100株の資金を投入する。

そうすれば、想定できる利益/損失は
同じように2,000円~3,000円となる。

想定される結果から、投入資金を調整しよう
という考え方で生み出された方法だ。



「なるほど、空也さん。
 こんな方法も、アリですね」
「じゃあ、実践では具体的にどうやるんですか?」
と、君が興味を持ってくれていることを期待して、
実践の話に移ろう。

実践の話をするために、
前提となる知識がひとつ必要だ。

それは、
「ATR(Average True Range)」
という知識。

まずは、このATRを少し解説しよう。


先ほどの

・値動きの少ない、レンジ幅が狭い銘柄は
 多目の資金を投入する。
・値動きの大きい、レンジ幅の広い銘柄には
 少なめの資金を投入する。

を実践するためには、
まず、該当する銘柄の値幅(レンジ)が
分からないと、どうしようもない。

なので、まずは
「銘柄の値幅がどれくらいか?」
をはかる必要がある。

で。
単純に「1日の値幅」ということだったら、

・当日の高値 - 当日の安値

で値幅(Range)が出る。


ただ、この方法だと、
「いきなりギャップアップして始まって、
 そのまま高値で推移した」
「ものすごいギャップダウンして始まって、
 そのまま安値で推移した」
という値幅を、
“狭い値幅”にカウントしてしまう。

極端な話、
寄り付きからストップ高で始まって、
そのままストップ高に張り付いたまま引けを迎えた銘柄は、
「値幅の狭い、比較的安全な銘柄」
にカウントしてしまうわけだ。

「そんなわけ、ないだろーっ!!!!」

という心の叫びがあったかどうかは知らないが、
ギャップアップ/ダウンを考慮するように生まれたのが、

真の値幅(True Range)という考え。


真の値幅は、

(1)当日の高値-当日の安値
(2)当日の高値-前日の終値
(3)当日の安値-前日の終値

のうち、最も数字の大きいものを「値幅」とする。
もちろん、どれかひとつを採用するので、
真の値幅自体は、1つの数値となる。

これで、激しいギャップアップ/ダウンがあった銘柄は
“大きい値幅”としてカウントされ、
投入資金をマネージするときの矛盾が解消されるわけだ。


そして、

欲しい数値は、
「該当する銘柄が、だいたい
 どのくらいの値幅を持っているのか?」
なので、1日だけの値幅を見ても、
ちょっと不安が残る。


たとえば、

今まで1週間ほどは上下4~5%の乱高下を
繰り返してきたのに、
たまたま「真の値幅」を見た日だけ、
ほとんど値動きがなかった、

なんてことだと、大きな勘違いを
しかねない。

「値幅は狭いんだ。じゃあ資金を大量投入しよう」
と、エントリーした瞬間、また激しい乱高下に
なってしまったら、値幅を見た意味がない。

なので、
ある一定期間の「真の値幅(True Range)」を
「平均(Average)」して、ならして見れば
いいだろう、と考え出されたのが、

「ATR(Average True Range)」だ。



ふぅ。
説明が長くなったね。
ちょっと深呼吸でもしようか。

さてさて。

長々と説明した「ATR」。

この「ATR」を使えば、
「該当する銘柄が、だいたいどの程度の
 値幅で動いているのか?」
ということを、推し量ることができる。

平均に使う日にちが多ければ多いほど
さまざまな場面で想定される値幅を
ならした値になるし、

平均に使う日にちが短ければ、
直近の値幅が想定できるわけだ。

たとえば、26日間のATRを見て
値幅を想定することも出来るし、
10日とか、5日間のATRを見て
値幅が狭いとか、大きいとか想定することも出来る。

どのくらいの日数を平均するのかは
君の自由裁量というところだ。

ただ、ガイドラインとしては
トレードルールとの相性を考えるのがいいだろう。

例えば、1泊2日の短期トレードルールなのに、
ATRは90日平均を見る、
なんていうのは、若干ミスマッチかもしれない。

うまく機能すれば、トレードルールは
「何でもあり」だが、始めのガイドラインとしては

・短期ルールには、短期平均ATRを
・長期ルールには、長期平均ATRを

採用するのがスマートだろう。



これで前提となる知識はマスターした。
あとは、簡単な計算式だけだ。

例えば、
全トレード資金が500万円あったとして、
1回のトレードでは、多くても全資金の2%までの
損失で抑えたいとする。

許容損失額 = 500万円 × 2% = 10万円


そして、
ある銘柄のATRが、10円だったとしよう。
一定期間を平均した、真の値幅が10円。

だとしたら、エントリーした後も上下10円の
値幅で動くだろうと想定して、
エントリー株数を決める。

損失許容額10万円 ÷ ATR10円 = 1万株

となる。


ATRが10円ではなく、激しく乱高下する銘柄で
500円だとしたら、

損失許容額10万円 ÷ ATR500円 = 200株

となり、該当する銘柄には200株だけエントリーする
ことになる。


以上が、ATRを使って、
同じトレードルール上で絞り込まれた銘柄の
リスク/リターンをマネージする方法。

ATRを使う場合、通常は
ATRの数値を2倍、3倍して使うことが多い。

例えば、ATRが10円だったら、
2倍して2ATR20円という値を使ったり、
3倍して3ATR30円という値を使ったりする。

想定する値幅を大きくすればするほど、
1銘柄にエントリーする株数は少なくなる。
分母が増えるからね。

結果として、リスクがどんどん減ってゆく形になる。



ものの本によると、
総トレード資金の2%を許容損失額として、
ATRは2倍して、
2ATRでマネーマネジメントするとよい、
というガイドラインがある。

個人的には、トレードルールによっては
この方法はリスクをとりすぎていると思う。

ある一定の範囲内で動いている
ボックスの値動きを狙うトレードルールなら
許容損失2%で、2ATRがうまくいくだろう。

ただし、
いわゆる逆張りなどの
「急激に上昇/下落した銘柄を狙う」
トレードルールだと、2ATRでは
リスキーなことも多い。

通常の値動きじゃない銘柄にエントリーするルールで、
通常の2倍程度の値幅しか想定しないのは、
個人的にはリスキーだと思う。

トレードルールしだいで、
3ATRや4ATRの幅を取ることも
選択肢に入れておいたほうがいいだろう。



今回のレッスンで見てきた
ATRを使ったマネーマネジメントは、
各銘柄の個性に合わせて資金を配分する方法なので、
リスクを調整しやすい方法だといえる。

ただ、ATRの計算が面倒なので、
パソコンの計算能力を活かして利用するのが
いいだろう。

システムトレードとは、相性のいい
マネーマネジメントだといえるね。



さて、今回のレッスンはここまで。

前提となる知識は、本来
「心・技・体」では、
「体」のカテゴリーなんだけれど、
君に伝えたいメインメッセージが「技」だったので、
「技」カテゴリとさせてもらった。

いかがだっただろう?


前回、今回とマネーマネジメントについて
具体的な方法を見てきた。

もちろん、今回でマネーマネジメントについての
レッスンが終わるわけではない。

むしろ、ここからスタートするといっても
いいくらいだ。

マネーマネジメントは
「時間分散」「銘柄分散」以外にも
いろいろあるからね。


たくさんのマネーマネジメントを見て、
君に最もフィットするマネーマネジメントを
構築していって欲しい。


今回も手紙を読んでくれて、本当にありがとう。

ではまた手紙を書きます。



空也
 

〔技〕 「良い」運用の3要素

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

前回までは、マネーマネジメントの基礎に特化して
話を進めてきたね。

マネーマネジメントの概要から始まり、
時間分散の概念、
銘柄分散の概念、
そして、具体的な分散の方法も、いくつか見てきた。

当たり前の話だけれど、
マネーマネジメントをするのは、
自分のトレードの成績、パフォーマンスを
最適化するために行うわけだよね?

じゃあ、何をもって
「最適化された」
と言っていいんだろう?

ある一定期間、たとえば年間トータルで
プラス利益になるトレードルールと
マネーマネジメントをすれば、
「最適化」したと言えるんだろうか?

年間トータル利益が高ければ高いほど、
「良いトレードルール」で、
「良いマネーマネジメント」
と言い切れるのか?

答えは、残念ながら「NO」だ。

もちろん、年間トータル利益が
高ければ、高いに越したことはない。


ただ、

トータル利益が高いというだけでは、
必ずしも「良い」とは言い切れないのが
本当のところだ。

事実、私が自分のトレードで使用している
トレードルール/マネーマネジメントは、
私が検証した中で、
「最もトータル利益の高いもの」
ではない。


なので、今回は
「良い」「最適化された」
トレードルール/マネーマネジメントとは
どんな要素を含んでいるのかを、一緒に見ていこう。



さて。

「良い」「最適化された」
トレードルール/マネーマネジメントには、
様々な要素がある。

もちろん、トータルで利益が出なければ話には
ならないんだけれど、それ以外の要素もある。

ただ、要素の中でも特に大切なことは、
たった一言で表現できる。

それは、
「君が、継続できること」。


もし君が一生満足できる金額を
短期間のトレードで得られるのならば、話は別だ。

「君が、継続できる」という条件は
なくてもいいかもしれない。

かもしれないが、たいていの場合は、短くても数年、
長ければ一生涯トレードというものは続く。

「お金を生み出す仕組み」を作り上げたのなら、
ずっと使い続けたいと思うのも人情だろう。

また、
満足できる金額を得るためには
ほんの数回のトレードで終えられる人は少なく、
何回も、何百回も、何千回もトレードを繰り返す
必要もあるだろう。

なので、
トレードルールを構築し、
マネーマネジメントをする時には、
「継続できる」
というポイントを抑えておいたほうがいい。


では。

「継続できる」というポイントを抑えるために
必要な要素とは、どんなことだろう?

資金的にも、体力的にも、精神的にも
継続できるトレードルール/マネーマネジメントじゃないと
意味がない。

以前のレッスンでも話したが、まず大前提としては、
君自身の性格やライフスタイルにフィットしている
ということは、必須の条件だ。

ライフスタイルに合ってないものは、
たとえ最高のパフォーマンスが出せるルールでも
ゴミ箱行きにしなければならない。

君は、トレードルールやマネーマネジメントの
主人なわけで、奴隷じゃないんだからね。

ま、ライフスタイルに合っているということは
最低限の条件だとして。

次に必要な要素は、何だと思う?



私が思う要素は、大きく分けると3つだ。

その3つとは、

・収益性
・安定性
・安全性

の3つ。

それぞれを説明していこう。


まず、「収益性」。
これは、単純な話。期待値の高さだ。

先ほどの話で、
「利益が高けりゃいい、ってもんじゃない」
とは言ったが、かといって
やればやるほどお金が減っていくのでは意味がない。

何のためにトレードをしているのか分からなくなるし、
資金が枯渇してしまったら、
「継続できる」
というポイントも、外してしまうことになるしね。

なので、
期待値が高く、トータルで利益が出る
トレードルール/マネーマネジメントを
するのは、必須の条件だ。



そして、「安定性」。
こちらも大切な要素だ。

例えば、とても期待値が高いトレードルールを
作ることが出来たとする。

しかし、そのトレードルールは
うまく機能すると、年間で+300%の利回りを
生むんだけれど、

機能しない年に当たると、年間で+1%の利回りにしか
ならない。というルール。

+300%の利回りは、とても魅力的だけれど、
残念ながら「良い」「最適化」されたルールという意味では
違うかもしれない。

さらに極端な話では、
「10年間で、トータルプラス期待値。
 ただ、ある年は+500%だけど、ある年は-100%」
なんていうルールは、ただの「ギャンブルルール」。

運の悪い、ある年に始めると
破産してしまうようなルールは、
安定性を欠いた、あまり良くないルールといえるだろう。


この「安定性」だが、
どのくらいの期間で「安定」しているかを決めるのは
君自身だ。

とりあえず年間で、毎年毎年トータルプラスならば
「安定している」、と見てもいいし、

3ヶ月区切りで、毎回トータルプラスになっていないと
落ち着かない。というのならば、3ヶ月区切りで
「安定性」を見てもいいだろう。


さらに、パフォーマンスのブレに
どのくらいの幅を許すのかも、君しだいだ。

「少なくとも年間で+20%をあげたい」
というのならば、+20%を「安定」のラインにしてもいい。

「年間で、プラスマイナス0%の利回りがあってもいいから、
 儲かるときにドカンと儲けたい」
なんていうのも、「安定」ラインになりうる。

期間の安定、パフォーマンス幅の安定。
全ては、君しだいだ。

トレードに使える資金の少ない、初期の段階では
比較的短い期間での安定を目指し、
資金が増えてきたら、高パフォーマンスを狙う
なんていう作戦も、アリかもしれないね。

いずれにしても、
君自身が継続できるための「安定」ラインを
模索してみて欲しい。



あとひとつ。「安全性」。
安定性に近い概念だけれど、ちょっと違う。

例えば、
「平均年利回りが+30%。
 この10年間、毎年毎年+20%の
 利回りを下回ることはない」

という、収益性、安定性ともに
悪くないルールがあったとする。

しかし、
「ただ、ある年に1回、
 全資金の80%が吹っ飛んだことがある」
というルールは、果たして「良い」ルールなのか?
という話。

机上の理論としては
「80%の資金が吹っ飛んでも、
 そのあと結果として年間トータルプラスに
 なったのなら、いいんじゃない?」
と思うかもしれない。


でも。

実際にトレードをしている時に、
80%の資金が吹っ飛んでしまったあと、
そのままのルールを使ってトレードできるか?

よほどの人じゃない限り、
そのままのルールに従ってトレードをすることは
出来ないんじゃないかな?

私が実際に検証したルールの中でも、
2008年の10月に資金の80%を失った
ルールがある。

そして、もし残った資金をそのまま
11月に運用していたら
失った資金を取り戻した上に、
30%も資金が増えた、というルールがあった。

その他の年は、安定した
成績を出していたルールだったけれど、
そのルールを採用することは、私には出来なかった。

80%の資金を失ったあと、
そのままのトレードルールを信頼できるかに
自信を持てなかったためだ。


もし君が
「80%の資金失っても、全然問題ない」
「そのまま淡々とトレードできますよ」
というのならば、安全性はさほど気にしなくても
いいかもしれない。

ただ、精神的に重圧のかかる
ドローダウンは、なるべくなら避けたほうがいいだろう。


この「安全性」に関しても、
どのラインを「安全」とするかは、君しだいだ。

君自身が耐えられるドローダウンを想定して、
トレードルールやマネーマネジメントを
構築するといいだろう。

ちなみに、
ドローダウンには、
「ドローダウン金額(パーセンテージ)」と、
「ドローダウン期間」がある。

「いきなり資金の80%が吹っ飛ぶ」というのは、
ドローダウン金額(パーセンテージ)の話で、

「もう5ヶ月もプラスになっていない」というのが、
ドローダウン期間の話だ。

人によって
「金額が吹っ飛ぶのは耐えられるけど、
 ずっとドローダウンが続くのはイヤ」
とか
「絶対に、ドローダウン金額が大きいのは
 耐えられない」
とか、いろいろある。

君の性格に合わせて、設計していくといいだろう。

ガイドラインとしては、
余剰資金が豊富な人は、
ドローダウン金額には目をつぶり、
ドローダウン期間を短くすることを目指す。

余剰資金がない人は、
できるだけドローダウン金額を抑えるように
設計するのがいいだろう。


さてさて、ここまでで、
・収益性
・安定性
・安全性
という、3つの要素を見てきた。

トレードルールを作り、
マネーマネジメントを考えていると分かるけれど、
この3つは、言葉を選ばずに言うと
「足を引っ張り合う」関係になりがちだ。

安全性を求めると、収益性がダウンする。
収益性を求めると、安定性や安全性が失われる。

リスク/リターンの話なので
当然といえば当然なのだが、
やきもきするシーンもあるだろう。


その時には、初心に帰って

「自分のライフスタイルに合った形は、どうなのか?」
「資金的にも精神的にも、より継続できる形はどれか?」

と自問自答してみるのもいいだろう。


「資金が少ないころは、
 できるだけ安定性・安全性を優先しよう」
という考え方もある。

「資金が少ないころは、
 多少のリスクをとってでも、収益性を求める!」
という考え方もある。

そして、どちらの考え方も正しい。


自分が 今、どんなライフスタイルで、
将来、どんなライフスタイルを望むのか?

望むライフスタイルを得るために、
許容しなければならないリスクは、どこまでか?

自分が最低限必要とするライフスタイルを
死守するために、とってはいけないリスクは
どこに設定するのか?

この答えだけは、君自身でしか出すことは出来ない。


今の私は
「資金が少ないころは、
 できるだけ安定性・安全性を優先しよう」
と思う。

けれど、
昔自分が実際にやってきたことは
リスクがいっぱいいっぱいの綱渡りトレードだ。

結果として、激しいドローダウンも経験したし、
利益も受け取ることが出来た。

どっちがいいとは、一概には言えない。

君が、君のなりたい方向を進めばいいと思う。
もちろん、できる限りの応援はしていくよ。
一緒にがんばろう。



さて、今回のレッスンはここまで。

「良い」「最適化された」
トレードルール、マネーマネジメントには

・収益性
・安定性
・安全性

の要素があり、3つの要素の根っこは
「君が、継続できる」ことだ
ということを学んだ。

そして、収益性・安定性・安全性の
3つのバランスのどこを「よし」とするかは
君しだい、という話もさせてもらった。

今回の話が、君のインスピレーションになることを
心から願っているよ。


今回も、手紙を読んでくれて本当にありがとう。
ではまた手紙を書きます。


空也
 

〔心〕 幸せは、いつも勘違いから。

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

今回は、深く「なるほどなー」と思ったことを
手短に伝えます。


先日、私の恩師の老夫婦に会う時間を作ることがあり、
また たくさんの教えを受けることがあったんだ。

その老夫婦は、たくさんの苦労をしてきた中で、
今は経済的にも精神的にも成功を収め、
幸せに余生を送っている夫婦なんだけれど、

たくさんのおしゃべりの中、
老夫婦の奥様が、自分の子供について
話をしてくれたことがあった。

自分の子供について話してくれた中で、
「私の子供は、たとえ私が今の主人と結婚しなくても、
 絶対 私の元に来てくれたと思うの」
という話をしてくれた。

そのご婦人は、もちろん夫のことも愛しているんだけれど、
自分の子供のことを、とても愛していて、
「誰と結婚しても、私の子供たちは、
 今の姿のまま、私の元に来てくれていた」
と、信じて疑っていないんだよね。


生物学的、遺伝的には
「いやいや、今の旦那さんと結婚したからこそ、
 今のお子さんもいるに決まっているじゃないですか」
と言うのが、当たり前の反応だろう。

でも、

そのご婦人の 幸せそうな話しぶりを見ていると
「もしかしたら、ご婦人の言うとおり
 誰と結婚しても、彼女のお子さんは
 彼女の元に来たのかもしれないな」
なんて思えたりもするんだ。



で。

ご婦人が今、真剣に
「私の子供は、誰と結婚しても私の元に来た」
と思って 信じているのなら、

何のために、その信じていることを否定する
必要があるんだろう?
と思ったんだよね。


ご婦人は、自分の子供への愛情から
「正しい勘違い」をしている。

そして、その
「正しい勘違い」は、
ご婦人も、周りの人も、全員を幸せにしている。

ならば、
その勘違いは、そっと守るべきものだし、
ある意味、真実を含んでいるんじゃないかな、
とも思ったりするんだよね。



普段 生活をしていると、本当にいろいろなことが起こる。

「なんでこんなことが起こるんだ!!?」
とか、
「なんで私だけこんな目に会うんだ!?」
とか、
本当に いろいろなことが起こる。

いろいろなことが起きる中で、
「この出来事を、幸せに捉えるとするなら?」
と、自問自答することは、とても素敵なことだと思う。

たとえ、その捉え方が、
ロジックでは間違っていたとしても、
自分や、自分の周りを幸せにする捉え方ならば
いいんじゃないかな?
なんて、思ったりもする。



今、君が生活をしている中でも、
さまざまなことが起こり、さまざまなニュースが流れている。

テレビやネットを見れば
「○○が△△した」
「実は○○は、××だった」
なんてニュースが、これでもか!と言わんばかりに
迫ってくる。

もちろん、君の身近では、
もっと切羽詰った事が起きているだろう。

その中で、事実・真実を見極めることも大事だと思う。

大事だけれど、一方で
「この出来事を、幸せに捉えるとするなら?」
という質問に答えて見る余裕を持つのも、いいかもしれないね。


事実を正確に捉えて、結果として悲嘆にくれるのと、
出来事の中に幸せを見つけて、豊かさを味わうのと、
君はどっちが幸せだと思う?

豊かさは、実は勘違いの中に隠れているのかもしれないね。



今日も手紙を読んでくれてありがとう。

ではまた手紙を書きます。



空也

 

〔体〕 「オススメ銘柄情報」の使い方

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

今回は、証券会社の営業マンや、
テレビに出てくる株のコメンテーターなどが話す
「オススメ銘柄情報」について話をしよう。


株の専門雑誌や、株のテレビ番組なんかを見ると
「この銘柄はオススメ!」
とか、
「いま、○○業界は、絶好の仕込み時」
なんていうトピックを、よく見るよね。

また、君が証券会社の営業マンから
直接株を買ったことがあるかは知らないけれど、
「今は、○○という銘柄はオススメですよ」
などと言って、株を推奨してくるのは
聞いたことがあるだろう。

そして、そんないわゆる
「株のプロ」たちからの情報をもとに株を買い、
大損をした、なんてこともあるかもしれない。

結果、
「この情報、まったく当てにならない!」
とか、
「オススメ銘柄なんて、当たったためしがない!」
とか言って、腹を立ててしまうこともあるかもしれない。

でも、
それは株の情報誌や、テレビ番組などの
オススメ銘柄情報の使い方が間違っているだけだ。

たしかに、情報をそのまま鵜呑みにして売買したのでは
まったく使い物にならない情報だろう。

ただ、使い方さえ間違えなければ、
どんな情報でも、君に利益をもたらす情報になり得る。

今回は、その「オススメ銘柄情報」の使い方を
勉強しよう。


さて。

「オススメ銘柄情報」の使い方を知るには、
まず、その情報が、どのような経緯で
君の耳に飛び込んでくるかを知っておく必要がある。

そのオススメ銘柄情報が、何のために、
どのようなプロセスを経て君の耳に届くのか?


例えば、
「○○さんは、君のことが好きみたいだよ」
「君とお付き合いしたいと思っているんだって」
という話が、耳に入ったとする。

そして、君も○○さんのことが大好きで、
以前からお付き合いしたいと思っていたとしよう。

さてさて、君は情報を鵜呑みにして、
すぐに○○さんにアプローチをするだろうか?

普通はしないよね。
まずは、その情報元を確かめるんじゃないかな?


「○○さんは、君のことが好きみたいだよ」という情報が、

○○さんの親友から聞かされたのと、
君の事を いつもからかっている友人から聞いたのと、
今日君と初めて会って、ちょっと話した人から聞いたのとでは
意味が全く違うだろう?


なので、
情報は、「どこから」「何のために」を
確かめるのは、当然だよね。

株の情報も、まったく同じこと。

なのに、なんとなく「株のプロ」という
権威付けがされていると、
情報源を確かめるという作業をスルーしてしまいがちになる。

気をつけたいところだよね。


さて。では、
株の情報は、どのようなプロセスを経て
君の耳に入ってくると思う?

ひとつの例として、
株の情報誌をあげてみよう。

たとえば株の情報誌から、君は
「オススメ銘柄情報」を得たとしよう。

では、その「オススメ銘柄情報」を書いた人は、
なんで君に「オススメ銘柄情報」を、
わざわざ記事にしてまで教えてくれたんだろう?

テレビのコメンテーターにしても、
証券会社の営業マンにしても同じこと。

なんで、わざわざ時間と労力を使ってまで、
君に情報を教えてくれるんだろう?

そして、
なぜ株情報誌の出版社や、
コメンテーターの出ているテレビ局や、
営業マンを雇っている証券会社は、
彼らに給料や出演料を払っているのだろうか?


答えは、
「利益が出るから」。

お金は、仕組み化の対価であるという話をしたね。

株情報誌は、君にオススメ銘柄情報を教えることが
お金を儲ける仕組みにつながっている。

コメンテーターは、オススメ銘柄情報を教えることで
出演料をもらっている仕組み。

そして、証券会社の営業マンは、
君にオススメ銘柄情報を持ってきて
君に株を買ってもらうことで利益を得る
仕組みの一部なわけだ。


ここで勘違いしてはいけないのが、
「君にオススメ情報を教える」ところまで、
あるいは
「君がオススメ銘柄を買う」ところまでで、
彼らの仕事、役目は終わるということ。

決して
「君がオススメ銘柄情報で儲ける」ところまでは、
彼らの仕事ではないのだ。

彼らは、彼らで一生懸命自分の職務を果たす。
出来る限りの誠意と、労力と、時間を使って
最大限の効果を発揮するように頑張る。

しかし、
「最大限の効果」とは、
「君に利益をもたらす」ことではなく、
「君に情報を信じさせる、そして株を買わせる」
ことなのだ。


君も、雑誌の記者やコメンテーター、
営業マンの利益を心から願って、
自分を犠牲にしてまで働くことはないだろう。

そして、彼らも同じように
君の利益のために、そこまでの努力は
してくれない。


だから、

彼らが持ってくる「オススメ銘柄情報」を
扱うときは、
「この情報が、直接 利益をもたらしてくれる
 わけではない」
ということを、肝に銘じておかなければいけない。

その上で、
「このオススメ情報を見た
 他の市場参加者は、どう動くだろうか?」

ということを考えればいい。

君が得た情報は、必ず他の市場参加者も同様に得ている
と思って、まず間違いない。

他の市場参加者が、どう動くのかが分かれば、
株で利益を得るのは、簡単なこと。


ならば、
「オススメ銘柄情報」を見たときは、
その情報を鵜呑みにするのではなく、

「このオススメ情報を見た
 他の市場参加者は、どう動くだろうか?」


と考えたほうが、より広く物事が見られるんじゃないかな?



ものの見方を少し変えるだけで、
まったく新しい価値が見えてくることって、あるよね。

今日も手紙を読んでくれてありがとう。
ではまた手紙を書きます。



空也

 

〔体〕 システム vs 裁量 ~その1

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

今回から数回に分けて、トレードルールの中の
「システムトレード」

「裁量トレード」
について話そうと思う。

君も、
「システムトレード」
「裁量トレード」
という言葉は、聞いたことがあると思う。

そして、その2つがどのような違いを持ち、
それぞれどのような長所と短所を持っているのか?
ということを詳しく学べば、
君のトレードルール構築にも役に立つだろう。

今回から数回の話を読めば、君の
「どのようなトレードルールを構築すればいいのか?」
「システムトレードと裁量トレード、
 自分はどちらをやればいいのか?」
という疑問を解消するのに必要な
インスピレーションになることだと思うよ。

では、さっそく内容に入っていこう。



まずは、2つの言葉、
「システムトレード」と
「裁量トレード」について、軽く確認をしておこう。

トレードルールというものは
「○○という条件が揃ったら、買う/売る」
というものなので、広い意味では
すべてのトレードルールが「システム」だともいえる。


ただ、狭義の「システムトレード」というのは、

「ある期間、蓄積された株価データを取り出して、
 一定のトレードルールに照らし合わせる。
 その過去のトレードルールの検証結果をもとに、
 実際の売買をする」

というものになる。

何年、何十年という株価データを検証するわけなので、
「計算」という作業が最も得意な道具であるパソコンとは、
切っても切れない関係がある。

なので通常は、パソコンを使って株価データを検証する。

そして、過去のデータでは期待値がプラスだった
トレードルールを見つけ、そのトレードルールに従って
売買を繰り返す、という形を取るね。

いかに過去の検証の中で、素晴らしいトレードルールを
見つけるのかが、ひとつのポイントであるといえるだろう。


そして、対して「裁量トレード」というものもある。

「システムトレード」という概念がなかったころは
すべてのトレードには裁量が含まれていたので、
「裁量トレード」なんていう言葉は、なかった。

今は、「システムトレード」の対比語として
使われることが多いね。

「システムトレード」は、
過去の検証データから売買ルールを作り、
一度作ったトレードルールは、原則的には
全く動かさない。

対して「裁量トレード」の方は、
基本的な自分のトレードルールの「形」はあるものの、
その後の売買については、自分の裁量で決める。

市場全体の動向とか、
過去の自分自身の経験とか、
個別銘柄のクセなどを加味して、
総合的に判断をして、売買を重ねていくわけだ。

以上が、「システムトレード」と「裁量トレード」の
簡単な説明になる。



私自身は、裁量トレードもやってきているし、
システムトレードもやってきている。

結果として、どちらでも利益は出せるので、
君がシステムトレードをやるのでも、
裁量トレードをやるのでも、君の自由意志だ。

どちらの方法でも、うまく運用すれば
君の満足のいくパフォーマンスをたたき出すことが
できるだろう。

ただ、

どちらの方法を採用するにしても、
必ず守らなければならないことがある。

今回は、この
「守らなければならないこと」
だけを覚えてくれればOKだ。


守らなければならないこと。

それは、

「自分に不利だからと言う理由だけで、
 トレードルールを捻じ曲げてはいけない」


ということ。


システムトレードの場合は、
完全に決まったエントリー条件と
取引終了条件がある。

裁量トレードにしても、
「この形の場合は、エントリーしよう」
とか
「この形が○○になったら決済しよう」
というルールがある。

その条件、ルールを
「自分に不利だから」
という理由で、そのつど変えてはいけない。

特に裁量トレードの方でやりがちなのは、
「損失が思ったより大きくなったから、
 しばらく様子を見て、待っていよう」
といったこと。

どのトレードでも、
「自分の利益/損失」
という理由だけを、判断基準にしてはいけない。

裁量をするのは、あくまで
「トータルで」利益を最大化するためで、
個々のトレードに固執するのは、得策ではない。


システムトレードも裁量トレードも、
ルールの調整をしたりすることは
たくさんあるだろう。

ただ、
エントリーした後、含み損になったからという理由で
ルール変更をするのは、よくない。

ルール変更や調整は、
エントリー前に行うのが原則。

もしエントリー後にルール変更する場合でも、
ルール変更理由は、
「市場全体の流れを考慮したうえで」
とか
「さらに良い方法を発見したので」
という場合に限ったほうがいい。

「含み損だから、含み損になった銘柄だけ様子見しよう」
「含み損だから、ナンピンしてみよう」
なんていう行為は、君のトレーダー生命を
短くするだけなので、やめておいたほうがいい。


もし、どうしても
「含み損だから、様子見したい」
という衝動に駆られたら、

一度、今もっているポジションを損切りして、
その直後にエントリーしなおすといい。

1ティック程度は変わるかもしれないが、
ずっと保有しているのと、ほぼ変わらない損益で
保有できるだろう。

「エントリーし直し」をした後
株価が順行すれば、損失は補填されていくし、
君のポジションと逆行し続ければ
損失が加算されていく。

どちらにしても、ずっと保有していたのと
条件は変わらない。

条件は変わらないが、ただ、
頭の冷静さはまったく違ったものになる。

含み損を1回切っているので、
感情的な整理が出来てしまうわけだ。

なので、
「なんで、ここで買ったのか?」
「なんで、ここに固執してたんだろう?」
ということが、冷静に判断できるようになる。

どうしても、というこだわりがあったときは、
試してみるといいだろう。

(ま、「それが出来れば苦労しない」という
 君の声も聞こえてきそうだが(笑))



今回は、「システムトレード」と
「裁量トレード」の大まかな違い、
それと、両方のトレードに共通する
最大の注意点の話をした。

過去の株価データ検証による
ルール構築を柱とするシステムトレード。

「形」だけを決めて、後は総合的な判断で
利益を重ねていこうとする裁量トレード。

どちらでも利益は出せる。

ただし、どちらのトレードを採用するにしても、

「自分に不利だからと言う理由だけで、
 トレードルールを捻じ曲げてはいけない」


という、“鉄のおきて”は守ったほうがいい。
という話だね。


次回からは、
「システムトレード」と「裁量トレード」を、
さらに詳しい視点で 紐解いていこう。

この手紙が、君のトレードルール構築の
糧になることを願って。


今回も手紙を読んでくれて、本当にありがとう。
ではまた手紙を書きます。


空也

 

〔体〕 システム vs 裁量 ~その2

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

前回は、「システムトレード」と
「裁量トレード」の概要と、
両方に共通する注意点を説明したね。


過去の詳細な検証に基づいて
銘柄、エントリーポイント、決済ポイントを決めて
売買をするシステムトレード。

自分の、ある程度の「形」を決めた後、
ひとつひとつの売買に関しては状況などを鑑みて
売買をする裁量トレード。

そのどちらでも利益を出すことが可能だが、両方とも
「自分に不利だからと言う理由だけで、
 トレードルールを捻じ曲げてはいけない」
というポイントだけは、守らなければいけない。
という話だったね。

その場限りの不利/有利ということで
トレードルールを捻じ曲げるのではなく、

トータルで利益を出すためにどうすればいいのか?
ということを考えなければ、
継続して利益を出すことは出来ない。

気をつけて進めていきたいものだよね。


今回は、前回の概要の話を受けて、
システムトレードと裁量トレードの
それぞれのメリット、デメリットを見ていこう。

ちょうど、システムトレードのメリットが
裁量トレードのデメリットに。
そして裁量トレードのメリットが
システムトレードのデメリットになっている。
表裏一体の形だね。

君がシステムトレードを中心にトレードしていくのか?
それとも裁量トレードを中心にトレードしていくのか?

今回の手紙も参考にしてもらえると嬉しいね。
では、はじめていこう。



さて。

まず、システムトレードから話していくことにしよう。

システムトレードは、良くも悪くも
「ルールが厳然と決まっている」
ということが最大の特徴だ。

検証作業をしている間は、
さまざまなパラメータをいじって
「ああでもない」
「こうでもない」
と、期待値をプラスにするために苦労する。

しかし、一回自分のトレードルールが出来てしまえば、
運用が想定の範囲内であるかぎり、
日々の運用は非常に楽なものになる。

定められた特定の方法で参加する銘柄を抽出し、
定められた特定のタイミングでエントリーし、
定められた特定のタイミングで決済をする。

あとは日々の繰り返しが、
君に利益を運んできてくれる、というわけだ。
(もちろん、期待値がプラスのルールを
 作っていることが大前提だが)

「お金は仕組み化の対価」
という話を以前にしていたが、システムトレードは、
非常に分かりやすい
「仕組み化の結果もたらされるお金」
といえるだろう。

株式市場という世界にマッチした
仕組みを構築することによって、
君は市場からお金を受け取ることができる。

君が構築した、トレードルールという仕組みが
洗練されていればいるほど、
より確実に、より低リスクに、より多くの
お金を受け取ることができる。
というわけだ。

さらに、
「ルールが厳然と決まっている」ため、
裁量トレードに比べると、

「本当は損きりするタイミングだけど、
 損切りしないで様子見しよう」
とか

「もうちょっと持っていれば、
 もっと利益が伸びるかも・・・」
と言った“誘惑”を振り切りやすい、
というメリットもある。

もちろん、最終的には個人の「心」によって
ルールが守れるかどうかは決まるんだけれど、
裁量トレードに比べれば、比較的
ルールは守りやすいはずだ。


・日々の運用が楽
・誘惑を振り切りやすい

というのが、システムトレードのメリットといえる。
両方のメリットとも
「ルールが厳然と決まっている」
ために、受け取ることの出来るメリットだ。


そして、
この「ルールが厳然と決まっている」ということが
裏目に出てしまう側面もある。

例えば、システムトレードのルール構築の際に
「前日の売買代金が5億円以上」
という条件を設定していたとする。

この条件を設定した以上、
たとえどんなに他の条件がベストマッチしていたとしても、
売買代金が5億円なければ、
エントリー候補からは外れてしまう。

たとえ、売買代金が4億9999万9999円でも、
売買代金がゼロ円でも、同じように候補からは除外してしまう。

人間の目から見たら
「このケースは、他の条件が充分満たされているんだから
 エントリーしてもいいだろう」
ということが明らかでも、
システムは冷酷にエントリー候補から切り捨ててしまう。


逆に、

どんな外部要因があっても、
システムに組み込まれていないものは無視して
エントリー候補を挙げてきてしまう。

決算発表が悪かろうが、
市場全体が大暴落をしていようが、
世界大戦が始まろうが、

条件にマッチしさえすれば
「買い」のシグナルを出してしまう。

柔軟性というものは、まったくないわけだよね。


さらに、エントリー途中でも
「ルールが厳然と決まっている」
のは変わりがない。

だから、
エントリー途中に好業績発表があっても決済するし、
強制捜査が入った会社の銘柄も、持ち続けるかもしれない。

「今回は、予想していなかったニュースが出たな。
 一度撤退しよう」
と言ったことは、システムトレード自体では判断がない。


・あらかじめ設定した条件を寸分たがわず守って
 銘柄を抽出する。
 たとえ他の条件が極めて良かったとしても。
・エントリー途中の突発的な出来事に
 柔軟に対応するということは、ない。

というのが、システムトレードのデメリットだろう。

「ルールが厳然と決まっている」ということが、
裏目に出てしまうということだよね。



そして、裁量トレードのメリット/デメリットは
システムトレードのメリット/デメリットと
表裏一体の関係にある。

裁量トレードは
「自己判断で柔軟に運用する」
というのが特徴だ。

なので、日々、つねに判断をしなければならない。
そのため、運用は複雑になりやすい。

そして、自己裁量を入れるということは、
毎回毎回のトレードで、自分の欲望とまっすぐに
向き合わなければいけないということにも直結する。

「もうちょっと持っていたい」
「早く決済してしまいたい」
「売りたい、買いたい」
という心の誘惑を昇華して、
淡々とトレードしなければならないわけだ。


・日々の運用は、困難
・誘惑と戦い続けなければならない

というのが、裁量トレードのデメリット。


しかし、
チャートの全体的な形から
「このケースならば、エントリーしたほうがいいだろう」
という判断も出来るし、

「○○というニュースが出たから、
 エントリーしよう/エントリーをやめておこう」
という、柔軟な対応も出来る。


そして、
「このケースならば、もう少し保有しておこう」
「いつもは○○だけれど、これは△△ということだろうから、
 損切りしておこう」
という、エントリー中の対応も、
柔軟に行うことができるわけだ。

・ある程度の「形」さえ守っていれば、
 総合的な判断でエントリー候補を選べる。
・エントリー途中の突発的な出来事に
 柔軟に対応できる。

という魅力的なメリットを持っているのが
裁量トレードの特徴だ。



システムトレードの
「ルールが厳然と決まっている」
という特徴。

そして裁量トレードの
「自己判断で柔軟に運用する」
という特徴。

両方が表裏一体の形になっているということが分かるだろう。

どちらが、より優れた方法である、
ということは、一概には言えない。

人による向き、不向きもあるし、
どちらでも継続した利益を出すことは可能だ。

なので、
まずは両方の特徴を理解して、
君のスタイルを決めていくといいだろう。


今回のレッスンは、ここまで。

今回は、システムトレードと裁量トレードの
メリット/デメリットを一緒に見てきた。


システムトレードは

・日々の運用が楽
・誘惑を振り切りやすい
というメリットを持ち、

・あらかじめ設定した条件を寸分たがわず守って
 銘柄を抽出する。
 たとえ他の条件が極めて良かったとしても。
・エントリー途中の突発的な出来事に
 柔軟に対応するということは、ない。

というデメリットを持っている。


裁量トレードは、

・日々の運用は、困難
・誘惑と戦い続けなければならない
というデメリットを持っている分、

・ある程度の「形」さえ守っていれば、
 総合的な判断でエントリー候補を選べる。
・エントリー途中の突発的な出来事に
 柔軟に対応できる。
というメリットがある。


ふたつの方法、それぞれのメリットとデメリットを
理解したうえで、自分のスタイルを作っていけばいいだろう。


次回は、システムトレードと裁量トレードについての
私の個人的な意見なども紹介しながら、
もう少し突っ込んだ話をしていこうと思っている。


今回も手紙を読んでくれて、本当にありがとう。

ではまた、手紙を書きます。


空也

 

〔体〕 システム vs 裁量 ~その3

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

前回、前々回と、
システムトレードと裁量トレードの違いを
説明してきているね。

君のインスピレーションには、なっているかな?

システムトレードを主軸においても、
裁量トレードを主軸にしても、
どちらでも利益を出すことは出来る。

もちろん、継続した利益を出すためには
それなりの努力が必要になるだろうけれど、

前回のメリット/デメリットなどを考慮して、
君が魅力を感じる方を主軸にすればいいだろう。


さて今回は、システムトレードと裁量トレードの特徴を
もう少しだけ見て言った後、最後に私が考えている
システムトレードと裁量トレードの今後について
ちょっと話そうと思う。

君がどのようなトレードスタイルを確立するかの
手助けにしてもらえれば、幸いだ。

では、さっそくはじめていこう。



「ぶっちゃけ、システムトレードと
 裁量トレードって、どっちが儲かるんですか?」
と、以前トレード初級者の人に聞かれたことがある。

その時に私が返答したのが、
「個人で寿司屋さんをやっている職人オーナーと、
 回転寿司屋さんのオーナーだったら、
 どっちが儲かると思う?」
という、質問返しだった。


個人の寿司職人さんは、自分の腕ひとつで
お店を切り盛りしている人だ。

仕入れたネタや、季節、天候などで酢飯の調整をしたり、
来てくれるお客さんによって、握るネタなんかも
調整したりもするだろう。

職人さんの裁量にお客さんがつき、
腕一本でお店を繁盛店にも、不人気店にもする。


一方、回転寿司は、個人店に比べれば
お客さん一人ひとりの細かいニーズなどは考慮しない。

握りなどは、機械で握るところもあるだろうし、
接客にもマニュアルがある。

チェーン系の回転寿司屋さんならば、
本部が今までの成功/失敗を検証した上で
最適であると思われるシステムを構築している。


個人の寿司屋さんと、回転寿司屋さんの
どちらが素晴らしいか?
などという議論を、ここでするつもりはない。

純粋に、「どちらが儲かるか?」
という話をするのであれば、君はどっちだと思う?

答えは当たり前だけれど、
「その店による」。
だよね。


名人といわれる職人さんが、銀座の有名店で握る
寿司屋さんもあるし、
お客さんが一人も来ないといった
個人寿司屋さんもあるだろう。

もちろん、回転寿司屋でも、
人気店/不人気店というものがある。

どちらの形態の寿司屋が儲かるか?
なんてことは、一概には言えるわけがない。


そして、それはトレードでも同じこと。

名人級の腕を持つ裁量トレーダーは
そこらのシステムトレードでは足元にも及ばない
すさまじいパフォーマンスを叩き出す。

優れた売買システムは、
「そこそこの裁量トレーダー」程度の腕では
及びもつかない利益を生み出す。

そしてもちろん、
マイナスを出し続ける裁量トレーダーもいるし、
いくらやっても儲からない売買システムも、たくさんある。

なので、トレードにおいても、
システムトレードと裁量トレード、
どちらの形態が儲かるのか?
ということは、一概には言えないということなのだ。



ここまでは、何の私見も含まない事実だ。

でも今までの話だけでは、
「じゃあ、結局どうなんですか?」

という気持ちになるだろうから、
ここから、やや私の見方や意見も含んだ上で
システムトレードと裁量トレードを見ていこう。

さて。

寿司屋と同じように、
トレードもトレーダーやシステム次第で
儲けられる金額が変わるということを説明してきたけど、

その上で、あえて
どちらが儲けられる可能性があるかということを
考えてみよう。


これは私見だけれど、現時点ではおそらく、
ある一定期間で儲けられる限界値は、
裁量トレーダーの方が上だろう。

回転寿司屋一店が、銀座の一流店を(おそらく)
追い越すことはできないように、

どれほど素晴らしいシステムを構築しても、
その時々で最良の判断をし続けた裁量トレードには
かなわないと思う。

これは私だけの意見というわけでもなく、
多くのシステムトレーダーが、
書籍やインタビューの中で
「天才的な才能のある裁量トレーダーには、
 私は勝つことが出来ません」
とも語っている。

さらに、トレード界の歴史に名を連ねる
伝説のトレーダーたちも、今のところは
裁量トレーダーがほとんどだ。

なので、もし君が最高のパフォーマンスという
記録に挑戦したいのであれば、
裁量トレーダーの道を進むという選択肢もいいだろう。


ただ、もうひとつの事実としては、
裁量トレーダーとして活躍できる期間は
一般的にはシステムトレーダーよりは
短いとされている。という点だ。

裁量トレーダーに求められる
集中力、精神力、状況判断能力、反射神経などは、
おそらくプロのアスリート並みのもの。

なので、どうしても最高のパフォーマンスを
出せるのは、身体的・精神的能力が最高潮の時に
限られてしまうというのが、一般的だ。

さらに、裁量トレードの場合、
個人の能力に負うところが大きいので、
トレーダーの休みが、無収入に直結している場合が多い。

「自分の代わりに、だれかにトレードしてもらう」
ということは、裁量トレードの場合 不可能に近い。


その点では、システムトレードの方に軍配があがる。

集中力、精神力、状況判断能力、反射神経などは
裁量トレーダーよりは低くてもパフォーマンスは出せる。

また、システムさえ稼動していればいいので、
自分がトレードできない状況になったとしても、
他の人に頼むという選択肢も選びやすい。

個人の寿司職人は、自分が店に立っていなければ
収入はなくなるのに対して、
回転寿司屋は、アルバイトでも寿司を作ることができる、
といった違いと同じかもしれないね。

なので、
長期間でのパフォーマンスや、
状況によるパフォーマンスの安定度は
システムトレードの方がいいかもしれない。



私自身は、しばらくは裁量トレードで利益を出してきたが、
ある時を境にシステムトレードに転向した。

理由は、これから年齢を重ねていった時に
自分の裁量をハイレベルに保っていられるかが
不明瞭だったということと、
今まで言ってきたようなパフォーマンスの安定度のためだ。

あと、
これから5年後、10年後を考えた時、
私の裁量のレベルアップよりも
システムトレード検証ソフトのレベルアップの方が
早いだろう。という予測もある。

技術の進歩は、すさまじい。
人間のチェス名人に、コンピューターが
勝つようにもなってきている。

健康体の最速短距離ランナーよりも、
パラリンピックに出ている、脚に障害を持った人のほうが
今は速い記録を出している。

トレードだけが、いつまでも
人間だけの方が上位だと考えてばかりもいられない。

だから、現時点では裁量トレードをした方が
儲かるかもしれないけれど、私はシステムトレーダーに
転向をしたというわけだ。


ただ、君がどちらを選ぶかは、
もちろん君しだいだ。

これからの手紙でも、
裁量トレードの話もするし、
システムトレード寄りの話もする。

君自身にフィットするトレードスタイルを
見つけられるように、応援していくよ。


今回も手紙を読んでくれて、本当にありがとう。
いつも感謝しているよ。

ではまた手紙を書きます。



空也


 

〔心〕 しみのある手紙

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

今回の手紙は、いつもとちょっと違った
アプローチで話を進めてみよう。

同封した、1枚目の紙を
見てみて欲しい。


< 空也さんから贈られた、1枚目の紙 >
black_simi_A.jpg


紙をじっと見てみて欲しい。
じっと見た後に、下に書いてある
質問に答えてみて欲しい。

いいかな?



質問は、
「この紙の中で、気になる部分は、どの部分?」
という質問だ。簡単だろ?

紙の中で、
「ここが気になる」
という部分を頭の中で答えてみて欲しい。

別に「ひねり」とか「ひっかけ」がある質問
じゃないから、シンプルに答えてみて欲しい。


さて、
たいていの人は、
「黒い、しみみたいになっている点」
が気になる。

私もそうだし、おそらく君も「黒いしみ」が
気になるんじゃないかな?

そして、
もし、この“黒いしみ”が気になって
「なんとか“黒いしみ”を消せないかな」
と思って、“しみ”をこすってしまうと、
2枚目の紙みたいになるよね。


< 空也さんから贈られた、2枚目の紙 >
black_simi_B.jpg


「黒いしみ」は、消えてなくなるどころか、
大きく広がってしまう。

そして、より気になる。
どんどん、どんどん気になる。



さてさて、
何が言いたいのか?というと、

もし、

この紙の中で、黒い部分が
「君の生活の中での、不満な部分」
「君の生活の中での、足りないと思っている部分」
で、

白い部分が
「君の生活の中での、幸せな部分」
「君の生活の中での、満ち足りている部分」

だとしたら、どうだろう?
ということ。

幸せな、満ち足りている部分が大きいからこそ、
不満で、足りないと思っている部分が目立って感じる。

「これが足りない」
「あれが不満だ」
と思っていられるのは、
他の大きな部分で、満ち足りているからなんじゃないかな?
なんて思うんだよね。

毎日太陽が昇り、
空気があり、
いつでも食事を食べることができ、
なんらかの関係がある人がいる。

満ち足りていることって、
実は意識していないだけで、
まわりにたくさんあったりする。

私は、恥ずかしながら、けっこう忘れがちなんだよね。
君は、どうかな?

はじめから、白い部分が少なくて、
黒い部分が多かったら、今度は白い部分の方が
気になるだろうから。

同封した、3枚目の紙のようにね。


< 空也さんから贈られた、3枚目の紙 >
white_simi_A.jpg


君がどうしても
「幸せを感じたい!」
というのであれば、今満ち足りている
ほとんどのものを放棄すれば、イヤでも
幸せに焦点が向く。

もちろん、あまりオススメしない方法だけれどね(笑)



私たちは、どうしても、
全体の中で少ない方に目が向いてしまう
傾向があるようだ。

ニュースなんかも、全体の中では
あまり起こらないことを取り上げる。

「隣の家のポチが、今日も元気でした」
「今日も、ほとんどの日本人が1食以上の食事を食べました」
「今日も、9割以上の国では、戦争はありませんでした」
なんてことは、ニュースにならない。

ニュースは、無理やりにでも
“黒いしみ”を探そうと やっきになる。

それは、私たちを取り巻く大きな部分が
“白”で覆われているから、だと思う。

戦時中なんかは、
「○○海戦で、日本軍大勝利!」
なんていう、ポジティブニュースばかりが
流れていたらしいからね。

“黒”いニュースが流れている間は、
私たちは平和なのかもしれないね。


ただ、ニュースはともかく、
普段の私たちも、ニュースと同じように
“黒いしみ”探しをして生活する必要はない。

「自分は不幸だ」
とか、
「足りない」
なんて思ったときは、お互いに
より大きな“白”に目を向けると
いいかもしれないね。


今回のレッスンは、ここまで。

君や私が、“黒いしみ”ばかりに目を向けて、
“しみ”を広げることが無いように。

そして、より大きな“白い部分”に
感謝し続けられることを、心に留めながら。


今日も手紙を読んでくれて、ありがとう。
ではまた手紙を書きます。


空也

 

〔体〕 日経平均とダイエットの関係

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

日経平均が一万円を超すか、超さないか、
微妙なラインになってきたね。

ネットの中でも、ニュースでも
「今後の日経平均は、どうなる?」
みたいな話題が、今も昔も
同じように繰り返されているよね。

そこで今回は、あらためて
「日経平均って、なんなの?」
ということを、一緒に考えてみようと思う。

かなり基礎的な知識ではあるけれど、
その分、なんの疑いも持ってないまま
なんとなく把握していることもあるかもしれない。

ちょっと詳しく見ていってみよう。



さて。

まずは、日経平均という言葉を調べてみると、

「東京証券取引所第一部に上場する銘柄のうち、
 225銘柄の株価平均を修正した金額」
と出てくる。

東証一部銘柄の中でも、特に取引の活発な
流動性の高い225銘柄を選び出して、
指数にしているということだ。

そして、

日経平均株価というのは、
これ以上の意味も、
これ以下の意味もない。

ということを、まずは理解しておくといいだろう。


そもそも、市場全体では4,000以上ある
上場銘柄のうち、225銘柄だけで
全体を推し量ろうとするのに、はじめから
かなり無理がある。

また、この225銘柄というのも、
いち民間組織である、日本経済新聞社が、
「まぁ、この企業の株が活発だろう」
という理由で選んでいるものだ。

「みんなが選んだ大企業」でもなく、
「お国が選んだ225企業」というわけでもない。
日本経済新聞社という組織が選んでいるにすぎない。

さらに、
ほぼ毎年 この225銘柄のうちの
いくつかが「入れ替え」させられる。

「活発」ではなくなってきた企業が除外され、
そのかわりに「活発」になった企業が
225銘柄に組み込まれる。

また、特定の業界だけが225銘柄に入りすぎると
偏りが出るという理由から、
どんなに活発に活動している企業でも、
「業界枠」のために225銘柄に採用されない
というケースもある。


まとめると。

4000銘柄以上ある中から225銘柄だけを、
いち民間組織が選んでいて、
ほぼ毎年入れ替えが行われ、
業界枠のために活発な企業が含まれないこともある。

という指標なんだね。

入れ替えが行われるわけだから、
純粋な連続性というものは、ない。

平均している銘柄がそもそも違うんだから、
10年前の日経平均と、今の日経平均を
単純に比べても全く意味が無い。

かといって、
その時々の活発な企業の、上から225銘柄を
選んでいる、というわけでもないので、
「その時点での日本の最大パフォーマンス」
を表しているわけでもない。

言ってしまえば、とても中途半端な指数だと
言うことが分かるだろう。

そんな日経平均だけをみて、
「今日は上がった」
「今日は下がった」
「これからの日経平均はどうなる?」
なんていうのは、何か不思議な気がするんだけれど、
君はどう感じるかな?


私が思うに、日経平均は
人間で言うところの「体重」みたいなもの
なんじゃないかな?と思う。

たとえば、健康をはかるときには、
体重以外にも、体脂肪率とか、血圧とか、
血糖値とか、心拍数とか、
いろいろなものがあるよね。

他にも、いわゆる「ナイスバディ」を決めるのは、
筋肉のつき方とか、スリーサイズのバランスとか、
手足の長さとか、さまざまな要素がからんで
「素敵な身体」が決まるよね?

なのに、
「とにかく体重」
「今日の体重は上がった」
「今日の体重は下がった」
「3ヵ月後の体重は、どうなる?」
なんて言っている人がいたら、
ちょっと滑稽だと思わない?

体重は、引力が引っ張ってる体の重さ。
それ以上の意味も、
それ以下の意味もない。

なのに体重だけに執着して、
結局体調を崩してしまうのはナンセンス。

そして、日経平均だけを見て、
結局 利益を出せないのも、同じように
ナンセンスだと思うんだよね。

特に、自分の体重ならば
自分でなんとかコントロールできる部分もあるけれど、
日経平均は、自分では全くコントロールできない。

今後の日経平均の予想をするという行為は、
「きまぐれなネコの3ヵ月後の体重を予想」するより
意味のない行為だ。

なので、
日経平均の今後の動向なんかを考えるよりは、
自分のトレードルールに磨きをかけることに
力を注いだほうがいい。

日経平均だけにとらわれていても、
君の利益には、直接結びつかないだろうからね。


では最後に、
じゃあ、どうやって日経平均を見ればいいのか?
日経平均と、どう付き合えば
利益につながりやすいのか?
という話を軽く話して、今回のレッスンは終了にしよう。

日経平均は、単なる指標。
それ以上でも、それ以下でもない。

ただ、大切なのは、
「日経平均に注目している市場参加者がたくさんいる」
という点だ。

「日経平均が上がったから買おう」
「日経平均が下がったから買おう」
「日経平均が上がったから売ろう」
「日経平均が下がったから売ろう」

さまざまな人がいる。

君は、日経平均が上がったからとか、
下がったからとかで動くのではなく、

「今日の日経平均の動きを見て、
 他の市場参加者の心理は、どう動くだろう?」
ということを考えてみるのは、どうだろう?

日経平均が上がったから、買おう。
ではなく、

日経平均が上がったから、買おうとする人は
どれくらいいるだろうか?
と考える。

ほんの些細な考え方の違いだが、
どちらが、より冷静な判断ができると思う?
どちらが、より一枚上の売買ができると思う?


ある特定の情報を見たときに、
情報を見て動くのではなく、
「情報を見た人は、どう動くか?」
を考えてみる。

その繰り返しが、
君の「心」を、
君の「技」を、
君の「体」を、
より洗練させていくと思うよ。


今回も、手紙を最後まで読んでくれてありがとう。
いつも感謝しているよ。

ではまた手紙を書きます。



空也

 

〔体〕 日経平均、それぞれの思惑

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

ちょうど前回、日経平均の話をしたら、
日経平均終値が1万円を突破したね。

前回も話したとおり、
日経平均は東証一部銘柄の中でも
特に取引が活発だと思われる225銘柄を選んで
株価を修正平均したもの。

それ以上の意味も、それ以下の意味もない。

ETFや先物を売買している場合は
1万円という節目も多少の意味はあるかもしれない。

あるかもしれないけれど、いずれにしても
あまり1万円突破ということに捉われることなく、
淡々と売買するのがいいだろう。


これからの日経平均や、日本の株式市場が
上向くのか、下落傾向になるのかは
誰にも分からない。

これから日本の株式市場が上昇に向かうのならば、
日経平均1万円なんていうのは単なる通過点に過ぎない。

もし上昇すれば、ニュースには
「世界の株式市場の株価回復に比べ
出遅れ感のあった日本株が再評価された」
と書かれるだろう。

そしてもし、また下落傾向になるのであれば、
「1万円という心理的節目を試したものの、
 依然として続く円高を嫌気して、全面安となった」
なんていう記事が、紙面に踊るだけの話だ。


市場を動かす要因は、いつもセットで発生する。

どんな好景気の時にもネガティブ要因はあるし、
どんな暴落時でもポジティブ要因を探すことができる。
ポジティブ要因とネガティブ要因は、いつもセットだ。

ポジティブなニュースだけなんていう時は、
君がトレードをしている一生の間に、
今後も一度も来ない。

逆に、ネガティブなニュースだけの時も、
今も、昔も、これからも、一生来ない。

もし、ポジティブなニュースだけの時がきたら、
誰も株を売らなくなるだろうから、
株式市場初の「一日に1株も出来高がない日」に
なっちゃうかもしれないね(笑)。

相場は常に、読みにくい・見通しがつかないもので、
「読みやすい相場」なんてものは
一生来ないと思っておいたほうがいいだろう。

ポジティブとネガティブのニュース、要因が
セットになって発生するからこそ、株価は動く。

そして、株価が動くからこそ、
君も私も、トレードで利益を出すチャンスがある
というわけだよね。

なので、
ポジティブなニュースにも、
ネガティブなニュースにも、
「だから株価が動いてくれるんだ」
と、感謝できる自分でありたいね。
(ま、なかなか難しいけれどね)



さて、
今回は、日経平均1万円になったのをふまえて、
あえて様々な立場から見てみようと思う。

市場には、様々なスタンスを持った人が、
それぞれのフィルター、色眼鏡を通して
市場に参加している。

君は君のトレードルールを守り、
君のスタンスを保っていればいい。

ただ、
他の市場参加者が、
どのように市場を捉えるのかを理解したうえで
自分のスタンスを保つのも、意味のあることだろう。

他の市場参加者が見えれば見えるほど、
君自身のスタンスも、より明確になってくるはずだからね。

では、さっそく見ていこう。



市場には、様々なスタンスの人がいる。

「日経平均1万円突破」
というニュースを聞いても、
自分のポジションを見直さない人たちもたくさんいる。

その、ポジションを見直さない人たちの中でも
最も分かりやすいのが、長期投資家の人たちだろう。

長期投資家は、基本的には
綿密な企業調査をおこなった後、
「この企業は、今後の成長がある」
とか、
「この企業は、本来の価値より割安だ」
と言った理由から、株を買う。

なので、
長期投資家が株を手放す理由は、

「企業の成長がひと段落したとき」
「株価が、本来の価値まで買われたとき」

あるいは、
「想定していた成長シナリオが崩れたとき」
「企業価値を見直さなければならなくなったとき」

ということになる。

つまり、長期投資家が自分のポジションを見直すのは、
あくまで企業ベースの発表があったとき。

それも、決算発表や企業の将来を左右するような
ニュースが出たときだ。

なので、長期投資家にとって
「日経平均が1万円突破!」
なんていう情報は、
「となり町の、会った事もない田中さんの給料がアップ!」
っていうくらい、
「あー、そう」
という、関係のない情報だといえる。

もちろん、テクニカルな要素も踏まえて投資している
長期投資家は別だけれど、
基本的な長期投資家のスタンスは、
日経平均がどうなろうと変わらない。

長期投資家のスタンスは、以上のような形だ。


他には、どんな人がいるだろう?

ファンドを運用するファンドマネージャーは、
日経平均が1万円を突破したのをきっかけに
活発に売買指示を出す人も現れるかもしれない。

特に、日経平均を基軸(ベンチマーク)として
日経平均以上のパフォーマンスを出すことを
期待されている、アクティブファンドの
マネージャーは、積極的に買いに動くかもしれない。

ただ、買い一辺倒というわけでもなく、
ファンドの銘柄の組み換えなども行うだろうから、
全ての銘柄が上昇するとは限らないよね。


ほか、
順張りのルールを持っているトレーダーは、
どう動くだろうか?

日経平均が1万円を突破し、
結果としてブレイクアウトする銘柄も増えるだろう。

そして、ブレイクアウトする銘柄が増えたから
結果として自分のルールに当てはまる銘柄が増える。

その分、エントリーも増えるかもしれないね。


逆張りのルールを持っているトレーダーは
どう動くだろう?

日経平均につられて、騰がりすぎた銘柄が
ひと段落するのを待って、空売りを仕掛ける準備に
入るかもしれない。

株価に勢いがついた後には、株価を調整するかのように
下落する時期があることを、逆張り派のトレーダーは知っている。

空売りのタイミングを、虎視眈々と狙い始めるかもしれない。



今まで紹介してきたような人たちが、
様々な思惑の中で株価を形成させてゆく。

しかし、

人数的に圧倒的多数を占めるのは
これから紹介するような、いわゆる
アマチュアの個人投資家たちだ。

トレードに対する土台が希薄で、
トレードルールもなく、
マネーマネジメントの概念もなく、
メンタルも鍛えられていない人たち。

そのようなアマチュア個人たちは、
なんの装備もないまま、いわゆるプロたちと
同じ土俵に立たなければならない。

プロたちは、
トレードルール、ファンド方針といった武器を持ち、
マネーマネジメントという鎧を身にまとい、
知識や経験に裏づけされたメンタルを持っている。

そんなプロたちを相手に、
アマチュア個人たちは、
素手で挑まなければならないというわけだ。


アマチュア個人たちは、どのように考え、
そして動くかというと、

まず、「日経平均1万円突破」というニュースを聞いて、
「そろそろか」
「いや、まだだろう」という
疑念を持つ。

その後、
「でも、もしこのまま株価に勢いがついたら
 置いていかれるのは、いやだ」という、
強迫観念にかられる。

そして、マネーマネジメントもなく、
勢いで資金を投入して買いを入れる。

うまく上昇に乗れば
「やっぱり思ったとおり!」と
有頂天になり、投入資金を増やす。
もしくは、小額の利益で決済する。

下がれば、
恐怖に全身が襲われて、動けなくなる。

「日経平均が1万円突破」という理由で買ったのなら、
日経平均が1万円を割った時が決済のタイミング、
というシンプルな理屈も、わからなくなってしまう。

下落傾向になっても、
「いや、一時的な押しだろう」と、
曲解して塩漬けにする。

騰がったときに資金増加、小利決済。
下がったときに塩漬け。
というルールで、期待値プラスに持っていくのは、
非常に難しい。

難しいので、結果としてアマチュア個人たちは
プロたちに大切な資金を
持って行かれてしまうということになる。


アマチュア個人たちは、
自分の中に軸となる「心・技・体」がない。

なので、よりどころにするのは自分の中の
疑念・強迫観念・勢い・有頂天・恐怖・曲解という
感情になってしまう。

感情を軸に行動をせざるを得ないアマチュア個人が
プロと対等に渡り合うためには、

感情という軸を捨てて、
少なくともプロと同様の「心・技・体」を
育てる努力をする必要があるだろう。



今回は、日経平均が1万円を突破したのを踏まえて、
いくつかの市場参加者の視点を見てみた。

プロたちは、自分たちの軸を持っていて、
軸が示すとおりの行動をとり、利益を目指す。

アマチュア個人たちは、自分の軸を持っていないので
しかたなく感情で売買をする。

感情ももちろん大切だが、
株式市場での判断は、感情以外の
軸を持っておいたほうがいいだろう。

君は、勘定を軸にした自分の売買をやめて、
私の手紙を読んでくれている。

私は君の気持ちにこたえるためにも、
これからも、君の軸を完成させるための話をしていくよ。
一緒にがんばっていきたいね。


今回も手紙を読んでくれて、ありがとう。
ではまた手紙を書きます。


空也

 

〔心〕 騒音は、心を穏やかにする?

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

今回は、私の友人夫妻が話した話から、
君のヒントになるような話をしたいと思う。

トレードとは全く関係のない話に聞こえる
かもしれないけれど、本質的には非常に関連深い話だ。

君のこれからの考え方の参考になれば、
とても幸せだな。

では、話していこう。



今、私の友人夫婦が住んでいる家の隣に、
ものすごくうるさい家族が住んでいるそうだ。

隣人は、かなりガサツな性格らしく、
ドタバタと家の中を走り回り、
家具をガタガタと引きずり、
しゃべる声も、隣の家まで まる聞こえ。

朝から晩まで、騒音の絶えることがことが
ないそうだ。

ある時、騒がしい隣人のたてる音を聞きながら、
私の友人の夫婦は話していたそうだ。

夫は、
「隣の人の騒音、なんとかならないものかね。
 いつもうるさくて、なんか気が散るよね」
と、不快な気持を妻に漏らした。

ところが奥さんの方は、
「あら、そう?
 人の生活が伝わってきて、温かい感じがするわ」
と、夫に返した。

二人は全く同じ音を聞きながら、
夫は「うるさい騒音」ととらえ、
妻は「温かい生活の音」ととらえていた。

全く同じ現象でも、
心地いいと感じる人もいるし、
不快だと感じる人もいる。


トレードの損切りにしても、
同じなんじゃないかな?

損切りという行為自体は、
アマチュアもプロも変わらない。
自分の含み損を、決済するということなんだからね。


ただ、

アマチュアはその損切りを
「お金が減った。つらい。また負けた」
と、とらえる。

プロは同じ損切りを
「次のトレードをするために現金化した。
 大きな損失になる前に決済できた」
と、とらえる。

同じ損切りという行為でも、
心地よいものととらえることもできるし、
不快だととらえることもできる。

何事も、出来事自体には意味はなく、
起こった出来事を、どのようにとらえるかによって
心地よくも、不快にもなる、ということなんだろうね。


先ほどの夫婦の話に戻ろう。

先ほどの話だけだと、
「うるさい騒音」ととらえた夫よりも、
「温かい生活の音」ととらえた妻の方が
人間的に器が大きいように見えるかもしれない。

でも、人間の器がでかい、小さい
という話ではないんだよね。

実は、友人の妻の方は、子供のころに
一人でお留守番することが多かったんだそうだ。

そして、夜、自分のお母さんが帰ってきてから
掃除や洗濯などの家事をする。

すると、
「ガチャガチャとした音=お母さんがいる」
という認識になり、安心するという
子供時代の「学習」があるわけなんだよね。

お留守番をしているさみしい気持ちが、
ガチャガチャ音によって、解消される、
と、脳がプログラミングされているというわけ。

一方、私の友人の夫の方は、
ガチャガチャ音に対しての、特別な経験はない。

だから、普通に「気が散る」という風に
脳が反応するということなんだよね。


特別な経験や学習をすることによって、
出来事と反応を結びつける
脳のプログラミングは書き換わる。

普通は「不快」だと思うことも、
脳の配線を結びなおすことによって、
脳が「心地いい」と感じるものにすることができる。

頬をひっぱたかれるのは普段イヤでも、
とあるプロレスラーにひっぱたかれるのは
「入魂」で気持ちがいいとか、

縄で縛られて、ムチで打たれることが
「最高の愛の形」だと
脳にプログラムしている人すら、
世の中にはいる。


そして、トレードにおいて
「損切り」とか、
という、普通だったら不快なものも、
脳のプログラミングによっては
「心地いい」ものにもできる。

プロのトレーダーは、
我慢して損切りをしていたりするわけじゃない。

自分の将来の利益につながるという
確固たるプログラミングがなされているから、
心地よさすら感じて損切りするわけだ。


そして、
今回の話の中で最も大切な事がひとつ。

この「脳のプログラミング」は
たいていの場合、自然にプログラムされて
しまうものだけれど、

ある一定のプロセスを踏めば、自分の意思で、
好きなようにプログラムすることが可能だ。
という点。


プロは、生まれつき 損切りに
苦痛を感じないというわけではなく、
学習によって、損切りを淡々と出来るようになった。

もちろん、君も適正な学習を踏まえれば、
今の損切りの苦痛を、減らすことができる。

そして、損切りを「将来の利益」に直結して
連想できるようになる。

ある出来事に対して
君が思い通りの反応を選ぶことができるように
これからも学習を続けていこう。

今回も手紙を読んでくれてありがとう。
感謝しているよ。

ではまた、手紙を書きます。



空也

 

〔体〕 空売りは、世のため人のため?

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

毎回、けっこうな分量の手紙を読むことは
大変なことだと思う。

特に、初めて触れる知識だったり、
初めて考えてみる思考回路を試すことは
人が想像するよりも、すごい労力を要するよね。

そんな中、
君が、君の時間と、君の労力をかけて
手紙を読んでいることに、とても感謝しているよ。

君がかけた時間と、労力以上の学びができるように
こちらも張り切って手紙を書いていくことにするよ。


さて今回から何回かに分けて、
「空売り」について説明をしていきたいと思う。

君が空売りに対して、
どのような考え方を持っているか、
どれくらいの深い知識があるのか、
現時点では分からない。

なので、まずは復習の意味もかねて、
基本的な話からはじめて、
ちょっとずつ深めの話をして行こう。

一見簡単で、すでに習得済みだと思っている知識も、
他の人の説明を聞くと、あらためて
「ああ、なるほど」
と、より深く知ることもあるよね。

そして、より深く知れば知るほど、
本質を見失うことなく応用ができるようになる。

結果として、君がトレードで損をしにくくなり、
利益が出しやすくなる、というわけだ。

では、さっそくはじめていこう。



まずは、空売りというものがどんなものなのかを、
あらためて考えてみよう。

なんで、株価が安くなると儲かるのか?
当たり前の話すぎて、考えてみたことも
ないかもしれない。

でも、まずは理屈、仕組みを分かっていないと、
自分の中で応用するときに迷ってしまう。

「お金は、仕組み化の対価」
という話を、今までに何回もしているけれど、

仕組みを正確にわかっていないと、
仕組みを洗練させることもできないから、
お金を生み出すことも難しくなってしまう。

仕組みを、しっかり腹に落とすことは、
後々の利益につながる。

なので、
「空売り」という仕組みをしっかりと理解するために、
日常生活にあてはめて考えてみるとしよう。


さて、

例えば私が1本のボールペンを持っていたとする。
文房具屋でもコンビニでも売っているような、
何の変哲もない、飾り気のないボールペンだ。

ある時、私が君にそのボールペンを貸したとしよう。

君は、私からボールペンを借り、
そのまま持っていたとする。

すると、別の誰かが君に向かって
「君!そのボールペンを譲ってくれないか!?
 今、どうしてもボールペンが必要なんだ!」
と、お願いをしてきた。

君は、相手の必死の形相にびっくりしながらも、
「そんなに欲しいのなら、ゆずります」
と言ったとしよう。

相手は喜び、
「ありがとう。ではお礼に」
と言って、1万円を置いて、去っていってしまった。

なんの変哲もないボールペンに1万円!
と驚いているのもつかの間、君は
相手が持っていってしまったボールペンは、
私から借りているものだったと思い出す。

君は私にボールペンを返すために、
コンビニに行って、全く同じボールペンを
買いなおした。

ボールペンの価格は、100円。

君は無事 私にボールペンを返し、
私もボールペンが返ってきたことに満足する。


そして、結果として君の元には

1万円 - 100円 = 9千900円
の現金が残った。ということになる。



今回の例は、かなり極端な例かもしれない。

極端かもしれないが、
今回の例で出てきた「ボールペン」を「株」に置き換えて、
いつでも売れるような仕組みにしたのが「空売り」の全容だ。

株を、ある特定のところから借り受け、
必要としている別の人に売る。

借りたからには、返す必要があるので、
また同じ株を仕入れて、期限内に返す。

そして、

借りて売った株価 > 仕入れた株価
ならば利益が出るし、

借りて売った株価 < 仕入れた株価
ならば損失になる。

シンプルな仕組みだよね。

さらに、ボールペンとかのモノだと
「あれは、安いけれど思い出の品だった」
とか、
「世界にひとつしかないから、他で仕入れられない」
と言った問題がある。

けれど、株はボールペンなどのモノではなく、
「概念」なので、なんの問題もなく売買できるわけだ。

(株は概念という話も、けっこう深い話なので、
 そのうちしたいね)


もちろん、実際の空売りには、
手数料、貸借取引貸株料、逆日歩などなど
他の要素もからんでくる。

とはいえ、空売りの最も根本的な話は、
今説明したもので全部と言っていい。

非常にシンプルな仕組みなので、単に
「高い時に売って、安い時に買い戻せばいいんでしょ」
というだけでなく、仕組みも理解しておくといいだろう。



そして、この仕組みを理解すれば、
空売りに変なフィルターをかけずに売買ができる。

変なフィルターというのは、
トレードをあまりよく思っていない人の中には

「株価が下がることを喜ぶなんて、けしからん!」
とか、
「空売りなんて、人間のクズがやることだ」
とか、あげくの果てには
「やっぱり、お金は汗水流して稼がないといけない」
とか言い出す人がいる。

そんな意見が、トレーダー自身に変なフィルターを
かけてしまうことがある、

私は今まで何回も言われてきているので、
最近 慣れっこになってしまっているが、

トレーダーの中には、
「やっぱり、空売りっていけないことなのかな?」
とか、
「汗水流して稼がないと、ダメなのかな?」
なんて“洗脳”されてしまう人もいる。

トレーダーは、
そんな“洗脳”に騙されちゃいけない。

ちゃんと仕組みを理解していれば、
変な“洗脳”にかかる必要も理由もないからだ。


まずは
「お金は汗水流して稼がないといけない」
というロジックは、以前に話してきた
「お金は何の対価か?」
「お金は、仕組み化の対価である」
という話で、ロジックが破綻する。

「お金は汗水流して稼がないといけない」
なんていう話をふっかけてくる人は、
お金のことを本当に真剣に考えたことのない、
お金に対して失礼な人たちなので、
かるく一蹴してあげていいと思う。


そして、空売りに対して
「株価が下がることを喜ぶなんて、けしからん!」
なんていう人も、仕組みを理解していない
とても残念な人たちなので、わからせてあげるといい。

空売りは、先ほども説明をした通り、
株を借りてきて、必要な人に売る行為。

当たり前だが、買う人がいなければ、空売ることは出来ない。

「買いたい」と言っている人の代わりに
自らリスクをおかして株を借りて、用意してきているのに、
文句を言われる筋合いは、ない。

もし空売りという行為自体が
非難されるべきものなら、世の中の卸業、流通業の
ほとんどが否定されることになってしまう。


特に、株価が上昇している銘柄を空売るという行為は、
私には とても素晴らしい「人助け」にも思えてならない。

みんなが「欲しい欲しい!」と言って
高値を更新している最中に、
自らのリスクをおかして株を借り、
欲しがっている人に売ってあげる。

その後、株価が急落しているときに、
みんなが「助けてくれー」と思っているところで
今度は買いを入れる。多少なりとも買い支えているわけだ。

みんなが欲しがっているときに売り、
みんなが手放したいときに買い支えてあげる。

これを 世のため人のためと捉えないで、
他にどう捉えろと言うんだろうね?(笑)



さて、今回のレッスンは、ここまで。

今回は、空売りの概要を一緒に見てきた。

空売りは、株を借りて、返すためにまた仕入れるという
シンプルな行為を仕組み化したもの。

うまく仕組みを理解して活用すれば、
君の利益にもつながることだろう。


後半部分は、やや毒のある書き方をしたけれど、
君には、どう響いたかな?

次回も、もう少し空売りについて見ていこうと
思っている。

今回も、手紙を丁寧に読んでくれて本当にありがとう。
ではまた、手紙を書きます。


空也

 

管理人より
「お金は仕組み化の対価」については、
こちらから読むことが出来ます。

〔心〕 君にとっての株で儲けることとは?
〔心〕 お金は○○の対価
〔心〕 仕組みとの付き合い方4種類
 

〔体〕 空売りの損失は、無限大?

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

前回は、空売りについての概要と、
空売りということを、どのように理解すればいいのか?
ということを話したね。

「買いたい」、「必要だ」と思っている人がいるから
空売りは成立するのであって、
企業が落ちぶれることを願っているから
空売りをするのではない。
ということを、説明した。

君が、空売りに対して
どのような解釈をするのかは分からない。

分からないけれど、事実を踏まえた上で、
君が何の抵抗もなく空売りという手段、ツールを
使うことができるようになることを願っているよ。


今回は、個人投資家が空売りを嫌がる
もうひとつの理由である
「空売りの損失は、計算上無限大である」
ということを、一緒に考えてみよう。

この話も、よく見ていくとけっこう
個人投資家をバカにした論法なので、
一緒に“洗脳”を解いていくことにしよう。



さて。

まずは、今回の話である
「空売りの損失は、計算上無限大である」
というロジックをぶつけてくる人の意見から
見ていくことにしよう。

例えば、ここに株価100円の銘柄があったとする。

もし、この銘柄に100万円買いを入れるとして、
理論上、最も激しい損失は、いくらになるだろう?

理論上は、現在100円の株価が0円になるのが
最も激しい損失になる。

なので、答えは、買った金額である
「100万円が失われる」のが、
最も激しい損失といえる。

(話を簡単にするため、手数料などは考慮しないことにする)


では、
もし同じ100円の株価の銘柄に
空売りでエントリーしたときは、どうなるのか?

100万円分空売りをした時、
理論上、最も激しい損失は、いくらになるだろう?

答えは「無限大」。

理論上は、100円だった株価が200円に上昇すれば
その時点で100万円の損失。

もし、500円まで株価が上昇すれば、
400万円の損失になり、
さらに、株価が1万円まで上昇すれば、
9千900万円の損失になる。

さらにさらに株価が上昇すれば、損失は無限大ですよー
こわいですよー
という理論展開だ。

100万円という、投資した金額以上の
損失を被る事があるから、空売りは危険ですよー、
というロジックなわけだよね。


たしかに、ロジックとしては正しい。
実際に、投資した金額以上の損失を受けることも
ないとはいえない。

ただ、このロジックは
個人投資家を完全にバカにした前提のもとに展開されている。

前提とは、
「どんなことがあっても、
 空売りしたまま放っておく」
という前提だ。

この前提に、まず無理がある。

そもそも、個人が持っている資金には限りがある。

資金がなくなってくれば、証券会社が追加保証金を要請したり、
該当銘柄の強制決済をしたりする。

損失が無限大になるまで放っておくことなんて、
事実上不可能だ。

さらに、日本の株式市場では、
ストップ高/ストップ安という
一日に動く値幅に制限がある。

ストップ高/ストップ安になっても
なんの考慮もしない個人投資家しかいない、
という前提で、「損失は無限大」という
ロジックをかましているわけだ。

そこまで愚かな投資家、トレーダーばかりじゃないと、
私は思うけれど、どうだろう?

そもそも、“買い”における最大損失である
100%損失も、
「投資した金額すべてがなくなっちゃっただけで済んで
 よかったよかった」
なんてことにはならないと思うんだけれど、
君はどう感じるだろう?



損失の危険という意味においては、
買いも、空売りも変わらない。

むしろ、実践の現場では、
「空売りしていて、急上昇」ということより、
「買っていた銘柄、急下落」ということのほうが多い。

実際の値動きでは、
全銘柄が同時に急上昇!なんていうことは少なく、
全銘柄同時暴落、ということの方が頻繁だ。

ならば、
空売りよりも、買いの方が危険なのではないか?
というロジックも、一方で あっていいはずなのに、
なぜか そのような話をする大手機関は存在しない。

不思議だよね。


空売りをするにしても、
買いでエントリーをするのであっても、
適切なマネーマネジメントは、必須なのはいうまでもない。

「買いよりも空売りのほうが、
 損失が大きくなるから危険ですよ」
というロジックは
「どうせ あなたはマネーマネジメントしないんだから
 危ないですよ」
と言っているのと、同じようなものだ。

たしかに、マネーマネジメントをしない
個人投資家が少なからずいるのは、その通り。

だが、

だからと言って、ちゃんと学ぼうと思っている
市場参加者に、いきなり不安を埋め込むような
話をしていいのか、というと、とても疑問に思うね。



さて、今日のレッスンはここまで。

「空売りの損失は無限大」
というロジックは、単なる机上の空論だ。

損失を無限大にしないためには、
適切なマネーマネジメントをすればいい。

ただ、それだけのことだ。

証券業界は、空売りの危険性を洗脳する前に、
適切なマネーマネジメントを教育すればいいのだが、
そうはしない理由があるんだろうね。

次回も、空売りに関連する話を
もう少し続けていきたいと思う。

毎回、手紙を読んでくれてありがとう。

ではまた、手紙を書きます。


空也

 

〔体〕 空売りさせたくない、証券会社のホンネ?

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

前回は、
「空売りの損失は無限大」
という、よくささやかれるリスクついて、
どのように考えればいいのか?
という話をしたね。

個人トレーダーの持っている資金量による強制決済や、、
ストップ高/ストップ安があるということからも、
無限の損失をこうむることは、事実上不可能だ。

そして、全銘柄が急上昇することよりも、
全銘柄が急下落することのほうが多い。

なのに、
なぜか、
「空売りも、実際の損失は限定的」
「買いより空売りのほうが安全」
という話は、大手機関からは まず出てこない。

証券業界は、空売りの危険性を洗脳する前に、
適切なマネーマネジメントを教育すればいいのにね。
という話をした。

今回は、空売りに関して、
証券業界が考えているであろう事を
一緒に突き止めてみたいと思う。

半分は想像だが、状況証拠からして
まず間違いのない事実を見ていこう。



だいぶ昔の話になるが、
私が空売りというものに興味を持ち、
初めて信用取引口座を開設しようとした時の話。

当時は、私も株に関する知識が薄く、
あまり深い内容ではない株の本を読んだり、
証券会社の営業マンの話を鵜呑みにすること
くらいしか、できなかった時。

世に空売りというものがあるのを知り、
当時 口座を持っていた証券会社の営業マンに、
「空売りという売買方法を試してみたいのですが、
 どうやったら出来るようになるんですか?」
と聞いたことがあった。

その時の証券会社の営業マンの対応を、
私は忘れることはないだろう。

営業マンは、失笑をかみしめながら
「いやぁ、空売りに興味を持つ必要なんてないですよ。
 もし空売りをしたいのなら、保証金として
 最低2,000万円必要ですが、どうですか?
 保証金、ありますか?」
と答えてくれた。


今はだいぶ環境が違うが、
一昔前は、個人の弱小投資家が
空売りに興味を持つことすら“ご法度”な雰囲気があった。

「個人投資家は、株を買っていればいいんだよ」
という、なんとも見下したような
考え方があったように思う。

ま、それは単なる被害妄想かもしれないが、
個人投資家、個人トレーダーの空売りを
歓迎しない風潮は、今でも少なからず残されている。

まず、貸株料の存在。
空売りがそれほどメジャーではなかった時は
貸株料などという存在はなかった。

しかし、個人投資家たちに
空売りという手法がメジャーになりつつあった
2002年の5月から、
「空売りによる市場の混乱を防止するため」
という謎の理由から、空売りのポジションに
金利がつけられるようになった。


さらに規制として、
1回の発注につき50単元までしか注文できない
という制限がつくのも、空売りに対してだけだ。

買いと売りが、全く同等の扱いならば、
50単元までという規制がついていること自体が
不自然なことになるのだが、
なぜか“自然なこと”としてスルーされている。

そして、前回話したような
「空売りは、危険。怖い」という教育。


加えて逆日歩などと言ったルールも
数えていけばきりがないが、

どうやら、証券業界全体としては
空売りは極力避けてもらいたいという
考えを持っている、
という状況証拠には、事欠かないようだね。


状況証拠は揃っている。

では、もしこの
「証券業界は、空売りをしてもらいたくない」
という仮説が正しいのならば、
その理由は何なんだろうか?


おそらく、

証券業界独自の理由というよりは、
それ以外の力学が働いているのであろう。

市場参加者の全員が自由に空売りするようになると、
日経平均をはじめ、様々な経済指標に
“悪”影響が出てくることが懸念される。

また、
各企業との付き合いもあるだろう。

企業との会合の中で、
「おたくの会社の株、
 本日空売りさせてもらいました」
なんてことは、言えるわけもないものね。


「政府や関係省庁、企業とはうまくやっていきたい」
「でも、空売りで儲けられる手数料も魅力だ」

そんなフクザツなオトナの事情から、
「空売りは簡単に出来るようになってきたけれど、
 規制や教育では、空売りをしにくくしていこう」
なんて、考えているかもしれないね。


ま、今回の話は、いちトレーダーである私、
空也の妄想だと思ってくれてもかまわないよ(笑)

証券業界全体がどうかは知らないけれど、
以前は2,000万円も保証金が必要だった空売りが
手軽に出来るようになってきていることも事実だし、

古い証券業界の体質に風穴を開けようと
奮闘している証券会社もある。

どんなに規制を設けたとしても、
大きな流れとしては、個人投資家、トレーダーに
向いている部分もあるからね。


意味不明な規制に関しては、

「昔の常識が、今の非常識。
 今の常識が、未来の非常識」

になることを、一緒に願っていこう。


今回のレッスンは、ここまで。

いつも手紙を読んでくれて、本当にありがとう。
ではまた手紙を書きます。


空也

 

〔体〕 値動きを理解するための、2つの前提

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

しばらく「空売り」をテーマにして
手紙を書いてきたけれど、
君の中で、空売りに対するイメージは
変わったかな?

とにかく、君の中から、空売りに対する
抵抗感や、ネガティブイメージがなくなれば幸いだ。

空売りは、トレーダーにとって
利益を出すためのツールであり、大切な仕組みだ。

空売りという仕組みとうまく付き合うことができれば、
君の利益に多大な貢献をしてくれるはずだ。

君が空売りという仕組みをフラットに観察し、
ポジティブに捉えることを願っているよ。


さてさて。そろそろ、

「空也さん、空売りについての知識は深まりました。
 で。
 どうやったら空売りで儲けることができるんですか?」

という、君の声が聞こえてきそうな気がするよ(笑)
なので、そろそろ実践的な話にも入っていこうか。

今回は空売りで利益を出すためのポイントの
手始めとして、下落時の値動きの特徴を見ていこう。

君も経験的に知っているかもしれないけれど、
上昇のときの値動きと、下落のときの値動きには
特徴的な違いがある。

君が裁量トレーダーであっても、
システムトレーダーであっても、
値動きのポイントを押さえておく事は
何かと役に立つだろう。

では、さっそく見ていくことにしよう。



値動きを空売りに活かすときに
最初に押さえておかなければいけないポイントが
2つある。

ひとつは、
「他の市場参加者は、多くの場合
 “買い”からエントリーする」
という事実。

それともうひとつは人間心理的に
「人間は、得るチャンスを逃すよりも、
 失うことに敏感に反応する」
という傾向だ。

ひとつひとつ見ていこう。


「他の市場参加者は、多くの場合
 “買い”からエントリーする」
という事実は、前回までに見てきたとおり。

「空売りは怖い」
「信用取引は、ハードルが高い」
と思っている個人投資家、トレーダーが
まだまだ多いということが一翼を担っている。

また、莫大な資金を持っている
機関投資家のファンド運用などは、
“買い”が基本になっているということからも、
「エントリーは“買い”から」
ということが多くなっているわけだよね。

なので、値動きを見るときは、まず
「買いでエントリーする人は
 どう考えるか?」
ということを念頭においておくと、
値動きが読みやすくなる。


もうひとつのポイントも見てみよう。
「人間は、得るチャンスを逃すよりも、
 失うことに敏感に反応する」
というポイントだ。

例えば、

君が夜通し仕事をして、
明け方近くに、クタクタになって、
やっと家まで帰ってきたとしよう。

もう心身ともにくたびれ果てて、
一刻も早く眠りたいと思っていた矢先、
一本の電話が鳴る。

君が仕方なく電話に出ると、
明るい口調で相手はしゃべりだす。

「おめでとうございます!
 あなたに車が当たりました!
 いますぐ取りに来ていただければ、
 最新式の車をプレゼントします!」

そんな時、君は疲れきった体に鞭打って
車の権利を受け取りに行くだろうか?

かなりの人が
「今は、そんなことより、
 早く寝かせてくれ」
という反応をしてしまうんじゃないかな?


たとえ話をもう少し続けよう。

君が車プレゼントの電話を切った後、
また 続けざまに電話が鳴り響いた。

今度は何だ?もう寝かせてくれよ、
と、君が不機嫌に電話に出ると、
電話の相手が、ひと言、君に告げた。

「今、あなたの車、盗まれそうになってますよ」。


さて、
君は、どう反応するだろうか?

さっきと同じように
「今は、そんなことより寝かせて」
と思うだろうか?

それとも、
「何!?それは大変!
 急いで車庫まで見に行かなきゃ!!」
と反応するだろうか?


車をプレゼントされるチャンスを逃すのも、
いま自分が持っている車を盗まれるのも、

「自分が乗れる車が、なくなる」
という意味においては、同じだ。

そして、どちらの電話も
嘘か本当かはわからない。

もしかしたら、
車プレゼントの方は本当の話だったのに、
車が盗まれそうになっている話は
嘘かもしれないのだ。

なのに、たいていの人は
車プレゼントを断ることよりも、
自分の車が盗まれることのほうに
痛みを感じ、敏感に反応する。


この反応は、株においても同じだ。

自分が儲かるかもしれないチャンスを逃すことは
大して痛みを感じない。

なのに、人は、
今、自分が持っているポジションの含み益が減ったり、
自分のポジションがマイナスになったりすることを
非常に嫌がる。

もちろん、中には
当てはまらない人もいるかもしれない。

いるかもしれないが、株式市場という
多くの人の心理が混ざり合う現場では、

「人間は、得るチャンスを逃すよりも、
 失うことに敏感に反応する」
という心理が、値動きに如実に現れることが多い。



で。

この
「他の市場参加者は、多くの場合
 “買い”からエントリーする」
という事実と、
「人間は、得るチャンスを逃すよりも、
 失うことに敏感に反応する」
という心理をあわせると、
値動きに、ある一定の特徴というものが見えてくる。


“買い”からエントリーする人の方が多いわけだから、
買い方の心理状態のほうが、より値動きには反映される。

ある時、このままいくと、
株価が上がりそうな銘柄があったとする。

仮に、1,000人の投資家、トレーダーが
「この銘柄は、上がるだろう」
と、ほぼ確信したとする。

しかし、
上がりそうだと思った1,000人が、
そのまますぐに買うか?というと
答えはNOだ。

はじめは、
「でも、実際どうなるかわからないし」
ということで、様子見をする人がほとんどだ。

先ほどの例の、車プレゼントを見逃すのと
同じ心理状態が働いているわけだね。

で、1,000人のうち、目先の利く何人かが株を買う。

何人かが買ったので、若干株価が上がったとしよう。

すると、やっと
「これは本当に上がるかな?」
と、腰を上げる人が出てくる。

逆に、ちょっとぐらいの値上がりでは
「いや、まだまだだろう」
と、重い腰を上げない人もいる。

買い方は、
「買う!」と決断して実際に買う人と、
「もう少し様子を見よう」という人の、
タイミングの差が、けっこうある。

それは、先ほど話したように
「人間は、得るチャンスを逃すよりも、
 失うことに敏感に反応する」
という心理によるところが大きい。

「株価が上がるかもしれない」
という「得るチャンス」を逃すのは、
大した痛みではない。

なので、様子見を続けることが多くなる。


チョロチョロ買う人が現れて、
様子見の人も多くいる。

結果として、株価が上昇するときというのは、
じっくり、じっくり上がっていくケースが多い。

ところが、
下落になると、話は別だ。

今まで順調に上がっていた株価が、
ちょっと大きめに値下がりしたとする。

すると、その株を買っていた人たちは
「自分の含み益が、減ってしまう!」
「含み益が、損失まで落ちてしまう!」
と、あせりだす。

得られるチャンスを逃し続けていた人も、
いざ自分の持っている利益が失われるかもしれないと
思うと、行動は 早い。

さっさと、自分の買いポジションを売っ払ってしまう。

上がるときは、みんなが買うタイミングがずれていたのに、
下がるときは、売られるタイミングが一緒。

結果として、下げは急激なものになることが多い。

「自分の含み益が、減ってしまう!」
「含み益が、損失まで落ちてしまう!」
という集団心理に飲み込まれると、
株価は一気に下がり始めるわけだね。



さて。

「他の市場参加者は、多くの場合
 “買い”からエントリーする」
という事実と、
「人間は、得るチャンスを逃すよりも、
 失うことに敏感に反応する」
という心理。

この2つが複合されると、
「株価は、ゆっくり上昇して、
 急激に下落する」
という現象が起きることになるわけ。

この現象のことを、君は経験則的に知っていたかもしれない。

ただ、あらためて分析してみると、
見えてくるものがあるかもしれないね。

市場参加者が“買い”と“空売り”を
ほとんど同じくらいの頻度と資金量で売買すれば、
暴落という現象は、起こらなくなるだろう。

空売りがもっと普及すれば、
一晩にして多くの富が失われる、
という悲劇は、なくなるかもしれない。
(とはいえ、別の問題も出てくるだろうけれどね)

物事の現象を、自分なりに分析してみるということは、
新しい発見につながるかもしれないね。


長くなりそうなので、今回はひとまずここまで。

次回は、
「株価は、ゆっくり上昇して、
 急激に下落する」
ということを、実際のトレードにどうやって
役立てるかを考えてみよう。

今回も手紙を読んでくれて、本当にありがとう。
ではまた手紙を書きます。


空也

 

〔技〕 トレードルール構築を、仮説からはじめる

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

前回までの話で、空売りについての概要から、考え方、
そして下落時における値動きの特徴などを見てきたね。

株の値動きは、
「他の市場参加者は、多くの場合
 “買い”からエントリーする」
という事実と、
「人間は、得るチャンスを逃すよりも、
 失うことに敏感に反応する」
という心理から、

「株価は、ゆっくり上昇して、
 急激に下落する」

という形になりやすい、という話をした。


今回は、このような値動きを利用して、
空売りのトレードルールを作る際の
ポイントを一緒に見ていこう。

せっかく特徴的なことが分かっているのに、
実際のトレードルールに応用しないのは
もったいないからね。

トレードルール作りには様々なアプローチがあり、
今回紹介する方法が全てというわけではないが、
ひとつのプロセスのサンプルとして見てくれれば幸いだ。

では、早速はじめていこう。



まず、
トレードルールを作る際に
課題になるポイントを整理してみよう。

課題となるポイントは、おそらく3つ。

ひとつは、
「どのような銘柄を、空売り候補にするのか?」
というポイント。

もうひとつは、
「候補銘柄を、いつ、
 どのタイミングで空売りするのか?」
ということ。

そして最後に
「空売りした銘柄を、いつ、
 どのタイミングで買い戻すのか?」
ということが大切になる。

適切な銘柄に、
適切なタイミングでエントリーし、
買戻しができれば、
あとはマネーマネジメントさえ間違えなければ
順調に利益を出していけるだろう。

なので、今書いた3つのポイントに絞って
トレードルールの概要を考えてみよう。


では、ひとつめのポイント。
「どのような銘柄を、空売り候補にするのか?」。

今回空売り候補にする銘柄は、
「ゆっくりと上昇して、急激に下落する」
と思われる銘柄だ。

ゆっくりと上昇してきたけれど、
そろそろ下落するんじゃないかな?

と仮説を立てられる銘柄を、空売り候補にするわけだね。

なので、まずは“上昇している銘柄”というのが
最低条件だ。

ある一定の期間、株価を高値更新しているような銘柄が
候補に挙がってくるだろう。

そして、空売りをするわけだから
君がエントリーをした後は、下落してもらわないと
利益にならない。

ただ、下落が始まった後に銘柄を見つけても
利益が取れないので、
「今は上がっているけれど、
 そろそろ下がる可能性が高い」
という銘柄を見つける必要があるわけだよね。

「今は株価が上がっている」
ということは、まだ
「買いたい」
と思って、実際に買っている人がいるということ。

その「買いたい」と思っている人が
出尽くしてしまいそうな銘柄が候補となるわけだ。


「空也さん、そんな買い 出尽くしなんてことが
 分かるんですか?」
と、君は思っているかもしれない。

もちろん、100%完全には分からない。
ただ、傾向は、ある。

傾向をどこで見ればいいのかというと、
ひとつの目安としては「出来高」が挙げられる。

株価が上昇していて、かつ出来高が大きい。
ということは、
「すでにその銘柄を過去に買った人が
 高い株価で売るために指値をしているのに、
 その指値でもいいから買いたい、という人が
 現れてきている」
ということになるよね?

ちょっと分かりにくいかな?

例えば、しばらく上昇を続けていた銘柄Aを、私が
1,000円の株価で買っていたとしよう。

そして私が買った後も、
順調にその銘柄Aは上昇したとする。

そこで私は、銘柄Aを1,200円で売ろうと、
1,200円の指値で、売り注文を出したとしよう。

もし、この銘柄Aが1,200円で売れたのならば、
「1,200円を出しても買いたい」
という人が現れたという、何よりの証拠だよね。

そして、
「1,200円を出しても買いたい」
という人がいたということは、
「この銘柄Aは、1,200円以上に値上がりする」
と思って変われた可能性が高いわけだ。

で。
「この銘柄Aは、1,200円以上に値上がりする」
と思っている人が多ければ多いほど、
出来高の増加をともなった株価上昇になる、
という理屈。

だから、
出来高をともなった上昇を続けている銘柄は、
まだまだ上がっていく可能性が高いともいえる。

が、
出来高の急激な上昇があった場合は、
可能性として
「そろそろ買いたい人は、買いつくしたかも」
と考えてもいいわけだ。

ずっと銘柄をチェックしていて、
「いつ買おうかな」
と待っていた人が、

「おお!みんなが買っちゃってる!
 そろそろ買わないと間に合わない」
と焦って買った可能性が伺えるからだ。

なので、
・一定期間、上昇トレンドをしてきた
・さらに、直近の出来高が急激に上昇している
なんていう銘柄は、
「そろそろ終わり」
になる可能性が、他の銘柄よりも高いかもね。

というように、仮説を積み重ねていくわけだ。


次に、
「候補銘柄を、いつ、
 どのタイミングで空売りするのか?」
ということに触れてみよう。

上昇トレンドを形成していて、かつ
直近の出来高が急上昇した。

これは、そろそろ
「買い方出尽くしかも」
という銘柄があったとする。

しかし、
そういう銘柄がすぐに下落するかどうかは、
ちょっとわからない。

急激な出来高変化だと思っていたら、
次の日はさらに大きな出来高になった、
なんてことは、ザラだからね。

なので、
もう少し空売りに入るタイミングというものを
しっかり見極めたいよね。

とはいえ、急下落に乗り遅れてしまうのも
もったいない。

だとすると、何をヒントにタイミングを見極めれば
いいのだろうか?


タイミングを見極めるのは、本当に様々な方法がある。
今回は、そのひとつの例として
また株価と出来高に注目してみよう。

先ほどと同じように、
株価と出来高の関係で、将来起こりうる下落を
推察しようと試みるわけだ。

ただ、今度はエントリータイミングをはかるということで、
午前9時の「寄り付き時の株価と出来高」
を見てみる。


君も経験的に知っているかもしれないけれど、
「買いたい!」
「売りたい!」
と思っている人は、9時の寄り付きで行動する人が多い。

買うと決めたり、売ると決めたりしているんだから、
何も一日の途中で売買しなくてもいいや、
と思うのが人情なのかもしれないね。

そんな思惑が集中する寄り付きの株価と出来高。

もし、候補銘柄が
「今日一日も上昇、出来高も増加」
という値動きになるのならば、
寄り付きの時から勢いがあるのが普通だ。

勢いがあれば、寄り付きの株価は
前日終値を上回り、出来高もかなり多くなる。


反対に、

もう買いたい人が出尽くしてしまったのなら、
売りたい人のほうが増えて、
寄り付きの株価が下がっているかもしれない。

また、出来高も、元気がなくなっているかもしれない。

株価が下がり、出来高も元気がないならば、
「下落タイミングに入った」
として、君が空売りを仕掛ける好機になったと
考えてみるという方法もあるだろう。


寄り付きの出来高で、その日全体の
出来高を予測するのは難しいかもしれない。

ただ、経験則的には、少なくとも
寄り付きの出来高が前日の一日全部の出来高の
3%程度はないと、前日出来高を更新することは
難しいといえる。

銘柄によっては、4%とか、5%とか
バラツキはあるかもしれないけれど、
その辺は実際にエントリー候補に挙がっている
銘柄のクセを見極めてみるのがいいだろう。



最後に、
「空売りした銘柄を、いつ、
 どのタイミングで買い戻すのか?」
ということにも、簡単に触れてみよう。

うまく株価の下落に乗れた場合は、
いつ買い戻してもかまわないと思うが、

今回の例では「株価」と「出来高」で
銘柄候補とエントリーを決めているので、
決済も株価と出来高で決めてもいいだろう。

たとえば、
「保有中、株価が○%上昇したら決済」
とか、
「保有中、また出来高が増えてきたら決済」
とか、いろいろ考えられるはずだ。


もし株価が思惑通りに下落せず、
そのまま上昇して含み損になった場合も、
株価と出来高を参考にするという方法が
理にかなっている。

出来高の増加をともなった株価上昇をするようならば、
一度決済して、再エントリーのタイミングを見るのも
いいかもしれない。



銘柄選び、
エントリーのタイミング、
決済のタイミング、

様々な方法があるだろうけれど、
今回見てきたように
「株価は、ゆっくり上昇して、
 急激に下落する」
というような、

「○○の時は、××になりやすい」
「○○の時に△△になると、利益が伸びやすい」
という仮説を立て、
仮説に基づいてトレードルールを組み立てていく
という方法は、君のプラスになるだろう。


さて、今回のレッスンはここまで。

今回は、仮説に基づいてトレードルールを構築する
ひとつの例を紹介した。

もちろん、空売りのルールはこれだけではない。

ダラダラダラと、長期間にわたって
下落していく銘柄のトレードルールだってあるだろう。

今回のルールにしても、
実際に運用するときには、もっと詳細なルールを
作っておいたほうがいいだろう。

なので、今回の話は、実際にトレードルールを
構築する際のプロセスのサンプルだと思って読むと
いいだろう。


仮説を立て、
仮説に基づいたトレードルールを構築し、
検証し、
実際の運用に活かし、
トレードルールを見直す。

このような順番でトレードルールに磨きをかけると
君が作ったトレードルールは
君の体の一部のようにフィットしてくるだろう。


今回も手紙を読んでくれて本当にありがとう。

ではまた、手紙を書きます。


空也

 

〔技〕 仮説・ロジック追求の、光と影

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

前回は、トレードルールを作るプロセスの
ひとつのサンプルを紹介したね。

仮説を立て、
仮説に基づいたトレードルールを構築し、
検証し、
実際の運用に活かし、
トレードルールを見直す。

上記のようなプロセスを踏むことで
トレードルールを構築し
磨きをかけていく。

トレードルール構築のもっとも基礎的な方法なので、
はじめはプロセスにのっとって作るのが
いいかもしれないね。

今回のレッスンは、前回のレッスンの補足として
仮説を立ててトレードルールを構築していく
メリット・デメリットを話そうと思う。

どんな方法、どんなものでも
メリットとデメリットがある。

メリットとデメリットを理解して
活用するのと、
理解をしないまま、ただ漫然と利用するのとでは
雲泥の違いがある。

長所と短所を正しく理解して、
うまく活用していきたいものだよね。

特に短所、デメリットについて知っておくことは
君の大きな武器になるだろう。

では、早速はじめていこう。



まず前提として、トレードルールというものは、
機能しさえすれば、どんなものであってもかまわない。

機能するというのは、
繰り返し同じルールで売買することにより、
利益を積み重ねられるということ。

簡単に言えば、期待値がプラスのものであれば、
君がどんな風にトレードルールを構築しようが
それは自由だ。

極端な話、もし、
隣の家の犬が吠えたときに新日鉄を買うと
利益が出るというのならば、
それも立派なトレードルールになり得る。

君の住んでいる地域が雨の日には売り、
晴れの日には買う、というのも、
機能するのであれば、トレードルールになり得るだろう。


ただ、

犬や天気ではなく、もう少し論理的な仮説を立て、
その仮説を基にトレードルールを構築していく、
という方法を、君には勧める。

なぜならば、論理的な仮説を立てることにより、
比較検証・ブラッシュアップがやりやすくなるからだ。


前回の例で出したように
「株価はゆっくりと上昇するが、
 下がるときは急激に下がることが多い」
というような仮説は、
いろいろな側面からみて、論理立てて
説明をすることが出来る。

少なくとも、
「犬がほえると株価が上がる」
とか、
「天気が晴れだと、株価が上がる」
というロジックよりも、
人が分かりやすい説明をすることが出来る。

すると、
トレードルールを構築していく時に
「大きなロジックは合っているけれど、
 銘柄を抽出する○○の部分が、
 うまく機能していないのかもしれない」
とか、
「この仮説自体が、すでに機能しなくなっているのだろうか?」
などという形で、比較検証・ブラッシュアップが出来る。

もしこれが、「犬が吠えたら買い」というトレードルールだと、
大もとのロジックが説明不可能なので、
「うーん、今日の吠え方は、いつもと違ったのかな?」
なんていうことくらいしか、比較検証ができない。

長く、継続してトレードを積み重ねていくためには、
トレードルールをどんどん磨いていく必要がある。

なのに、ロジックが分からないので
比較検証・ブラッシュアップができません、
というのでは、話にならないというわけだよね。

ま、当たり前の話といえば
当たり前の話なんだけれど、
トレードルールは、筋の通る仮説の上に
積み重ねてゆくのが基本だということだね。



ただ、
筋が通ることにこだわりすぎると、
今度は別の弊害が出てくる。

こちらのデメリットのほうが、今回の本題だ。

論理的な仮説を、積み重ねることは大切なんだけれど、
あまりにも極端にロジックを積み重ねすぎると、
問題が起こることがある。

いくつか問題はあるが、
その典型的な例は、
「あまりに限定された仮説なので、
 売買をする銘柄候補が出てこない」
というようなことだ。

「○○の時は××。
 ただし、△△の条件が入ると□□になる。
 しかし、**の場合は・・・」
などといじくりすぎていると、
結局、売買候補銘柄が、1年に1回しか出ない。
なんていうことにも陥る。

以前に話したように、利益は
期待値×資金量×売買回数によって決まる。

ロジックの精密さを追いかけすぎて
売買回数を減らすよりも、
多少 抜けのあるロジックを使ったほうが
トータルの利益を伸ばせることもある。



さらに、ロジックを積み重ねすぎると出てくる
別の弊害もある。

それは、
「あまりに条件が限定されすぎていて、
 過去の売買では機能しているけれど、
 現実の売買では、機能しなくなる」
という弊害だ。

少し説明をしよう。

仮説・ロジックを積み重ねる場合、
過去、実際に起きた株価を検証して
積み重ねていくのが基本だ。

そして、過去に起きた事実こだわり過ぎて
トレードルールを作成すると
「そんな値動き、将来 起きねぇだろ!?」
というところまで突き詰めてしまうことがある。

極端な例を言えば、

「1979年10月に、セブンイレブン株1,000株を
 180万円出して買い、1997年11月に全株売却」

「そして、売却したお金全部を使って、
 1997年11月に上場したヤフー株を154万円で買い、
 2000年1月に全株売却」

ということが実現できれば、
はじめの180万円が、4百数十億円になる。

そして、この180万円→4百数十億円を夢見て、
過去のセブンイレブンやヤフーの状況を
いくら詳細に突き詰めたとしても、
将来、同じような結果にはならないだろう。

この例は極端すぎる例だが、
「○○の時は××。
 ただし、△△の条件が入ると□□になる。
 しかし、**の場合は・・・」

と、過去のデータをいじくりまくって、
過去においてよい結果が導き出せても、
将来には役に立たなくなることもあるので、
注意が必要だ。

(この、“いじくりすぎて役立たず”のことを
 “カーブ・フィッティング”というのだが、
 この話の詳細は、また別の機会に)

何事も、「過ぎたるは及ばざるが如し」
なのかもしれないね。


他のデメリットも見てみよう。

今度は今までとは逆に、ロジック自体がシンプルで
スマートな場合に起こってしまうケース。

それは、
「ロジックが洗練されているがゆえに、
 他の市場参加者も同じタイミングで
 エントリーし、うまく利益が出ない」
という問題。


たとえば、君も“ゴールデンクロス”という
テクニックを、聞いたことはあるだろう。

「短期の移動平均線が、長期の移動平均線を
 上抜けたときは、上昇トレンドに入ったから
 “買い”のチャンス」
といったテクニックだ。

(詳しく知りたければ、調べてみるのもいいだろう)


もし、このテクニックを、世界中の誰も知らずに、
君一人だけが使っていたとしたら、
君は、おそらく莫大な利益を手していることだろう。

しかし、
現実は、この“ゴールデンクロス”という
テクニックは、世界中のほとんどの
トレーダーが知っている。

知っているために、この“ゴールデンクロス”を
そのまま使っても、素直に反応しないことが多い。

みんなが知っているので、同じタイミングで
大勢のトレーダーがエントリーしたり、

みんなが知っているので、
逆に裏をかいてくる人などがいるためだ。


ロジックがシンプルで、スマート。
誰もが、大部分納得するトレードルール
というものは、諸刃の剣だ。

誰もが納得するルールというのは、
「他の誰かが、同じタイミングで入ってくる」
という危険も、常にはらんでいる。

昔まで機能していたトレードルールが
一般に広く知れ渡ってしまったために
機能しなくなってしまう。
なんてことも、実際に起こっていることだ。



ロジックは、緻密すぎてもエントリー機会を失ったり、
実際のトレードでは使い物にならなくなったりする。

かと言って、シンプルすぎても、
他の人と同じエントリーになってしまう。

ままならないものだよね。


でも、

その「ままならなさ」が、トレードの醍醐味であり、
トレードルール作りの奥深さだといえるだろう。

お互いに、成長していきたいものだよね。



さて、今回のレッスンはここまで。

今回は、仮説・ロジックを組み立てることの
メリットとデメリットを一緒に見てきた。

メリットは、
比較検証・ブラッシュアップがやりやすくなる
ということ。


デメリットは、
緻密すぎると、エントリー機会を失ったり、
実際のトレードでは使い物にならなくなったりする。

シンプルすぎると、
他の人と同じエントリーになってしまう。
ということ。


仮説・ロジックの上に
トレードルールを乗せることは必須。

ただし、そのバランスを大切にすることが
君の利益を増大させる、ひとつのカギになる。

これからも、一緒に頑張っていこう。


今回も、手紙を読んでくれて本当にありがとう。
ではまた手紙を書きます。


空也

 

〔技〕 勘違いだらけのトレードルール構築

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

前回は、仮説を立てて、そのロジックを積み重ねて
トレードルールを作る方法の
メリットとデメリットを紹介してきた。

大まかな仮説を立てて、
仮説を実現化させるようなロジックを組み立て、
トレードルールとして構築してゆく。

ただし、そのロジックは
緻密すぎても弊害が出るし、
シンプルすぎても機能しない。

バランスが非常に大切だ、
という話をしたね。

今回は、前回の話を踏まえて、
君が実際にトレードルールを作る際の
注意点をいくつか見ていこう。

普通の人がトレードルールを作るときに
ついつい やってしまいがちな事を
いくつか例に出していきたいと思う。

今回は、ややシステムトレード寄りの話になるが、
裁量トレードのトレードルール作りも
本質的には同じことだ。

君が自分のトレードルールを作るときの
参考にしてもらえれば幸いだ。

では、早速見ていこう。



まず、最初にやってしまいがちな勘違いは、
「ルールの条件が厳しければ厳しいほど、
 利益は出しやすくなる」

という勘違いだ。

例えば、
「移動平均乖離率が-5%のものより、
 -10%のものの方が利益が出るだろう」
とか、

「RSIが低ければ低いほど、
 反発が大きいだろう」
と決め付けてしまうこと。

たしかに、
移動平均乖離率だけとか、
RSIだけを単発で使った場合は、
条件を厳しくすればするほど、勝率が上がることが多い。

勝率が上がった結果、期待値もそれに伴って
上昇することも多いだろう。

しかし、通常は
自分のトレードルールを作るときに
たったひとつのテクニカル指標だけを使って
ルール構築をすることは まれだ。

2つ以上のテクニカル指標や、その他条件を
組み合わせる場合は、さまざまな条件が複雑に絡み合い、
「指標の条件を厳しくすればいい」
とは、言い切れなくなる。

どの指標を、
どの条件を、
どのくらい、
どのような優先順位で、調整するのか?

この辺のさじ加減が必要になってくる。

例として、ある指標Aと、指標Bを使ったときに
起こり得る現象を見てみよう。

指標Aと指標B、
単体それぞれでは条件が厳しければ厳しいほど
期待値が上がった。

なのに、
2つを組み合わせて使った場合は、
指標Bの条件を「緩めれば緩めるほど」
期待値が上がった。

なんていう現象も、けっこう頻繁に起きる。
おもしろいよね。


さらに、トレードルールを構築し終わって、
実際に運用をし始めたときにも、この
「ルールの条件が厳しければ厳しいほど、
 利益は出しやすくなる」
という勘違いは、悪影響を及ぼすこともある。

たとえば、
移動平均乖離率を使ったトレードルールを
実際に運用し始めたときに、
エントリー候補が複数出てきたとする。

その時、
「移動平均乖離率がパーセンテージが
 大きい銘柄のほうが、勝ちやすいだろう」
と安易に判断して、資金を多めに投入する。
なんてことをしがちだ。

これも、実際 移動平均乖離率が大きいほうが
勝率が高いのかどうかを、事前に調べてからでないと
やってはいけない行為だ。

この例のトレードルールでは、他の条件のせいで、
移動平均乖離率の幅が小さい方が
利益が出やすい可能性だってあるのだ。

トレードルールとマネーマネジメントを組み合わせるときは
慎重に進めたほうが いいかもしれないね。



他の勘違いも見てみよう。

先ほど見た
「条件が厳しいほど、利益は出しやすいだろう」
というのと同じような勘違いに、

「条件が多いほど、勝率も期待値も上がってゆくだろう」
という勘違いもある。

システムトレードの検証ソフトなどで
アマチュアが良くやってしまいがちなルール構築として、

とにかく知っているテクニカル指標や
思いつく限りの条件を盛り込んで、
とても複雑怪奇なルールを作ってしまうことがある。

たとえば、
「25日移動平均線が○%以下で、
 かつ、60日移動平均線が○%以下、
 かつ、RSIが○○%で、
 かつ、ボリンジャーバンドが○○で、
 そして、MACDが○○。 
 そして、足組みがはらみ線になっていて、
 出来高が前日に比べて××。
 さらに・・・」

なんていう、条件が10も20もあるようなルールだ。


もちろん、期待値がプラスで、
トータルで利益を出していけるのであれば、
トレードルールは、どのようなものでもかまわない。

とはいえ、

無駄な贅肉が付きすぎたルールは、
市場に不測の事態が起きたときに、
機敏に対応できなくなる恐れもある。

もし君が、数学や統計学に通じていて、
「たくさんの条件が組み合わされたルールでも大丈夫」
というのであれば、問題ないだろう。

ただ、数学や統計学の天才でない場合は、
あまりに複雑な条件の積み重ねは、やめておいた方が無難だ。

偉大なる投資家、ウォーレン・バフェットは、
自分が理解できる事業にしか投資をしていないという。

トレーダーである我々も、
自分が理解できるトレードルールを使って
富を重ねた方が、私は良いと思っている。


さて、
条件が増えすぎた場合の整理の方法として、
ひとつ、考え方のヒントを伝えておこう。

ある程度トレードルールが出来てきて
「ルールが出来つつあるけれど、
 条件が多いかもしれない。。。」
なんて思ったとする。

もし君が作ったトレードルールに
条件が多いのだとしたら、以下の方法を
試してみるといいだろう。

まず、君が作ったトレードルールの条件のうち、
任意に1つの指標を決める。

その後、
あえてその指標の条件を、ちょっとずらしてみるのだ。

例えば、君が作ったトレードルールに、
指標移動平均乖離率が含まれていたしよう。

そして、今作ったトレードルールの移動平均乖離率が
「25日移動平均乖離率が10%以上」
という条件だったとする。

今の時点で出来上がっているルールが
「25日移動平均乖離率が10%以上」
で機能しているところを、あえて、

「10日移動平均乖離率が10%以上」
とか、
「26日移動平均乖離率が10%以上」
とか、
「60日移動平均乖離率が10%以上」
とか、いろいろいじってみるのだ。

日にちをいじってみたら、次に、
「25日移動平均乖離率が5%以上」
「25日移動平均乖離率が20%以上」
「25日移動平均乖離率が-5%以上」
とかも、いじってみる。

もちろん、他のたくさんの条件は動かさないまま、
移動平均乖離率の部分だけを いじってみる。

そして、何回かいじってみた結果を見てみるのだ。
複数の検証データの比較が必要なので、
少なくとも3~4パターン、数値をいじってみよう。


その結果、大きく分けると、2つの結果が出てくる。

ひとつは、
・検証結果に、ある傾向が見られる
という場合。

もうひとつは、
・検証結果ごとに、バラバラ
という場合。


「検証結果に、ある傾向が見られる」
というのは、たとえば、

「移動平均する日にちを 伸ばせば伸ばすほど
 勝率が上がるが、ドローダウンが大きくなる」
とか、
「乖離率のパーセンテージを上げると
 勝率は上がるが、なぜか期待値は下がる」
とか、一連の関係性が見られる場合だ。

このように、一連の傾向が見られる場合は、
取り出したテクニカル指標は
君のトレードルールの中で「キー」となっている
可能性が高い。

なので、そのままトレードルールに
組み込んでおいたほうがいい指標だろう。


逆に、
「移動平均を5日に設定したときは
 勝率が上がって、ドローダウンも上がったのに、
 60日に設定すると、まったく逆になった」
とか、
「25日だと機能するのに、26日にすると
 ぜんぜん機能しない」
なんていうように、

「検証結果ごとに、バラバラ」
になってしまった場合は、注意が必要だ。

少なくとも、君が作ったトレードルールの
「キー」には、なっていない指標の可能性が高い。

実際のトレード現場では、
様々な値動きが起こる。

様々な値動きが起こったときに、
ちょっと指標がずれただけで
使い物にならなくなってしまうような
「ヤワ」なトレードルールでは、
実運用には、耐えられないだろう。


なので、

もし、ある特定の指標をいじってみたとき、
検証ごとに結果がバラバラになってしまうようであれば、
その条件は削除するか、大幅に見直すように
した方がいいだろう。


検証は検証。過去の結果でしかない。

あくまで、我々は将来に利益をもたらしてくれる
仕組みを構築する必要があるということを
忘れないでおきたいものだよね。



最後に、もうひとつだけ
やってしまいがちなルール作りを
一緒に見てみよう。

それは、

「“買い”ルールの真逆を使えば
 “空売り”ルールは完成する」

という勘違いだ。

これは、実際にシステムトレードのルール構築を
行ってみれば、すぐにわかる。

“買い”で機能したからと言って、その真逆のルールが
“空売り”で機能すると思ったら、大間違いなのだ。

たとえば、
「“買い”では、○○を+10%以上に設定したから、
 “空売り”では逆にして、-10%以下にすれば
 いいだろう」
なんていう作り方だ。


何度も強調して恐縮だが、
トレードルールは、機能すればそれでいい。

もし、作ったルールが
「“買い”を逆にしたら、“空売り”ルールも
 できちゃいました。機能しました」
というのであれば、全く問題はない。

ただし、
普通は、逆にしただけで空売りで機能することは、まれだ。

なぜだ?という理由は、たくさんある。

そもそも、買いでエントリー出来る銘柄と、
空売りでエントリーできる銘柄とでは、
銘柄数が圧倒的に違う。

買いでエントリーできる銘柄の、約3割程度しか
空売りは出来ないのだから、同じ条件が機能するのは難しい。

さらに、
以前に説明をしたように「上昇」の時と
「下落」の時では、市場参加者の心理が 全く違う。

多くの市場参加者は、買いからしかエントリーせずに、
株価の上昇を願っている。

そして、下落が始まると、急にビビッて
ポジションを投げてしまったりもする。

上昇と下落では、市場参加者の心理が全く違い、
結果として、値動きも上昇と下落では
描くラインが全く違ってくることが多い。

なので、
“買い”と、“空売り”では、
全く違う世界の市場のルールを作るつもりで
取り組んだほうがいいだろう。

もちろん、“買い”のルールが出来たのであれば
そのルールを土台にして“空売り”ルールを
作り始めるのは良いだろう。

ただし、
「基本的に買いと売りでは質が違う」
ということは、念頭においておいたほうが
いいかもしれない。



さて、今回のレッスンは、ここまで。

今回は、トレードルール構築における
よくある勘違いというか、落とし穴を一緒に見てきた。

「条件を厳しくすれば、より良い」
「条件がたくさんあれば、より良い」
「買いの真逆のルールで、空売りも対応できる」

といった考えは、単なる勘違いの都市伝説だ。


実際は、検証してみないと分からない。

そして、その検証がうまくいったとしても、
実際に、運用してみないと分からない。

実際にしばらく運用してみて、
トータルで利益が出ることを確認できてはじめて
「使えるトレードルールを構築した」
といえるんだろうね。

君が、より君にフィットした
トレードルールを構築できることを願って。


今回も、手紙を読んでくれて、本当にありがとう。
ではまた、手紙を書きます。


空也

 

〔雑記〕 逆援助交際を申し込みたいのに・・・

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

君との手紙の中で、
最近、ちょっとずつ専門的な株式用語が
出てきているよね。

移動平均乖離率、とか、
RSI、とか
はらみ線、とか。

まぁ、それほど専門的な言葉ではないんだけれど、
中には
「なんじゃそら?」
と、頭が「???」になってしまうような
言葉も、たまに出てきているかもしれない。

でも、私の手紙の中では、
よほどの専門的な用語以外は、説明をしていないし、
たぶんこれからも していかない予定だ。

なぜか?なぜ説明しないのか?
それには、ちゃんと理由がある。

今後は、もっと突っ込んだ話も
多くなっていくと思うので、今回は
「私が専門用語を説明しない理由」を話そう。

そして、豊かなお金持ちが、わからない何かに
出会ったときに、どう取り組んでいるのか、
という姿勢の話もしたいと思う。

君の日常にも、プラスの話になることを願って
今回もはじめていこう。



さて、まずは私がこの手紙の中で
基本的な専門用語の説明をしない理由を話そう。

説明をしない理由は、大きくは3つある。

ひとつは、
君が初心者ではなく、株の中級者から上級者を
めざそうとしている人だから、という理由だ。

株に興味を持ち、
株の持つ魅力と怖さを知っている君だから、
基礎的な用語は すでに、ある程度
押さえているだろうと思っている。

基礎的な株式用語の解説などで、
君の集中力をそらしてしまっては、
逆に申し訳ないからね。

それが理由の一つ目。


次に。
用語の説明をするのに時間を使うよりも、
他のところでは、あまり聞けないような話に
時間を割いたほうが、お互いのためになると
思っている、という理由だ。

君の時間にも、私の時間にも、限りがある。

限りがあるからには、手紙には
私が私の言葉で綴れる話を書いたほうが
お互いのために気持ちがいいだろう、
と思っている。

なるべく、他のところではあまり聞かない話を
これからも書いていくようにしていくよ。


そして。
最後の3つ目の理由が最も大きな理由だ。

私の周りにいる、幸せなお金持ちたちが
日々実践しているクセを、君にもぜひ
身に着けてもらいたいから、というのが
最大の理由だ。

幸せなお金持ちたちが実践しているクセ。
それは、
「得た情報は、出来る限り裏を取る」
という、基本的姿勢だ。

君に、ぜひ
「得た情報は、出来る限り裏を取る」
というクセを身に着けてもらいたいと思っている。

そして、そのためには
「わからないことは、まず自分で調べる」
という姿勢を持ってもらいたいと思っている。

だから、基本的な専門用語は
あえて君自身の手で調べてもらいたい、
と思っているわけなんだ。


「なんだ、そんな当たり前の事か」
と、君は思うかもしれない。


でも、

「得た情報は、出来る限り裏を取る」
という、当たり前の事をやっていない人が、
少なく見積もっても全体の半数以上だ。

おそらく、ちゃんと裏を取るという行動を
とっているのは、全体の2割程度の人しか
いないんじゃないかな?と思う。


例をひとつ話そう。

君もメールを使っていると、
迷惑メールが毎日のように届くだろう。

私のところにも、ご他聞に漏れず
迷惑メールが、毎日山のように届く。

「女性からお金をもらってデートする逆援助!」
とか、
「パチンコの代打ちスタッフ募集!
 なんの技術も必要なく、高額収入保証!」
みたいなメールが多いよね。

私は今のところ、逆援助にも
パチンコの代打ちスタッフにも興味はないのだが、
日々のクセで、なんとなく
裏を取りたくなり、ネットの検索ページを開いた。


逆援助交際についてから話そう。

よくある逆援助交際の迷惑メールには
「女性会員がたくさんあふれています」
「セレブ女性が欲求不満」
「お金はあるけれど、異性の友達がいない女性ばかり」
なんてことが良く書いてある。

「そんなワケ、ねぇだろ!」
と思うのだが、今回 裏を取るにあたって、
あえて自分が

「成功した女性経営者で、
 お金はたくさん持っているけれど、
 異性の友達がいない。
 お金を払ってもいいから、異性の友達を作りたい」
という女性になったつもりで、
ネットの検索ページを使って検索をしてみた。

迷惑メールに書いてある通り
「女性会員があふれている」
という状態ならば、女性側から簡単に
逆援助の出会い系ページにアクセスできるはずだ。

なので、自分が欲求不満のセレブ女性になったつもりで、
たくさんの検索を試みてみた。

しかし、

どんなに検索をしても、一向に逆援助をさせてくれる
ページが見つからないのだ。

“欲求不満のセレブ女性である私”が、
お金を払ってもいいという気持ちで一生懸命
出会いを探しているのに、
検索にヒットするのは、どう見ても
男性サイドを意識して作ったページばかり。

おかしいよね。

で、私としては
「女性側からこんなにアクセスしにくい
 逆援助という仕組みが、正常に動いている
 可能性はきわめて低い」
という、はじめから分かっていた結論に達した。

ま、もしかしたら、本当に誠意を持って
逆援助を推奨しているページはあるのかもしれないが、

少なくとも、迷惑メールが届くほどには
普及していない、とは断言できるだろうね(笑)

個人的には、クセでやったことで
「裏が取れた」ので、よかったなぁ、ということにした。


パチンコ代打ちについても、
クセで裏を取ってみた。

パチンコ代打ちというのは、
「私(の会社)の代わりに、
 指定したパチンコ台、指定した方法で
 あなたがパチンコを打ってください。
 そこで得られた収入を折半しましょう」
という仕組みらしい。

「高額収入保証!」
「どんな方でもできます!」
みたいな、勢いのあるフレーズが
メール文面に飛び交っている。

ならば、こちらもいつものクセで
裏を取ってみようと思ったわけだ。

こちらの裏取りは簡単で、
パチンコ代打ちを推奨している会社の
社名を検索したら、いきなり

「△×株式会社(パチンコ代打ち会社)被害報告」

みたいなページがヒットした。

被害報告のページを開くと、
結局はパチンコの代打ちでお金を儲けるどころか、
入会料などの名目で、お金を取られてしまった、
という話を確認することが出来た。

こちらも、逆援助と同じく
「そんな甘い話が、簡単に転がり込んでは来ない」
という裏が取れた、ということだ。



ここで、気が付いて欲しいことがある。

逆援助にしても、パチンコの代打ちにしても、
私が裏を取るのにかけた時間と労力は
ほんのちょっとだけだ。

ちょっと時間をかけただけで
「この話は、嘘」
ということが分かった。

なのに、一方で、
迷惑メールが毎日山のように来て
なくなる気配がないということは、
「疑わずに入会している人がいる」
という、動かぬ証拠もあるのだ。

逆援助交際業者にしろ、パチンコ代打ち業者にしろ、
なんの効果もないメールを出し続けたり、
だれも見に来ないサイトのページを作り続けたりは
しないだろう。

ということは、つまり、
「メールを見て、裏を何にも取らずに
 反応的に入会している人が、けっこういる」
ということを証明してしまっているわけだ。


裏を取らずに、情報を鵜呑みにして
反応的に行動をしてしまう人と、
きちんと裏を取り、情報に納得してから
行動するかしないかを決められる人。

君だったら、どっちの人になりたいと思う?

裏を取るという行動は、
私の知る限りのお金持ちが全員やっていることで、
全体の8割程度の人が、できていないことだ。

つまり、
このクセを身に着けるだけで、
まずはいきなり成功者側の2割に入ることが出来る、
ということにつながる。

ぜひ、君にも身につけてもられるとうれしいクセだね。


「空也さん、この“裏を取る”というクセは
 どうやって身につければいいんですか?」

と、もし君が思ってくれたのならば、
話は簡単だ。

裏を取るクセというのは、簡単に言えば
「自分が分からないこと、
 自分の腹に落ちないことは、調べる」
という、シンプルなクセに他ならない。

幸いなことに、今はインターネットという、
調べるのにとても便利なツールも用意されている時代。

調べようと思えば、何でも、いくらでも
調べることが出来るだろう。

はじめのうちは、調べるのも億劫だったり、
調べ方がうまくいかなかったりすることも
あるかもしれない。

それでも、君が「分からないことを調べる」という
姿勢と、それにたいしてかけた時間と労力は
必ず将来、自分の財産になることだろう。



話が非常に遠回りをしてしまったが、
話を最初に戻そう。

私が株の基本的用語を
詳しく説明しない理由の最たるもの。

それは、
君に「裏を取る」というクセをつけてもらいたいため。
そしてそのためには「分からないことは、自分で調べてみる」
ということが、最も効果的なため。

ぜひ、株式用語でも、他のことでも
実践して、成功者側の2割に入ってくれることを願うよ。


さて、今回のレッスンは、ここまで。

私は君に対して、故意に嘘をついたり
間違ったことを教えようとは思っていない。

思っていないけれど、今回話した
「裏を取る」ということは、私の手紙の内容も
例外にする必要はない。

君がもし
「どうも今回の空也さんの話は、納得できないな」
「腹に落ちきらない感じだな」
と思った回があったら、どんどん
「裏を取」ってみてくれ。

私の勘違いがあるかもしれないし、
君にとって、もっともフィットする、
別のアプローチも、他のところにあるかもしれない。

今は、株に関しては
私がレッスンをする側、
君がレッスンを受ける側、
となっているけれど、

君が裏を取って
「空也さん、ここは間違っているよ!」
ということを教えてくれるのも、
とても嬉しいし、楽しみだ。

ぜひ、君が裏を取るクセを身につけて、
私にたくさんの知恵を分かち合ってくれることを
願っているよ。


今回も、手紙を読んでくれて本当にありがとう。
ではまた、手紙を書きます。


空也

 
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