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〔技〕 利益を構成する3つの要素

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

前回は「期待値」という考え方を
君と一緒に確認してきたね。

一回一回の売買に関しては
プラスになるかマイナスになるか分からない。

でも、期待値がプラスのトレードルールを
何回も、何百回も繰り返すと、
トータルではプラスを積み重ねていくことが
期待できる。


期待値は、

平均利益(率)× 勝率 - 平均損失(率)× (1-勝率)

という計算式で表され、例えば
この値がプラス1万円ならば、
「1回の売買につき1万円を儲けている」
と考えることが出来る。

逆に、この期待値がマイナス1万円ならば、
そのトレードルールは
「毎回、株を売買するたびに
 1万円を市場に“寄付”している」
ルールとなる。

1回1回の成績は、マイナス5万円とか
プラス7万円とかかもしれない。

ただ、トータルで見ると、
期待値プラス1万円のトレードルールは、
1回につき1万円を受け取れている、
と考えるわけだ。

だから、
トレードルールをちゃんと吟味したあと、
プロトレーダーは30万円の損切りをしても、
「あ、これは1万円の利益の出るトレードの
 単なる一部分だ」
と思って、冷静に損切りする。


プロトレーダーは、1回1回の売買には執着しない。

しっかりと自分のトレードルールを吟味して、
期待値がプラスだと確信したら、
あとは淡々とトレードルールを繰り返す。


ひとつたとえ話を出しておこう。

人気メニューを持つ繁盛レストランがあったとする。
看板メニューはハンバーグで、
お客さんは、その店のハンバーグを食べに
わざわざ遠くからやってくる。

看板メニューのハンバーグは、
レシピが完全に出来上がっていて、
そのレシピが、お店の経営を支えていると
言ってもいいだろう。

そんな中、たまたま1日だけ
お客さんがまるで来ない日があったとする。

それは天気のせいかもしれないし、
曜日のせいなのかもしれない。

ただ、お客さんがまるで来なかったという
日があった。

そこで、
「ああ!今日は1日お客さんが
 ほとんど来なかった!
 材料費、光熱費、人件費で赤字だ!
 今まで作っていたハンバーグレシピは
 もうだめだ!レシピを捨てよう」
なんていう店主がいたら、
君はどう思う?

たった1日お客さんが来なかっただけで、
今までお店の屋台骨を支えてきた
ハンバーグレシピを捨ててしまう。

そんな店主がいたら、
あきれ返ってしまうよね。


そう。トレードも同じ。
プロになり、トレードルールを確立していれば、
ハンバーグのレシピと同じように
トレードルールを守る。

そして、調子のいいときもあったり
調子の悪いときもあるけれど、
トータルでは利益をしっかりと受け取る。

調子が悪いからといって、
すぐにレシピ(=トレードルール)を
コロコロ変えたりしない、というわけ。

君が“愚かな店主”にならないためにも、
レッスンを続けていこう。


さて。

今日は前回の「期待値」の話を土台において、
もう少し突っ込んだ話をしよう。

「トータルで利益を出す」
ということが大事だということは
今まで何回も繰り返してきた。

では、その「利益」とは、何で構成されているのか?
という話。


「え?
 利益は期待値で構成されているんじゃないんですか?」
と思ったかもしれないけど、そうじゃない。

期待値は大切な構成要素のひとつだけれど、
唯一のものではない。

具体的には、3つある構成要素のうちの1つでしかない。

期待値だけが利益を構成している要素だと考えると、
「とにかく期待値が高いルールを見つければいい!」
といった、
「期待値至上主義」
に陥る。

よくアマチュアのトレーダーが
「勝率至上主義」
から卒業したあとにハマる落とし穴が
「期待値至上主義」だ。

勝率至上主義よりも、とてもレベルアップしているが、
残念ながら、あと一歩だ。


君には、レベルの高いトレーダーになってもらいたい。

なので、
君が「期待値至上主義」に陥る前に、
トレードにおける「利益」の構成要素を伝えよう。



先ほどちょっとだけ、
「利益を構成する要素は3つある」
と言ったね。

実は、この利益を構成する3つの要素が、
掛け算で関係し合って利益というものは
成り立っている。

利益=A × B × C

という関係だ。


そして、利益を構成する要素のうち、
1つは「期待値」だという話もした。

なので、

利益=期待値 × B × C

となる。


さて問題。
あとの2つの構成要素、
君は何と何だと思う?

けっこうシンプルな答えなので、
ひねりすぎずに考えてみて欲しい。

君がトレードで利益をあげる上で、
どういう要素が関わってくるだろう?

今回のレッスンはここまで。
次回までに考えておいて欲しい。


などというつもりはないので、ご安心を(笑)

でも、
ここで読むのを一度やめて
自分へのレッスンだと思って考えてみるのも
いいだろう。




考えてみたかな?
それでは答えをひとつひとつ見て行こう。

まずは期待値
これは今までに説明したとおりだ。

期待値がプラスであれば、
まずは利益を出す方向に進んでいる。

そして今から話す構成要素の中で、
唯一「マイナス値」にもなる構成要素だ。

ここがマイナスだと、いくら他の要素に
恵まれていても、利益ではなく
損失になってしまうので、注意が必要だね。



次の要素。

ありえない話だが、仮に
今100円の株価が、確実に110円になると
分かったとする。

その時、君が
10万円分株を買って利益を出すのと、
100万円分株を買って利益を出すのとでは、
どちらが利益が大きくなるだろう?

期待値をパーセンテージで表して、
「期待値プラス1%」のルールがある時、
君の手元に10万円あるのと、100万円あるのとでは、
どちらが利益が大きくなるだろう?

言うまでもないよね。

なので、2つ目の構成要素の答えは
「資金量」
となる。

資金が多いのと少ないのとでは、
資金が大きいほうが利益が出しやすい。

当然といえば当然だよね。



そして最後3つめの要素。

これまたありえない話だが、仮に
1回トレードすれば、必ず1万円儲かるとする。

さて、
このトレードを、年間10回やるのと、
100回やるのとでは、どちらが儲かる?

確実に1回につき1万円儲かるとしたら、
10回と100回なら、どちらを選ぶ?

これまた言わずもがな。

なので、3つ目の構成要素の答えは
「売買回数」
となる。



計算式でまとめると、

利益=期待値 × 資金量 × 売買回数

という計算式で、利益は構成されている。

トレードでの利益は、
・期待値
・資金量
・売買回数
という要素が、掛け算で絡み合って
生み出されているということを、
まずは理解して欲しい。



「ふーん、利益って、
 こんな風に構成されているんだー」
だけで終わらせてはいけない。

この利益の計算式のミソは、

掛け算で構成されている。

というところにある。


掛け算で構成されている、
という特徴を、ちゃんと捉えてみると。

まず、ひとつでもゼロがあったら
他の要素がどんなに大きくても
利益は、ゼロ。

当たり前だが、いくら期待値が大きくても、
資金がゼロだったり、1回も売買しなければ
利益はゼロだ。


他には?
掛け算であるという意味は?

ひとつ、あるいは3つがマイナスならば、
答えはマイナスになる。
掛け算だからね。

そして、トレード利益の3つの構成要素のうち
マイナスになりうるのは、期待値だけ。

資金量や売買回数は、マイナスにはならない。

君に借金があって、貯金がマイナスだろうが、
トレードに「マイナス10万円エントリー」は
できないよ(笑)

売買回数も、当然マイナスにはならない。

なので、
マイナスになりうる期待値がプラスならば、
まずはお金持ち方向に進んでいけるというわけだ。


そして、もうひとつ。
とても大切な掛け算の特徴がある。

利益が掛け算で出来ている。
ということの、本当に大切な意味が、
ひとつある。

とてもシンプルな特徴だが、
意識して使うと、とてもパワフルだ。

ただ、今回は、まずこの利益の計算式を
しっかりと理解して欲しい。

なので、今回のレッスンはここまで。

次回のレッスンで、もうひとつの
「掛け算であるという意味」を見ていって、
その意味をどうやって実践で利用していくかを
一緒に学んでいこう。


今日は、トレードの利益は3つの構成要素で
成り立っていて、

利益=期待値 × 資金量 × 売買回数

という計算式になるということを学んだ。

掛け算であるという意味を、
君もまた考えてみるといいかもしれないね。


今日も手紙を読んでくれて、どうもありがとう。
ではまた手紙を書きます。



空也

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〔技〕 利益の3要素を、実践に活かす

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

前回は、利益を構成する3つの要素
ということを伝えたね。

利益は、
3つの構成要素の掛け算で出来ている。

3つの構成要素とは
・期待値
・資金量
・売買回数
だったね。


そして利益は、

利益=期待値 × 資金量 × 売買回数

という計算式で算出されるという話をした。

ここでのポイントは、利益の構成要素3つが、
掛け算となっている、という点。


そのため、

・どれかひとつでもゼロだと、利益はゼロ。
・期待値がマイナスだと、どんなにがんばっても
 損失しか出ない。

という特徴が出てくるところまでが
前回の話だ。

今回は、もうひとつ
構成要素3つが掛け算であることの
重要な意味を一緒に考えていこう。



すべての構成要素が、掛け算でつながっている。

ひとつの要素が、ほかの2つの要素に対して
掛け算で影響を与えるということ。

そして、要素が3つあるということ。

このことを意識して、利益を増やすことを
考えてみよう。


例えば、すでに期待値がプラス1%の
トレードルールが出来ているとしよう。

毎回100万円をかければ、
プラスマイナスを繰り返しながらも、
トータルでは@1万円の利益をもたらすルール。

そのルールを使って、毎月10万円の利益を
出しているとしよう。

実際は、コンスタントに10万円の利益を
出すわけじゃないだろうけれど、
分かりやすくするための、仮の話としてね。


で、
この状況を改善したいと思い、
「毎月の利益金額を2倍にしよう」
と、君が思い立ったとする。

いきなり2倍!
これは、かなりハードな作業だ。

特に、
「利益を受け取るためには、
 期待値をあげるしかない!」
と思っている
「期待値至上主義」
の人にとっては、果てしなく高いハードルになる。



しかし。

前回から話している、利益の構成要素と
「掛け算である」という特徴を見れば、
なんとか利益2倍にすることは、出来るかもしれない。

期待値を2倍にするというのではなく、
それぞれの構成要素に“分担”してもらうわけだ。

実際やってみるとわかるが、
期待値をプラス1%から2倍にするのは、
相当大変な作業だ。

ただ、
期待値をプラス1%から、プラス1.3%にするのは、
しんどいが可能な作業だといえる。

まだよく練られていないトレードルールの場合は、
損切りラインを見直すことによって、改善が可能になる。
(もちろん、他のアプローチであっても
 かまわない)


そして、

資金量を3割り増しにすることが、
不可能かどうかを考えてみる。

信用取引を使うという手もあるかもしれない。

もし、今まではトレードの運用で
増えている分を、すぐに消費に使っていたのならば、
しばらくそのまま運用に使うという方法が
あるかもしれない。


さらに、

売買回数を3割増しにすることが、
どうやったら出来るかを考えてみる。

単に、やってないだけだったのかもしれないし、
トレードルールをすこしいじることによって
売買回数を増やすことができるかもしれない。


最終的に、もし3つの要素を
それぞれ3割り増しに出来れば、

利益
=期待値 × 資金量 × 売買回数
=1.3 × 1.3 × 1.3
=2.197

ということで、利益を倍化することが出来る。


期待値だけで2倍にすることは
非常に難しい。

が、
利益を構成している要素を
冷静に分析して、

期待値だけでなく、

資金量というアプローチでは?

売買回数というアプローチでは?

という別のアプローチを考えることで
道が開ける可能性が広がる。というわけだ。



ただ、これだけだと
「まぁ、理屈はそうなんですけど、
 難しいですよねー」
という、机上の空論になってしまうことも
あるだろう。

なので、
この利益の構成要素を
実践的に使うテクニックを伝えようと思う。


利益の構成要素である
・期待値
・資金量
・売買回数

この3つのうち、利益を上げるために
比較的いじりやすい要素が1つある。

君は、この3つの要素のうち
どれが いじりやすいと思う?


期待値?

期待値は、まずマイナスにならない
トレードルールを作ることで、
はじめは大変だ。

そして、改善しようといろいろ
いじっても、結局うまくいかなかったり
することが多い。

ある意味、もっとも
いじって効果を出しにくい
要素かもしれないね。

なので、期待値ではない。


では、資金量?

資金量を増やすのが簡単だ。
などと言うと、

「空也さん!お金を殖やすために
 トレードしているんですよっ!!」
「なのに、簡単に資金量をアップできるわけ
 ないじゃないですかっ!?」
という、君の声が聞こえてきそうだ。

実際、資金量をホイホイと
アップできる人は、そうはいないだろう。

少なくとも個人トレーダーの多くは、
限られた資金の中で、
どれだけうまく運用できるかが、
トレードの腕の見せ所。

(証券会社のディーラーだと、
 豊富な資金が首を絞めることもあるが)

なので、資金量という構成要素も
いじりにくい要素といわざるを得ないだろう。


では?
最後に残った「売買回数」は?

この売買回数が、今まで私がやってきた
トレードの中で、もっともいじりやすい要素だ。

トレードルールの見直しをする必要は
あるかもしれないが、

「期待値を上げるように見直す」のと
「売買回数を上げるように見直す」のとでは、
難易度がまるで違う。


売買回数を上げるための
トレードルールの見直し。
具体的には、

銘柄の絞込みを、今までより少しゆるくする。
保有期間を短くできるかを検証する。

という方法をとる。

特に、保有期間を短くできるかを
検証してみるのがいいだろう。

銘柄の絞込みをゆるくして、
候補銘柄が多くなっても、
今度は資金量の関係で、
全部にエントリーできなくなったりする。

なので、
実際の運用には向かないことも多い。


保有期間の短縮は、
そのようなデメリットはない。

保有期間が短ければ、
今まで保有している期間「眠って」いた資金が
売買回数アップにまわせることになる。

保有期間を短くすることで
連続下落している株を買ったまま保有、
といったリスクも、少々減る。

結果として、期待値もあがるケースも
あるかもしれない。


なので、君が期待値プラスの
トレードルールを作った後は、

保有期間を短くして、
売買回数を増やせないか?

という検証をしてみるといいかもしれない。


極端な話、期待値が少し下がっても、
売買回数を増やしたほうがいい場合もある。

たとえば、今のトレードルールが
ある期間において、

期待値プラス1%
資金量100万
売買回数10回

だとしたら、
プラス1% × 100万円 × 10回 =10万円
で、利益は10万円だ。

このルールをいじって、
期待値には目をつぶってダウンさせ、
売買回数をグッと増やすとする。

たとえば、

期待値がプラス0.7%にダウン
資金量が100万円で変わらず。
売買回数が20回で、倍化。

とすると、利益はどうなるだろうか?

プラス0.7% × 100万円 × 20回 =14万円

となり、利益は4万円もアップするわけだ。

期待値を下げているから、
勝率や平均利益は下がっているかもしれない。
平均損失は、悪化していることだろう。

でも、トータルの利益はアップさせることができる。


もちろん、期待値がマイナスになってしまったら
元も子もない。

元も子もないが、今まで私が実践してきた
ルール改善の中で、「売買回数アップ」が
もっとも直接的に利益につながった。

君も、このテクニックを覚えておいてもいいだろう。



さて、今回のレッスンはここまで。

今回は、利益の構成要素を、
実際の運用に役立てる方法を見てきた。

期待値を2倍にしなくても、
構成要素をそれぞれ3割り増しに出来れば
利益は2倍になる。

たとえ期待値を落としても、
売買回数を増やすことが出来れば、
利益を増やすことは可能。

今回紹介した方法以外にも、
君なりの利益アップ方法があるかもしれない。

この

利益=期待値 × 資金量 × 売買回数

という原則を覚えておけば、
いろいろ応用は出来るはずだ。

君も、考えてみてはいかがだろう?


今日も読んでくれてありがとう。
ではまた手紙を書きます。


空也

〔技〕 パフォーマンスを左右する、マネーマネジメント

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

前回までしばらくは、
「相手の立場になって考えてみる」
「心のドアノブ思考」
「多重ドア戦略」
などの話をしてきたね。

仕組み作りの達人が、人の心理から
どうやって自分の仕組みを作るのか?
という話。

人の心理も、株の値動きも同じで
完全に予測・コントロールはできない。

なので、
完全に予測・コントロールはできない
という前提で、仕組みを構築しないと、
うまく仕組みは動かないということも一緒に学んだ。


そして、
前回までがトレードからは やや遠い話に
感じられているかもしれないので、
今回からしばらく直球でトレードの話をしよう。

今までも少しずつは話している話だが、
今回から数回に分けて、
「マネーマネジメント」について、
基礎的な話をまとめてしていこうと思う。


トレードにおいては、
トレードの「心・技・体」。具体的には、
基礎的な知識、
具体的なテクニック、
メンタル、
全てが大事だ。

大事だが、
その中でも、少なくともテクニック面で
マネーマネジメントさえ怠らなければ、
「大損害をくらって市場から退場」、
といった事には、ならない。

大損をする人は、たいてい
マネーマネジメントの概念を知らないか、
知っていてもマネーマネジメントを守れなかったかの
どちらかしかいない。

君が一流のトレーダーとなるまでには、
損失が1回も、まったくなかった、
というわけには、行かないだろう。

しかし、マネーマネジメントさえ抑えておけば、
資金的にも、精神的にも
再起不能になるような大損害をくらうことは、なくなる。


ここ数年でも、
一夜にして市場の様子が激変する大暴落が
何回もあった。

おそらく、これからも市場の大暴落は
起こり続けるだろう。

その中で、君は生き残って
安定して利益を出していきたいと思っていることだろう。

なので、
このあたりで、基礎的なマネーマネジメントを
抑えておくことは、
君にとって大切なことだと思う。

今回からの話を、きちんと実践に生かせれば、
少なくとも市場からの突然の退場は、ない。

市場にとどまり続けられる限り、
君の学びは継続し、
そして利益を出せるようになっていくだろう。

市場参加者の90%が損を出し、
そのうちの何割かが毎年 市場から退場する。

利益を出すのが最終目的だが、
まずは「負けない技術」も学んでおくことにしよう。

では、今回もはじめていこう。



さて。

そもそも、マネーマネジメントという概念は
どのような前提のもとにある概念なのか?

仮に、もし“勝率100%のトレードルール”
というものがあったら、マネーマネジメントは
無用の長物だ。

買った株が100%上がると分かっていたなら、

・自分の資金を全額投入して、
・信用取引の枠も全て使い、
・見込めるパフォーマンス以下の金利ならば
 借金をしまくって

エントリーすればいい。
それだけで、君は大金持ちだ。

しかし。

現実には、勝率100%のトレードルールもないし、
「絶対勝てる、この銘柄」も存在しない。

前回までの話でも見てきたとおり、
人の心理や値動きを完全に
予測・コントロールすることはできない。

全ての銘柄が
「絶対わからない、この銘柄」なわけだ。

たとえ勝率が99.9%の
トレードルールであったとしても、
1,000回に1回の負けが
次のエントリーで来ないとも限らない。

なので、現実的には、
「損失を出す可能性」も考慮に入れなければならない。

そこで出てくる考え方が、
マネーマネジメント(資金管理)だ。



マネーマネジメントがうまく出来るか出来ないかが
君のトレードライフを決定付ける。

トレードルールに重きを置く人も多いが、
はっきり言ってしまえば、
マネーマネジメントができれば
トレードルールは、かなり適当でもかまわない。

極端な話、トレードルールに相性のいい
マネーマネジメントができれば、
本来は期待値がマイナスのトレードルールでも
ちゃんと利益を出すことができたりもする。


そこで、
マネーマネジメントを分かってもらうために、
極端に単純な例を出そう。

君が、あるカードゲームに参加するとする。

カードゲームのルールは以下の通り。

・3枚のカードがあり、
 カードに書いてある字が
 「当たり」なら君の勝ち。
 「はずれ」なら君の負けとする。
・3枚のカードのうち、1枚が「当たり」
 2枚が「はずれ」と書いてある。
・「当たり」になれば、賭けていた金額が5倍になる。
・「はずれ」ならば、賭けていた金額が全部没収となる。
・全部で3回戦行う。
・1回戦目は、3枚のうち1枚を引く。
・2回戦目は、1回戦で引かれたカードを除いた
 残りの2枚のうち1枚を引く。
・3回戦目は、残った最後の1枚を引く。

以上だ。

当たれば、賭け金が5倍。
外れれば、賭け金が没収。
そして、3回戦のうち、必ず1回は当たりが出る。

さて、
君がもし30万円の資金を持って
このゲームに参加するとしたら、
どのような戦略をとる?


勝つ確率は、1回戦目は3分の1。
2回戦目は(1回目に当たりが出ていなければ)50%。
3回戦目は、100%勝つ。

どうしようか?


まず、もっとも利益が出る賭け方は、
どうなるだろう?

それは、
1~3回戦目のどこで「当たり」が出るかを
勘で予測する。
そして、自分の勘をたよりに30万円を
賭けるのが、最も利益金額が大きい。

30万円×5倍で、150万円となり、
利益は差し引き120万円だ。でかい!

ただし、「当たれば」だが(笑)

もし勘が外れた場合は、
よくて利益も損失もなし。
悪ければ、破産、となる。


では、もし30万円を3等分して
1回の勝負に10万円ずつ賭けていった場合は
どうなるだろう?

3回のうち1回は、必ず当たりが出て、
しかも勝てば資金が5倍となるので、

10万円ずつ賭けていった場合は、必ず1度は
10万円×5倍=50万円
となる。


資金の配分だけで、
「勝つか負けるか運任せのゲーム」が、
「100%お金を増やせるゲーム」
になるわけだ。

これが、マネーマネジメントを
考える意味になる。


もちろん、今回の例は、極端すぎるかもしれない。

ただ、マネーマネジメントを考えることで、
今回の例のゲームが、“バクチ”から
“資金回収マシン”にレベルアップする、
という意味は、わかってもらえるだろう。

そして。

ここまで単純という訳には行かないが、
トレードにおいても、今回の例のようなことは起こる。

大した期待値がないトレードルールでも、
マネーマネジメントしだいで、
相当回収率のいいパフォーマンスが出せるし、

期待値がすばらしいトレードルールでも、
マネーマネジメントが下手ならば、
あっという間に破産することができる。

なので、
一流のトレーダーになればなるほど、
トレードルール作りよりも
マネーマネジメントを磨く方に時間をかける。

マネーマネジメントを少し変えただけで、
年間のパフォーマンスが倍になる、
なんてことも、けっこう起こるからだ。



もし君が、ある程度トレードルールを
作り終えていて、
「なんか、もういじるところが思いつかないなー」
と思っているのならば、
マネーマネジメントの方をいじってみるのも
いいかもしれない。

パフォーマンスの飛躍的向上につながる
かもしれないからね。


とはいえ、

「空也さん、じゃあマネーマネジメントって
 具体的にはどうやればいいんですか?」

という疑問が湧いてくることだろう。

なので、
次回は、実践で使うことの出来る
マネーマネジメントの具体的な基本例を
レッスンしていこう。


今回は、まず

「マネーマネジメントは重要」

「マネーマネジメントしだいで、
 ギャンブルが資金回収マシンにもなりうる」

ということを、きちんと腹に落としてくれればいい。



君の大切な資金を
イチかバチかのバクチにさらす必要はない。

君のトレードルールに、もっとも相性のいい
資金管理を見つけていこう。


今回も手紙を読んでくれて、本当にありがとう。

ではまた手紙を書きます。



空也


 

〔技〕 時間分散の基礎に学ぶ

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

前回は、「マネーマネジメント」の重要さについて
一緒に学んできたね。

君のトレードルールに合った、
適切なマネーマネジメント(資金管理)をすれば、
「イチかバチかのギャンブル」

「資金回収マシン」
に変えることができる。
という話をした。

もちろん、トレードルールに合った
最適なマネーマネジメント方法を見つけるのは
骨の折れる作業だ。

しかしその骨の折れる作業は、
苦労に見合った「利益」という果実を
君にもたらしてくれる。

トレードにおける他の学習や実践に比べて、
君に直接的に利益をもたらしてくれるのが
マネーマネジメントだろう。

少なくとも、マネーマネジメントを知ることで
君が突然、一日で全資産を失ってしまう
なんていうことは、なくなる。

なので、
今回も、マネーマネジメントについて
くわしく見ていくことにしよう。

ここしばらく、数回はマネーマネジメントに
話を絞っていくので、君も集中して
マネーマネジメントに取り組むのも
いいかもしれない。

では、さっそくはじめていこう。



さて。

まず、マネーマネジメントは何で必要か?
というと、
「自分が次に行う売買が、
 利益になるか損失になるかわからないから」
ということになる。

前回も、詳しく説明したとおりだ。

では、
「利益か損失かわからない」
という前提の下にやるべき行為というのは、
どのようなものだろう?

前提は、
利益が出るかもしれないし、
損かもしれない。

ただ、トレードは1発勝負のギャンブルではなく、
資金の続く限り何回でも売買を
することができる。

何回でも売買ができる。というのがポイントだ。

となると、
1回の売買に、全ての資金を注ぎ込むのではなく、
何回もある売買に、計画的に資金を分散させればいい。
ということになる。

その「分散」のやり方が上手いか下手かが、
マネーマネジメントの真髄になる。というわけ。



では。
「分散」が、マネーマネジメントを決する、
となった時、資金を「何」に分散することができるのか?
を考えてみよう。

トレードの場合、分散できるものは
大きく分けると2つしかない。

2つというのは、
「時間」と、
「銘柄」だ。

自分の大切な資金を、
時間を分けて分散する。

もしくは、
複数の銘柄に分散する。

あとは、この2つの複合系しか
基本的には、ない。

そして、この
時間分散と、銘柄分散それぞれのやり方と
組み合わせで、トレードルールに合った
最適のマネーマネジメントを模索していく、
ということになる。



では実際に、どのような分散の仕方があるのかを、
見ていくことにしよう。

今回は、2つの大まかな分散のうちのひとつ、
「時間分散」
を詳しく説明する。

「銘柄分散」に関しては、また次回以降に
話していこう。




さて、時間分散。

ひとつの銘柄でも、
自分が買うタイミング、売るタイミングで
利益が出たり、損失が出たりするのは
もう理解しているだろう。

そして、どのタイミングで買えば
利益が出るのかがわからないから苦労する。
そうだよね?(笑)

ならば、買う、もしくは売るタイミングを
分散して、トータルで利益が出るようにしよう、
トータルで利益が増えるようにしよう、
というのが、時間分散の考え方だ。


前回、3枚のカードから「当たり」が出たら
利益が出るけれど、「はずれ」だったら
賭け金が没収、というゲームの話をした。

そして、資金を3等分すれば、
絶対勝てるゲームになってしまう、
という話をしたね。
覚えているかな?

あのときにした「資金3等分」が、
時間分散だ。

「当たり」が出てくるタイミングがわからないから、
資金を3等分して、「当たり」を待ったわけだよね。

タイミングをずらして、資金を投入していく、
これが時間分散の考え方だ。

時間分散は、基礎から応用までたくさんの方法がある。

その中でも、もっとも基礎的な話からしようか。

個人的には、けっこう「化石化」している話だけれど、
今でも有効であるともいえる「ドルコスト平均法」の話だ。


「ドルコスト平均法」
という言葉は、知っているかな?

投資の基本的な概念ともいえるけれど、
軽く説明しよう。


ドルコスト平均法のルールは、
「必ず同じ銘柄(商品)に、必ず同じ金額を
 一定のタイミングで投入していく」
というもの。

具体的に説明しよう。

分かりやすくするために、とんでもなく激しい
乱高下をする銘柄を例に出して、
さらに手数料などは考慮しないで説明する。

ある銘柄Aに、
君は総資金400万円を
ドルコスト平均法の考え方を使って
毎月100万円を投入していくことにする。

初月の株価は1万円。
100万円÷1万円=100株
なので、100株を買うことになる。

第二の月。株価は2万円。
100万円÷2万円=50株
なので、50株を買うことになる。

第三の月。株価は急落、5千円。
100万円÷5千円=200株
なので、200株を買うことになる。

最後、第四の月。株価は、2万円。
100万円÷2万円=50株
なので、50株を買うことになる。

合計では、
400万円で、400株を買えたことになる。
平均単価は、1万円。

平均単価を超える月が2回もあった。
もし株価が2万円の時に400万円全額を
使っていたら、半分の株数しか買えなかったんだから、
ドルコスト平均法で時間分散して、よかったでしょ。
という話になる。


計画的に資金配分をすれば、
ドルコスト平均法は、今でも有効な手なのかもしれない。

ただ、
株価が急落しているときに、
より多くの株数を購入するわけだから、
より多くのリスクを請け負うということになる。

ドルコスト平均法が有効なのは、
「急落するときもあるけれど、
 基本的には上昇トレンド」
という銘柄には、いいかもしれないね。

個人的には、のんびりした手法である
ということと、
全体が長期上昇トレンドではない現在に
そのまま採用するのは難しいと思っている。

ただ、応用の方法はたくさんあるだろう。
なにしろ、時間分散の基本だからね。


例えば、
ドルコスト平均法の時間軸を短くして、
さらに株価が下がったときだけ買う、
というのが、いわゆる「ナンピン」だね。

「ナンピン」の場合は、

・一定額を購入する
・一定株数を購入する
・下がっていったら、
 投入金額や購入株数を増やす

などなど、やり方は無限に広がる。

何回までナンピンするのか?
投入金額は一定なのか?
それとも増やしていくのか?
増やす場合は、どのような割合で?

どんどん、やり方が増えるわけだよね。

いずれにしても、
「資金が枯渇する前には上昇する」
「平均購入単価よりも、いつかは株価が上になる」
という前提で時間分散をしていく、
という方法だね。

うまくいくトレードルールと合わせれば、
相当の効果を生む方法だろう。

ただし、トレードルールとの相性を間違えると、
とんでもない含み損を抱えるので
注意したほうがいいだろうね(笑)



もうひとつ。
時間分散の話を踏まえたうえの、応用編の話をしよう。

「信用取引は、こわい」
「信用枠は、使いたくない」
「でも、パフォーマンスはあげたい」

なんていう時に使える方法だ。

仮に、
「1泊で必ず決済する」
というトレードルールを完成させたとしよう。

当日の寄り付きで買ったら、
翌日の寄り付きで必ず決済する、というルール。

そして、毎日エントリー候補銘柄が、同じように出てくる。
それで期待値がプラスだったとしよう。

上記のルールの場合、
現物取引しか使わない場合、
翌日エントリーに使う資金を残しておかなければならない。

400万円あれば、
・当日エントリー → 翌日決済 に200万円。
・翌日エントリー → 翌々日決済 に200万円。

という形にしないと、寄り付きで買うための注文が出せない。

時間分散という概念も考慮に入れつつ
トレードルールを構築しているのに、
資金効率的に、ちょっともったいない。

そこで、信用取引を使う。

信用取引を使えば、
・当日エントリー → 翌日決済 に400万円。
・翌日エントリー → 翌々日決済 に400万円。

という注文は、楽に出せる。


そして、実質上は、
前日エントリーしている銘柄を手放すのと、
当日エントリーしているタイミングはほぼ同時なので、
市場にさらしているリスクは800万円ではなく、
400万円のまま。となる。

ちょっと分かりにくいかな?

信用取引を使ってはいるんだけれど、
それはあくまで注文のためだけ。

寄り付きの9時には、ほんの一瞬だけ
投入金額が2日分の800万円になるんだけれど、
すぐに前日エントリーした分は決済される。

だから、実質上のリスクは400万円分となる。
という話。

もし理解しにくかったら、
何回か読み直してみてくれるとわかるだろう。
分からない場合は、また質問してくれてもいい。


信用取引で、使える金額は増やしているものの、
現物以上のリスクは、実質ほとんど取っていない。
ということもできる。という話だ。

時間分散という概念を理解した上で、
信用取引を使うと、上記のようなルールで
運用することも可能になる。

今回の例では一泊としたが、
応用すれば、また違った使い方も出来るだろう。

君も、いろいろ試してみると、いいかもしれない。




さて。
今回のレッスンはここまで。

マネーマネジメントの中の、分散。
その中でも、今回は時間分散について詳しく説明した。

「次の売買が、利益になるか損失になるか分からない」
   ↓
「売買は、資金のある限り何回でも出来る」
   ↓
「ならば、売買のタイミングをずらして、資金を分散しよう」

というのが、時間分散の考え方だ。

もちろん、今回説明したものだけが
時間分散のやり方ではない。

また、機会を見つけて、時間分散の話もしていこう。


次回は、もうひとつの分散である
「銘柄分散」の話をしていく。

複数の銘柄に、どれくらい資金を入れるといいのか?

というひとつの質問から、
さまざまな考え方をしていく
マネーマネジメント法だ。

こちらも、君のインスピレーションになることだろう。
楽しみにしていてほしい。


今回も手紙を読んでくれて、本当にありがとう。

ではまた、手紙を書きます。



空也


 

〔技〕 銘柄分散の基礎に学ぶ

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

前回は、マネーマネジメントの分散。
その中でも「時間分散」について一緒に学んだね。

「次の売買が勝つか負けるか分からないんだから、
 資金を分散しておこう」
「そして、また別のタイミングで売買しよう」

というのが、時間分散の考え方。


今回は、

「次の売買が勝つか負けるか分からないんだから、
 資金を分散しておこう」

という所までは同じなんだけれど、

「そして、また別のタイミングで売買しよう」
ではなく、
「そして、また別の銘柄でも売買をしよう」

という「銘柄分散」という考え方を学んでいこう。


実際のマネーマネジメントでは、
時間分散と銘柄分散を組み合わせて
マネジメントすることが多い。

でも、「時間分散」と「銘柄分散」がある、
ということを意識しながら組み合わせるのと、
ただなんとなくマネーマネジメントを
しているのでは雲泥の差がある。

なぜならば、

意味をしっかり分けて考えることができれば、
マネジメントを見直すときに
「ここは、時間分散を見直したほうがいいだろう」
とか、

「これは、銘柄分散に改良の余地があるかも」
といったように、はっきり原因を究明しながら、
目的を持って見直すことができるからだ。

「良くないところが、わからない」
「わからないところが、わからない」
では、改善のしようがない。

仮説を立て、検証し、改善をするためには、
大まかな概念の区別をしておいたほうがいい。

そのためにも、、
今回は「銘柄分散」にフォーカスをして、
勉強していくことにしよう。



さて。

銘柄分散は、
「勝つか負けるか分からないから、
 いくつかの銘柄に分けて資金を投入しよう」
という考え方。


ここでマネーマネジメント的な課題は

「それぞれの銘柄には、
 どうやって資金を振り分けるのか?」

というものがある。

トレードルールを作っていく際に、
だいたいどのような銘柄が
エントリー候補になってくるかは
決まってくる。

例えば
「この日は、○○という条件がそろった
 銘柄が5つ出てきたから、
 この銘柄群にエントリーするか」
ということが、トレードルールの
時点でだいたい決まる。

ここから先の作業が、
マネーマネジメントとなる。

期待値がプラスだということが
たとえ分かっていたとしても、
パフォーマンスを最大化できるかは
マネーマネジメントにかかっている。

ここから先の
「それぞれの銘柄には、
 どうやって資金を振り分けるのか?」
が、重大となってくるわけだ。

なので、
今回のレッスンでは、それぞれの銘柄への
資金の割り振り方法の中でも基礎的なものを、
いくつか紹介しよう。



さてさて、

最も単純なマネーマネジメントは、
「各銘柄の最低売買単位を売買する」
というもの。

最低売買単位が
1000株なら1000株。
1株なら1株を買って、売る。
という方法だ。

この方法のメリットは、
・少ない資金でも、実践が試せる。
・パーセンテージ単位で、
 実際に期待値の通りに運用できるか
 試せる。
などがあるだろう。

ただ、
・購入金額の差が、銘柄によって、
 相当差が出てしまう。
・自分の資金を充分に活用できない
などのデメリットも多い。

最低売買単位が数万円の銘柄もあれば、
百万円を超える銘柄もある。

そんな中、最低売買単位でバッサリ
区切ってしまうのは、少々乱暴だ。

なので、
「各銘柄の最低売買単位を売買する」
という方法は、あくまで練習用の
方法という感は否めない。
(もちろん、うまくいく
 トレードルールも、あるだろうが)


次に。
最低売買単位という
「株数」で区切る方法から発展したのが
「候補銘柄に同額資金を割り振る」
という方法。さっそく具体的に見てみよう。

候補銘柄一つに対して、
例えば30万円なら30万円。
100万円なら100万円と
自分で1銘柄あたりの売買資金を
あらかじめ決めて売買するという方法だ。

1銘柄に100万円を投入すると決めた場合、
候補銘柄が5銘柄出てきたら、
最低でも500万円は必要になる。

売買株数は、具体的には

一銘柄あたり投入資金÷株価

となるね。

もちろん、売買単元との
からみもあるので、完全にぴったりの
株数とはいかないだろうけれど、
だいたい一定金額を投入することになる。

メリットは
・期待値のパーセンテージに応じた
 損益を受け取ることが出来る。
・資金の管理がしやすい。
などかな?

デメリットとしては、
・候補銘柄が少なかった時は
 資金を寝かすことになる。
・候補銘柄が多かった時は
 全ての候補銘柄にエントリー出来ずに
 期待値が狂う可能性がある。

という感じ。
マネーマネジメントの基礎的方法なので、
期待値に素直に反応することが多い。

ただ、エントリー候補の銘柄数に
極端に左右されてしまうという欠点を
トレードルールの方で
フォローする必要のある方法とも
言えるだろう。


他には。
資金を最大限に有効的に
活用するという方法では、
「当日投入する資金全額を
 エントリー候補銘柄数で割る」
という方法もある。

この方法では、
エントリー候補銘柄が1つの日は、
資金の100%をひとつの銘柄に投入し、
エントリー候補銘柄が5つの日は、
各銘柄に資金の20%ずつを投入するわけだ。

・資金の無駄はない。

というメリットがあるが、
銘柄数が1つの日に、
該当する1つの銘柄に運命を託すという
リスクがある。

候補銘柄が少ない日の勝率が
高いトレードルールとは
相性のいい方法だと言える。

また、比較的短期の日数で資金を回す
ルールにも、相性がいいかもしれない。



今回のレッスンでは、あと一つくらい
紹介しておこうか。

今までの方法は
「トータルでは利益が出る」
ということに着目したマネーマネジメントだった。

次に紹介するのは
「もし損失になった時の
 ダメージを想定した」
マネーマネジメントだ。

具体的方法としては
「自分の総トレード資産の
 許容損失と、損切りパーセンテージから
 売買株数を決める」
という方法になる。

具体的に説明しよう。

例えば、
・自分の総トレード資産は500万円
・1回の取引の許容損失1%
・損切りは5%で損切りする
と決めたとする。

その場合、
1回の取引での許容損失額は

500万円 × 1% = 5万円

となる。

次に、5%で損切りしても
5万円に収まる金額は

5万円 ÷ 5% = 100万円

となるので、
1銘柄あたりに投入する金額を
100万円までとするわけだ。

これが例えば、

・総トレード資産が500万円
のまま変わらずに、

・1回の取引での許容損失2%
・損切りは4%
と決めた場合は、

500万円 × 2% ÷ 4% = 250万円

となり、1銘柄への投入資金量は
250万円までとなる。

自分のトレードルールと
許容損失額を考慮に入れた方法なので、
自分のトレードルールに合わせた
マネーマネジメントがやりやすい。

長くトレードを続けていくためには
1回の取引での許容損失額は
多くても2%程度までに
抑えておいた方がいい。

はじめは2%では、やや多いかもしれない。

自分で損失許容量を2%と決めていても、
不測の事態(例えば、ストップ安で売れない、とか)も
起り得るので、実践ではさらに多くの
損失を被る場合もあるしね。

このマネーマネジメントを採用する場合、
“逆指値”という注文方法が利用できる
証券会社を使うといいだろう。

はじめに決めておいた損切りのリミットで
躊躇なく損切りをするためには
逆指値を使っておいた方が楽だからね。



さて、
今回のレッスンは、ここまでにしておこう。

今回は、具体的な銘柄分散の
マネーマネジメント方法を
いくつか羅列してみた。

もちろん、今回見てきたもの以外にも
自分の資金の振り分け方法はたくさんある。


例えば、
トレードルールの条件を細分化していき、

Aという条件に合致した場合は10万円を投入。
AにもBにも合致した銘柄には30万円を投入。
AにもBにもCにも条件が合致した場合は50万円を
投入する。

なんていう方法もある。

勝率や期待値が高く見込まれるであろう場合は
投入資金を増大させるという やり方だ。

他にも、今回紹介したマネーマネジメントを
組み合わせたりする方法もあるだろうね。



銘柄分散のマネーマネジメントだけでも、
たくさんの方法がある。

時間分散と銘柄分散を組み合わせれば、
一人ひとり違った、
無限のマネジメント方法になるだろう。


そして、
最も大切なのは。

マネーマネジメントは、
運用する君自身との相性と、
トレードルール自体との相性によって
決めるべきだ、ということだ。

一番最初に紹介した
「最低売買単位に資金投入する」
というマネーマネジメント方法が最適!
というトレードルールだって、あるだろう。

逆に、非常に高度なマネーマネジメントの
手法を覚えたとしても、
君自身や、トレードルールとの相性が
ちぐはぐだったら、まったく機能しない。

すべては、全体のバランスだということを
覚えておいてほしい。


次回も、もう少し銘柄分散の
マネーマネジメントを一緒に見ていこう。

確率統計の概念を持ち込んだマネーマネジメント
などを紹介していって、
学習を深めていきたいと思っている。

君にとって最適のマネーマネジメントが
見つかるよう、頑張っていこう。


今回も手紙を読んでくれて本当にありがとう。
ではまた手紙を書きます。



空也


 

〔技〕 ATRを使ったマネーマネジメント

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

前回は、マネーマネジメントの中でも
「銘柄分散」に特化した話をしたね。

トレードルール上で候補に挙がってきた
それぞれの銘柄に、いくらの資金を投入するか?

というのが、マネーマネジメント上の課題。

その課題をクリアするために、
具体的なマネジメント法をいくつか紹介した。

そして、
たくさんあるマネーマネジメントのやり方の中で、
君自身と、使っているトレードルールに
マッチしたマネーマネジメントをする必要がある。
という話をしたね。


今回も、前回の話の続きだ。
具体的なマネーマネジメント法を紹介する。

今回は、前提となる知識のインプットも含めて話すので、
紹介する方法は、1つ。

今まで紹介した方法も、
トレードルールにマッチすれば相当の威力を発揮する。

そして、
今回紹介する方法は、今まで紹介した方法と
考え方が若干異なる方法だ。

うまく使えば、
君のトータル利益の増大と、
トレードを継続させる力になってくれるだろう。

では、今回もはじめていこう。



さて。

前回に紹介した様々な手法は
「一定の株数/金額/割合を投入する」
「トレードルールの損失許容量で
 一定の金額を投入する」
など、どの銘柄に対しても一定量を投入する方法だった。

もちろん、今まで話してきたとおり、
一定量を投入する方法がうまくいくこともたくさんある。

とはいえ、
また別の考え方があるのも事実だ。


例えば、
同じ1,000円の株価の銘柄でも、
1日にだいたい2~3円しか動かない銘柄もあれば、
数十円も激しく動く銘柄もある。
銘柄のクセ、みたいなものだね。

ここで、1日2~3円動く銘柄と、
数十円上下する銘柄を、
「同じエントリー候補銘柄」として
扱っていいのか?という話になる。

仮に、
・1日2~3円動く、株価1,000円の銘柄A
・1日に20~30円動く、株価1,000円の銘柄B

があるとする。

ある日、たまたま同じ日に、銘柄Aと銘柄Bが
エントリー候補銘柄にあがってきた。

トレードルール上は、エントリー候補
という意味においては、同じ。

だが、ここで同じ量の資金を投入するのが
本当に“公平”なのだろうか?

もし、トレードルールが
寄り付きで買って、引けで売るという
ルールだったとしたら、

銘柄Aは、1,000株買ったら、
2,000円~3,000円の利益、
もしくは損失で終わる可能性が高い。

そして、銘柄Bは、1,000株買ったら
2~3万円の利益、もしくは損失になる可能性が高い。

ここで、値動きが比較的落ち着いている銘柄と、
値動きの激しい銘柄に、同じ金額を投入することは
マネーマネジメント上、最も理にかなっているのか?
という疑問がわく。

この疑問に答えるようなマネーマネジメントが
今回紹介する「ATR」を考慮した方法だ。


該当する銘柄の、ある一定期間の値幅(レンジ)から、
「だいたい、このくらいのレンジで値動きするだろう」
という予測を立て、

・値動きの少ない、レンジ幅が狭い銘柄は
 多目の資金を投入する。
・値動きの大きい、レンジ幅の広い銘柄には
 少なめの資金を投入する。

そして、1売買ごとのリスク/リターンを
マネジメントしよう、という方法。


先ほどの例なら、
値動きの少ない銘柄Aには1,000株。
値動きの大きい銘柄Bは、100株の資金を投入する。

そうすれば、想定できる利益/損失は
同じように2,000円~3,000円となる。

想定される結果から、投入資金を調整しよう
という考え方で生み出された方法だ。



「なるほど、空也さん。
 こんな方法も、アリですね」
「じゃあ、実践では具体的にどうやるんですか?」
と、君が興味を持ってくれていることを期待して、
実践の話に移ろう。

実践の話をするために、
前提となる知識がひとつ必要だ。

それは、
「ATR(Average True Range)」
という知識。

まずは、このATRを少し解説しよう。


先ほどの

・値動きの少ない、レンジ幅が狭い銘柄は
 多目の資金を投入する。
・値動きの大きい、レンジ幅の広い銘柄には
 少なめの資金を投入する。

を実践するためには、
まず、該当する銘柄の値幅(レンジ)が
分からないと、どうしようもない。

なので、まずは
「銘柄の値幅がどれくらいか?」
をはかる必要がある。

で。
単純に「1日の値幅」ということだったら、

・当日の高値 - 当日の安値

で値幅(Range)が出る。


ただ、この方法だと、
「いきなりギャップアップして始まって、
 そのまま高値で推移した」
「ものすごいギャップダウンして始まって、
 そのまま安値で推移した」
という値幅を、
“狭い値幅”にカウントしてしまう。

極端な話、
寄り付きからストップ高で始まって、
そのままストップ高に張り付いたまま引けを迎えた銘柄は、
「値幅の狭い、比較的安全な銘柄」
にカウントしてしまうわけだ。

「そんなわけ、ないだろーっ!!!!」

という心の叫びがあったかどうかは知らないが、
ギャップアップ/ダウンを考慮するように生まれたのが、

真の値幅(True Range)という考え。


真の値幅は、

(1)当日の高値-当日の安値
(2)当日の高値-前日の終値
(3)当日の安値-前日の終値

のうち、最も数字の大きいものを「値幅」とする。
もちろん、どれかひとつを採用するので、
真の値幅自体は、1つの数値となる。

これで、激しいギャップアップ/ダウンがあった銘柄は
“大きい値幅”としてカウントされ、
投入資金をマネージするときの矛盾が解消されるわけだ。


そして、

欲しい数値は、
「該当する銘柄が、だいたい
 どのくらいの値幅を持っているのか?」
なので、1日だけの値幅を見ても、
ちょっと不安が残る。


たとえば、

今まで1週間ほどは上下4~5%の乱高下を
繰り返してきたのに、
たまたま「真の値幅」を見た日だけ、
ほとんど値動きがなかった、

なんてことだと、大きな勘違いを
しかねない。

「値幅は狭いんだ。じゃあ資金を大量投入しよう」
と、エントリーした瞬間、また激しい乱高下に
なってしまったら、値幅を見た意味がない。

なので、
ある一定期間の「真の値幅(True Range)」を
「平均(Average)」して、ならして見れば
いいだろう、と考え出されたのが、

「ATR(Average True Range)」だ。



ふぅ。
説明が長くなったね。
ちょっと深呼吸でもしようか。

さてさて。

長々と説明した「ATR」。

この「ATR」を使えば、
「該当する銘柄が、だいたいどの程度の
 値幅で動いているのか?」
ということを、推し量ることができる。

平均に使う日にちが多ければ多いほど
さまざまな場面で想定される値幅を
ならした値になるし、

平均に使う日にちが短ければ、
直近の値幅が想定できるわけだ。

たとえば、26日間のATRを見て
値幅を想定することも出来るし、
10日とか、5日間のATRを見て
値幅が狭いとか、大きいとか想定することも出来る。

どのくらいの日数を平均するのかは
君の自由裁量というところだ。

ただ、ガイドラインとしては
トレードルールとの相性を考えるのがいいだろう。

例えば、1泊2日の短期トレードルールなのに、
ATRは90日平均を見る、
なんていうのは、若干ミスマッチかもしれない。

うまく機能すれば、トレードルールは
「何でもあり」だが、始めのガイドラインとしては

・短期ルールには、短期平均ATRを
・長期ルールには、長期平均ATRを

採用するのがスマートだろう。



これで前提となる知識はマスターした。
あとは、簡単な計算式だけだ。

例えば、
全トレード資金が500万円あったとして、
1回のトレードでは、多くても全資金の2%までの
損失で抑えたいとする。

許容損失額 = 500万円 × 2% = 10万円


そして、
ある銘柄のATRが、10円だったとしよう。
一定期間を平均した、真の値幅が10円。

だとしたら、エントリーした後も上下10円の
値幅で動くだろうと想定して、
エントリー株数を決める。

損失許容額10万円 ÷ ATR10円 = 1万株

となる。


ATRが10円ではなく、激しく乱高下する銘柄で
500円だとしたら、

損失許容額10万円 ÷ ATR500円 = 200株

となり、該当する銘柄には200株だけエントリーする
ことになる。


以上が、ATRを使って、
同じトレードルール上で絞り込まれた銘柄の
リスク/リターンをマネージする方法。

ATRを使う場合、通常は
ATRの数値を2倍、3倍して使うことが多い。

例えば、ATRが10円だったら、
2倍して2ATR20円という値を使ったり、
3倍して3ATR30円という値を使ったりする。

想定する値幅を大きくすればするほど、
1銘柄にエントリーする株数は少なくなる。
分母が増えるからね。

結果として、リスクがどんどん減ってゆく形になる。



ものの本によると、
総トレード資金の2%を許容損失額として、
ATRは2倍して、
2ATRでマネーマネジメントするとよい、
というガイドラインがある。

個人的には、トレードルールによっては
この方法はリスクをとりすぎていると思う。

ある一定の範囲内で動いている
ボックスの値動きを狙うトレードルールなら
許容損失2%で、2ATRがうまくいくだろう。

ただし、
いわゆる逆張りなどの
「急激に上昇/下落した銘柄を狙う」
トレードルールだと、2ATRでは
リスキーなことも多い。

通常の値動きじゃない銘柄にエントリーするルールで、
通常の2倍程度の値幅しか想定しないのは、
個人的にはリスキーだと思う。

トレードルールしだいで、
3ATRや4ATRの幅を取ることも
選択肢に入れておいたほうがいいだろう。



今回のレッスンで見てきた
ATRを使ったマネーマネジメントは、
各銘柄の個性に合わせて資金を配分する方法なので、
リスクを調整しやすい方法だといえる。

ただ、ATRの計算が面倒なので、
パソコンの計算能力を活かして利用するのが
いいだろう。

システムトレードとは、相性のいい
マネーマネジメントだといえるね。



さて、今回のレッスンはここまで。

前提となる知識は、本来
「心・技・体」では、
「体」のカテゴリーなんだけれど、
君に伝えたいメインメッセージが「技」だったので、
「技」カテゴリとさせてもらった。

いかがだっただろう?


前回、今回とマネーマネジメントについて
具体的な方法を見てきた。

もちろん、今回でマネーマネジメントについての
レッスンが終わるわけではない。

むしろ、ここからスタートするといっても
いいくらいだ。

マネーマネジメントは
「時間分散」「銘柄分散」以外にも
いろいろあるからね。


たくさんのマネーマネジメントを見て、
君に最もフィットするマネーマネジメントを
構築していって欲しい。


今回も手紙を読んでくれて、本当にありがとう。

ではまた手紙を書きます。



空也
 

〔技〕 「良い」運用の3要素

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

前回までは、マネーマネジメントの基礎に特化して
話を進めてきたね。

マネーマネジメントの概要から始まり、
時間分散の概念、
銘柄分散の概念、
そして、具体的な分散の方法も、いくつか見てきた。

当たり前の話だけれど、
マネーマネジメントをするのは、
自分のトレードの成績、パフォーマンスを
最適化するために行うわけだよね?

じゃあ、何をもって
「最適化された」
と言っていいんだろう?

ある一定期間、たとえば年間トータルで
プラス利益になるトレードルールと
マネーマネジメントをすれば、
「最適化」したと言えるんだろうか?

年間トータル利益が高ければ高いほど、
「良いトレードルール」で、
「良いマネーマネジメント」
と言い切れるのか?

答えは、残念ながら「NO」だ。

もちろん、年間トータル利益が
高ければ、高いに越したことはない。


ただ、

トータル利益が高いというだけでは、
必ずしも「良い」とは言い切れないのが
本当のところだ。

事実、私が自分のトレードで使用している
トレードルール/マネーマネジメントは、
私が検証した中で、
「最もトータル利益の高いもの」
ではない。


なので、今回は
「良い」「最適化された」
トレードルール/マネーマネジメントとは
どんな要素を含んでいるのかを、一緒に見ていこう。



さて。

「良い」「最適化された」
トレードルール/マネーマネジメントには、
様々な要素がある。

もちろん、トータルで利益が出なければ話には
ならないんだけれど、それ以外の要素もある。

ただ、要素の中でも特に大切なことは、
たった一言で表現できる。

それは、
「君が、継続できること」。


もし君が一生満足できる金額を
短期間のトレードで得られるのならば、話は別だ。

「君が、継続できる」という条件は
なくてもいいかもしれない。

かもしれないが、たいていの場合は、短くても数年、
長ければ一生涯トレードというものは続く。

「お金を生み出す仕組み」を作り上げたのなら、
ずっと使い続けたいと思うのも人情だろう。

また、
満足できる金額を得るためには
ほんの数回のトレードで終えられる人は少なく、
何回も、何百回も、何千回もトレードを繰り返す
必要もあるだろう。

なので、
トレードルールを構築し、
マネーマネジメントをする時には、
「継続できる」
というポイントを抑えておいたほうがいい。


では。

「継続できる」というポイントを抑えるために
必要な要素とは、どんなことだろう?

資金的にも、体力的にも、精神的にも
継続できるトレードルール/マネーマネジメントじゃないと
意味がない。

以前のレッスンでも話したが、まず大前提としては、
君自身の性格やライフスタイルにフィットしている
ということは、必須の条件だ。

ライフスタイルに合ってないものは、
たとえ最高のパフォーマンスが出せるルールでも
ゴミ箱行きにしなければならない。

君は、トレードルールやマネーマネジメントの
主人なわけで、奴隷じゃないんだからね。

ま、ライフスタイルに合っているということは
最低限の条件だとして。

次に必要な要素は、何だと思う?



私が思う要素は、大きく分けると3つだ。

その3つとは、

・収益性
・安定性
・安全性

の3つ。

それぞれを説明していこう。


まず、「収益性」。
これは、単純な話。期待値の高さだ。

先ほどの話で、
「利益が高けりゃいい、ってもんじゃない」
とは言ったが、かといって
やればやるほどお金が減っていくのでは意味がない。

何のためにトレードをしているのか分からなくなるし、
資金が枯渇してしまったら、
「継続できる」
というポイントも、外してしまうことになるしね。

なので、
期待値が高く、トータルで利益が出る
トレードルール/マネーマネジメントを
するのは、必須の条件だ。



そして、「安定性」。
こちらも大切な要素だ。

例えば、とても期待値が高いトレードルールを
作ることが出来たとする。

しかし、そのトレードルールは
うまく機能すると、年間で+300%の利回りを
生むんだけれど、

機能しない年に当たると、年間で+1%の利回りにしか
ならない。というルール。

+300%の利回りは、とても魅力的だけれど、
残念ながら「良い」「最適化」されたルールという意味では
違うかもしれない。

さらに極端な話では、
「10年間で、トータルプラス期待値。
 ただ、ある年は+500%だけど、ある年は-100%」
なんていうルールは、ただの「ギャンブルルール」。

運の悪い、ある年に始めると
破産してしまうようなルールは、
安定性を欠いた、あまり良くないルールといえるだろう。


この「安定性」だが、
どのくらいの期間で「安定」しているかを決めるのは
君自身だ。

とりあえず年間で、毎年毎年トータルプラスならば
「安定している」、と見てもいいし、

3ヶ月区切りで、毎回トータルプラスになっていないと
落ち着かない。というのならば、3ヶ月区切りで
「安定性」を見てもいいだろう。


さらに、パフォーマンスのブレに
どのくらいの幅を許すのかも、君しだいだ。

「少なくとも年間で+20%をあげたい」
というのならば、+20%を「安定」のラインにしてもいい。

「年間で、プラスマイナス0%の利回りがあってもいいから、
 儲かるときにドカンと儲けたい」
なんていうのも、「安定」ラインになりうる。

期間の安定、パフォーマンス幅の安定。
全ては、君しだいだ。

トレードに使える資金の少ない、初期の段階では
比較的短い期間での安定を目指し、
資金が増えてきたら、高パフォーマンスを狙う
なんていう作戦も、アリかもしれないね。

いずれにしても、
君自身が継続できるための「安定」ラインを
模索してみて欲しい。



あとひとつ。「安全性」。
安定性に近い概念だけれど、ちょっと違う。

例えば、
「平均年利回りが+30%。
 この10年間、毎年毎年+20%の
 利回りを下回ることはない」

という、収益性、安定性ともに
悪くないルールがあったとする。

しかし、
「ただ、ある年に1回、
 全資金の80%が吹っ飛んだことがある」
というルールは、果たして「良い」ルールなのか?
という話。

机上の理論としては
「80%の資金が吹っ飛んでも、
 そのあと結果として年間トータルプラスに
 なったのなら、いいんじゃない?」
と思うかもしれない。


でも。

実際にトレードをしている時に、
80%の資金が吹っ飛んでしまったあと、
そのままのルールを使ってトレードできるか?

よほどの人じゃない限り、
そのままのルールに従ってトレードをすることは
出来ないんじゃないかな?

私が実際に検証したルールの中でも、
2008年の10月に資金の80%を失った
ルールがある。

そして、もし残った資金をそのまま
11月に運用していたら
失った資金を取り戻した上に、
30%も資金が増えた、というルールがあった。

その他の年は、安定した
成績を出していたルールだったけれど、
そのルールを採用することは、私には出来なかった。

80%の資金を失ったあと、
そのままのトレードルールを信頼できるかに
自信を持てなかったためだ。


もし君が
「80%の資金失っても、全然問題ない」
「そのまま淡々とトレードできますよ」
というのならば、安全性はさほど気にしなくても
いいかもしれない。

ただ、精神的に重圧のかかる
ドローダウンは、なるべくなら避けたほうがいいだろう。


この「安全性」に関しても、
どのラインを「安全」とするかは、君しだいだ。

君自身が耐えられるドローダウンを想定して、
トレードルールやマネーマネジメントを
構築するといいだろう。

ちなみに、
ドローダウンには、
「ドローダウン金額(パーセンテージ)」と、
「ドローダウン期間」がある。

「いきなり資金の80%が吹っ飛ぶ」というのは、
ドローダウン金額(パーセンテージ)の話で、

「もう5ヶ月もプラスになっていない」というのが、
ドローダウン期間の話だ。

人によって
「金額が吹っ飛ぶのは耐えられるけど、
 ずっとドローダウンが続くのはイヤ」
とか
「絶対に、ドローダウン金額が大きいのは
 耐えられない」
とか、いろいろある。

君の性格に合わせて、設計していくといいだろう。

ガイドラインとしては、
余剰資金が豊富な人は、
ドローダウン金額には目をつぶり、
ドローダウン期間を短くすることを目指す。

余剰資金がない人は、
できるだけドローダウン金額を抑えるように
設計するのがいいだろう。


さてさて、ここまでで、
・収益性
・安定性
・安全性
という、3つの要素を見てきた。

トレードルールを作り、
マネーマネジメントを考えていると分かるけれど、
この3つは、言葉を選ばずに言うと
「足を引っ張り合う」関係になりがちだ。

安全性を求めると、収益性がダウンする。
収益性を求めると、安定性や安全性が失われる。

リスク/リターンの話なので
当然といえば当然なのだが、
やきもきするシーンもあるだろう。


その時には、初心に帰って

「自分のライフスタイルに合った形は、どうなのか?」
「資金的にも精神的にも、より継続できる形はどれか?」

と自問自答してみるのもいいだろう。


「資金が少ないころは、
 できるだけ安定性・安全性を優先しよう」
という考え方もある。

「資金が少ないころは、
 多少のリスクをとってでも、収益性を求める!」
という考え方もある。

そして、どちらの考え方も正しい。


自分が 今、どんなライフスタイルで、
将来、どんなライフスタイルを望むのか?

望むライフスタイルを得るために、
許容しなければならないリスクは、どこまでか?

自分が最低限必要とするライフスタイルを
死守するために、とってはいけないリスクは
どこに設定するのか?

この答えだけは、君自身でしか出すことは出来ない。


今の私は
「資金が少ないころは、
 できるだけ安定性・安全性を優先しよう」
と思う。

けれど、
昔自分が実際にやってきたことは
リスクがいっぱいいっぱいの綱渡りトレードだ。

結果として、激しいドローダウンも経験したし、
利益も受け取ることが出来た。

どっちがいいとは、一概には言えない。

君が、君のなりたい方向を進めばいいと思う。
もちろん、できる限りの応援はしていくよ。
一緒にがんばろう。



さて、今回のレッスンはここまで。

「良い」「最適化された」
トレードルール、マネーマネジメントには

・収益性
・安定性
・安全性

の要素があり、3つの要素の根っこは
「君が、継続できる」ことだ
ということを学んだ。

そして、収益性・安定性・安全性の
3つのバランスのどこを「よし」とするかは
君しだい、という話もさせてもらった。

今回の話が、君のインスピレーションになることを
心から願っているよ。


今回も、手紙を読んでくれて本当にありがとう。
ではまた手紙を書きます。


空也
 

〔技〕 1,000万円と3億円の、どちらを選ぶ?

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

前回までは、時間の使い方ということで、
トレードとは直接的にはつながらないように見える
話をしてきた。

実際のところは、時間の使い方もうまくなれば、
その分トレードの学習にも活かせるので、
まったく無関係、という話でもないんだけれどね。

どんな話も、どんな内容の知恵でも、
トレードに活かそうと思えば、なんでも活かせる。

一見関係のなさそうな話でも、
「この話は、今の自分に置き換えると
 どんな価値を生み出すだろう?」
なんて考え出すと、色々なアイディアが生まれる
こともあるだろうね。


とはいえ、
トレードがうまくなりたいから手紙を読んでいる君に、
トレード以外の話ばかりをするのも、
またおかしな話だよね。

なので、今回からはまた、
しばらくトレードの話に戻りたいと思う。

今回から数回に分けて、
“トレード資金”について話していこうと思う。

とかく、トレード資金は多い方が圧倒的に有利だ、
と思ってしまうことが多いけれど、
実はトレード資金が少ないからこそ
恵まれているものも、ある。

我々は、外国人機関投資家などから比べれば、
手元にあるトレード資金は、スズメの涙だ。

しかし、少ない資金だからこそ、
有利なポイントを考えてトレードをしていくことが
大切になってくる。

では、早速始めていこう。



まず。

仮に、君が あるお金持ちから依頼されて
トレードをやることになったとする。

その時、君の雇い主であるお金持ちが、
運用資金について、2つの選択肢を
君に提示したとしよう。

運用成績を、年利回りのパーセンテージで
評価される
としたら、
君なら、どちらの運用資金を選択する?

A.運用資金、1,000万円
B.運用資金、3億円



さて、君なら、1,000万円運用と、
3億円運用の、どっちを選ぶ?

「そりゃ空也さん、資金が多くあれば多くあるほど、
 稼ぎやすいに決まってますよ」
「だから、みんな“B”の3億円を選ぶに
 決まっているじゃないですか」
と、思ったかな?

たしかに、資金が潤沢にある方が、有利な面も多い。

一度に多くの銘柄に仕掛けることも出来るし、
精神的にも、トレード資金に余裕があるのは
心の余裕にもつながるからね。

でも、私だったら、この条件だったら、
A.の1,000万円を選択して運用する。


ちょっと、ひっかけ問題みたいな感じに見えるかな?
でも、落ち着いて考えると、この2つの選択肢だったら、
A.の1,000万円を選択する方が、
私には有利に思える。

理由を見ていこう。


まず大前提として、
評価方法が「実際に儲けた金額」ではなく、
「年間の運用利回りのパーセンテージ」である
と言うところが大きい。

仮に、年間で30%の利回りを目標にしたとすると、
A.の1,000万円では、300万円稼げば良いのに対して、
B.の3億円では、9,000万円以上を稼がなければ
評価が同等以上にならない。

これは、かなり厳しいハードルのように思う。

「いや、空也さん。
 同じ30%の年利回りだったら、
 ハードルは同じなんじゃないですか?」

と思うかもしれないが、実際の市場の売買の現場では、
表面上の数字からは分からないこともある。

分からないことの代表例としては、
この3億円という金額の「中途半端さ」だ。


株で儲けるためには、
安く株価を買って、高く売り抜けるということが必要だ。

その、安く買って高く売るためには、
大きく分けて
「株価の流れに乗る」
という方法と、
「株価の方向性、流れを自分で作って売買する」
という方法がある(らしい)。

多くの一般投資家/トレーダーは
「株価の流れに乗って」利益を出そうとするのに対して、
機関投資家などのメインプレイヤーたちは
「株価の方向性、流れを自分で作って」利益を出そうとするらしい。

では、3億円の運用資金の場合は、
どちらの戦略を基本にすればいいのだろうか?

「3億円」という金額は、たしかに非常に大きな金額だ。
しかし、1日の売買代金が1兆円もあったりする
株式市場の中では、かなり「半端」な金額であるともいえる。

我々一般投資家/トレーダーからすれば大きな金額だが、
株価の方向性に大きな影響を与える、機関投資家などの
「メインプレイヤー」からすれば、
3億円は、大した金額ではない。

3億円という運用資金で、
株価を自分で吊り上げたり、方向性を決めたりして儲けるのは
まず無理と言えるだろう。

なので、3億円という資金で
「株価の方向性、流れを自分で作って」利益を出す道は
閉ざされていると考えていい、と言える。


では。
自分で株価の方向性を形成できないならば、
株価の流れを読み、その流れに乗って
利益を出す必要があるのだが、
今度は3億円という金額が、足を引っ張る可能性がある。

「え?なんで?
 金額多いのが、なんで足を引っ張るんですか?」
と、君は思うかもしれない。

でも、売買の大原則である
「売り方と買い方がいて、始めて売買が成立する」
ということから落ち着いて考えれば、すぐに分かることだ。

1,000万円を使って買った株が値上がりした場合、
その株を売却しても、売買代金がある程度ある銘柄ならば
それほど大変じゃないだろう。

しかし、仮に3億円をひとつの銘柄に投下した場合、
よほどの流動性がある銘柄でも、
株価に影響を与えないわけには、いかない。

買うときは自分で株価を上げてしまって買うことになるし、
売るときは、自分の注文が株価を引き下げてしまうことも
非常に多くなるだろう。

もちろん、エントリーする銘柄を分散させれば、
重大な株価への影響は防げるかもしれない。

しかし今度は、そんなに都合よく
自分のエントリールールに見合った銘柄が
たくさん出てくるかというと、そうでもなかったりする。

自分の注文が株価に影響をほとんど与えずに、
エントリーに最適な銘柄に、常に無理なくエントリーするためには、
3億円という金額は、なかなか難しい金額である場合が多い。


株価の方向性を作るには少なすぎる金額で、
株価の流れに常に乗り続けるためには、やや多い金額。

「帯に短し、たすきに長し」
と言える金額に、私には思えるかな。

なので、一番最初の
A.運用資金、1,000万円
B.運用資金、3億円

の、年利回り勝負ならば、A.の1,000万円を
選択して、私は売買をすると思うよ。


もちろん、
3億円を選択して、3億円をうまく運用できる
トレードルールを作ることも可能だろう。

また、市場全体の大暴落→反発などの
大きな動きがある時には、大量の資金で
たくさんの銘柄を買いまくる方が有利になる時もある。

ただ、
トレードルール作成の難易度は
1,000万円を運用するルールのほうが作りやすいだろう。

さらに、いつおこるか分からない暴落を期待して
3億円をチョイスするのは、「トレーダー」ではなく、
暴落が起きるか起きないかに賭けている「ギャンブラー」
と言えるだろうからね。

やっぱり、選択肢としては、A.の1,000万円かな、
となる。


さて、今回のレッスンは、ここまで。

まず今回は、トレード資金について、
多くの人が考えている、
「資金が多ければ多いほど
 有利なことばかりだ」
という勘違いを、一度立ち止まって再考してみた。

トレード資金が多ければ多いほど有利、
とは一概に言えないのかもしれないな、
と、君が気づいてくれれば幸いだ。

次回は、もう少しトレード資金について
突っ込んだ話をしたいと思っている。

今回も、手紙を読んでくれて、本当にありがとう。
ではまた、手紙を書きます。


空也

 

〔技〕 大きな運用資金がもたらす弊害

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

前回は、トレードをする際の運用資金について
普通疑いもしない
「運用資金は、多ければ多いほど有利」
という考えを、再考してみた。

確かに運用資金が多ければ有利な
側面もあるのも事実だ。

利益は、期待値と売買回数と
運用資金によって決定するからね。

しかし、だからといって
有利な面ばかりかというと、そうでもない。

資金が多ければ、多いなりの
問題も出てくる。

なので、もし1,000万円の運用と
3億円の運用で、年利回り競争をするのならば
私だったら1,000万円での運用を
チョイスするね、という話をした。


まぁ、実際は
私たち個人トレーダーは、年利回りの
パフォーマンスを競争することは、まずない。

自分の運用資金の金額を、
どれだけプラスに出来るかが
もっとも興味のあるところだよね。

なので、
今回は、実際に私たち個人トレーダーが
現場で運用する場面において、
大きな資金を持っているがゆえに出てくる問題を
見てみようと思う。

君は、
「今のところ、自分が運用しているのは
 大した金額じゃないから、あんまり関係ないや」
と思っているかもしれない。

でも、本気でお金持ちを目指しているのならば
今のうちから
「大きな金額を扱うようになると、
 こんなことも考える必要があるんだ」
と対策を考えておくほうがいい。

さらに、今回の手紙を読んで
「大きな金額を扱っている人は
 こんなことを考えるんだ。
 ならば、それをどうにか今の自分に利用できないか?」
と考えることによって、君の明日からのトレードの
大きなヒントになるかもしれない。

どんな知識も、どう使うかは
自分自身の選択にかかっているわけだもんね。

では、本題に入っていこう。



さて。

実際の株式市場というトレード現場で
売買をする場合、まっさきに気になる数字は
「今、いくら儲かっているのか?
 損をしているのか?」
という“金額”だと思う。

かなりトレードの経験が深い人でも、
真っ先に、直感的に
「何%儲かっているのか?
 何%マイナスなのか?」
という“割合”で考えるよりも、
“金額”を先に考えるトレーダーのほうが
多いんじゃないかな?

金額で考えるのは、別に悪いことじゃないんだけれど、
運用資金が大きくなったときに、いつも
“金額”だけで考えていると、
メンタル的にしんどい場面にも出くわすことになる。


例を挙げて説明しよう。

たとえば、今 君が1,000円の株を
100万円分買ったとしよう。
ちょうど1,000株だね。

その場合、もし株価が1円騰がって
1,001円になった場合、
君の資産は+1,000円になる。

もし株価が買値より1円下がっても、
-1,000円。

このくらいならば、精神的にも
グラつくことはないだろう。

もし買値より10ティック、
10円下がったとしても
-1万円なので、
許容できる範囲の損失じゃないかな?


では。

今度は同じ1,000円の株を
1億円分買ったことにしよう。
(手数料や、実際の売買板に与える影響などは
 今は、考えなくていいことにしよう)

1億円分なので、10万株。

1円騰がっただけで、10万円の利益に
なるわけだ。

そして、もちろん、株価の気まぐれで
1円下がっただけで、10万円の損失が
出てきてしまう。

もし10円下がったら、
それだけで100万円の損失だ。


割合、パーセンテージで考えれば、
100万円分買ったときも、
1億円分買ったときも、
1,000円から1円動くと0.1%の
利益/損失になる。

しかし、目の前で10万円刻みで
利益と損失が行ったり来たりするのを、
1,000円の利益/損失と
同じように見ていられるかと言うと、なかなか難しい。

「空也さん。資産が1億円もあれば
 10万円のプラスマイナスなんて
 屁でもないんじゃないんですか?」
と、君は思うかもしれない。

でも、自分が精神的に許容できるリスクと、
保有資産は、別の話だ。

たとえば、君がいきなり明日から
今の100倍の資産を運用できるとして、
今の100倍の利益額/損失額が出る状況になったとしよう。

利益のほうはともかく、
今の100倍の損失額が出るかもしれないという状況で、
今とまったく同じ気持ちでトレードできるだろうか?

たとえ保有資産が増えていたとしても、
君の脳や無意識は、すぐには適応しきれずに
同じ精神状態ではトレードできなくなる可能性が高い。

保有資産と、その人が許容できるリスクは全く別の話で、
精神的に許容できるリスクは、
様々な経験によってしか広げることはできない。


なので、

運用資金が大きくなればなるほど、
今度はメンタル面のコントロールがより難しくなる、
という問題が発生する。

心の底から
「10万円のリスクでも、
 100万円のリスクでも受け入れる」
という精神状態にならなければ、
大きな資金を運用して、
継続した利益に結びつけるのは
難しいと言えるだろうね。



大きな資産を運用する問題は、
精神面だけではない。

トレードルールを作る際にも、
大きな資金は「大きなハードル」という
皮肉を生み出してしまいがちだ。


例えば、
「○○という条件に合致した場合、
 翌日の寄付きで成行注文する」
というルールを作ったとしよう。

検証の段階では、
作成したトレードルールで
素晴らしいパフォーマンスをあげていることが
確認できたとする。

「よし!
 このルールを使えば、
 爆発的に利益をたたき出せるぞ!」

と思ったのもつかのま。

運用資金が大きいと、検証どおりの
パフォーマンスが出ない事が、非常に多い。

なぜならば、
自分の資金が、株価を自分の不利な方向に
動かしてしまうからだ。

買うときは、株価を引き上げてしまい、
売るときは、株価を引き下げてしまう。

結果として、
検証であがってきたようなパフォーマンスには
とても届かない、残念な結果になってしまうことも多い。

「成行注文だから、株価を不利に
 上げ下げさせちゃうんじゃないの?
 じゃあ、指値にすれば大丈夫なんじゃない?」
と考えることも出来るが、そうなると今度は
売買板に自分の大きな指値注文が表示され、
他のトレーダーに無言の圧力となってしまう。

そこまで行かなくても、
自分の指値の順番に届かなくて、
ポジションを持ちたい銘柄が買えなかったり、
買えても、自分が注文した株数全ての注文が
約定しなかったりと、検証とズレることが多い。

保有資産が大きければ大きいほど、
トレードルール作成時点の検証と、
実際の運用とのズレが大きくなってしまう。

結果として、
ベストの検証結果ではない、
大きな運用資金でも運用可能なルールに
「下方修正改造」をしなければならないことも多い。

難しいところだよね。



今回のレッスンは、ここまで。

今回は、大きな資金を持っていると発生する問題のうち、
精神的な面をひとつと、
技術的な面をひとつ紹介した。

「大きな資金=圧倒的有利」
ではないことが、前回と今回で
理解できたことだと思う。

とはいえ、
「○○は問題だ」
「△△は有利とは言えない」
と言う話だけをしていても仕方がないので、

次回は、少ない資金を運用する時のメリットと、
実際にどのように運用するのがいいのか?

という話をしていきたいと思う。


今回も手紙を読んでくれて、本当にありがとう。

ではまた、手紙を書きます。


空也

 

〔技〕 小さな運用資金を活かす戦略

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

前回、前々回と、大きな運用資金をもっていると
起きる可能性のある弊害を見てきた。

大きな資金があるということが、
圧倒的に、いつでも有利になるかと言うと
実は そうとも限らないと言うことを
発見できたね。

大きな資金を運用するとなると、
自分で株価を不利に動かしてしまわないように
運用するための努力が必要だったり、

大きく保有資産が上下することに耐えるために
強靭なメンタルが必要だったりと、
必要になることが増えるわけだ。

我々はついつい大きな資金を持っている
機関投資家や、一部の外国人投資家を
うらやましく思ったりすることもあるけれど、
実は、我々には分からない、大きな悩みも
抱えているのかもしれないね。


さて、今回は、前回までの話を受けて、
今度は小さい運用資金を、どうやって運用すれば
最大限にメリットを活かすことが出来るのか?
ということを、一緒に考えていこう。

少ない運用資金には、
少ない運用資金なりの
ベストな運用方法があるのだろう。

資金が少ない時にベストである方法で
資金を増やして、大きな資金を作り、
大きな資金で運用する方法に移行していくのが
理想的な運用方法だよね。

では、さっそく見ていくことにしよう。



さて、前回までの話で見てきた、
大きな資金で運用する際のデメリット。

このデメリットは、裏を返せば
「小額資金で運用する際のメリット」
に出来るものが あるかもしれない。

大きな資金が足かせとなっている
デメリットなんだから、
資金が小さくなれば、そのデメリットは消え、
メリットだけが残る。ということになる。

まずは、デメリットをひっくり返すことで
メリットに出来ないかを探ってみよう。


では、前回までに見てきたデメリットは
具体的には どんなものだったかを、
改めてみてみることにしよう。

具体的には、

・ちょっとの株価変動で、自分の資産が大きく動いてしまう
 という、精神的な負荷が大きいこと。

・自分の注文が株価を動かしてしまい、
 自分に不利な売買しか出来なくなってしまう。
 さらに過去検証とのズレが大きくなってしまう。
 という実質的なデメリット。

という、精神的、実質的なデメリットだった。

この中で、精神的なデメリットについては、
個々人が抱いているメンタルの
キャパシティによる所が大きいので、
誰にでも共通するメリットを見つけるのは難しいかもしれない。

ただ、誰でも売買する金額が少なくなれば、
精神的プレッシャーは減ることは間違いない。


なので、

もし君が、いわゆる“スランプ”の状態になり、

「いくら売買しても利益が出ない」
とか、

「エントリーするのが怖くなってしまった」
なんていう状態になったら、
売買する金額を、極限まで下げて“リハビリ”するのは
有効な手段だろう。

「損をしても、大した金額じゃない」
と思える中で、ストレスフリーな状態で売買することにより、
調子を取り戻すことができたり、
今まで見えていなかった 新しい売買テクニックを
思いつくきっかけになるかもしれない。

「小額の運用資金で売買するメリット」
とまでは行かないが、
小額だからこそ 自分の調子を取り戻して、
スランプを脱出できるのであれば、
積極的に「小額」を試してみるのも、アリだろう。



さて、ここからが本日の本題。

先ほどおさらいした
「大きな資金での運用のデメリット」
の中に、

・自分の注文が株価を動かしてしまい、
 自分に不利な売買しか出来なくなってしまう。

というものがあった。


ということは、

逆に、小額の資金であれば、
自分が株価を動かしてしまうという心配をせずに
いくらでも売買ができる、ということだ。

考えてみれば当たり前だし、
そんなことを意識せずに、今まで売買をしていたかもしれない。

でも、
これは非常に大きなメリットだ。

想像してみて欲しい。

大口の外国人投資家や、
機関投資家が、自分の資金の大きさに
身動きが出来ないでいる状況の中、

君は、身軽に利益を取っていくことが出来るわけだ。


例えるならば、
大口の外国人投資家や機関投資家が、
大型マグロ漁船みたいな
バカでかい船。

そして、我々は小型のボートだ。

大型の船は、大がかりな仕掛けをして
大漁を狙うが、いつも“大物”を狙えるような
海の状況では ないときもある。

“大物”が狙えそうにないときは、
大型マグロ漁船は 何もすることがないだろう。

しかし、
小型のボートである我々は、
どんなときでも釣り糸を垂れて、
自分が満足できるだけの“獲物”を獲ることができる。
というわけだ。

トレードで言えば、
市場全体の出来高が少なくて、
大口が活発に動こうにも動けないときも、
我々は売買を繰り返すことが出来る。

「いつでも動ける。好きなだけ動ける」
というのは、実は非常に大きなメリットであるといえるよね。


メリットその2。
はるかに大きな資金を持った大口トレーダーは、
株価を自分で動かしてしまう。

結果として、好むと好まざるとにかかわらず、
自分で「株価の流れ」を作らざるを得ない。

自分で「株価の流れ」を作って、そこで儲けなければ
儲けることが出来ないわけだ。

我々のように、買った株がちょっと下がった後
「たまたま」「運が良くて」
株価が上昇してきて助かった、なんてことは、まず ない。

大口は自分が仕掛ける前から
どうやって売り抜けるかをグランドデザインしてからじゃないと、
利益を出すことができないだろう。

そうでなくとも、証券会社のファンドの運用者なんかは、
「なぜ、この株を買ったのか?」
「なぜ、この株を売ったのか?」
と言うことを、上司やお客さんに説明できるように
しておかなくちゃいけないしね。

その点、小額を運用しているトレーダーは、
「株価の流れ」に乗るだけでいい。

もちろん、流れを読み間違えると
手痛いダメージを負うことになるが、
大口が「株価の流れ」を作りそこなった時よりも、
はるかに少ないダメージですむ。


先ほどの漁船の例で言えば、
我々は、大型マグロ漁船が、漁を出来ないときにも
魚を獲ることができる。

そしてさらに、大型マグロ漁船が大きく
“獲物”を獲る時にも、
大型マグロ漁船が作った「流れ」に乗って、
利益を確保することも出来る。
というわけだね。



メリットその3。
小額であれば、もし自分の売買が損失を生みそうなときには、
すぐに損切りをすることができる。

損切りするときに、成行売りをしたところで、
1~2ティックのダメージで済むことが多いだろう。

しかし、大口は、そうはいかない。

大口は、仕掛けを作ってから売り切るまでを
かなり計画的にやらないと、
そもそも望まれている利益を出せないので、
動きが我々よりは遅くなる。

もし、損切りをするとなって成行で売ったりしたら、
10~20ティックは、簡単に自分で値を下げてしまうことも
多いだろう。

すばやく体勢を立て直すことが出来るのも、
小額ならではのメリットと言えるだろう。

先ほどの漁船の例で言えば、
急に海が荒れて、大風雨となったとする。

海が荒れて、舵がきかなくなった時にも、
小さな漁船なら、なんとか大破することなく
生き残ることが出来ることが多い。

しかし、
大型漁船は、難破・沈没をしてしまうことすら
珍しくはないのだ。
っていう感じだろうね。



さて、今までで、小額ならではの3つのメリットを見てきた。

3つのメリットとは、

・市場が活発じゃなくても、売買ができる
・自分で「株価の流れ」を作らずに、流れに乗ることができる。
・すばやく撤退することができる。

という3つだ。


この3つのメリットを踏まえると、
小額の運用資金であることを活かして
利益を出すために、ベストな戦略が見えてくるだろう。

それは、
ともかく、売買するチャンスの多さと身軽さを活かすこと。

持っている資金が小さければ小さいほど、
大きな株価の流れを待つだけでなく、
日々の小さな株価の動きでもつかむこと。

そして、株価の流れが出来たときには、
その流れにもキチンと乗れるような「相場師の目」を
養っておくこと。

さらに、ひとつひとつの売買に執着せずに、
フットワークの軽さを活かして
利益確定/損切りをこなすこと。

ということじゃないかな?


メリットを活かすためには、
日々の売買回数は、多い方がいいだろう。

せっかく、どんな市場の状況でも
コツコツ稼げるのであれば、「漁」に出るのは
多い方がいい。

さらに、「漁」に多く出ていることによって、
株式市場と言う「海」に慣れることも出来る。

慣れれば、大きな流れにもキチンと乗れるようになるだろう。

そして、たくさんの売買を繰り返すためにも、
損切りにためらわず、塩漬け株を減らし、
とりそこなった利益にも執着せずに
淡々と日々の売買を重ねていくのが、
ベストな戦略と言えるんじゃないかな?



さて、今回のレッスンは、ここまで。

今回紹介したメリット以外にも、
もっとたくさんのメリットを見つけることが
できるかもしれない。

自分が持っているものを
「少ない」
「足りない」
「デメリットだ」
と、捉えることは、誰だって出来る。

でも、
その中で、自分が今 持っているものを
どう有利に活用できるのかを考えてみることが、
現状打破のセオリーなのかもしれないね。


今回も手紙を読んでくれてありがとう。
ではまた、手紙を書きます。


空也

 

〔技〕 運用資金の大小に合わせたセオリー

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

今回は、しばらく話をしてきた
運用資金の大小によるメリット/デメリットを
ひとまずまとめておきたいと思う。

運用資金は、大きいければ大きいほど
何事も有利!というわけではない。

大きな資金を運用するには、
強靭なメンタルトレーニングも必要だし、
自分が株価を動かしてしまうという
逃れられないデメリットが存在してしまう
と言う話をした。

逆に、運用資金が小額ならば、
小額ならではのフットワークの軽さを活かせる
トレードをするのがいいだろう、
という話もしたね。

具体的には、

資金を有効に回すためや、
相場観を養うためにも
出来る限り、日々の売買をたくさん繰り返すこと。

そして、フットワークの軽さを活かして
ひとつひとつの売買に執着しないで、
早めの決済を心がけてゆく方がいいだろう。
という話をしたね。


その上で、
今回は、君がトレードを重ねてゆくのに、
資金が小額の時期から、資金が大きくなってゆく
モデルケースのガイドラインを示していこう。

自分の資金が大きいか小さいかに合わせて、
自分が市場の中でやるべきことは変わってくる。

その、ひとつの目安となれば幸いだ。

では、早速始めていこう。



まずは、資金が少ない時。

少ないと言っても、人によって感じ方は
あるだろうが、
まぁ、数十万円から5百万円に満たない時
くらいを目安に考えてみて欲しい。

運用資金が5百万円に満たないときに、
君が持っている最大の「武器」「メリット」は
なんだろう?

それは、
前回の手紙でも伝えたとおり、
「フットワークの軽さ」
が、君のもつ最大の「武器」だ。

ある程度売買が活発な銘柄であれば
自分が株価を不利に動かしてしまうと言う心配はないし、
いざと言うときには、すぐに損切りができるという
利点を、最大限に発揮することが出来る。

で。
運用資金が少ない時は、
往々にして、トレードの経験や知識も
豊富ではないことの方が多い。

なので、
運用資金が小さいときには、
フットワークの軽さを活かしつつ、
しかもトレードの経験を重ねていけるような
トレードスタイルが好ましいだろう。

トレードの経験を積むための方法は
いくつかあるが、やはり「売買回数」に勝る
トレード経験は少ないだろう。


ただ。

ただ単に、闇雲に売買回数だけを
重ねたところで、効率的な経験を
積むことは難しい。

ひとつひとつの売買は丁寧に、
しかも売買は多くしていくことが
もっとも実りのあるトレード経験になるだろう。

ひとつひとつの売買を丁寧に行うためには、
エントリーから、
保有中の値動きから、
決済、
そして自分が決済をした後、
の全ての値動きを見る必要がある。

その全てのタイミングでの値動きを見るためには、
一度にたくさんの銘柄にエントリーしていたのでは
なかなか集中して見ることが出来ない。

運用資金も限られているわけだから、
銘柄の分散は極力避けて、
少ない銘柄数で売買するほうがいいだろう。

具体的には、1度に同時にエントリーしている銘柄は
1~2銘柄に限定するくらいがいい。
多くても、3銘柄くらいまでが、同時に見ていられる
銘柄数の限界じゃないかな?

1回1回は少ない銘柄数で売買し、
丁寧な売買をして経験を積み重ねていく。

そして、売買を量的にもアップさせるために、
市場に参加している日数を増やすのが、
ベストな戦略と言えるだろう。

「ひとつひとつは丁寧に売買し、
 市場参加日数を出来る限り増やす」ことで、
トレード経験を、質的にも量的にも
アップさせていくのがいいだろう。

結論としては、

・ひとつひとつの売買を丁寧に見るために、
 1度にエントリーする銘柄は、1~2銘柄に限定する。

・売買経験を多くするために、
 出来る限り、市場参加日数を増やす。
 出来れば、毎日トレードに参加をする。

という方法が、小額の運用資金のメリットを活かし、
かつ経験も蓄えられる方法だと思う。


なので、

トレードルールを作成する際も、

「市場が大暴落した時にだけ
 エントリー候補が出る」

といったルールではなく、
ほぼ毎日エントリー候補が出てくるような
トレードルールのほうが好ましいだろう。

ほぼ毎日、エントリー候補が出てきて、
そのうち一度にエントリーするのは、
1~2銘柄である、というようなトレードルール。

さらに付け加えると、
何日も保有しているようなルールだと、
保有している間は資金が眠ってしまうことになるので、
デイトレードや、数日間だけ保有するような
ルールのほうが、資金効率が良くなるだろう。


蛇足だが、トレード経験が浅いうちは
敗けが重なると、精神的に辛くなってくるので、
ある程度勝率も気にした方がいいかもしれない。

今回の手紙では、
具体的なルールについては言及しないが、

例えば、株価や出来高の上昇率ランキングの
高いもの1位と2位をエントリー候補にする、
などのトレードルールは、
発想のスタートとしては、いいかもしれないね。



期待値プラスのルールであれば、
売買を重ねているうちに、トータルでは
利益を重ねていくことが出来るだろう。

そのうち、運用できる資金量が増えてくることになる。

すると、今までの
「1~2銘柄」
「毎日参加」
のルールが、最も効率が良いルールでは
なくなってくる可能性も出てくる。

1~2銘柄だけのエントリーでは、
自分が(わずかながら)株価を動かしてしまうことになったり、
デイトレードよりも、多少は保有していたほうが
トータルの利益が増える公算も出てきたりする。

そうなったら、ルールを見直してもいいかもしれない。

ルールを見直すだけの「相場観」や「経験」を
積んだだろうしね。


例えば、
ひとつひとつを丁寧に見るトレードルールではなく、
1度にエントリーする銘柄数を増やして
トータルでの売買回数を増やしてみる方法もあるだろう。

また、今までよりも保有日数を延ばして、
期待値をアップさせることが出来るかどうかを
試してみるのもいいだろう。

さすがに、大口の外国人投資家や機関投資家のように
「株価の流れを作る」というような真似は
難しいだろうけれど、
一番最初の資金量/経験よりも、
自分のスタイルのバリエーションを増やすことは
出来るはずだ。

トレードを「儲ける技術」として
色々試せる、楽しい時期だといえるだろうね。



そして、
さらにさらに運用資金がアップしてくると、
こんどは資金が大きいがゆえの「足かせ」が
目立ってくるようになるだろう。

自分の買い/売りが、株価を大きく動かしたり、
強靭なメンタルトレーニングが必要になってくる。

今までのように、
「偶然、株価の上昇があって助かった」
みたいなケースは、極端に減ってくるわけだよね。

もし、そこまで大きな資金が運用できるようになったら、
日々の売買で儲けるトレードではなく、
会社の決算や企業価値を見てゆく
長期投資や、別の商品への投資にシフトしていく方が
いいのかもしれないね。

大きな資金は、フットワークではなく、
重厚で長期的な資産運用で殖やしていくのが
まさに“王道”と言えるだろう。



よくある間違いが、

運用資金が数十万円なのに、
「私は長期投資家だ」
「ウォーレンバフェットにあこがれているので、
 企業価値を見て投資する」
なんて言って、
フットワークの軽さという利点を活かさず
暴落に巻き込まれたりする人がいる。

たとえ成功しても、
数十万の資金が数年間で20%くらいなのに、
暴落は、しっかり食らってしまう。


逆に、
会社の退職金などで、まとまったお金が入った人が
お金と時間(=暇)があるからという理由だけで
自分の持っているお金の大半を使って
「デイトレごっこ」をやってしまうこともある。

ある程度たくさんのお金を持っている
というメリットを活かさず、
何の経験も積まないままデイトレに興じる。

結果として、またたくまにお金をなくして
途方に暮れる、という悲惨な運命を背負ってしまう。

当たり前の話だが、期待値がマイナスならば、
大きな資金をもっていても、利益は出ない。

それどころか、雪だるま式に損を重ねてしまうという
目も当てられない事態が待っている。


小さな資金で経験を重ねながら利益を出していき、
ゆくゆくは重厚長大な長期投資をするのが
セオリーだ。

君には、決して
小額な資金で
「ウォーレンバフェットごっこ」
をやったり、
ある程度まとまったお金を使って
「デイトレごっこ」
をやったりするという、
愚かな道は選択しないで欲しい。

お互い、気をつけていこう。



さて、今回のレッスンは、ここまで。

小さな資金には、小さな資金のもつ長所があり、
大きな資金には、大きな資金を活かせる方法がある。

どんな道具でも、同じだよね。
小さなカッターと、大きな斧では、
同じ刃物でも使い方が違う。

お金も、私たちにとって
とても身近で大切なツール、道具だ。

役割に合ったところで、
役割に合った使い方をするのが、
道具も喜んで最大限の力を発揮してくれる
秘訣なんだろうね。


今回も手紙を読んでくれて、本当にありがとう。
ではまた、手紙を書きます。


空也

 
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