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「体」とは?(はじまりの手紙より抜粋)

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【体】とは?

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「体」は、トレードの土台となる部分だ。

用意するべき物的なもの。
知っておくべき知識的なもの。
また、実際にトレードをする際の
トレード環境について準備しておくべきことなどを
「体」で学んでいこう。


具体的には、例えば、

最低限知っておかなければならない証券用語だったり。
株トレードをしていくための最低限必要な資金だったり。
ネットトレードをする際のパソコン環境。
それと証券会社の選び方なんかも含まれる。

この「体」に関しては、一度説明をすれば、
「ああ、なるほど」
と理解できることが多いだろう。

例えば、
「チャートというのは、ある期間の株価の変動を
 図でわかりやすく書いたものだ」

と説明すれば、その部分に関しては議論の余地がない。

単純に、「知っている」か「知らない」か。
あるいは「準備できている」か「準備できていない」か。
それだけの話であることが多い。


ただ、

当たり前の話だが、君がトレードをする際に
「知っている」か「知らない」か、あるいは
「準備できている」か「準備できていない」かは、
君のトレードの成績に重大なインパクトを与える。

シンプルな話、
・注文には「成行」と「指値」がある。
・そして「買い」から入ることもできるし、
 「売り」から入ることもできる銘柄もある。

ということを知っているのと知らないのとでは
トレードの成績が全く変わってくるのは間違いないだろう。

この「成行・指値」の例は単純すぎる話だが、
実際にトレードをやっていて、単に知らなかっただけで
大損をしてしまうことは、けっこうたくさんある。

私も専業トレーダーになってもう長いこと経つが、
未だに新しい知識を得ることや、準備することは
たくさんある。


なので、
基礎・土台の「体」部分で得られることを疎かにしないで
利益に直結する話だと思って取り組んでもらえると
とてもうれしい。



そして、これからの「体」の話は、

・トレード知識のインプット
・トレード環境の整備

という、2つの科目に分けて話を進めていこうと
考えている。

「トレード知識のインプット」の方は、
文字通りトレードを実践していくにあたって
知っておいたほうがいい事を伝えていく。

トレードで利益を出すために
知っておくことは多々ある。

ただ私は君に、なるべく早く実際の利益を
出してもらいたい。

なので、これからのレッスンでは
あまり他のところでは知ることの出来ない、
即戦力になるような話を優先的にしていくつもりだ。

特に、テレビの証券アナリストや
雑誌が混同したまま伝えている知識や、
利益を出すためには明らかに間違っている知識を
先に伝えてゆくので、楽しみにしていてほしい。


もうひとつ。

「トレード環境の整備」の科目では、
実際にトレードをする際に必要となるであろう
トレード環境についての知識を伝えようと考えている。

例えば、
証券会社についての情報だったり、
ネットトレードするためのパソコンの情報だったり、
日々のトレードを便利にするツールについての情報だ。

私が今までトレードをやってきて、
「これはよかったな」
と思えるものを紹介するので、
君のトレード環境に役立ててほしい。


「体」については、以上だ。

「体」は、君がトレードをする際の
基礎・土台となる部分。

物的に準備するものや、知識として知っておくことを
伝えてゆくので、
君の柔軟な脳に、どんどん吸収してもらえるように
がんばるよ。
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〔体〕 トレードルールで大切なこと

こんにちは、トレーダーの空也です。

前回の手紙では、実際に
利益の出せる方法の紹介をしたね。

前回紹介した銘柄選びと売買を
過去10年間繰り返していたら、
今頃の資産は十数倍になっていた。という話。

ただ、前回も繰り返し言っているけれど、
紹介した手法自体がすばらしく価値のあるものではない。

ちょっとしたコツさえつかめば、
前回紹介したような売買手法自体は、
けっこう簡単に作ることが出来る。

その証拠に、前回の手法は、
「無料ツールで銘柄選びが出来るもの」
という制限の元、私が短時間で作ったものだからね。

だから、紹介した手法に固執して、
「手法さえ手に入れれば稼げるようになる」
なんて思わないでほしい。

ただ、前回紹介した手法の中にも、
君がこれからトレードで継続した利益を出すための
大切なエッセンスが含まれている。

なので、
今回のレッスンでは、前回の手法をふまえて
「トレードルール」について説明をしていこうと思う。

今回のレッスンは、安定した利益を出していくためには
避けては通れない土台の話をするので、
注意して聞いてほしい。

では、さっそくはじめよう。




前回紹介したような、

「売買代金が○○で、
 RSIのテクニカル指標が○○の銘柄を買う」
「○日が経過したら決済する」

というような、
売買に対するある一定の法則を、これからの手紙では

「トレードルール」

というように呼ぶことにする。


君がこれから株の売買を続けていく上で
まず念頭において欲しいのは、

「適切なトレードルールを作り、そのルールを守る」
ということだ。

もし君が、何万人に一人いるかいないかの
株の天才だったら、トレードルールを
意識しなくても、莫大な利益をあげられるかもしれない。

しかし、現時点では、君が株の天才なのかは
わかっていないので、まずはトレードルールを
意識することをお勧めする。

もし仮に君が株の天才だったとしても、
トレードルールについて知っておくことは
大きなプラスになるだろうからね。




さて。

「適切なトレードルールを作り、そのルールを守る」。
基本的には、この単純なことだけで、
安定的にトレードで利益を出していけるようになる。

ただ問題は、
「適切なトレードルールを作る」
ということが、まず最初のハードルとなること。

そしてさらに
「ルールを守る」
ということが、ルールを作ることよりも
数十倍、数百倍難しいハードルとして立ちはだかる。
ということだ。

ひとつひとつ見ていくことにしよう。



まず、「適切なトレードルールを作る」ということ。

「トレードルール」そのものは、非常に簡単だ。
「○○したら、買う/売る」
ということだけだからだ。

前回紹介したようなRSIなどの
テクニカル指標を使ったトレードルールもあるし、
チャートが一定の形になったら売買するというルールもある。

特定の銘柄に、ニュースが出たら買うというのもルールだし、
銘柄推奨の投資顧問や、雑誌が推奨した銘柄を買うのもルール。

極端な話、ある特定の銘柄を、
「天気が晴れだったら買い、雨だったら売り」
というのも、トレードルールになりうる。

トレードルール自体は、
「○○したら、買う/売る」
ということだけだから、なんでもトレードルールになりうる。

普通は、何かのきっかけがあって株を売買するんだから、
君も今までの売買は、あるトレードルールに
のっとって売買してきたことになる。

まさか夢遊病患者じゃあるまいし、
「気がついたら、いつのまにか株を買ってた」
ということは、ないだろう?(笑)


そう。トレードルール自体は簡単。
ただそのトレードルールが「適切かどうか」となると
ハードルはいきなり高くなる。

適切なトレードルールというのは、
まず、そのルールで売買することによって、
トータルでは利益が出るのか?
ということから始まって、

・銘柄の数は多すぎず、少なすぎないか?
・銘柄は、トレード頻度に合わせてコンスタントに出るか?
・トータルではプラスだけれど、
 もし派手に損失を出したときには破産するような
 ルールではないか?
・再現性はあるか?
・自分の資金量に合っているか?
・儲かるけれど、100年後に儲かるなど、
 時間軸のミスはないか?
・トータルプラスの金額はかけた時間に見合うものか?

などなどなどなど。
考慮することが山のように増える。

中でも大切なのが、
「そのトレードルールを繰り返せば、
 トータルではプラス利益になる」
ということだ。


株の世界では、何が起こるかわからないし、
何が起こっても不思議ではない。

だから、一回一回の売買では、
儲かるのか、損をするのかを正確に
予測することはできない。

しかし、過去の結果から鑑みると、
そのトレードルールを繰り返せば、
トータルではプラス利益を出すことができそうだ、
というルールでなければ、ルールに従う意味がない。

前回のレッスンで紹介したルールも、
一回一回の売買では、儲かったり損をしたりしている。
(年によって異なるが、だいたい
 利益と損失の割合=勝率は5割程度だ)

ただ、5割の勝率でも、儲けるときに大きく利益を出し、
損失を抑えることが出来ているので、
トータルではプラスのパフォーマンスを出している。

なので、前回のレッスンで紹介したトレードルールは、
まず第1関門はクリアしているといえる。


トレードルールは、トータルプラスでなければ
まずはお話にならない。
その上で、さらに磨いていけるかどうかになる。


「空也さん、そんなの、当たり前の話じゃないですか」

という君の声が聞こえてきそうだけれど、
けっこう、トータルプラスのトレードルール
という概念を採用していない人も多い。

そもそも、
「明確な自分のトレードルールを持っている」
という人が、市場参加者の3割程度だろう。

あとは、
「雑誌で勧められていたから、なんとなく」
とか、
「証券会社の営業マンに教えてもらって」
とか、
「チャートで割安に見えたから」
とか、かなりあいまいな理由で、
しかもその時その時でルールをコロコロ変えて
株を売買している人がほとんどだ。


なので、まずはトータルプラスの
トレードルールを持って、使っているだけで、
株式市場では相当のアドバンテージとなる。

君がこれからトレードをする際に
まずトレードルールを意識するといいと
アドバイスをしているのは、このアドバンテージのためだ。

ぜひ意識してマスターしてほしい。


ただ、
トータルプラスのトレードルールは、
持っているだけでは意味がない。

使ってこそ意味があるのだが、使い続けていると
次のハードルが君自身を試すことになる。

そのハードルが、
「ルールを守る」
ということだ。

ここからは、「ルールを守る」ことについて
話をしよう。




先ほど、トレードルールを持っている人は
全市場参加者の3割程度だという話をした。

この人たちは、トレードルールを持っていない
人たちに比べて、安定した利益を出す可能性が高い。

でも、
たとえ「自分のトレードルールを持っている」
と答えた人でも、実践になるとおかしな行動を
とる人もいる。


例えば、

普段は自分のトレードルールに沿って売買をしているのに、
激しい暴落をくらって、大きな含み損になった時は
「まぁ、リバウンドするだろう」
と、保有期間を延ばしてみたり。

自分のトレードルールは持っているのに、
ある時、たまたま見た銘柄がストップ高になりそうに
なっているのを見て、
「これは、今のうちに買っておこう」
と、ルール無視で買ってみたり。

しばらく損失が続いたからという理由で、
「損を一気に取り戻してやろう!」
と思って、投入資金を増やしてみたり。

トータルでプラスになるルールを使って
売買しているはずが、いつのまにか
自己裁量バリバリのトレードになっていたりする。
君には、そんな経験はないかな?



トレードルールは、守ってこそ真価を発揮する。

暴落を食らったときに、保有期間を延ばすという行動自体は
良いも悪いもない。

ただ、保有期間を延ばすことで、
トータルプラスになるルールの検証をしていない
ということがマズい。

暴落をくらった銘柄に資金を寝かせているより、
思い切って損切りをして、新しい銘柄を買いなおしたほうが
利益につながることは多い。


ストップ高になりそうな銘柄を買ったり、
損が続いたあとに資金を増やすこと自体は、
良いも悪いもない。

ただ、その行動が、トータルでプラスになるという
裏づけを取っていないのに、衝動的に
やってしまっているということが、マズい。

トレードルールは、守ってこそ真価を発揮する。
守らない限り、継続して利益を出していくということは
まず無理といっていいだろう。



君にとってトレードルールは、
料理を作るときのレシピみたいなものになる。

おいしい料理のレシピ。
材料と、味付けの分量や火加減などが
詳しく書いているレシピ。

トータルプラスのトレードルールというのは、
おいしい料理のレシピのようなものだ。

おいしいレシピどおりに作れば、
同じようにおいしい料理を作ることが出来る。


トータルでマイナスになるトレードルールは、
まずい料理のレシピ。

まずい料理のレシピは、
レシピに従えば、毎回毎回きっちりまずい料理を
作ることが出来る。

まずい料理を作り続けても、喜ぶ人はいないので、
レシピを作るのならば、おいしい料理のレシピを
作らなければいけないわけだよね。

マイナスになるトレードを続けていても意味はないので、
トレードルールを作るのならば、トータルでプラスになる
トレードルールを作らないと、意味がない。


そして、

トレードルールを守るということは、
おいしい料理を、レシピどおりに作るということ。

その時その時の思いつきで
「あ!ケチャップを入れてみよう」
とか、
「火加減を変えてみよう」
とか、
「洋食だけど、和風の味付けにしてみよう」
なんてコロコロ変えていたら、
おいしい料理が出来るわけがない。


もし、一回だけ たまたまおいしい料理ができても、
レシピにないことをやってしまったら、
次、作るときに味は再現できない。


トレードも同じこと。

その時の思いつきで売買をしても、
トータルでプラスにならない。

もしたまたま一回の売買では利益になったとしても、
トレードルールにないことをやってしまっていたら、
次のトレードでは再現できない。

長期的に見て、なんのメリットもないことになる。

なので、おいしい料理のレシピを作るように
トレードルールを作り、
おいしい料理の味を守るように
トレードルールを守るということを覚えていってほしい。




さあ、今回のレッスンは、ここまで。

トレードルールという概念を、
まずは意識して学んでいこう。

そして、
「適切なトレードルールを作る」
「ルールを守る」
という、2つのことをマスターすれば、
継続して利益を出し続けるトレーダーになれる。
ということを学んだ。

これから、「適切なトレードルールを作る」
ということについては「心・技・体」の〔技〕で、
「ルールを守る」ということについては、
「心・技・体」の〔心〕で、主に伝えていくつもりだ。
楽しみながら、一緒に学んでいこう。



次回も、もう少しトレードルールについて話す。

プロのトレーダーと、アマチュアのトレーダーでは、
トレードルールを作るときに意識する部分が違う。

プロトレーダーと
アマチュアトレーダーの違いは、
トレードルールの捉え方にあるといってもいいくらいだ。

トレードルールにおいて、
プロのトレーダーが重要視することを、
アマチュアのトレーダーは、あまり考慮しない。

逆に、プロのトレーダーが大して気にしないところを
アマチュアのトレーダーは非常に気にして、こだわる。

なので、
次回のレッスンでは、
君がトレードルールを作っていくときに
プロの視点でルール構築ができるようにしていこう。

次回も、君に伝えることが楽しみだ。



今回も、どうもありがとう。
ではまた手紙を書きます。




空也

〔体〕 トレードルール作り、たった1つの前提


こんにちは、トレーダーの空也です。

前回の手紙では、トレードルールについて話をしたね。

そして、トレードで
継続した利益を出していくためには、
「適切なトレードルールを作り、そのルールを守る」
ということが必要になってくる、という話をした。

君が作るトレードルールは、
料理のレシピと同じようなもの。

おいしい料理のレシピを作ることが出来れば、
君は安定して、おいしい料理を食べることが出来る。

適切なトレードルールを作ることが出来れば、
君は安定して、株式市場から利益を得ることが出来る。


前回の手紙を真剣に読んできた君は、
「空也さん、トレードルールについてはわかりました。
 じゃあ、どうやって適切なトレードルールを
 作っていけばいいんですか?」
と疑問を持ったことだろう。

なので今回のレッスンは、
適切なトレードルールを作っていくための話をしよう。

安定的に利益を出しているプロトレーダーは、
トレードルールの重要性を深く知っている。

そして、ある程度勉強をしているアマチュアトレーダーも、
トレードルールというものが大事だということは
分かっている人もいる。

なので、利益を出しているプロトレーダーも、
利益と損を行ったり来たりするアマチュアトレーダーも、
両方とも自分のトレードルールを作ることに情熱を燃やす。

でも、

プロのトレーダーは
適切なトレードルールを作ることが出来るのに、
アマチュアのトレーダーは、
適切なトレードルールを、なかなか作れない。

なぜか?

それは、トレードルールを作るときに、
利益が出せるプロトレーダーが捉えていることと、
アマチュアトレーダーが捉えていることが違うからだ。

トレードルールにおいて、
プロのトレーダーが重要視することを、
アマチュアのトレーダーは、あまり考慮しない。

逆に、プロのトレーダーが大して気にしないところを
アマチュアのトレーダーは非常に気にして、こだわる。

それは、トレードルールを作る際に
まず理解しておかなければならないことを
アマチュアのトレーダーは理解していないから起こる。


なので、

今回のレッスンでは、具体的テクニック論に入る前に
理解をしておくべき、たったひとつの前提を
君に伝えよう。

今回の前提を知っておけば、
君が自分のトレードルールを作るときに
変な方向に突き進んでトレードルールが作れない
ということがなくなる。

また、変な情報商材などに踊らされて
フラフラと買ってしまって失敗する
なんてこともなくなるだろう。

シンプルな前提を知って、
効果的に自分のスタイルを作っていこう。




さて。
突然だけれど、君も洋服を買うことはあると思う。

「え?突然 洋服の話って、なんですか?」
と思っていると思うけれど、
ちょっと付き合って考えてもらえるかな?

君が洋服を買うとき、
どんなことを気にして買うかな?

もちろん値段を気にするという
側面もあるだろうし、

自分の好みの色とか、
生活スタイルに合ってるかとか、
さまざまなことを考慮して
着る服を決めていると思う。

そして、当然自分にフィットしていないと
はじまらない。

寒い季節には、暖かい服を。
暑い季節には、薄手を服を選ぶだろう。

そして、
ビシッと決めたいときにはスーツを選ぶだろうし、
自宅でリラックスするときには、
ゆったりした服をチョイスするだろう。

そう。当たり前の話だ。

当たり前の話なんだけれど、
もし君の友達に、この当たり前の事を
知らない友達がいたとする。

そして、その友達から
「洋服選びをアドバイスしてほしい」
と頼まれたとしよう。

アドバイスをするとなった君は当然、その友達に、
とりあえずどんな服が欲しいかを聞くだろう。

すると、友達はこんなふうに話し出す。
「そうだねー。
 春、夏、秋、冬、オールシーズン着ることが出来て、
 ビシッとしたフォーマルなシーンでもカッコいいやつ。
 もちろん、自宅でのんびりするときにも着れて、
 夜も着たまま眠れるような一着がいいな。
 
 でも、服の値段とか、僕にフィットするかどうかは
 あんまり気にしていないから、その辺は適当でいいよ」


さてさて、君ならこんな友達に
どんな服をアドバイスする?

「まず、こんな奴とは友達になりたくない」
と思う気持ちは分かる(笑)

まぁ、そんな気持ちは別として、まずは
洋服選び以前の話をしたくなるんじゃないかな?

「まずは自分にフィットするかどうかを考えようよ」
「オールシーズン、しかもオンタイムでもオフタイムでも
 着られる服なんて、ないよ」
ってね。

洋服選びだと、この例に出てきた友達の言っている事は
トンチンカンなことだということが分かるはずだ。

でも、
いざトレードルールの話になると、
このトンチンカンな友達が言った様なことを
繰り返すアマチュアトレーダーは、非常に多い。

「下落相場でも、上昇相場でも、
 オールシーズン勝つことが出来るやつ。
 短期トレードにも利用できて、
 中長期でも応用が利くようなトレードルールがいいな。
 でも、僕の資金量とか、ライフスタイルに合ってるかとかは
 あんまり気にしないでいいから、とにかく勝てるやつ」

こんなトレードルールを求めているアマチュアが
ほとんどなんじゃないかな?


トレードルールは、非常に強力で便利なツールだ。
ただ、ツール=道具である以上、
使う状況や使い方によって、まるで効果は変わってくる。

そろそろ、私が君に伝えたいことも
気が付いてきたかもしれないね。

そう。
プロトレーダーがトレードルールを作るときに
ひとつの前提として理解していること。

それは、
あらゆる状況に通用する
 万能のトレードルールは、存在しない
という前提。

「聖杯は存在しない」
という表現をするプロトレーダーもいるが
同様のことを言っている。


プロは、自分のトレードルールに含まれている
弱点や欠点を知っていて、それでもなお
そのトレードルールを採用している。

もちろん、改善に改善を繰り返して
より自分に合ったルールにする努力は怠らない。

ただ、
どんなに努力をしても、
全ての弱点がなくなるなんてことはない、
ということを知っている。

弱点を受け入れ、弱点と共生するのが
プロのトレーダーの考え方だ。

なので、
プロのトレーダーは、トレードルールを作る際に
いかに自分のスタイルに合いながら
トータルでプラスになるか?ということを考えながら作る。

自分のスタイルに合っているか?というのは、
例えば、
1回の利益幅が低くても、
コツコツ利益を重ねられるのがいい。
とか、

普段は損切りばっかりだけれど、
プラスが出るときは大幅なプラスが出るのがいい。
とか、

日々、銘柄を売り買いするのがいい。
とか、

普段はほったらかしで、
年に何回か売買するのがいい。
とか、とか、とか。

自分のライフスタイルや性格を考慮して、
必要ならば複数のトレードルールを組み合わせて
トレードルールを作ってゆく。

もちろん、自分の持っている資金量によっても
採用できるトレードルールは変わってくるので、
資金量も考慮したルール作りをするのは
当然の話だ。

自分のライフスタイル、性格、資金量に合った
トレードルールを作り、採用するからこそ、
さらに大切な「トレードルールを守る」ということも
できるようになる。

自分に無理のあるトレードルールを採用して
一時的に利益をあげられたとしても、
継続してルールを守ることは出来ないことを、
プロのトレーダーは身にしみて知っている。


それに対してアマチュアは、
自分のライフスタイル、性格、資金量などは
全く考慮せずに、
「とにかくプラス幅の大きいもの」
「勝率の高いもの」
を求める。

まるで無意識に
「あらゆる状況に通用する
 万能のトレードルールが、どこかに存在するはずだ」
と考えいているように。

そして、利益の出ている間はまだいいものの、
少しでも損失が重なると
「やっぱりこのルールは欠陥品だった」
といって、トレードルールを守らず、
次の「よりよい」ルールを求めて、さまよう。

そして、利益ではなく、損失を
積み重ねてゆく。というわけだ。


プロは、トレードルールの欠点や弱点を受け入れながら
上手に、長く付き合ってゆく。

この考え方は、トレードルールだけではなく
人間関係なんかにも通じる考え方なのかも
しれないね。



さて、今回のレッスンはここまで。

プロのトレーダーが前提として理解して受け入れているもの。
それは、
あらゆる状況に通用する
 万能のトレードルールは、存在しない
という前提。

トータルでプラスを出せるという
最低限の課題は、もちろんクリアしなければならない。

でも、あとの要素は、
自分のライフスタイル、性格、資金量などに合わせて
受け入れるべきところは受け入れながら運用するという方が
結果的に好結果を生む。

君には、いつまでも「聖杯」を求めるような
「トレードルールの放浪者」
にならないでもらいたいな。


今回もどうもありがとう。
ではまた手紙を書きます。


空也

〔体〕 トータル利益を出す、期待値という考え方


こんにちは、トレーダーの空也です。

前回までは、
「お金とは何の対価なのか?」
「君にとって株で儲けるとは?」
といった、「心」の話をしばらくしていたね。

私の持論である
「お金は、仕組み化の対価である」という話。

それと、仕組みとの4つの付き合い方。

それぞれの話が、君のインスピレーションに
つながることを祈っているよ。

そして今回から数回は、
ガラッと話題を変えて、トレードにおける
具体的な知識やテクニックの話をしていこうと思う。

心のありようの話、
具体的なテクニック。
そして、土台となる知識。

3つの要素がバランスよく結合することによって、
継続して儲けることの出来るトレーダーに
なることができるからね。

では、今回もレッスンを始めていこう。


今回は、トレードルールの基礎中の基礎の話をしよう。

いきなり応用の話をしても、
もし君がトレードルールの基礎の話を
きちんと理解していなかったら、頭の中が
「???」だらけになってしまうからね。

もしかしたら、今回話す話は、
君にとってはすでに知っている話かもしれない。

でも、
今までのレッスンを受けて来たあとに
あらためて復習するのも、意味のある事だ。

なので、もし
「ああ、これは知っているよ」
という話が出てきたら、
「知っていたとしても、
 今完全に理解して、実践できるようになっているか?」
「今の私にとって、より深く理解できることが
 あるとしたら、それはなんだろう?」
と自問自答してみて欲しい。

きっと、今後の君のトレードルール作りの
栄養分となることだと思うよ。



さて。

今までのレッスンの中でも、くりかえし
「トータルで利益を出す」
という話をしてきた。

今回は、トータルで利益を出す際に必要な
基礎的な考え方を詳しく見ていく。


さっそく内容に入っていくが、
株トレードでは、一回一回の売買では、
その売買がプラスになるかマイナスになるかは
予想がつかない。

予想がつかないということに関しては、
どんなアマチュアも、プロトレーダーも
全く一緒だ。

何も知らないズブの素人も、
証券会社のディーラーも、
テレビでコメントしているアナリストも、
君も私も、
未来の株価が「上がるか、下がるか」を
予想する能力は、大して変わらない。

未来に何が起こるかを
予想することなんてできないし、
予想する能力を高める方法もない。
少なくとも、私は知らない。

しかし、一回一回の売買で
プラスになるかマイナスになるかはわからなくても、

何回も売買を繰り返すうちに、
自分の全部の売買トータルで
プラスになるかマイナスになるかは、
まだコントロールできる。

そして、何回も売買を繰り返して、
トータルで利益をもたらすようにするのが、
トレードルールの考え方だ。



たとえば、
ここに1組のトランプがあったとする。

そこで、君と私とが、トランプで
賭けのゲームをやることになったとしよう。

ゲームのルールは、
・よくシャッフルしたトランプの上から
 1枚を引く。
・いま引いたトランプの数字より、
 次に引くトランプの数字が大きかったら
 君の勝ち。賭けたお金が2倍になる。
・いま引いたトランプの数字より、
 次に引くトランプの数字が小さかったら
 私の勝ち。君の賭けたお金が私のものになる。
・ただし、ジョーカーが出たら、
 無条件に私の勝ち。
・次のトランプを引く前に、
 お金を賭けるか賭けないかを
 君が決めることが出来る。

というルールでゲームをすることになったとしよう。

今見えているトランプに印刷されている数よりも
次のトランプの数が大きければ君の勝ち、
小さかったら私の勝ち。
そして、お金を賭ける賭けないかは、君が選べる。
シンプルなゲームだ。

さて君だったら、このゲームで勝つために
どんな戦略をとるだろう?

君が勝つためには、
次のトランプの数字が、今のものより
大きければいい。

そして、言うまでもなく
トランプの数字は1(エース)から13だ。

なので、私だったら、たとえば
「今出ている数字が
 6より小さかったら賭けることにして、
 6以上だったら賭けない」
とか、
「エースが出るまで賭けない。
 エースが出たら賭ける」
とか、そういう戦略でゲームをするだろう。


少なくとも、全部のゲームに参加する
という戦略は、取らない。

そして、君もそれは同じだろう。

勝つために、勝つ可能性が
より高い戦略を練ることにする。

当然のことだ。


そして、言うまでもなく
株のトレードにおいても同じように
戦略を立てることが大切になってくる。

トランプの場合は、数の上限/下限の幅が狭く
限定されているために、戦略が作りやすい。
カードも52枚+1枚と限られているしね。

株の場合は、今の例で挙げたトランプほど
単純には行かないものの、
戦略を立てるという意味においては同じだ。

先ほどのトランプゲームは、
「数は1~13」
「総枚数は52枚+1枚」
「今のカードより大きい数なら勝ち」
などという前提のもと、自分の戦略を立てる。

そして株の場合も、
同じように自分の戦略を立てるのだが、
前提となる条件が、トランプに比べて
非常に多く、そしてあいまいなものが多い。

ただ、その中で
「この戦略ならば、トータルでプラスだろう」
という戦略を立てていくというわけだ。


戦略の前提となる条件。
トレードにおいては、たくさんあるものの
「過去の値動き」
というものが、他の前提条件に比べてよく使われる。

「過去において、○○という値動きの後は
 上昇することが多かった。
 なので、今回も下落するよりは上昇する
 確率が高いだろう」
とか、
「過去において、△△という値動きの後は、
 大きな上昇になることもある。
 なので、可能性は低くても、一度動き出したら
 暴騰するだろう」
という検証のもとで、自分の資金を投入していくわけだ。

それを、単なる勘とか、経験則だけでなく、
統計的に検証していくことが
トレードルールを構築していくうえで
大切になってくる。

「今まで俺がやってきたら
 だいたいこんなものだったんだよ!」
というトレードルールで利益を出していくことも
もちろんできるだろう。

ただ、より継続的に利益を出していくために
過去の統計からトレードルールを作っていく方が
より長期的に利益を出して行ける可能性は高い。

前回までに話をした通り
「お金は仕組み化の対価」。
そして、
「より洗練した仕組みを持っていれば、
 より多くのお金を受け取ることができる」。

なので、
仕組みを洗練していくためにも、
過去の値動きから統計的に
トレードルールを作っていくことを
君には勧めたいと思う。



そして、ここからが今日の本題。

過去の統計からトレードルールを構築する際に
特に気をつけて欲しい考え方が
“期待値”
という考え方だ。

期待値というのは、
ある条件下で資金を投下した時に、
**円(もしくは○○%)の
利益/損失が期待できる、
という統計上の値。

たとえば、
「○○というトレードルールに従って
 100万円分株を買った時、
 過去の検証上プラス1万円の利益が期待できる」
といったように使う。

もちろん、一回一回の売買については
マイナスの時もあるだろうし、
1万円以上のプラスを出す時もある。

ただ、過去の検証上、
ずっとそのトレードルールを使っていれば
1回につき1万円の利益を受け取ることができる。
という考え方だ。

たとえば、
5回、まったく同じトレードルールで
トレードをしている中で、

1回目 1万円プラス
2回目 5万円マイナス
3回目 3万円マイナス
4回目 1万円マイナス
5回目 13万円プラス

という場合、5回のトレードで
合計プラス5万円となっている。

つまり、統計的には
「1回につき1万円儲かった」
という考え方をする。


期待値の計算方法は、

平均利益(率)×勝率 - 平均損失(率)×(1-勝率)

で表わされる。


勝率というのは、すでに知っていると思うが

利益の出た売買回数÷合計売買回数

で表わされる。

先ほどの例ならば、勝率は
(利益の出た売買回数)2回÷合計5回
で、勝率は40%だ。


そして、先ほどの例の期待値は、

(平均利益)7万円×40%
マイナス
(平均損失)3万円×60%
=1万円

という計算式で、1万円と算出されるわけだ。


で、

今回の例では期待値がプラス1万円だったが、
もちろん期待値がマイナスとなることもある。

というか、期待値がマイナスになってしまう
トレードルールの方が多い。

儲けるためにトレードをやっているのに、
毎回毎回お金を失ってゆくトレードルール、
というものも出来てしまうわけだ。


なので、
トレードルールを作るにあたって
まず目指すところは、

期待値がプラスであること。

ということだ。


期待値がプラスであれば、
とりあえずは君はお金持ちの方向には
進んでいることになる。

少なくとも、お金持ちの道を
反対方向に進んでいるということには
ならない。

まずは、期待値プラス。

これが君の目指す最初のトレードルール作りとなる。



さて、今回のレッスンはここまで。

今回はトレードルール作りにおいて、
もっとも基礎的な話になる
「期待値」
について話した。

利益を積み重ねていけるかどうかは、
期待値がプラスなのかマイナスなのかに
かかっている。

トレードルール作りの第一歩は、
期待値プラスになることを目指すこと。

まずはここから始めていこう。


ただ、
期待値がプラスならば自動的にお金持ちになれるか
というと、そうでもない。

期待値がプラスだからといって
いいトレードルールとは限らないところが
面白いところだ。

さらに、期待値が高ければ高いほどいいという
「期待値至上主義」
というのも、間違っている。

私自身、自分のトレードルールを
いくつか持っているが、
実践に採用しているのは、自分のルールの中では
期待値が高くはないものだったりする。

次回は、今回の期待値という考え方を踏まえたうえで、
トレードにおける「利益」とは、どのような要素で
出来上がっているのかを見ていこう。

そして、もっとも効果的に利益を積み重ねていくための
実践的テクニックを話していくことにする。
たのしみに待っていてほしい。


今回もどうもありがとう。
ではまた手紙を書きます。


空也

〔体〕 「オススメ銘柄情報」の使い方

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

今回は、証券会社の営業マンや、
テレビに出てくる株のコメンテーターなどが話す
「オススメ銘柄情報」について話をしよう。


株の専門雑誌や、株のテレビ番組なんかを見ると
「この銘柄はオススメ!」
とか、
「いま、○○業界は、絶好の仕込み時」
なんていうトピックを、よく見るよね。

また、君が証券会社の営業マンから
直接株を買ったことがあるかは知らないけれど、
「今は、○○という銘柄はオススメですよ」
などと言って、株を推奨してくるのは
聞いたことがあるだろう。

そして、そんないわゆる
「株のプロ」たちからの情報をもとに株を買い、
大損をした、なんてこともあるかもしれない。

結果、
「この情報、まったく当てにならない!」
とか、
「オススメ銘柄なんて、当たったためしがない!」
とか言って、腹を立ててしまうこともあるかもしれない。

でも、
それは株の情報誌や、テレビ番組などの
オススメ銘柄情報の使い方が間違っているだけだ。

たしかに、情報をそのまま鵜呑みにして売買したのでは
まったく使い物にならない情報だろう。

ただ、使い方さえ間違えなければ、
どんな情報でも、君に利益をもたらす情報になり得る。

今回は、その「オススメ銘柄情報」の使い方を
勉強しよう。


さて。

「オススメ銘柄情報」の使い方を知るには、
まず、その情報が、どのような経緯で
君の耳に飛び込んでくるかを知っておく必要がある。

そのオススメ銘柄情報が、何のために、
どのようなプロセスを経て君の耳に届くのか?


例えば、
「○○さんは、君のことが好きみたいだよ」
「君とお付き合いしたいと思っているんだって」
という話が、耳に入ったとする。

そして、君も○○さんのことが大好きで、
以前からお付き合いしたいと思っていたとしよう。

さてさて、君は情報を鵜呑みにして、
すぐに○○さんにアプローチをするだろうか?

普通はしないよね。
まずは、その情報元を確かめるんじゃないかな?


「○○さんは、君のことが好きみたいだよ」という情報が、

○○さんの親友から聞かされたのと、
君の事を いつもからかっている友人から聞いたのと、
今日君と初めて会って、ちょっと話した人から聞いたのとでは
意味が全く違うだろう?


なので、
情報は、「どこから」「何のために」を
確かめるのは、当然だよね。

株の情報も、まったく同じこと。

なのに、なんとなく「株のプロ」という
権威付けがされていると、
情報源を確かめるという作業をスルーしてしまいがちになる。

気をつけたいところだよね。


さて。では、
株の情報は、どのようなプロセスを経て
君の耳に入ってくると思う?

ひとつの例として、
株の情報誌をあげてみよう。

たとえば株の情報誌から、君は
「オススメ銘柄情報」を得たとしよう。

では、その「オススメ銘柄情報」を書いた人は、
なんで君に「オススメ銘柄情報」を、
わざわざ記事にしてまで教えてくれたんだろう?

テレビのコメンテーターにしても、
証券会社の営業マンにしても同じこと。

なんで、わざわざ時間と労力を使ってまで、
君に情報を教えてくれるんだろう?

そして、
なぜ株情報誌の出版社や、
コメンテーターの出ているテレビ局や、
営業マンを雇っている証券会社は、
彼らに給料や出演料を払っているのだろうか?


答えは、
「利益が出るから」。

お金は、仕組み化の対価であるという話をしたね。

株情報誌は、君にオススメ銘柄情報を教えることが
お金を儲ける仕組みにつながっている。

コメンテーターは、オススメ銘柄情報を教えることで
出演料をもらっている仕組み。

そして、証券会社の営業マンは、
君にオススメ銘柄情報を持ってきて
君に株を買ってもらうことで利益を得る
仕組みの一部なわけだ。


ここで勘違いしてはいけないのが、
「君にオススメ情報を教える」ところまで、
あるいは
「君がオススメ銘柄を買う」ところまでで、
彼らの仕事、役目は終わるということ。

決して
「君がオススメ銘柄情報で儲ける」ところまでは、
彼らの仕事ではないのだ。

彼らは、彼らで一生懸命自分の職務を果たす。
出来る限りの誠意と、労力と、時間を使って
最大限の効果を発揮するように頑張る。

しかし、
「最大限の効果」とは、
「君に利益をもたらす」ことではなく、
「君に情報を信じさせる、そして株を買わせる」
ことなのだ。


君も、雑誌の記者やコメンテーター、
営業マンの利益を心から願って、
自分を犠牲にしてまで働くことはないだろう。

そして、彼らも同じように
君の利益のために、そこまでの努力は
してくれない。


だから、

彼らが持ってくる「オススメ銘柄情報」を
扱うときは、
「この情報が、直接 利益をもたらしてくれる
 わけではない」
ということを、肝に銘じておかなければいけない。

その上で、
「このオススメ情報を見た
 他の市場参加者は、どう動くだろうか?」

ということを考えればいい。

君が得た情報は、必ず他の市場参加者も同様に得ている
と思って、まず間違いない。

他の市場参加者が、どう動くのかが分かれば、
株で利益を得るのは、簡単なこと。


ならば、
「オススメ銘柄情報」を見たときは、
その情報を鵜呑みにするのではなく、

「このオススメ情報を見た
 他の市場参加者は、どう動くだろうか?」


と考えたほうが、より広く物事が見られるんじゃないかな?



ものの見方を少し変えるだけで、
まったく新しい価値が見えてくることって、あるよね。

今日も手紙を読んでくれてありがとう。
ではまた手紙を書きます。



空也

 

〔体〕 システム vs 裁量 ~その1

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

今回から数回に分けて、トレードルールの中の
「システムトレード」

「裁量トレード」
について話そうと思う。

君も、
「システムトレード」
「裁量トレード」
という言葉は、聞いたことがあると思う。

そして、その2つがどのような違いを持ち、
それぞれどのような長所と短所を持っているのか?
ということを詳しく学べば、
君のトレードルール構築にも役に立つだろう。

今回から数回の話を読めば、君の
「どのようなトレードルールを構築すればいいのか?」
「システムトレードと裁量トレード、
 自分はどちらをやればいいのか?」
という疑問を解消するのに必要な
インスピレーションになることだと思うよ。

では、さっそく内容に入っていこう。



まずは、2つの言葉、
「システムトレード」と
「裁量トレード」について、軽く確認をしておこう。

トレードルールというものは
「○○という条件が揃ったら、買う/売る」
というものなので、広い意味では
すべてのトレードルールが「システム」だともいえる。


ただ、狭義の「システムトレード」というのは、

「ある期間、蓄積された株価データを取り出して、
 一定のトレードルールに照らし合わせる。
 その過去のトレードルールの検証結果をもとに、
 実際の売買をする」

というものになる。

何年、何十年という株価データを検証するわけなので、
「計算」という作業が最も得意な道具であるパソコンとは、
切っても切れない関係がある。

なので通常は、パソコンを使って株価データを検証する。

そして、過去のデータでは期待値がプラスだった
トレードルールを見つけ、そのトレードルールに従って
売買を繰り返す、という形を取るね。

いかに過去の検証の中で、素晴らしいトレードルールを
見つけるのかが、ひとつのポイントであるといえるだろう。


そして、対して「裁量トレード」というものもある。

「システムトレード」という概念がなかったころは
すべてのトレードには裁量が含まれていたので、
「裁量トレード」なんていう言葉は、なかった。

今は、「システムトレード」の対比語として
使われることが多いね。

「システムトレード」は、
過去の検証データから売買ルールを作り、
一度作ったトレードルールは、原則的には
全く動かさない。

対して「裁量トレード」の方は、
基本的な自分のトレードルールの「形」はあるものの、
その後の売買については、自分の裁量で決める。

市場全体の動向とか、
過去の自分自身の経験とか、
個別銘柄のクセなどを加味して、
総合的に判断をして、売買を重ねていくわけだ。

以上が、「システムトレード」と「裁量トレード」の
簡単な説明になる。



私自身は、裁量トレードもやってきているし、
システムトレードもやってきている。

結果として、どちらでも利益は出せるので、
君がシステムトレードをやるのでも、
裁量トレードをやるのでも、君の自由意志だ。

どちらの方法でも、うまく運用すれば
君の満足のいくパフォーマンスをたたき出すことが
できるだろう。

ただ、

どちらの方法を採用するにしても、
必ず守らなければならないことがある。

今回は、この
「守らなければならないこと」
だけを覚えてくれればOKだ。


守らなければならないこと。

それは、

「自分に不利だからと言う理由だけで、
 トレードルールを捻じ曲げてはいけない」


ということ。


システムトレードの場合は、
完全に決まったエントリー条件と
取引終了条件がある。

裁量トレードにしても、
「この形の場合は、エントリーしよう」
とか
「この形が○○になったら決済しよう」
というルールがある。

その条件、ルールを
「自分に不利だから」
という理由で、そのつど変えてはいけない。

特に裁量トレードの方でやりがちなのは、
「損失が思ったより大きくなったから、
 しばらく様子を見て、待っていよう」
といったこと。

どのトレードでも、
「自分の利益/損失」
という理由だけを、判断基準にしてはいけない。

裁量をするのは、あくまで
「トータルで」利益を最大化するためで、
個々のトレードに固執するのは、得策ではない。


システムトレードも裁量トレードも、
ルールの調整をしたりすることは
たくさんあるだろう。

ただ、
エントリーした後、含み損になったからという理由で
ルール変更をするのは、よくない。

ルール変更や調整は、
エントリー前に行うのが原則。

もしエントリー後にルール変更する場合でも、
ルール変更理由は、
「市場全体の流れを考慮したうえで」
とか
「さらに良い方法を発見したので」
という場合に限ったほうがいい。

「含み損だから、含み損になった銘柄だけ様子見しよう」
「含み損だから、ナンピンしてみよう」
なんていう行為は、君のトレーダー生命を
短くするだけなので、やめておいたほうがいい。


もし、どうしても
「含み損だから、様子見したい」
という衝動に駆られたら、

一度、今もっているポジションを損切りして、
その直後にエントリーしなおすといい。

1ティック程度は変わるかもしれないが、
ずっと保有しているのと、ほぼ変わらない損益で
保有できるだろう。

「エントリーし直し」をした後
株価が順行すれば、損失は補填されていくし、
君のポジションと逆行し続ければ
損失が加算されていく。

どちらにしても、ずっと保有していたのと
条件は変わらない。

条件は変わらないが、ただ、
頭の冷静さはまったく違ったものになる。

含み損を1回切っているので、
感情的な整理が出来てしまうわけだ。

なので、
「なんで、ここで買ったのか?」
「なんで、ここに固執してたんだろう?」
ということが、冷静に判断できるようになる。

どうしても、というこだわりがあったときは、
試してみるといいだろう。

(ま、「それが出来れば苦労しない」という
 君の声も聞こえてきそうだが(笑))



今回は、「システムトレード」と
「裁量トレード」の大まかな違い、
それと、両方のトレードに共通する
最大の注意点の話をした。

過去の株価データ検証による
ルール構築を柱とするシステムトレード。

「形」だけを決めて、後は総合的な判断で
利益を重ねていこうとする裁量トレード。

どちらでも利益は出せる。

ただし、どちらのトレードを採用するにしても、

「自分に不利だからと言う理由だけで、
 トレードルールを捻じ曲げてはいけない」


という、“鉄のおきて”は守ったほうがいい。
という話だね。


次回からは、
「システムトレード」と「裁量トレード」を、
さらに詳しい視点で 紐解いていこう。

この手紙が、君のトレードルール構築の
糧になることを願って。


今回も手紙を読んでくれて、本当にありがとう。
ではまた手紙を書きます。


空也

 

〔体〕 システム vs 裁量 ~その2

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

前回は、「システムトレード」と
「裁量トレード」の概要と、
両方に共通する注意点を説明したね。


過去の詳細な検証に基づいて
銘柄、エントリーポイント、決済ポイントを決めて
売買をするシステムトレード。

自分の、ある程度の「形」を決めた後、
ひとつひとつの売買に関しては状況などを鑑みて
売買をする裁量トレード。

そのどちらでも利益を出すことが可能だが、両方とも
「自分に不利だからと言う理由だけで、
 トレードルールを捻じ曲げてはいけない」
というポイントだけは、守らなければいけない。
という話だったね。

その場限りの不利/有利ということで
トレードルールを捻じ曲げるのではなく、

トータルで利益を出すためにどうすればいいのか?
ということを考えなければ、
継続して利益を出すことは出来ない。

気をつけて進めていきたいものだよね。


今回は、前回の概要の話を受けて、
システムトレードと裁量トレードの
それぞれのメリット、デメリットを見ていこう。

ちょうど、システムトレードのメリットが
裁量トレードのデメリットに。
そして裁量トレードのメリットが
システムトレードのデメリットになっている。
表裏一体の形だね。

君がシステムトレードを中心にトレードしていくのか?
それとも裁量トレードを中心にトレードしていくのか?

今回の手紙も参考にしてもらえると嬉しいね。
では、はじめていこう。



さて。

まず、システムトレードから話していくことにしよう。

システムトレードは、良くも悪くも
「ルールが厳然と決まっている」
ということが最大の特徴だ。

検証作業をしている間は、
さまざまなパラメータをいじって
「ああでもない」
「こうでもない」
と、期待値をプラスにするために苦労する。

しかし、一回自分のトレードルールが出来てしまえば、
運用が想定の範囲内であるかぎり、
日々の運用は非常に楽なものになる。

定められた特定の方法で参加する銘柄を抽出し、
定められた特定のタイミングでエントリーし、
定められた特定のタイミングで決済をする。

あとは日々の繰り返しが、
君に利益を運んできてくれる、というわけだ。
(もちろん、期待値がプラスのルールを
 作っていることが大前提だが)

「お金は仕組み化の対価」
という話を以前にしていたが、システムトレードは、
非常に分かりやすい
「仕組み化の結果もたらされるお金」
といえるだろう。

株式市場という世界にマッチした
仕組みを構築することによって、
君は市場からお金を受け取ることができる。

君が構築した、トレードルールという仕組みが
洗練されていればいるほど、
より確実に、より低リスクに、より多くの
お金を受け取ることができる。
というわけだ。

さらに、
「ルールが厳然と決まっている」ため、
裁量トレードに比べると、

「本当は損きりするタイミングだけど、
 損切りしないで様子見しよう」
とか

「もうちょっと持っていれば、
 もっと利益が伸びるかも・・・」
と言った“誘惑”を振り切りやすい、
というメリットもある。

もちろん、最終的には個人の「心」によって
ルールが守れるかどうかは決まるんだけれど、
裁量トレードに比べれば、比較的
ルールは守りやすいはずだ。


・日々の運用が楽
・誘惑を振り切りやすい

というのが、システムトレードのメリットといえる。
両方のメリットとも
「ルールが厳然と決まっている」
ために、受け取ることの出来るメリットだ。


そして、
この「ルールが厳然と決まっている」ということが
裏目に出てしまう側面もある。

例えば、システムトレードのルール構築の際に
「前日の売買代金が5億円以上」
という条件を設定していたとする。

この条件を設定した以上、
たとえどんなに他の条件がベストマッチしていたとしても、
売買代金が5億円なければ、
エントリー候補からは外れてしまう。

たとえ、売買代金が4億9999万9999円でも、
売買代金がゼロ円でも、同じように候補からは除外してしまう。

人間の目から見たら
「このケースは、他の条件が充分満たされているんだから
 エントリーしてもいいだろう」
ということが明らかでも、
システムは冷酷にエントリー候補から切り捨ててしまう。


逆に、

どんな外部要因があっても、
システムに組み込まれていないものは無視して
エントリー候補を挙げてきてしまう。

決算発表が悪かろうが、
市場全体が大暴落をしていようが、
世界大戦が始まろうが、

条件にマッチしさえすれば
「買い」のシグナルを出してしまう。

柔軟性というものは、まったくないわけだよね。


さらに、エントリー途中でも
「ルールが厳然と決まっている」
のは変わりがない。

だから、
エントリー途中に好業績発表があっても決済するし、
強制捜査が入った会社の銘柄も、持ち続けるかもしれない。

「今回は、予想していなかったニュースが出たな。
 一度撤退しよう」
と言ったことは、システムトレード自体では判断がない。


・あらかじめ設定した条件を寸分たがわず守って
 銘柄を抽出する。
 たとえ他の条件が極めて良かったとしても。
・エントリー途中の突発的な出来事に
 柔軟に対応するということは、ない。

というのが、システムトレードのデメリットだろう。

「ルールが厳然と決まっている」ということが、
裏目に出てしまうということだよね。



そして、裁量トレードのメリット/デメリットは
システムトレードのメリット/デメリットと
表裏一体の関係にある。

裁量トレードは
「自己判断で柔軟に運用する」
というのが特徴だ。

なので、日々、つねに判断をしなければならない。
そのため、運用は複雑になりやすい。

そして、自己裁量を入れるということは、
毎回毎回のトレードで、自分の欲望とまっすぐに
向き合わなければいけないということにも直結する。

「もうちょっと持っていたい」
「早く決済してしまいたい」
「売りたい、買いたい」
という心の誘惑を昇華して、
淡々とトレードしなければならないわけだ。


・日々の運用は、困難
・誘惑と戦い続けなければならない

というのが、裁量トレードのデメリット。


しかし、
チャートの全体的な形から
「このケースならば、エントリーしたほうがいいだろう」
という判断も出来るし、

「○○というニュースが出たから、
 エントリーしよう/エントリーをやめておこう」
という、柔軟な対応も出来る。


そして、
「このケースならば、もう少し保有しておこう」
「いつもは○○だけれど、これは△△ということだろうから、
 損切りしておこう」
という、エントリー中の対応も、
柔軟に行うことができるわけだ。

・ある程度の「形」さえ守っていれば、
 総合的な判断でエントリー候補を選べる。
・エントリー途中の突発的な出来事に
 柔軟に対応できる。

という魅力的なメリットを持っているのが
裁量トレードの特徴だ。



システムトレードの
「ルールが厳然と決まっている」
という特徴。

そして裁量トレードの
「自己判断で柔軟に運用する」
という特徴。

両方が表裏一体の形になっているということが分かるだろう。

どちらが、より優れた方法である、
ということは、一概には言えない。

人による向き、不向きもあるし、
どちらでも継続した利益を出すことは可能だ。

なので、
まずは両方の特徴を理解して、
君のスタイルを決めていくといいだろう。


今回のレッスンは、ここまで。

今回は、システムトレードと裁量トレードの
メリット/デメリットを一緒に見てきた。


システムトレードは

・日々の運用が楽
・誘惑を振り切りやすい
というメリットを持ち、

・あらかじめ設定した条件を寸分たがわず守って
 銘柄を抽出する。
 たとえ他の条件が極めて良かったとしても。
・エントリー途中の突発的な出来事に
 柔軟に対応するということは、ない。

というデメリットを持っている。


裁量トレードは、

・日々の運用は、困難
・誘惑と戦い続けなければならない
というデメリットを持っている分、

・ある程度の「形」さえ守っていれば、
 総合的な判断でエントリー候補を選べる。
・エントリー途中の突発的な出来事に
 柔軟に対応できる。
というメリットがある。


ふたつの方法、それぞれのメリットとデメリットを
理解したうえで、自分のスタイルを作っていけばいいだろう。


次回は、システムトレードと裁量トレードについての
私の個人的な意見なども紹介しながら、
もう少し突っ込んだ話をしていこうと思っている。


今回も手紙を読んでくれて、本当にありがとう。

ではまた、手紙を書きます。


空也

 

〔体〕 システム vs 裁量 ~その3

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

前回、前々回と、
システムトレードと裁量トレードの違いを
説明してきているね。

君のインスピレーションには、なっているかな?

システムトレードを主軸においても、
裁量トレードを主軸にしても、
どちらでも利益を出すことは出来る。

もちろん、継続した利益を出すためには
それなりの努力が必要になるだろうけれど、

前回のメリット/デメリットなどを考慮して、
君が魅力を感じる方を主軸にすればいいだろう。


さて今回は、システムトレードと裁量トレードの特徴を
もう少しだけ見て言った後、最後に私が考えている
システムトレードと裁量トレードの今後について
ちょっと話そうと思う。

君がどのようなトレードスタイルを確立するかの
手助けにしてもらえれば、幸いだ。

では、さっそくはじめていこう。



「ぶっちゃけ、システムトレードと
 裁量トレードって、どっちが儲かるんですか?」
と、以前トレード初級者の人に聞かれたことがある。

その時に私が返答したのが、
「個人で寿司屋さんをやっている職人オーナーと、
 回転寿司屋さんのオーナーだったら、
 どっちが儲かると思う?」
という、質問返しだった。


個人の寿司職人さんは、自分の腕ひとつで
お店を切り盛りしている人だ。

仕入れたネタや、季節、天候などで酢飯の調整をしたり、
来てくれるお客さんによって、握るネタなんかも
調整したりもするだろう。

職人さんの裁量にお客さんがつき、
腕一本でお店を繁盛店にも、不人気店にもする。


一方、回転寿司は、個人店に比べれば
お客さん一人ひとりの細かいニーズなどは考慮しない。

握りなどは、機械で握るところもあるだろうし、
接客にもマニュアルがある。

チェーン系の回転寿司屋さんならば、
本部が今までの成功/失敗を検証した上で
最適であると思われるシステムを構築している。


個人の寿司屋さんと、回転寿司屋さんの
どちらが素晴らしいか?
などという議論を、ここでするつもりはない。

純粋に、「どちらが儲かるか?」
という話をするのであれば、君はどっちだと思う?

答えは当たり前だけれど、
「その店による」。
だよね。


名人といわれる職人さんが、銀座の有名店で握る
寿司屋さんもあるし、
お客さんが一人も来ないといった
個人寿司屋さんもあるだろう。

もちろん、回転寿司屋でも、
人気店/不人気店というものがある。

どちらの形態の寿司屋が儲かるか?
なんてことは、一概には言えるわけがない。


そして、それはトレードでも同じこと。

名人級の腕を持つ裁量トレーダーは
そこらのシステムトレードでは足元にも及ばない
すさまじいパフォーマンスを叩き出す。

優れた売買システムは、
「そこそこの裁量トレーダー」程度の腕では
及びもつかない利益を生み出す。

そしてもちろん、
マイナスを出し続ける裁量トレーダーもいるし、
いくらやっても儲からない売買システムも、たくさんある。

なので、トレードにおいても、
システムトレードと裁量トレード、
どちらの形態が儲かるのか?
ということは、一概には言えないということなのだ。



ここまでは、何の私見も含まない事実だ。

でも今までの話だけでは、
「じゃあ、結局どうなんですか?」

という気持ちになるだろうから、
ここから、やや私の見方や意見も含んだ上で
システムトレードと裁量トレードを見ていこう。

さて。

寿司屋と同じように、
トレードもトレーダーやシステム次第で
儲けられる金額が変わるということを説明してきたけど、

その上で、あえて
どちらが儲けられる可能性があるかということを
考えてみよう。


これは私見だけれど、現時点ではおそらく、
ある一定期間で儲けられる限界値は、
裁量トレーダーの方が上だろう。

回転寿司屋一店が、銀座の一流店を(おそらく)
追い越すことはできないように、

どれほど素晴らしいシステムを構築しても、
その時々で最良の判断をし続けた裁量トレードには
かなわないと思う。

これは私だけの意見というわけでもなく、
多くのシステムトレーダーが、
書籍やインタビューの中で
「天才的な才能のある裁量トレーダーには、
 私は勝つことが出来ません」
とも語っている。

さらに、トレード界の歴史に名を連ねる
伝説のトレーダーたちも、今のところは
裁量トレーダーがほとんどだ。

なので、もし君が最高のパフォーマンスという
記録に挑戦したいのであれば、
裁量トレーダーの道を進むという選択肢もいいだろう。


ただ、もうひとつの事実としては、
裁量トレーダーとして活躍できる期間は
一般的にはシステムトレーダーよりは
短いとされている。という点だ。

裁量トレーダーに求められる
集中力、精神力、状況判断能力、反射神経などは、
おそらくプロのアスリート並みのもの。

なので、どうしても最高のパフォーマンスを
出せるのは、身体的・精神的能力が最高潮の時に
限られてしまうというのが、一般的だ。

さらに、裁量トレードの場合、
個人の能力に負うところが大きいので、
トレーダーの休みが、無収入に直結している場合が多い。

「自分の代わりに、だれかにトレードしてもらう」
ということは、裁量トレードの場合 不可能に近い。


その点では、システムトレードの方に軍配があがる。

集中力、精神力、状況判断能力、反射神経などは
裁量トレーダーよりは低くてもパフォーマンスは出せる。

また、システムさえ稼動していればいいので、
自分がトレードできない状況になったとしても、
他の人に頼むという選択肢も選びやすい。

個人の寿司職人は、自分が店に立っていなければ
収入はなくなるのに対して、
回転寿司屋は、アルバイトでも寿司を作ることができる、
といった違いと同じかもしれないね。

なので、
長期間でのパフォーマンスや、
状況によるパフォーマンスの安定度は
システムトレードの方がいいかもしれない。



私自身は、しばらくは裁量トレードで利益を出してきたが、
ある時を境にシステムトレードに転向した。

理由は、これから年齢を重ねていった時に
自分の裁量をハイレベルに保っていられるかが
不明瞭だったということと、
今まで言ってきたようなパフォーマンスの安定度のためだ。

あと、
これから5年後、10年後を考えた時、
私の裁量のレベルアップよりも
システムトレード検証ソフトのレベルアップの方が
早いだろう。という予測もある。

技術の進歩は、すさまじい。
人間のチェス名人に、コンピューターが
勝つようにもなってきている。

健康体の最速短距離ランナーよりも、
パラリンピックに出ている、脚に障害を持った人のほうが
今は速い記録を出している。

トレードだけが、いつまでも
人間だけの方が上位だと考えてばかりもいられない。

だから、現時点では裁量トレードをした方が
儲かるかもしれないけれど、私はシステムトレーダーに
転向をしたというわけだ。


ただ、君がどちらを選ぶかは、
もちろん君しだいだ。

これからの手紙でも、
裁量トレードの話もするし、
システムトレード寄りの話もする。

君自身にフィットするトレードスタイルを
見つけられるように、応援していくよ。


今回も手紙を読んでくれて、本当にありがとう。
いつも感謝しているよ。

ではまた手紙を書きます。



空也


 

〔体〕 日経平均とダイエットの関係

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

日経平均が一万円を超すか、超さないか、
微妙なラインになってきたね。

ネットの中でも、ニュースでも
「今後の日経平均は、どうなる?」
みたいな話題が、今も昔も
同じように繰り返されているよね。

そこで今回は、あらためて
「日経平均って、なんなの?」
ということを、一緒に考えてみようと思う。

かなり基礎的な知識ではあるけれど、
その分、なんの疑いも持ってないまま
なんとなく把握していることもあるかもしれない。

ちょっと詳しく見ていってみよう。



さて。

まずは、日経平均という言葉を調べてみると、

「東京証券取引所第一部に上場する銘柄のうち、
 225銘柄の株価平均を修正した金額」
と出てくる。

東証一部銘柄の中でも、特に取引の活発な
流動性の高い225銘柄を選び出して、
指数にしているということだ。

そして、

日経平均株価というのは、
これ以上の意味も、
これ以下の意味もない。

ということを、まずは理解しておくといいだろう。


そもそも、市場全体では4,000以上ある
上場銘柄のうち、225銘柄だけで
全体を推し量ろうとするのに、はじめから
かなり無理がある。

また、この225銘柄というのも、
いち民間組織である、日本経済新聞社が、
「まぁ、この企業の株が活発だろう」
という理由で選んでいるものだ。

「みんなが選んだ大企業」でもなく、
「お国が選んだ225企業」というわけでもない。
日本経済新聞社という組織が選んでいるにすぎない。

さらに、
ほぼ毎年 この225銘柄のうちの
いくつかが「入れ替え」させられる。

「活発」ではなくなってきた企業が除外され、
そのかわりに「活発」になった企業が
225銘柄に組み込まれる。

また、特定の業界だけが225銘柄に入りすぎると
偏りが出るという理由から、
どんなに活発に活動している企業でも、
「業界枠」のために225銘柄に採用されない
というケースもある。


まとめると。

4000銘柄以上ある中から225銘柄だけを、
いち民間組織が選んでいて、
ほぼ毎年入れ替えが行われ、
業界枠のために活発な企業が含まれないこともある。

という指標なんだね。

入れ替えが行われるわけだから、
純粋な連続性というものは、ない。

平均している銘柄がそもそも違うんだから、
10年前の日経平均と、今の日経平均を
単純に比べても全く意味が無い。

かといって、
その時々の活発な企業の、上から225銘柄を
選んでいる、というわけでもないので、
「その時点での日本の最大パフォーマンス」
を表しているわけでもない。

言ってしまえば、とても中途半端な指数だと
言うことが分かるだろう。

そんな日経平均だけをみて、
「今日は上がった」
「今日は下がった」
「これからの日経平均はどうなる?」
なんていうのは、何か不思議な気がするんだけれど、
君はどう感じるかな?


私が思うに、日経平均は
人間で言うところの「体重」みたいなもの
なんじゃないかな?と思う。

たとえば、健康をはかるときには、
体重以外にも、体脂肪率とか、血圧とか、
血糖値とか、心拍数とか、
いろいろなものがあるよね。

他にも、いわゆる「ナイスバディ」を決めるのは、
筋肉のつき方とか、スリーサイズのバランスとか、
手足の長さとか、さまざまな要素がからんで
「素敵な身体」が決まるよね?

なのに、
「とにかく体重」
「今日の体重は上がった」
「今日の体重は下がった」
「3ヵ月後の体重は、どうなる?」
なんて言っている人がいたら、
ちょっと滑稽だと思わない?

体重は、引力が引っ張ってる体の重さ。
それ以上の意味も、
それ以下の意味もない。

なのに体重だけに執着して、
結局体調を崩してしまうのはナンセンス。

そして、日経平均だけを見て、
結局 利益を出せないのも、同じように
ナンセンスだと思うんだよね。

特に、自分の体重ならば
自分でなんとかコントロールできる部分もあるけれど、
日経平均は、自分では全くコントロールできない。

今後の日経平均の予想をするという行為は、
「きまぐれなネコの3ヵ月後の体重を予想」するより
意味のない行為だ。

なので、
日経平均の今後の動向なんかを考えるよりは、
自分のトレードルールに磨きをかけることに
力を注いだほうがいい。

日経平均だけにとらわれていても、
君の利益には、直接結びつかないだろうからね。


では最後に、
じゃあ、どうやって日経平均を見ればいいのか?
日経平均と、どう付き合えば
利益につながりやすいのか?
という話を軽く話して、今回のレッスンは終了にしよう。

日経平均は、単なる指標。
それ以上でも、それ以下でもない。

ただ、大切なのは、
「日経平均に注目している市場参加者がたくさんいる」
という点だ。

「日経平均が上がったから買おう」
「日経平均が下がったから買おう」
「日経平均が上がったから売ろう」
「日経平均が下がったから売ろう」

さまざまな人がいる。

君は、日経平均が上がったからとか、
下がったからとかで動くのではなく、

「今日の日経平均の動きを見て、
 他の市場参加者の心理は、どう動くだろう?」
ということを考えてみるのは、どうだろう?

日経平均が上がったから、買おう。
ではなく、

日経平均が上がったから、買おうとする人は
どれくらいいるだろうか?
と考える。

ほんの些細な考え方の違いだが、
どちらが、より冷静な判断ができると思う?
どちらが、より一枚上の売買ができると思う?


ある特定の情報を見たときに、
情報を見て動くのではなく、
「情報を見た人は、どう動くか?」
を考えてみる。

その繰り返しが、
君の「心」を、
君の「技」を、
君の「体」を、
より洗練させていくと思うよ。


今回も、手紙を最後まで読んでくれてありがとう。
いつも感謝しているよ。

ではまた手紙を書きます。



空也

 

〔体〕 日経平均、それぞれの思惑

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

ちょうど前回、日経平均の話をしたら、
日経平均終値が1万円を突破したね。

前回も話したとおり、
日経平均は東証一部銘柄の中でも
特に取引が活発だと思われる225銘柄を選んで
株価を修正平均したもの。

それ以上の意味も、それ以下の意味もない。

ETFや先物を売買している場合は
1万円という節目も多少の意味はあるかもしれない。

あるかもしれないけれど、いずれにしても
あまり1万円突破ということに捉われることなく、
淡々と売買するのがいいだろう。


これからの日経平均や、日本の株式市場が
上向くのか、下落傾向になるのかは
誰にも分からない。

これから日本の株式市場が上昇に向かうのならば、
日経平均1万円なんていうのは単なる通過点に過ぎない。

もし上昇すれば、ニュースには
「世界の株式市場の株価回復に比べ
出遅れ感のあった日本株が再評価された」
と書かれるだろう。

そしてもし、また下落傾向になるのであれば、
「1万円という心理的節目を試したものの、
 依然として続く円高を嫌気して、全面安となった」
なんていう記事が、紙面に踊るだけの話だ。


市場を動かす要因は、いつもセットで発生する。

どんな好景気の時にもネガティブ要因はあるし、
どんな暴落時でもポジティブ要因を探すことができる。
ポジティブ要因とネガティブ要因は、いつもセットだ。

ポジティブなニュースだけなんていう時は、
君がトレードをしている一生の間に、
今後も一度も来ない。

逆に、ネガティブなニュースだけの時も、
今も、昔も、これからも、一生来ない。

もし、ポジティブなニュースだけの時がきたら、
誰も株を売らなくなるだろうから、
株式市場初の「一日に1株も出来高がない日」に
なっちゃうかもしれないね(笑)。

相場は常に、読みにくい・見通しがつかないもので、
「読みやすい相場」なんてものは
一生来ないと思っておいたほうがいいだろう。

ポジティブとネガティブのニュース、要因が
セットになって発生するからこそ、株価は動く。

そして、株価が動くからこそ、
君も私も、トレードで利益を出すチャンスがある
というわけだよね。

なので、
ポジティブなニュースにも、
ネガティブなニュースにも、
「だから株価が動いてくれるんだ」
と、感謝できる自分でありたいね。
(ま、なかなか難しいけれどね)



さて、
今回は、日経平均1万円になったのをふまえて、
あえて様々な立場から見てみようと思う。

市場には、様々なスタンスを持った人が、
それぞれのフィルター、色眼鏡を通して
市場に参加している。

君は君のトレードルールを守り、
君のスタンスを保っていればいい。

ただ、
他の市場参加者が、
どのように市場を捉えるのかを理解したうえで
自分のスタンスを保つのも、意味のあることだろう。

他の市場参加者が見えれば見えるほど、
君自身のスタンスも、より明確になってくるはずだからね。

では、さっそく見ていこう。



市場には、様々なスタンスの人がいる。

「日経平均1万円突破」
というニュースを聞いても、
自分のポジションを見直さない人たちもたくさんいる。

その、ポジションを見直さない人たちの中でも
最も分かりやすいのが、長期投資家の人たちだろう。

長期投資家は、基本的には
綿密な企業調査をおこなった後、
「この企業は、今後の成長がある」
とか、
「この企業は、本来の価値より割安だ」
と言った理由から、株を買う。

なので、
長期投資家が株を手放す理由は、

「企業の成長がひと段落したとき」
「株価が、本来の価値まで買われたとき」

あるいは、
「想定していた成長シナリオが崩れたとき」
「企業価値を見直さなければならなくなったとき」

ということになる。

つまり、長期投資家が自分のポジションを見直すのは、
あくまで企業ベースの発表があったとき。

それも、決算発表や企業の将来を左右するような
ニュースが出たときだ。

なので、長期投資家にとって
「日経平均が1万円突破!」
なんていう情報は、
「となり町の、会った事もない田中さんの給料がアップ!」
っていうくらい、
「あー、そう」
という、関係のない情報だといえる。

もちろん、テクニカルな要素も踏まえて投資している
長期投資家は別だけれど、
基本的な長期投資家のスタンスは、
日経平均がどうなろうと変わらない。

長期投資家のスタンスは、以上のような形だ。


他には、どんな人がいるだろう?

ファンドを運用するファンドマネージャーは、
日経平均が1万円を突破したのをきっかけに
活発に売買指示を出す人も現れるかもしれない。

特に、日経平均を基軸(ベンチマーク)として
日経平均以上のパフォーマンスを出すことを
期待されている、アクティブファンドの
マネージャーは、積極的に買いに動くかもしれない。

ただ、買い一辺倒というわけでもなく、
ファンドの銘柄の組み換えなども行うだろうから、
全ての銘柄が上昇するとは限らないよね。


ほか、
順張りのルールを持っているトレーダーは、
どう動くだろうか?

日経平均が1万円を突破し、
結果としてブレイクアウトする銘柄も増えるだろう。

そして、ブレイクアウトする銘柄が増えたから
結果として自分のルールに当てはまる銘柄が増える。

その分、エントリーも増えるかもしれないね。


逆張りのルールを持っているトレーダーは
どう動くだろう?

日経平均につられて、騰がりすぎた銘柄が
ひと段落するのを待って、空売りを仕掛ける準備に
入るかもしれない。

株価に勢いがついた後には、株価を調整するかのように
下落する時期があることを、逆張り派のトレーダーは知っている。

空売りのタイミングを、虎視眈々と狙い始めるかもしれない。



今まで紹介してきたような人たちが、
様々な思惑の中で株価を形成させてゆく。

しかし、

人数的に圧倒的多数を占めるのは
これから紹介するような、いわゆる
アマチュアの個人投資家たちだ。

トレードに対する土台が希薄で、
トレードルールもなく、
マネーマネジメントの概念もなく、
メンタルも鍛えられていない人たち。

そのようなアマチュア個人たちは、
なんの装備もないまま、いわゆるプロたちと
同じ土俵に立たなければならない。

プロたちは、
トレードルール、ファンド方針といった武器を持ち、
マネーマネジメントという鎧を身にまとい、
知識や経験に裏づけされたメンタルを持っている。

そんなプロたちを相手に、
アマチュア個人たちは、
素手で挑まなければならないというわけだ。


アマチュア個人たちは、どのように考え、
そして動くかというと、

まず、「日経平均1万円突破」というニュースを聞いて、
「そろそろか」
「いや、まだだろう」という
疑念を持つ。

その後、
「でも、もしこのまま株価に勢いがついたら
 置いていかれるのは、いやだ」という、
強迫観念にかられる。

そして、マネーマネジメントもなく、
勢いで資金を投入して買いを入れる。

うまく上昇に乗れば
「やっぱり思ったとおり!」と
有頂天になり、投入資金を増やす。
もしくは、小額の利益で決済する。

下がれば、
恐怖に全身が襲われて、動けなくなる。

「日経平均が1万円突破」という理由で買ったのなら、
日経平均が1万円を割った時が決済のタイミング、
というシンプルな理屈も、わからなくなってしまう。

下落傾向になっても、
「いや、一時的な押しだろう」と、
曲解して塩漬けにする。

騰がったときに資金増加、小利決済。
下がったときに塩漬け。
というルールで、期待値プラスに持っていくのは、
非常に難しい。

難しいので、結果としてアマチュア個人たちは
プロたちに大切な資金を
持って行かれてしまうということになる。


アマチュア個人たちは、
自分の中に軸となる「心・技・体」がない。

なので、よりどころにするのは自分の中の
疑念・強迫観念・勢い・有頂天・恐怖・曲解という
感情になってしまう。

感情を軸に行動をせざるを得ないアマチュア個人が
プロと対等に渡り合うためには、

感情という軸を捨てて、
少なくともプロと同様の「心・技・体」を
育てる努力をする必要があるだろう。



今回は、日経平均が1万円を突破したのを踏まえて、
いくつかの市場参加者の視点を見てみた。

プロたちは、自分たちの軸を持っていて、
軸が示すとおりの行動をとり、利益を目指す。

アマチュア個人たちは、自分の軸を持っていないので
しかたなく感情で売買をする。

感情ももちろん大切だが、
株式市場での判断は、感情以外の
軸を持っておいたほうがいいだろう。

君は、勘定を軸にした自分の売買をやめて、
私の手紙を読んでくれている。

私は君の気持ちにこたえるためにも、
これからも、君の軸を完成させるための話をしていくよ。
一緒にがんばっていきたいね。


今回も手紙を読んでくれて、ありがとう。
ではまた手紙を書きます。


空也

 

〔体〕 空売りは、世のため人のため?

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

毎回、けっこうな分量の手紙を読むことは
大変なことだと思う。

特に、初めて触れる知識だったり、
初めて考えてみる思考回路を試すことは
人が想像するよりも、すごい労力を要するよね。

そんな中、
君が、君の時間と、君の労力をかけて
手紙を読んでいることに、とても感謝しているよ。

君がかけた時間と、労力以上の学びができるように
こちらも張り切って手紙を書いていくことにするよ。


さて今回から何回かに分けて、
「空売り」について説明をしていきたいと思う。

君が空売りに対して、
どのような考え方を持っているか、
どれくらいの深い知識があるのか、
現時点では分からない。

なので、まずは復習の意味もかねて、
基本的な話からはじめて、
ちょっとずつ深めの話をして行こう。

一見簡単で、すでに習得済みだと思っている知識も、
他の人の説明を聞くと、あらためて
「ああ、なるほど」
と、より深く知ることもあるよね。

そして、より深く知れば知るほど、
本質を見失うことなく応用ができるようになる。

結果として、君がトレードで損をしにくくなり、
利益が出しやすくなる、というわけだ。

では、さっそくはじめていこう。



まずは、空売りというものがどんなものなのかを、
あらためて考えてみよう。

なんで、株価が安くなると儲かるのか?
当たり前の話すぎて、考えてみたことも
ないかもしれない。

でも、まずは理屈、仕組みを分かっていないと、
自分の中で応用するときに迷ってしまう。

「お金は、仕組み化の対価」
という話を、今までに何回もしているけれど、

仕組みを正確にわかっていないと、
仕組みを洗練させることもできないから、
お金を生み出すことも難しくなってしまう。

仕組みを、しっかり腹に落とすことは、
後々の利益につながる。

なので、
「空売り」という仕組みをしっかりと理解するために、
日常生活にあてはめて考えてみるとしよう。


さて、

例えば私が1本のボールペンを持っていたとする。
文房具屋でもコンビニでも売っているような、
何の変哲もない、飾り気のないボールペンだ。

ある時、私が君にそのボールペンを貸したとしよう。

君は、私からボールペンを借り、
そのまま持っていたとする。

すると、別の誰かが君に向かって
「君!そのボールペンを譲ってくれないか!?
 今、どうしてもボールペンが必要なんだ!」
と、お願いをしてきた。

君は、相手の必死の形相にびっくりしながらも、
「そんなに欲しいのなら、ゆずります」
と言ったとしよう。

相手は喜び、
「ありがとう。ではお礼に」
と言って、1万円を置いて、去っていってしまった。

なんの変哲もないボールペンに1万円!
と驚いているのもつかの間、君は
相手が持っていってしまったボールペンは、
私から借りているものだったと思い出す。

君は私にボールペンを返すために、
コンビニに行って、全く同じボールペンを
買いなおした。

ボールペンの価格は、100円。

君は無事 私にボールペンを返し、
私もボールペンが返ってきたことに満足する。


そして、結果として君の元には

1万円 - 100円 = 9千900円
の現金が残った。ということになる。



今回の例は、かなり極端な例かもしれない。

極端かもしれないが、
今回の例で出てきた「ボールペン」を「株」に置き換えて、
いつでも売れるような仕組みにしたのが「空売り」の全容だ。

株を、ある特定のところから借り受け、
必要としている別の人に売る。

借りたからには、返す必要があるので、
また同じ株を仕入れて、期限内に返す。

そして、

借りて売った株価 > 仕入れた株価
ならば利益が出るし、

借りて売った株価 < 仕入れた株価
ならば損失になる。

シンプルな仕組みだよね。

さらに、ボールペンとかのモノだと
「あれは、安いけれど思い出の品だった」
とか、
「世界にひとつしかないから、他で仕入れられない」
と言った問題がある。

けれど、株はボールペンなどのモノではなく、
「概念」なので、なんの問題もなく売買できるわけだ。

(株は概念という話も、けっこう深い話なので、
 そのうちしたいね)


もちろん、実際の空売りには、
手数料、貸借取引貸株料、逆日歩などなど
他の要素もからんでくる。

とはいえ、空売りの最も根本的な話は、
今説明したもので全部と言っていい。

非常にシンプルな仕組みなので、単に
「高い時に売って、安い時に買い戻せばいいんでしょ」
というだけでなく、仕組みも理解しておくといいだろう。



そして、この仕組みを理解すれば、
空売りに変なフィルターをかけずに売買ができる。

変なフィルターというのは、
トレードをあまりよく思っていない人の中には

「株価が下がることを喜ぶなんて、けしからん!」
とか、
「空売りなんて、人間のクズがやることだ」
とか、あげくの果てには
「やっぱり、お金は汗水流して稼がないといけない」
とか言い出す人がいる。

そんな意見が、トレーダー自身に変なフィルターを
かけてしまうことがある、

私は今まで何回も言われてきているので、
最近 慣れっこになってしまっているが、

トレーダーの中には、
「やっぱり、空売りっていけないことなのかな?」
とか、
「汗水流して稼がないと、ダメなのかな?」
なんて“洗脳”されてしまう人もいる。

トレーダーは、
そんな“洗脳”に騙されちゃいけない。

ちゃんと仕組みを理解していれば、
変な“洗脳”にかかる必要も理由もないからだ。


まずは
「お金は汗水流して稼がないといけない」
というロジックは、以前に話してきた
「お金は何の対価か?」
「お金は、仕組み化の対価である」
という話で、ロジックが破綻する。

「お金は汗水流して稼がないといけない」
なんていう話をふっかけてくる人は、
お金のことを本当に真剣に考えたことのない、
お金に対して失礼な人たちなので、
かるく一蹴してあげていいと思う。


そして、空売りに対して
「株価が下がることを喜ぶなんて、けしからん!」
なんていう人も、仕組みを理解していない
とても残念な人たちなので、わからせてあげるといい。

空売りは、先ほども説明をした通り、
株を借りてきて、必要な人に売る行為。

当たり前だが、買う人がいなければ、空売ることは出来ない。

「買いたい」と言っている人の代わりに
自らリスクをおかして株を借りて、用意してきているのに、
文句を言われる筋合いは、ない。

もし空売りという行為自体が
非難されるべきものなら、世の中の卸業、流通業の
ほとんどが否定されることになってしまう。


特に、株価が上昇している銘柄を空売るという行為は、
私には とても素晴らしい「人助け」にも思えてならない。

みんなが「欲しい欲しい!」と言って
高値を更新している最中に、
自らのリスクをおかして株を借り、
欲しがっている人に売ってあげる。

その後、株価が急落しているときに、
みんなが「助けてくれー」と思っているところで
今度は買いを入れる。多少なりとも買い支えているわけだ。

みんなが欲しがっているときに売り、
みんなが手放したいときに買い支えてあげる。

これを 世のため人のためと捉えないで、
他にどう捉えろと言うんだろうね?(笑)



さて、今回のレッスンは、ここまで。

今回は、空売りの概要を一緒に見てきた。

空売りは、株を借りて、返すためにまた仕入れるという
シンプルな行為を仕組み化したもの。

うまく仕組みを理解して活用すれば、
君の利益にもつながることだろう。


後半部分は、やや毒のある書き方をしたけれど、
君には、どう響いたかな?

次回も、もう少し空売りについて見ていこうと
思っている。

今回も、手紙を丁寧に読んでくれて本当にありがとう。
ではまた、手紙を書きます。


空也

 

管理人より
「お金は仕組み化の対価」については、
こちらから読むことが出来ます。

〔心〕 君にとっての株で儲けることとは?
〔心〕 お金は○○の対価
〔心〕 仕組みとの付き合い方4種類
 

〔体〕 空売りの損失は、無限大?

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

前回は、空売りについての概要と、
空売りということを、どのように理解すればいいのか?
ということを話したね。

「買いたい」、「必要だ」と思っている人がいるから
空売りは成立するのであって、
企業が落ちぶれることを願っているから
空売りをするのではない。
ということを、説明した。

君が、空売りに対して
どのような解釈をするのかは分からない。

分からないけれど、事実を踏まえた上で、
君が何の抵抗もなく空売りという手段、ツールを
使うことができるようになることを願っているよ。


今回は、個人投資家が空売りを嫌がる
もうひとつの理由である
「空売りの損失は、計算上無限大である」
ということを、一緒に考えてみよう。

この話も、よく見ていくとけっこう
個人投資家をバカにした論法なので、
一緒に“洗脳”を解いていくことにしよう。



さて。

まずは、今回の話である
「空売りの損失は、計算上無限大である」
というロジックをぶつけてくる人の意見から
見ていくことにしよう。

例えば、ここに株価100円の銘柄があったとする。

もし、この銘柄に100万円買いを入れるとして、
理論上、最も激しい損失は、いくらになるだろう?

理論上は、現在100円の株価が0円になるのが
最も激しい損失になる。

なので、答えは、買った金額である
「100万円が失われる」のが、
最も激しい損失といえる。

(話を簡単にするため、手数料などは考慮しないことにする)


では、
もし同じ100円の株価の銘柄に
空売りでエントリーしたときは、どうなるのか?

100万円分空売りをした時、
理論上、最も激しい損失は、いくらになるだろう?

答えは「無限大」。

理論上は、100円だった株価が200円に上昇すれば
その時点で100万円の損失。

もし、500円まで株価が上昇すれば、
400万円の損失になり、
さらに、株価が1万円まで上昇すれば、
9千900万円の損失になる。

さらにさらに株価が上昇すれば、損失は無限大ですよー
こわいですよー
という理論展開だ。

100万円という、投資した金額以上の
損失を被る事があるから、空売りは危険ですよー、
というロジックなわけだよね。


たしかに、ロジックとしては正しい。
実際に、投資した金額以上の損失を受けることも
ないとはいえない。

ただ、このロジックは
個人投資家を完全にバカにした前提のもとに展開されている。

前提とは、
「どんなことがあっても、
 空売りしたまま放っておく」
という前提だ。

この前提に、まず無理がある。

そもそも、個人が持っている資金には限りがある。

資金がなくなってくれば、証券会社が追加保証金を要請したり、
該当銘柄の強制決済をしたりする。

損失が無限大になるまで放っておくことなんて、
事実上不可能だ。

さらに、日本の株式市場では、
ストップ高/ストップ安という
一日に動く値幅に制限がある。

ストップ高/ストップ安になっても
なんの考慮もしない個人投資家しかいない、
という前提で、「損失は無限大」という
ロジックをかましているわけだ。

そこまで愚かな投資家、トレーダーばかりじゃないと、
私は思うけれど、どうだろう?

そもそも、“買い”における最大損失である
100%損失も、
「投資した金額すべてがなくなっちゃっただけで済んで
 よかったよかった」
なんてことにはならないと思うんだけれど、
君はどう感じるだろう?



損失の危険という意味においては、
買いも、空売りも変わらない。

むしろ、実践の現場では、
「空売りしていて、急上昇」ということより、
「買っていた銘柄、急下落」ということのほうが多い。

実際の値動きでは、
全銘柄が同時に急上昇!なんていうことは少なく、
全銘柄同時暴落、ということの方が頻繁だ。

ならば、
空売りよりも、買いの方が危険なのではないか?
というロジックも、一方で あっていいはずなのに、
なぜか そのような話をする大手機関は存在しない。

不思議だよね。


空売りをするにしても、
買いでエントリーをするのであっても、
適切なマネーマネジメントは、必須なのはいうまでもない。

「買いよりも空売りのほうが、
 損失が大きくなるから危険ですよ」
というロジックは
「どうせ あなたはマネーマネジメントしないんだから
 危ないですよ」
と言っているのと、同じようなものだ。

たしかに、マネーマネジメントをしない
個人投資家が少なからずいるのは、その通り。

だが、

だからと言って、ちゃんと学ぼうと思っている
市場参加者に、いきなり不安を埋め込むような
話をしていいのか、というと、とても疑問に思うね。



さて、今日のレッスンはここまで。

「空売りの損失は無限大」
というロジックは、単なる机上の空論だ。

損失を無限大にしないためには、
適切なマネーマネジメントをすればいい。

ただ、それだけのことだ。

証券業界は、空売りの危険性を洗脳する前に、
適切なマネーマネジメントを教育すればいいのだが、
そうはしない理由があるんだろうね。

次回も、空売りに関連する話を
もう少し続けていきたいと思う。

毎回、手紙を読んでくれてありがとう。

ではまた、手紙を書きます。


空也

 

〔体〕 空売りさせたくない、証券会社のホンネ?

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

前回は、
「空売りの損失は無限大」
という、よくささやかれるリスクついて、
どのように考えればいいのか?
という話をしたね。

個人トレーダーの持っている資金量による強制決済や、、
ストップ高/ストップ安があるということからも、
無限の損失をこうむることは、事実上不可能だ。

そして、全銘柄が急上昇することよりも、
全銘柄が急下落することのほうが多い。

なのに、
なぜか、
「空売りも、実際の損失は限定的」
「買いより空売りのほうが安全」
という話は、大手機関からは まず出てこない。

証券業界は、空売りの危険性を洗脳する前に、
適切なマネーマネジメントを教育すればいいのにね。
という話をした。

今回は、空売りに関して、
証券業界が考えているであろう事を
一緒に突き止めてみたいと思う。

半分は想像だが、状況証拠からして
まず間違いのない事実を見ていこう。



だいぶ昔の話になるが、
私が空売りというものに興味を持ち、
初めて信用取引口座を開設しようとした時の話。

当時は、私も株に関する知識が薄く、
あまり深い内容ではない株の本を読んだり、
証券会社の営業マンの話を鵜呑みにすること
くらいしか、できなかった時。

世に空売りというものがあるのを知り、
当時 口座を持っていた証券会社の営業マンに、
「空売りという売買方法を試してみたいのですが、
 どうやったら出来るようになるんですか?」
と聞いたことがあった。

その時の証券会社の営業マンの対応を、
私は忘れることはないだろう。

営業マンは、失笑をかみしめながら
「いやぁ、空売りに興味を持つ必要なんてないですよ。
 もし空売りをしたいのなら、保証金として
 最低2,000万円必要ですが、どうですか?
 保証金、ありますか?」
と答えてくれた。


今はだいぶ環境が違うが、
一昔前は、個人の弱小投資家が
空売りに興味を持つことすら“ご法度”な雰囲気があった。

「個人投資家は、株を買っていればいいんだよ」
という、なんとも見下したような
考え方があったように思う。

ま、それは単なる被害妄想かもしれないが、
個人投資家、個人トレーダーの空売りを
歓迎しない風潮は、今でも少なからず残されている。

まず、貸株料の存在。
空売りがそれほどメジャーではなかった時は
貸株料などという存在はなかった。

しかし、個人投資家たちに
空売りという手法がメジャーになりつつあった
2002年の5月から、
「空売りによる市場の混乱を防止するため」
という謎の理由から、空売りのポジションに
金利がつけられるようになった。


さらに規制として、
1回の発注につき50単元までしか注文できない
という制限がつくのも、空売りに対してだけだ。

買いと売りが、全く同等の扱いならば、
50単元までという規制がついていること自体が
不自然なことになるのだが、
なぜか“自然なこと”としてスルーされている。

そして、前回話したような
「空売りは、危険。怖い」という教育。


加えて逆日歩などと言ったルールも
数えていけばきりがないが、

どうやら、証券業界全体としては
空売りは極力避けてもらいたいという
考えを持っている、
という状況証拠には、事欠かないようだね。


状況証拠は揃っている。

では、もしこの
「証券業界は、空売りをしてもらいたくない」
という仮説が正しいのならば、
その理由は何なんだろうか?


おそらく、

証券業界独自の理由というよりは、
それ以外の力学が働いているのであろう。

市場参加者の全員が自由に空売りするようになると、
日経平均をはじめ、様々な経済指標に
“悪”影響が出てくることが懸念される。

また、
各企業との付き合いもあるだろう。

企業との会合の中で、
「おたくの会社の株、
 本日空売りさせてもらいました」
なんてことは、言えるわけもないものね。


「政府や関係省庁、企業とはうまくやっていきたい」
「でも、空売りで儲けられる手数料も魅力だ」

そんなフクザツなオトナの事情から、
「空売りは簡単に出来るようになってきたけれど、
 規制や教育では、空売りをしにくくしていこう」
なんて、考えているかもしれないね。


ま、今回の話は、いちトレーダーである私、
空也の妄想だと思ってくれてもかまわないよ(笑)

証券業界全体がどうかは知らないけれど、
以前は2,000万円も保証金が必要だった空売りが
手軽に出来るようになってきていることも事実だし、

古い証券業界の体質に風穴を開けようと
奮闘している証券会社もある。

どんなに規制を設けたとしても、
大きな流れとしては、個人投資家、トレーダーに
向いている部分もあるからね。


意味不明な規制に関しては、

「昔の常識が、今の非常識。
 今の常識が、未来の非常識」

になることを、一緒に願っていこう。


今回のレッスンは、ここまで。

いつも手紙を読んでくれて、本当にありがとう。
ではまた手紙を書きます。


空也

 

〔体〕 値動きを理解するための、2つの前提

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

しばらく「空売り」をテーマにして
手紙を書いてきたけれど、
君の中で、空売りに対するイメージは
変わったかな?

とにかく、君の中から、空売りに対する
抵抗感や、ネガティブイメージがなくなれば幸いだ。

空売りは、トレーダーにとって
利益を出すためのツールであり、大切な仕組みだ。

空売りという仕組みとうまく付き合うことができれば、
君の利益に多大な貢献をしてくれるはずだ。

君が空売りという仕組みをフラットに観察し、
ポジティブに捉えることを願っているよ。


さてさて。そろそろ、

「空也さん、空売りについての知識は深まりました。
 で。
 どうやったら空売りで儲けることができるんですか?」

という、君の声が聞こえてきそうな気がするよ(笑)
なので、そろそろ実践的な話にも入っていこうか。

今回は空売りで利益を出すためのポイントの
手始めとして、下落時の値動きの特徴を見ていこう。

君も経験的に知っているかもしれないけれど、
上昇のときの値動きと、下落のときの値動きには
特徴的な違いがある。

君が裁量トレーダーであっても、
システムトレーダーであっても、
値動きのポイントを押さえておく事は
何かと役に立つだろう。

では、さっそく見ていくことにしよう。



値動きを空売りに活かすときに
最初に押さえておかなければいけないポイントが
2つある。

ひとつは、
「他の市場参加者は、多くの場合
 “買い”からエントリーする」
という事実。

それともうひとつは人間心理的に
「人間は、得るチャンスを逃すよりも、
 失うことに敏感に反応する」
という傾向だ。

ひとつひとつ見ていこう。


「他の市場参加者は、多くの場合
 “買い”からエントリーする」
という事実は、前回までに見てきたとおり。

「空売りは怖い」
「信用取引は、ハードルが高い」
と思っている個人投資家、トレーダーが
まだまだ多いということが一翼を担っている。

また、莫大な資金を持っている
機関投資家のファンド運用などは、
“買い”が基本になっているということからも、
「エントリーは“買い”から」
ということが多くなっているわけだよね。

なので、値動きを見るときは、まず
「買いでエントリーする人は
 どう考えるか?」
ということを念頭においておくと、
値動きが読みやすくなる。


もうひとつのポイントも見てみよう。
「人間は、得るチャンスを逃すよりも、
 失うことに敏感に反応する」
というポイントだ。

例えば、

君が夜通し仕事をして、
明け方近くに、クタクタになって、
やっと家まで帰ってきたとしよう。

もう心身ともにくたびれ果てて、
一刻も早く眠りたいと思っていた矢先、
一本の電話が鳴る。

君が仕方なく電話に出ると、
明るい口調で相手はしゃべりだす。

「おめでとうございます!
 あなたに車が当たりました!
 いますぐ取りに来ていただければ、
 最新式の車をプレゼントします!」

そんな時、君は疲れきった体に鞭打って
車の権利を受け取りに行くだろうか?

かなりの人が
「今は、そんなことより、
 早く寝かせてくれ」
という反応をしてしまうんじゃないかな?


たとえ話をもう少し続けよう。

君が車プレゼントの電話を切った後、
また 続けざまに電話が鳴り響いた。

今度は何だ?もう寝かせてくれよ、
と、君が不機嫌に電話に出ると、
電話の相手が、ひと言、君に告げた。

「今、あなたの車、盗まれそうになってますよ」。


さて、
君は、どう反応するだろうか?

さっきと同じように
「今は、そんなことより寝かせて」
と思うだろうか?

それとも、
「何!?それは大変!
 急いで車庫まで見に行かなきゃ!!」
と反応するだろうか?


車をプレゼントされるチャンスを逃すのも、
いま自分が持っている車を盗まれるのも、

「自分が乗れる車が、なくなる」
という意味においては、同じだ。

そして、どちらの電話も
嘘か本当かはわからない。

もしかしたら、
車プレゼントの方は本当の話だったのに、
車が盗まれそうになっている話は
嘘かもしれないのだ。

なのに、たいていの人は
車プレゼントを断ることよりも、
自分の車が盗まれることのほうに
痛みを感じ、敏感に反応する。


この反応は、株においても同じだ。

自分が儲かるかもしれないチャンスを逃すことは
大して痛みを感じない。

なのに、人は、
今、自分が持っているポジションの含み益が減ったり、
自分のポジションがマイナスになったりすることを
非常に嫌がる。

もちろん、中には
当てはまらない人もいるかもしれない。

いるかもしれないが、株式市場という
多くの人の心理が混ざり合う現場では、

「人間は、得るチャンスを逃すよりも、
 失うことに敏感に反応する」
という心理が、値動きに如実に現れることが多い。



で。

この
「他の市場参加者は、多くの場合
 “買い”からエントリーする」
という事実と、
「人間は、得るチャンスを逃すよりも、
 失うことに敏感に反応する」
という心理をあわせると、
値動きに、ある一定の特徴というものが見えてくる。


“買い”からエントリーする人の方が多いわけだから、
買い方の心理状態のほうが、より値動きには反映される。

ある時、このままいくと、
株価が上がりそうな銘柄があったとする。

仮に、1,000人の投資家、トレーダーが
「この銘柄は、上がるだろう」
と、ほぼ確信したとする。

しかし、
上がりそうだと思った1,000人が、
そのまますぐに買うか?というと
答えはNOだ。

はじめは、
「でも、実際どうなるかわからないし」
ということで、様子見をする人がほとんどだ。

先ほどの例の、車プレゼントを見逃すのと
同じ心理状態が働いているわけだね。

で、1,000人のうち、目先の利く何人かが株を買う。

何人かが買ったので、若干株価が上がったとしよう。

すると、やっと
「これは本当に上がるかな?」
と、腰を上げる人が出てくる。

逆に、ちょっとぐらいの値上がりでは
「いや、まだまだだろう」
と、重い腰を上げない人もいる。

買い方は、
「買う!」と決断して実際に買う人と、
「もう少し様子を見よう」という人の、
タイミングの差が、けっこうある。

それは、先ほど話したように
「人間は、得るチャンスを逃すよりも、
 失うことに敏感に反応する」
という心理によるところが大きい。

「株価が上がるかもしれない」
という「得るチャンス」を逃すのは、
大した痛みではない。

なので、様子見を続けることが多くなる。


チョロチョロ買う人が現れて、
様子見の人も多くいる。

結果として、株価が上昇するときというのは、
じっくり、じっくり上がっていくケースが多い。

ところが、
下落になると、話は別だ。

今まで順調に上がっていた株価が、
ちょっと大きめに値下がりしたとする。

すると、その株を買っていた人たちは
「自分の含み益が、減ってしまう!」
「含み益が、損失まで落ちてしまう!」
と、あせりだす。

得られるチャンスを逃し続けていた人も、
いざ自分の持っている利益が失われるかもしれないと
思うと、行動は 早い。

さっさと、自分の買いポジションを売っ払ってしまう。

上がるときは、みんなが買うタイミングがずれていたのに、
下がるときは、売られるタイミングが一緒。

結果として、下げは急激なものになることが多い。

「自分の含み益が、減ってしまう!」
「含み益が、損失まで落ちてしまう!」
という集団心理に飲み込まれると、
株価は一気に下がり始めるわけだね。



さて。

「他の市場参加者は、多くの場合
 “買い”からエントリーする」
という事実と、
「人間は、得るチャンスを逃すよりも、
 失うことに敏感に反応する」
という心理。

この2つが複合されると、
「株価は、ゆっくり上昇して、
 急激に下落する」
という現象が起きることになるわけ。

この現象のことを、君は経験則的に知っていたかもしれない。

ただ、あらためて分析してみると、
見えてくるものがあるかもしれないね。

市場参加者が“買い”と“空売り”を
ほとんど同じくらいの頻度と資金量で売買すれば、
暴落という現象は、起こらなくなるだろう。

空売りがもっと普及すれば、
一晩にして多くの富が失われる、
という悲劇は、なくなるかもしれない。
(とはいえ、別の問題も出てくるだろうけれどね)

物事の現象を、自分なりに分析してみるということは、
新しい発見につながるかもしれないね。


長くなりそうなので、今回はひとまずここまで。

次回は、
「株価は、ゆっくり上昇して、
 急激に下落する」
ということを、実際のトレードにどうやって
役立てるかを考えてみよう。

今回も手紙を読んでくれて、本当にありがとう。
ではまた手紙を書きます。


空也

 

〔体〕 トレーダーの宿敵、ドローダウンとは?

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

今までのいろんな話の中で、
継続して利益の出せるトレーダーになるためには、
「心・技・体」が大切だよ、という話を
繰り返しているよね。

自分の思考回路の持ちようである「心」
実践的なテクニックである「技」
土台となる知識やトレード環境である「体」

すべてがバランスよくブレンドされて
はじめて長期間にわたって利益を
出していけるようになる。
という話だったよね。

何回も繰り返しているので
「もう、わかってますって」
と思っているだろうけれど、ぜひ忘れずに
一緒にがんばっていこう。


今回は、トレードルール作りの土台となる
話をしようと思う。
「体」の話だね。

トレードルールを作るときは、どうしても
「勝率」とか、
「トータルでどれだけ儲かるか」
というところだけに目が行きがちだ。

気持ちは分かるんだけれど、
実際にトレードをやっていく中では、
もう少し注意するポイントがある。

それを今回から数回に分けて話していこうと思う。

君が時間をかけて構築したトレードルールが
実践の場で「絵に描いた餅」にならないためにも、
注意するポイントを見ていこう。



さて。

君は「トレードルールが大事」ということを知り、
日々、
「どんなトレードルールなら
 より良いパフォーマンスが出せるかな」
と、トレードルール構築に奮闘していると思う。

「まずは、期待値が高いことが目標」
「売買回数も多く、トータル利益が高いもの」
「できれば、勝率も高いほうがいいな」

なんて感じで、悪戦苦闘しているかもしれないね。

もちろん、君の作り方で問題はない。

ただ、トレードルールと構築する上で、
もうひとつ忘れてはいけない要素がある。

その大きな要素のひとつとして
“ドローダウン”への配慮が挙げられる。

今回は、この“ドローダウン”の話だ。



“ドローダウン”というのは、ある一定の期間中に、
資産金額が目減りした時に使う言葉で、
たとえば、
「この3日間で、総資産の3%のドローダウンが起きた」
とか、
「○月○日から今日までで、*万円のドローダウン」
なんていう風に使う。

以前から言っているように、
トレードでの利益というものは、
トータルで考えるべきもの。

なので、ある特定の期間だけを切り取れば、
必ず資産が目減りしているタイミングも
発生するのは当然だ。


しかし、

あまりにドローダウンの率や金額が大きいと、
トレードの継続や、安定的な利益確保に
支障をきたす。

最も極端な例を、まずは挙げてみよう。

ある人が、とあるトレードルールを構築したとする。
そのルールは、過去の検証上、きわめて素晴らしい
好成績をたたき出していたとしよう。

期待値もよく、年間の利回りが500%以上。
勝率も99%を誇る。
まさに夢のトレードルールだ。

しかし、
このトレードルールには、たったひとつ欠点があった。

それが、
「勝率は99%なのだが、
 もし損失が出る1%にひっかかると、
 ドローダウンは100%」
という欠点。

たとえば、君が100万円を使って、
このトレードルールを運用したとしよう。

毎回99%の確率で、儲けが出る。
年間では、100万円を使って500万円以上の利益になる。

しかし、もし1%の確率で負けトレードになると、
今までの利益と、元金100万円のすべてが吹っ飛ぶ。

そんなトレードルールだ。


こんなトレードルールを開発できたら、
君はこのトレードルールを採用するだろうか?

もし、
「採用する」
というのなら、君はトレーダーではなく、
破滅型ギャンブラーになってしまうことだろう(笑)

ドローダウンという項目を全く考慮しないと、
極端な場合、破産街道まっしぐらになってしまう、
という例だ。
気をつけたいところだよね。


とはいえ、
まぁ、さすがに、今の例は極端すぎだ。

破産まで行かなくても、
ドローダウンを考慮しないと困ることは他にもある。
2つほど、困ることを挙げておこう。

ひとつは、
資産回復にかかる時間と労力。
もうひとつは、メンタル面への影響だ。

ひとつひとつ見ていこう。


「資産回復にかかる時間と労力」
というのは、
「一度ドローダウンをすると、
 それまでに積み上げてきた資産金額まで
 持ち直すのに、時間と労力がかかる」
ということ。

これは、ドローダウンのパーセンテージが
大きければ大きいほど、時間と労力がかかる。

なんとなくは思い描けるだろうけれど、
数字にすると、けっこうインパクトのある話だ。

たとえば、
ドローダウンを10%食らったとする。
100万円の資産が、90万円にまで落ち込んでしまった。

その時、また100万円に戻すのは、
何%の上昇が必要だろうか?

ドローダウンと同じ10%?
残念ながら、そうではない。

90万円から、100万円の資産に戻すためには、

1-(100万円÷90万円)≒11.1%

で、11.1%の資産上昇が必要だ。

20%のドローダウンだと、同じ計算で
25%の資産上昇が必要。

30%だと、約43%。
40%だと、約67%の資産上昇が必要になる。

そして、
50%ドローダウンを食らってしまうと、
100%の資産上昇が必要になる。

100万円の50%が50万円。
でも、50万円の50%増しでは100万円に届かず、
+100%の上昇が必要だ、
というわけだよね。

資産を半分にするのは すぐでも、
資産を2倍にするのは大変時間と労力がかかる
ということは、実体験として分かるだろう。

なので、
トレードルールを作るときには、
期待値、トータル利益、勝率などと一緒に、
ドローダウンも考慮したほうがよさそうだね。
という話。


もうひとつ、ドローダウンにおける
悪影響を挙げておこう。

先ほどちょっと書いたように、大きなドローダウンは
メンタル面へ多大な影響を及ぼす。

いくら君がトレードルールを吟味したとはいえ、
現実に大きなドローダウンを食らったときに、
次の日も淡々と、まったく同じルールを
守ることが出来るだろうか?という問題だ。

人間は、もろい。
いくらシステムが破綻していなかったとはいえ、
資産の大きな部分を失った後、
平静を保っていられるとは限らない。

「本当は、このルールは、もうダメなのでは?」
「ちょっとルールを曲げて、損切りをやめておこうか?」
「なんでこんな目にあわなきゃいけないんだ!?」
なんて、思わないとも限らない。

そして、せっかく構築したトレードルールを曲げて
さらに泥沼に入っていってしまう。とか、

ヤケになって実生活に支障をきたす
なんてことも、起きてしまうかもしれない。

そこまで行かなくても、
「とりあえず、2~3日トレードを休もう」
と言った、精神的ダメージを負うかもしれない。

そして、トレードを休んだ その2~3日で、
一気に損失を回復できたチャンスだった、
なんてことも、けっこう起こりうる話だ。

なので、
自分のメンタル面の強さなども考慮に入れつつ、
ドローダウンという項目にも注目すべきだろう、
ということが言えるだろうね。


ドローダウンは、長い目で見た利益のためには
どうしても発生してしまうもの。

なので、自分がどれくらいのドローダウンならば
時間的、労力的、精神的に耐えられるか?
なんてことも、トレードルールー構築の時に
考慮しておくのもいいだろう。



さて、今回のレッスンはここまで。

今回は、まずはドローダウンとは何なのか?
ということと、ドローダウン発生における
起こりうる悪影響を一緒に勉強した。

次回も、もうすこしドローダウンについて
勉強していこうと思っている。

今回も、手紙を読んでくれてありがとう。
ではまた、手紙を書きます。


空也

 

〔体〕 ドローダウンの抑制する、3つのレベル

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

前回のレッスンでは、
トレードルールを構築するときに考慮するべき
利益とは別の要素、
“ドローダウン”について話したね。

ある一定の期間に資産が目減りしてしまう
“ドローダウン”。

トータルで利益を出すためには、
どうしても目を背けることが出来ない現象なので、
うまく付き合っていかなければいけない。

とはいえ、あまりにドローダウンが激しいと、
トレードが継続できなくなったり、
元の資産レベルに回復させるのが非常に困難になったり、
精神的にきつかったりする。

なので、トレードルールを構築する際には
自分が耐えられる範囲でのドローダウンを
想定して作ったほうがいいよね。
という話だった。

で、今回は、
「ドローダウンを小さくするための方法」
というのを、一緒に見て行きたいと思う。

ドローダウンが小さい方がいいのは、
誰だって小さい方がいい。

でも、やり方がわからなかったら
手が打てないものね。

では、さっそく見ていくことにしよう。



さて。
激しいドローダウンを回避するために
できることというのは、いろいろなアプローチがある。

大きく分けると、3レベルのアプローチがあるので、
ひとつひとつを詳しく説明しながら、
ドローダウン回避の方法を模索していこう。

まず第1レベル。

第1レベルは、トレードルールを構築する際の
銘柄抽出、エントリー、決済(利益確定、損切り)
などを調整する方法だ。

過去において、ドローダウンが少ない銘柄抽出を
するようにする。

例えば、
あまりに株価が低い銘柄へのエントリーは避けるとか、

直近の値動きの激しい銘柄はエントリー候補から外すとか、

チャート上で、上値圏すぎたり、下値圏すぎたりする
銘柄は見送る、なんて方法だ。


また、エントリーや決済を調整する方法もある。

買おうとしていたけれど、ギャップアップして
あまりに高い株価で始まった銘柄は避けるとか、

損切りを早めに設定するとか、

ダラダラ ドローダウンしていく銘柄の
保有日数を減らす、
なんていう方策が考えられるね。


第1レベルのトレードレベル段階で
ドローダウンを下げることが出来れば、
かなりの確率でドローダウンを未然に防ぐことが出来る。

しかし、
ドローダウンを下げることに力を入れすぎると、
今度は肝心の期待値、利益も一緒に下がってしまうことが
たくさんある。

「究極のドローダウン抑制法を発見した!
 それは、トレードをしないことだ!」
なんて話は
「交通事故を起こさないためには、
 車に乗らなければいいんだ!」
みたいな話になり、笑えない冗談だ。

受け取る利益と、ドローダウンの間で、
バランスのよいトレードルールを構築するように
したいものだよね。



次に第2レベル。
トレードルールだけでドローダウンが回避できなかったら、
今度はマネーマネジメントをいじってみよう。

マネーマネジメントのやり方のいくつかは、
以前に話したことがあったけれど、
どの銘柄に、いくら資金を投入するかで
リスクは変わってくる。

特に、エントリー候補銘柄が
比較的たくさん出てくるようなトレードルールの場合、
「分散」が有効だ。

できるだけたくさんの銘柄に分散する
マネーマネジメントをするだけで、ドローダウンを
かなり抑制できることが多い。

また、エントリー候補銘柄に優先順位をつけて、
過去の値動きが少ない銘柄に、多めの資金を投入する
という方法もあるだろう。

トレードルールによって、
最適のマネーマネジメントは異なるので、
一概に「このマネーマネジメントがいい!」
とは言い切れない。

利益だけでなく、ドローダウンを考慮した
マネーマネジメントを採用するようにしたいものだよね。



そして。
トレードルールも構築したし、
マネーマネジメントも、現時点では最適なものを採用した。
でも、もう少しドローダウンを抑えたい、
となった時には、どうすればいいのか?

それが、第3レベルの話。

第3レベルは、
「もうひとつ、別のトレードルールを構築する」
ということになる。

例えば、
あるトレードルールAが買いのルールで、
数年に一度ある市場全体の暴落の時には、
どうしても激しいドローダウンを食らってしまうとしよう。

そこで、
「もう、このルールは、暴落時にドローダウンを食らうのは
 やむをえない」
と考える。

そして、別の「空売り」のルールBを同時に運用して
ドローダウンを回避することにするのが
「もうひとつ、別のトレードルールを構築する」
という方法だ。

先ほどの例では、
数年に一度ある市場全体の暴落の時には、
ルールAは、激しいドローダウンを食らってしまう。

しかし、空売りルールBが同時に運用されているので、
ルールBの方は、普段よりも大幅な利益が出せるように
しておく。

単体のルールAだけでは、激しいドローダウンに
なるところが、ルールBのおかげで
トータルでのドローダウンは抑制できる。
というようになるわけだね。

2つのトレードルールで運用することにより
よりリスクを軽減して運用が出来るようになるわけだ。


もちろん、トレードルールは、
2つが最も良いというわけでもない。

利益の出る時期・タイミングが、
少しずつずれているルールを複数運用すれば、
よりドローダウンを回避できる可能性が高くなる。

複数のトレードルールを構築するのは
非常に骨の折れる作業だ。

骨の折れる作業だが、チャレンジしてみる
価値のあることだと思うので、
やってみるのもいいかもしれないよ。



さて、今回のレッスンはここまで。

トレードをする上でやっかいな問題になる
ドローダウン。

このドローダウンを抑制するための方法として、今回は

・トレードルールの調整
・マネーマネジメントの調整
・複数のトレードルール構築による抑制

という、3つのレベルを紹介した。

「レベル」という言葉を使っているが、
もちろん、どのレベルの方法も大切だし、
優劣はない。

君が運用する際に、もっとも効果の高い方法から
まずはやってみるのがいいだろう。

次回も、もう少しドローダウンにまつわる話を
したいと思っている。

今回も手紙を読んでくれて、本当にありがとう。
ではまた、手紙を書きます。


空也

 
管理人です♪
今回の話で出てきた「マネーマネジメントのやり方」は
こちらから読むことが出来ますー

〔技〕 時間分散の基礎に学ぶ
〔技〕 銘柄分散の基礎に学ぶ
〔技〕 ATRを使ったマネーマネジメント


 

〔体〕 ドローダウン、様々な切り口

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

前回は、ドローダウンを抑制する方法として、
3つのレベルで対処しよう、
という話をしたね。

トレードルールレベルでの調整。
マネーマネジメントレベルでの調整。
そして、ルールを複数持つことにより、
トータルでのドローダウンを抑制するという方法。

どのレベルでも、ドローダウンを抑制することは
可能なので、うまく調整をして
できるかぎりドローダウンが少ない運用を
心がけていきたいものだね。


今回は、一口にドローダウンと言っても、
様々な切り口があるので、いろいろな切り口で
ドローダウンを分析していこうと思う。

様々なドローダウンの切り口の中で、
君が最も気をつけなければいけないのは
どのドローダウンなのか?

一緒に考えていってくれると
君のトレードにも役に立つだろう。

では、早速はじめていこう。



ドローダウンを考えるときに
通常よく使われる区切りとして、
「年間の最大ドローダウン」
というものが 挙げられる。

利益についても「年間利回り」などで
「1年間で、利益(あるいは損失)がどうだったのか」
ということが、よく見られる。

そこで、ドローダウンについても、利益と同じように
「年間」という区切りで、どのようなドローダウンが
発生してきたのかを見るわけだ。

例えば、
「去年の年間最大ドローダウンは18%だった」
みたいな感じだね。

その年の途中には、他にも
5%のドローダウンがあったかもしれないし、
8%のドローダウンがあったかもしれない。

しかし、その中で最も大きかったドローダウンを
特に問題視し、今後のトレードルールの
構築や運用の参考にしていこうというわけだ。


もし、今後の運用の途中で、
いままで検証してきた最大ドローダウン以上の
ドローダウンが発生した場合、
「このトレードルール自体が破綻し始めたのかも」
と、ルール自体の変更の指標にする人もいる。

それだけ、年間最大ドローダウンという数字は、
大切にされていることが多いというわけだね。


そして、その「年間最大ドローダウン」にも
3+1つの見方がある。

「3+1」という言い方をしているのは、
最後のひとつは、他の3つのドローダウンとは
性格が違うものの、見ておきたい数値なので、
ドローダウンに加えたものだからだ。

その、合計4つのドローダウンというのは、

・年間最大ドローダウン率
・年間最大ドローダウン金額
・年間最大ドローダウン期間
・年間最低資産金額

の4つだ。ひとつひとつを見ていくことにしよう。


まず「年間最大ドローダウン率」。
これがドローダウンの中で、もっともポピュラーだろうね。

前回までの説明でも、この“率”の話を中心に
話を進めてきた。

4つのドローダウンの見方の中でも、
最も気をつけてみておきたい数値に挙げる人も多い。

年間最大ドローダウン率を、小さい数値に
おさめておくことが出来れば、少なくとも
破産するということはない。

目安としては、

システムトレードのトレードルールを作る際には、
過去10年間・20年間といった長期間で、
年間最大ドローダウン率を20%程度に抑えておくと、
安定したルールと言えるだろうね。

まずは“率”を見て、トレードルールを構築していくのが
王道と言えるだろう。


“率”以外の3つは、どちらかといえば
メンタル面への配慮のために見ることが多い
かもしれない。

「年間最大ドローダウン金額」
というのは、文字通り、その1年間のうちで
最も大きく損失を被った金額のことだ。

複利運用などをしていると、
年初と年末では、運用資金にかなりの開きが
出てくることがある。

たとえば、
年初は100万円で運用していたのだが、
年末には運用がうまくいって300万円になっていたとする。

すると、同じ「ドローダウン10%」でも、

年初に食らった場合は10万円、
しかし、年末には資金が増えているので
300万円×10%で、30万円の
ドローダウン金額になるわけ。

なので、
「パーセンテージも大事だけれど、
 一気に○○万円の損失を食らったら
 精神的にダメージが大きい」
なんていうこともあるので、
年間最大ドローダウン金額も、大切と言えるよね。


対して、
「年間最大ドローダウン期間」を重視する人もいる。

「年間最大ドローダウン」とは、
ドローダウンが発生してから、元の資産に
回復するまでの日数(期間)のこと。

人によっては、
「ドローダウンのパーセンテージも、
 ドローダウンの金額もへっちゃらだけど、
 ダラダラ、いつまでたってもドローダウン
 したままっていうことに耐えられない」
という人もいる。

大きな資金を持っていて、
多少のドローダウンには、
精神的にも経済的にも耐えられる人なんかには、
「年間最大ドローダウン期間」を重視する人もいるね。

ドローダウン期間を重視する人は、
かなりリスキーなトレードルールでも、
ドローダウン期間が短ければ採用することも多い。

なので、
うまくいくとすごいパフォーマンスをたたき出す
ことも、けっこうあるようだ。


最後に、
「年間最低資産金額」を見てみよう。

これはいわゆる「元本割れ」は、
どのくらいの金額なのか?
という数値。

運用をしているかぎり、ドローダウンは避けられない。

しかし、例えば100万円を運用しているときに、

A.
「100万円の元本を割り込んで、
 90万円になった」

B.
「100万円の元本で運用していて、
 年の途中で150万円になった。
 その150万円が120万円になった」

の、どちらが精神的に楽か?というと、

心理的にはBの
「150万円が120万円になった」
という方が楽、という人も多い。

今までの年間最大ドローダウンの指標で見れば、
“率”で見ても、”金額”で見ても、
Bの方がダメージは大きい。

しかし、人間心理的には、元本割れさえしなければ
「まぁ、もとからなかったものだと思えばいいや」
と思いやすいということもあるだろう。

税金のからみとかもあるしね。

なので、他のドローダウンとは別の見方であるものの、
「年間最低資産金額」というものも、
気をつけて見てみても いいかもしれないね。


さて、今回のレッスンはここまで。

「ドローダウン」と一口に言っても、
様々な角度からの切り口がある。

今回見てきた切り口以外にも、
まだまだたくさんの切り口があるだろう。

たとえば、年間の間で発生しているドローダウンの頻度、
なんかも、見方のひとつかもしれないね。

トレードを継続していくためには、
物的・金銭的な計画も必要だし、
自分のメンタルに、どの数字が
どのような影響を与えるかを考えておくことも大事だ。

物的にも、精神的にも継続できるような
トレードルールを構築していくことが、
君のトレードを確固としたものにしていくんだろうね。


今回も手紙を読んでくれて本当にありがとう。
ではまた、手紙を書きます。


空也

 

〔体〕 初心者の頃の自分に学ぶ、勝つトレード

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

株式トレードというのは不思議なもので、
はじめのうちは「なんとなく買ってみた」株が
上がることも多い。

いわゆるビギナーズ・ラック
みたいなものなんだろうけれど、
初期の1~2回は、儲ける人が多いんだよね。

でも、

「お!もしかしたら、私は株の天才なのかも!?」
なんて思って、欲が出始めると、
なぜか途端に儲けられなくなってしまう。

不思議なことなんだけれど、
君も もしかしたら、
過去、今よりも株の知識が少ないときに
今よりも簡単に儲けられた時があるかもしれない。


それを単なる「ビギナーズ・ラック」で
片付けるのは、簡単だ。

簡単だけれども、もしかしたら
「ビギナーズ・ラック」だけではなく、
初心者の行動には、株で利益を出すためのエッセンスが、
含まれているかもしれない。

なので、今回は、
初心者の時に実践したことの中で、
利益を出すために大切なことを一緒に考えてみたいと思う。

お互いに、ついつい忘れてしまいがちな初心の中から、
明日の利益に結びつくような要素を
拾い出してみよう。

では、さっそくはじめていこう。



まずは、初心者の時はあって、
今の私たちにはないものの筆頭に上げられるものがある。

それは、
「株をはじめて売買したきっかけ」
だ。

当たり前の話だが、
君にも私にも、初めて株を売買した時が、過去にある。

そして、その
「初めて売買したきっかけ」
というのも、人それぞれ いろいろあるだろう。


今の私が、他の人から
「なんで、今日トレードしたんですか?」
と聞かれたら、

「トレードルールのシグナルが出たから」
とか、
「昨日もやっていたから」
とかいう返事になる。

すでに何年もトレードをしている私にとって、
「今日、株トレードをやるきっかけ」は、
単なる昨日からの繰り返しでしかない。


しかし、
一番最初にトレードをやるときには
なにかしらのきっかけがあるものだ。

新聞やテレビのニュースで
「株式市場が、全体的にものすごく好調だ」
「逆に、激しい大暴落があった」
ということを知った、とか。

「今まで株の話なんかしなかった同僚が
 ウハウハ言い出した」
とか、様々な理由だ。

理由は様々なんだろうけれど、
ここに大事なポイントがある。

今までは「株」というものに、
何の興味も持っていなかった君が、
「ちょっと、株でもやってみようかな」
と思い、実際に売買した、という事実だ。

「株をやってみたいなー」
と思っただけでなく、
実際の行動にうつしたというのが、大きい。

意識としては、
「まあ、ちょっとやってみるか」
程度に思っていたのかもしれない。

でも、初めてのことを実際に行動に移すというのは、
相当のエネルギーが必要なことだよね。

人間の脳は、基本的には新しいことや変化に対して
ブレーキをかける習性がある。
(このことは、また詳しく話そう)

なのに、
「株なんて新しいこと、怖い」
「面倒くさい」
「損をするかもしれない」
というブレーキの力をはねのけて
実際の株取引を実行した。これは大きい。

ということは、
意識はともかく、潜在意識的には
「まず、今のタイミングで買えば、
 間違いなく儲かるだろう」
と、君は気づいていたのかもしれない。


株式市場は、ずっと昔から存在していた。

君も、数十年前から「株」というものが
あることは知っていたはずだ。

そして、安く買って、高く売ればいい、
ということくらいは、なんとなく知っていたはずだ。

なのに、今までは株という存在を知りつつ、
今まではずっと見過ごしていた。

しかし、
なぜか君は、あるタイミングで株を始めた。

それはきっと、君にとって、
「最高のエントリータイミング」
だったのかもしれない。

意識では「なんとなく」だったかもしれないけれど、
無意識では、何十年もチェックしてきた
「最良のエントリータイミング」だったのかもしれないね。


今の私は、トレードをすることが日常になっている。
君も、もしかしたら日常になっているかもしれない。

今の私は、トレードが日常になっているので、
「まさに、今、このタイミングでエントリーすれば
 まず儲かるだろう」
なんてことは考えなくなってしまっている。

少なくとも、
私が株を初めて売買した時に比べれば、
全市場的なエントリーのタイミングなんかに
それほど注意していない。

言い換えれば、
全市場がどうなるか、なんてことを
待っていない。待っていられない。


私が初心者の時と今とで、
初心者の時のほうが はるかに勝っていたこと。

そのひとつが
「全市場的なエントリータイミングで入る」
「まず間違いなく儲かるときまで、エントリーを待つ」

ということだろう。

無意識、潜在意識的に、何十年も待っていた
初心者の時と、今はたぶん違うだろうね。



初心者のときとの違いは、まだある。

いざエントリーする段階になったとき、
初心者のときは、初心者なりに、ものすごい研究をしていた。

今から思えば、だいたいは
的外れな研究だったりもするんだけれど、
1銘柄に対する研究時間そのものは、けっこうかけていた。

今は、自分の慣れた指標やニュースを見て
昔に比べれば
「ホイホイ」
エントリーしているような部分もあるかもしれない。

考えてみれば、何10万円も何100万円もするものを
売ったり買ったりするんだから、
時間をかけるのは当然だよね。

なのに、いまは
「ホイホイホイッ」
と判断してしまっているようなところもあるかもしれない。

もちろん、それでトータルでプラスに
なっていればいいのだけれど、
「銘柄の選択やエントリーに時間をかける」
という“姿勢”は、たまに振り返っても
いいかもしれないね。



そして。

初心者のときは、
「儲かる」という意識が強く、あまり
「損する」ということを考えない。

なので、
エントリーするとなったら、
けっこう躊躇なくエントリーしたように思う。

研究はするんだけれど、いざエントリーするときは
潔く、思い切ってエントリーする。

今から思えば
「ありえねー!」
「あぶねー!!」
というエントリーだったとしても、
結果としてはうまくいったりもしたんだよね。

「思い切りのいいエントリー」も、
初心者のときのことを振り返ってみるのも
いいかもしれない。



さて。

今まで見てきたような要素が、
「初心者が儲けられるための要素」
なんじゃないかな?


1.
「ここぞ!」というタイミングまで
市場全体が動くまで、エントリーを待つ。

2.
銘柄の選択やエントリータイミングを
ひとつひとつ丁寧に研究する。

3.
いざエントリーするときは、
潔く、思い切ってエントリーする。


全ての要素を、初心者のときと同じようにやることは
出来ないだろうし、出来る必要もない。

ただ、
「儲けるための要素」として、
たまに振り返ってみるのは、お互いにアリかも
しれないね。



さて、今回のレッスンは、ここまで。

今回は、あえて初心者の頃に戻って、
初心者が持っている「勝てる要素」を
考えてみた。

今回見てきた「勝てる要素」は、
実際に長くトレードをしていくうえでも
大切なことだ。


しかし、

初心者が持っている要素だけで
利益を出し続けることが出来るかというと
そうはいかない。

やはり、初心も忘れることなく
トレードの「心・技・体」を
追求していくことが必要になってくるよね。

これからも、
トレードで利益を出すためのエッセンスを搾り出して
伝えて行こうと思う。

一緒に、成長していこう。


今回も、手紙を読んでくれて、本当にありがとう。
いつも感謝しています。

ではまた、手紙を書きます。



空也

 

〔体〕 素うどんを味わうように、チャートを見る

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

前回のレッスンでは、初心者の時に
なぜか儲かることも多いという話をしたね。

初心者なのに、なぜ儲かることも多いのか?

それは、単なるビギナーズ・ラックというだけではなく、
初心者のときの行動には、儲けるための大切な要素が
含まれているから、という話だった。

初心者のうちは、真剣に、慎重に行っていた作業も、
株式の取引に慣れていくにしたがって
徐々に手抜きになってしまう。

だから、儲けが出にくくなってしまっている
ということもあるのは、間違いない。

お互いに気をつけたいところだよね。


ただ。

「初心者のうちは手を抜かなかったから儲けられた」
という理由だけでは完全には納得できないよね。

初心者の頃よりも、
今のほうが真剣に手を抜かずにやっていることも
たくさんあるし、知識や経験だって、
豊富になっているはず。

なのに、なぜか、初心者の頃より
自分が勝てるようになっている感じがしない。

むしろ、負けるときは
派手にドカンと負けるようになってしまっている。

なんていう悩みも、出てきているかもしれないね。


そう。

初心者のときよりも、今のほう勝ててない場合は、
単に「真剣さが足りない」という理由だけで
全ては答えることができない。

真剣にやっているのに、というか、
真剣にやっているからこそ、
ドツボにハマってしまっていることも、多々ある。

なので今回は、
「初心者の時よりも真剣にやっているのに、
 なぜか負けてしまう理由」
の、代表的な例をひとつ紹介しようと思う。

では、さっそく一緒に見ていこう。



「真剣さ・慎重さが足りない」
「手を抜いている」。

たしかに、初心者の頃よりは今のほうが
一つ一つの売買に関しては、真剣じゃないかもしれない。

でも、それは言い換えれば
「無駄な力が抜けている」
「自然体でトレードできている」
ということでもあるはずだ。

例えば、

車の運転免許を取りたての頃は、
ハンドルを持つ手も震えるくらい緊張し、
安全確認も、メチャメチャぎこちない。

それが、車の運転に慣れてくるにしたがって
片手でハンドルを握り、
スイスイ車線変更なんかもできるようになっていく。

いつまでも免許取立ての頃と同じように
運転していたら、体がもたないし、
かえって危ない運転にもなりかねない。

トレードも同じで、
「いつまでも初心者の頃と同じ
 真剣さ・慎重さで売買しろ!」
なんていうことが、ベストの姿勢かというと
そうでもない。

なので、
たとえ初心者の頃の方がパフォーマンスが
よかったとしても、
「じゃあ、これから初心者の時のように
 ガチガチに緊張してトレードしよう」
なんていう方向性は、間違っている。


では、どう考えればいいのか?

初心者の頃より、今のほうが儲けにくくなっていると
感じているのならば、
「真剣さが足りない」
のではなく、別の要因もあると考える、
というのはどうだろう?

別の要因があるとするならば、
答えはひとつ。

「真剣さ」のように、
初心者のときに「あった」ものが「なくなった」のではく、

初心者のときには「なかった」ものが、
今は「ある」から、儲けにくくなっている、
と考えるわけだ。

つまり、
初心者のときから、今までに蓄えてきた
知識や経験の中の何かが、
逆に君自身の足を引っ張っている、
と考えてみるのは、どうだろう?


知識や経験というものは、何事においても
非常に貴重なものだ。

しかし、貴重なものであると同時に
その知識や経験に縛られてしまうということも
同時に起こってしまうわけだよね。

株トレードにおいても、
蓄えた知識や経験に縛られる。

そして、行動すべき時に行動せず、
売買しないでいい時に売買してしまう。

そんなことは、けっこうありそうだよね。


ひとつ、特徴的な例を挙げてみよう。

株のチャートなんかは、非常に分かりやすい例の一つだ。

チャートというのは、いまさらだけど、
ある期間の始値・終値・高値・安値を、1本の
ローソク足で表現したものを、時系列に並べてある表だ。

いつ、どのような値動きがあったのかを見る上で、
非常に便利な表ではあるが、
本来は、それ以上のものでも、それ以下のものでもない。

「ある期間の始値・終値・高値・安値の連続体」

これが、チャートの、素の正体だ。


素のチャートには、本来トレンドライン
などというものはないし、
移動平均線とか、ボリンジャーバンドなんていう
テクニカル指標も、ない。

RSIが○%とかいうのも、
一目均衡表の雲がどうのこうの、ということも、
素のチャートには、存在しない。

なのに、経験や知識を蓄えていってしまうと、
「チャートには、トレンドラインや指標が
 あるのが当然」
なんていう風に思ってしまいがちだ。


たぶん君が始めてチャートというものを見たときは
どういう風に見ていいのか、分からなかった時も
あるだろう。

そこから、
「あー、上がっているときと、下がっているときでは、
 棒(ローソク)の色が違うんだー」
ということを知り、

「なるほどー。
 じゃあ、今は、この銘柄は、下がっているんだねー」
とか、
「この銘柄は、最近、ものすごい株価が上がったんだねー」
というように、シンプルに見ていた時期もあっただろう。


それが、だんだんと知識をつけてきて
「あー、このチャートは下がってきているけれど、
 移動平均乖離率から見ると、まだ買い時じゃないな」
とか、
「チャート上は上がってきていて、RSIも○%だから、
 そろそろ下がってくるかも」
なんて風に、分析をしだしたんじゃないかな?

そのうち、
「RSIもボリンジャーバンドも、もうこんなに
 下なのに、株価が上がってこないなんて、間違ってる!」
なんて、本末転倒のことを言い出しかねない。


いろいろな知識を積んだり、経験をすることは重要だ。

でも、
あまりにたくさんのフィルター、たくさんの色眼鏡をかけて
チャートを見ると、本質からかけ離れた見方を
してしまいかねない。

チャートは、本来は
「ある期間の始値・終値・高値・安値の連続体」
というものだ。

その、“素のチャート”を見て、分かることも
たくさんある。

もし君が売買を判断する時に、
判断に迷って混乱をしだしてしまった時には、
一度“素のチャート”に戻ってみるのも、いいかもしれない。

あまりにゴテゴテ、様々なトッピングが入っている
うどんよりも、素うどんのほうが美味しいときもある。

株価の“うまみ”の判別が出来なくなったときには、
“素チャート”を味わってみるのも、いいかもしれないよ。

“素チャート”を見て、素直に
「これは、上がるな」
と思えば買い、
「これは、下がっていくだろう」
と思えば、売る。

判断に迷ったときは、
一度試してみるといいだろう。


さて、今回のレッスンは、ここまで。

知識や経験は大切だけれど、
もし判断に迷ったときは、一度手放してみる、
という勇気を持つことも必要なことなのかもしれないね。

ま、株については偉そうに語っている私だけど、
私だってついつい知識や経験を手放せずに
苦しんでいることが、日常にはたくさんある。

知識・経験に縛られずに、
うまく活用できる大人になりたいものだよね。


今回も、手紙を読んでくれて本当にありがとう。

ではまた手紙を書きます。


空也

 

〔体〕 テクニカル指標が機能しないわけ

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

前回は、知識や経験を積み重ねることによって、
逆に儲けにくくなってしまうという事もある、
という話をしたね。

代表的な例として、株価チャートを見るときの
例を挙げてみた。

初心者のうちは、チャートの見方も分からず、
少し勉強すると
「この株は下がっている」
「この株は上がっている」
というくらいは、分かるようになる。

その“素”の状態でチャートを見たほうが、
分かることも多い。

なのに、私たちは知識や経験を積むと
「移動平均乖離率が○○だから・・・」
とか、
「RSI的には、○○だし・・・・」
と言ったように、
様々な「フィルター」「色眼鏡」で
見るようになってしまう。

もし、いくら売買しても利益が出なくなって
頭が混乱してきたときには、一度
“素のチャート”に帰ってみるのもいいかもしれないね。
なんていう話だったね。


と、こんな話をすると

「空也さん、じゃあテクニカル指標っていうのは、
 学べば学ぶほど、邪魔になる存在なんですか?」

「テクニカル指標は、勉強する必要ないんですか?」

なんて思うかもしれない。


確かに前回は、“素のチャート”に
一度戻ってみるのも いいかもしれないという話をした。

しかし、だからと言って
テクニカル指標には何の意味もないとか、
勉強するだけ無駄だ、なんていうことではない。

テクニカル指標というものは、
トレードの先人たちが、知恵を絞って
私たちにのこしてくれているもの。

私たちがトレードをする上で、
使い方を間違えなければ、
非常に強力な武器になってくれるものだ。

ただし、
使い方を間違えたり、誤った解釈をしていたり、
妄信をしてしまうと、とたんに「無用の長物」になってしまう。


なので、今回から数回に分けて
「上手なテクニカル指標との付き合い方」
を一緒に見て行こうと思う。

まず今回は、手始めとして、私が過去に
実際にやってしまった
「間違ったテクニカル指標との付き合い方」
を紹介しよう。

そしてさらにそこから、
「なんでテクニカル指標は、
 素直に機能しないのか?」
を説明していこうと思う。

テクニカル指標を、自分の武器にするか、
足を引っ張る存在にするかは、他ならぬ自分次第。

うまく付き合っていくための方法を
さっそく見ていくことにしよう。



さて。

たいていの株初心者は、
「世の中には、テクニカル指標というものがある」
ということを初めて知ったとき

「こんな魔法の数値があるなんて、すごい!!!!」
と狂喜乱舞し
「この指標さえあれば、儲けるのなんて簡単じゃないか!」
なんて思う。

少なくとも、私は狂喜乱舞した人の一人だ。
お恥ずかしい(笑)


ちなみに、私が初めて知ったテクニカル指標は、
「移動平均線」と「ゴールデンクロス」。

当時の私は、
「ゴールデンクロスさえ見れば、
 大金持ちになるのなんて、約束されたも同然だ!」
なんて、喜び勇んだものだ。

その後、私は当然のなりゆきで、
困惑と絶望に叩き落されたんだけれど、
君には、テクニカル指標に、どんな“初体験”があるかな?


私を襲った「困惑と絶望」は、
「ゴールデンクロスした銘柄なのに、
 指標どおりに騰がっていかない。どうして??」
という困惑。

そして、
「ゴールデンクロスの指標どおりに買っているのに、
 損が積み重なる」
という絶望だった。


そして、
「この“ゴールデンクロス”という指標は、
 もう古くなってしまっていて、使えない指標なんだ」
「じゃあ、今の相場でも機能する、
 “勝てるテクニカル指標”を探してみよう」
と考えはじめた。

この時点で、間違った思考回路だったんだけれど、
当時の私は、間違いに気が付くこともなく
「勝てる指標を探す旅」
を始めてしまったんだよね。

RSI、MACD、サイコロジカルライン、
ボリンジャーバンド、一目均衡表など、
メジャーなものも試したし、

ややマイナーなペンタゴンチャートや
一部の人しか知らないような指標も試してみた。

しかし、
いくら探しても、いくら試しても
私に確実な利益をもたらしてくれる
“魔法の指標”は、見つからなかったんだよね。


今から考えれば、当たり前の話で、
「なんでそんなことに熱心になっていたんだろう?」
とも思うんだけれど、当時としては本気だった。

そして、こんな「魔法の指標を探す旅」をしている人は、
私だけではなく、多くの人がハマってしまう罠らしい。

その証拠に、今でも「勝てる指標」を謳ったテキストは
世の中にたくさん出ているからね。


では、ここからは、
「なぜ魔法の指標を探す旅が
 間違った方向性なのか?」

そして、
「なんでテクニカル指標は、
 機能しないのか?」
という話をしていこう。


まず、
「なぜ魔法の指標を探す旅が
 間違った方向性なのか?」。

なぜといえば、非常にシンプルな答えだ。

世の中に、継続的に、確実に利益をもたらしてくれる
「魔法の指標」なんてものは、
存在しないからだ。

過去、今までにたくさんのテクニカル指標が
生み出されてきた。

しかし、どのテクニカル指標も
使っているうちに、どんどん機能しなくなって
くるという矛盾を抱えている。

さらに、そのテクニカル指標が
世の中に広まれば広まるほど、
どんどん機能しなくなっていくという
運命も抱えてしまっている。

もともと世の中に存在していない、
存在するわけもないものを探しても、
見つかるわけもなく、徒労に終わるだけ。

なので、
「魔法の指標探し」をするくらいなら、
もっと別の方向に力を注いだほうが
利益にはつながりやすい。というわけだ。


では、
「なんでテクニカル指標は、
 機能しないのか?」
という疑問に答えることにしよう。

それは、今までも何回か話してきたとおり
「買いと売りは、必ず同数となる」
という大原則だけで、ほとんど説明がついてしまう。


もし君が、ある銘柄に買い注文を入れたとする。
そして、その注文が約定したとすれば、
必ず、絶対、例外なく、
「売った人」がいるということになる。

株が約定して、出来高が発生するということは、
必ず「買った人」と「売った人」の両者がいるということ。

そして、その株数は常に同数であるということ。

当たり前すぎる話なんだけれど、
ついつい画面に向かって注文していたりすると、
意識しなくなっちゃったりするんだよね。

話を戻そう。

もし、本に出ているような指標が、
完璧に作用するとなると、誰の注文も
約定しなくなる。

例えば、
○日RSIが20%以下になると、
必ず、100%株価は反発するとしよう。

すると、株を買う側は
「絶対反発するから、買おう」
となる。

しかし、売る側とすれば
「持っていれば反発するんだから、
 今売る必要はナイや」
と考えて、売りを引っ込めてしまう。

結果として、売りはなくなり、
買い注文だけがある、という状態になってしまう。


ここまで極端な例じゃなくても、
広く知られたテクニカル指標は、必ず
「裏をかいて儲けよう」
とする人が出てくるため、
結局儲けられなくなってしまう。

「RSIが20%以下まで行くのは
 なかなか難しいから、22%くらいで買っちゃおう」
となり、今度は
「22%でも買いにくくなってきたから
 25%くらいでもいいか」
なんて人も現れる。

そして、さらに大きな資金を持っている人たちが
「RSIが20%以下になると反発すると思っている人が
 たくさんいるな。
 
 じゃあ、一度20%以下になった時に、
 大きく空売りをして株価を下げてやろう。
 
 そして、20%付近で買った人が、
 恐怖で買いポジションをぶん投げるタイミングで
 株価が安くなったのを見計らって買いポジションにしよう」
なんて考える人も出てくる。

結果として、だんだんRSIという指標自体が
「機能しなくなってくる」という事態になるわけだね。


これが、他の人にあまり知られていない
テクニカル指標ならば、多少はいいかもしれない。

しかし、もしそのテクニカル指標が、
しばらく機能し続けたのならば、
おそらく数万、数十万といる市場参加者のうちの誰かが、
その存在に気がつく。

そして、他のテクニカル指標と同じような運命を
たどってしまうということは、充分考えられることだよね。


そもそも、株価というものは、
様々なファクターで上がり下がりしているもの。

そして、売買をしているのは、人間。

大金持ちの、ほんのちょっとした気まぐれで、
株価は大きく変化してしまう。

そんな気まぐれな株価を、
完璧に予測できる指標なんてものができたら、
逆に恐ろしいことになるかもしれないね。


さて、今回のレッスンはここまで。

今回は、過去の私の
「間違ったテクニカル指標との付き合い方」
を見て、
「なんでテクニカル指標は、
 機能しないのか?」
なんていう話も見てきた。

全ての相場で、確実に機能する
「魔法の指標」
は存在しない。

「魔法の指標」を探すのに努力するよりも、
もっと別のことに力を注いだほうが
利益につながるだろう。


しかし、
「じゃあ、テクニカル指標なんて、意味ないじゃん!」
という話ではない。

なので、次回は、どうやってテクニカル指標と
付き合えばいいのか?
という話をしようと思う。

今回も手紙を読んでくれて、本当にありがとう。
ではまた、手紙を書きます。


空也

 

〔体〕 テクニカル指標との付き合い方

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

前回は、全ての相場で、確実に機能する
「魔法の指標」
は存在しない、という話をした。

テクニカル指標というものは、
機能すればするほど、知れ渡れば知れ渡るほど、
どんどん陳腐化していってしまうという
宿命を背負っている。

テクニカル指標を生み出すのは人間だし、
そのテクニカル指標の裏をかこうとするのも、
同じく人間だ。

トレードというものは、
人間がやっている行為なんだから、
その「いたちごっこ」は、市場が存在する限り
永遠に続くんだろうね。

では、
「だとしたら、テクニカル指標なんて
 無用の長物なんですか?」
「指標を勉強するのは、まったく無価値な
 ことなんでしょうか?」
となるかというと、そうではない。

素直に機能しなくなる宿命を背負っているとはいえ、
テクニカル指標は、とても大切なものだ。

ただし、
テクニカル指標を勉強するときに
「必勝法を探すため」
「ずっと利益をもたらす、魔法の手法をみつけるため」
なんていう風に考えながらでは、
その期待は裏切られ続けることになるだろう。

人間同士の付き合いだって
「私にだけ利益をもたらし続ける人はいないかしら」
と思っても、そんな人は いくら探しても現れてこない。

テクニカル指標も同じで、
テクニカル指標との正しい付き合い方がある。

今回は、その
「テクニカル指標との、正しい付き合い方」
を見ていくことにしよう。



ひさしぶりに、カードゲームのたとえから
話を進めていくことにしよう。

かなり乱暴なたとえになるけれど、
テクニカル指標とは、こんなものだということを
分かってもらうには、充分だろう。

では、ゲームルールの説明だ。

1.
ここに、1から100までの番号がふってある
カードが100枚あったとする。

2.
その100枚のカードの中から、
ランダムに1枚のカードが、まず抜かれる。
このカードの番号を見ることは出来ない。

3.
次に、もう1枚カードを引くのだが、
この、次に引かれるカードの番号が
50以下なのか、51以上なのかを当てる、
というゲーム。

4.
君は「50以下」なのか
「51以上」なのかを宣言して、
当たれば君の勝ち、外れれば君の負けとなる。

5.
ゲームは、1回勝負ではなくて、
100回、200回と続けて行うものとする。


つまり、100枚のうちから1枚抜かれた99枚。
その99枚のカードのうち、次に引かれるカードの番号が
50以下なのか51以上なのかを当てるゲームだ。

100枚のうちから最初に抜かれた1枚のカードの
番号を見ることは出来ないとしたら、
さて、君なら、どういう戦略をとる?

ちょっと考えてみて欲しい。


考えてみたかな?
考えてみたら、先に進んでみよう。

正直言って、どう考えても、戦略らしい戦略は
思いつかないと思う。

次に出てくるカードを予想する
ヒントになるものが、全くないからだ。

行き当たりばったりで
「50以下」
「51以上」
と賭けていくか、

ずっと
「50以下」か
「51以上」に賭ける、といったこと程度しか
思いつかないだろう。

しかも、それで勝ちにつながるわけでもない。


では。

少しルールを変えて、ひとつの条件が加わったらどうだろう?

ひとつの条件とは、
「最初に抜き取られた1枚の番号を見ることが出来る」
という条件だ。

これならば、多少の戦略が出てくるような気がしないかな?


もし、最初に抜かれたカードが、50以下の番号ならば、
残っている99枚のカードのうち、
50以下の番号は49枚。
そして、51以上の番号のカードは50枚あることになる。

逆に、最初に抜かれたカードが、51以上ならば、
50以下のカードが50枚、
51以上のカードが49枚 残っていることになる。

ならば、
「最初に抜かれたカードの番号が50以下ならば、
 “51以上”に賭ける」
「最初に抜かれたカードの番号が51以上ならば、
 “50以下”に賭ける」
という戦略を思いつくだろう。


確率から考えれば、非常に薄いロジックだ。

しかし、薄いロジックでも、
あるとないとでは大違い。

いつまでも暗中模索のまま、
100回も200回もゲームを続けるより、
多少でも「勝つ」ロジックがある方が
精神的にも楽だ。

「自分がどちらかに賭ける意味」
「賭ける意味に、一貫性がある」
ということが、どれだけ救いになるかは、
頭のいい君ならば、想像するのは難しくないだろう。


そして。

もうお分かりだと思うけれど、今回の例の
「見ることのできる1枚のカード」こそが、
テクニカル指標そのもの、ということだ。

前回も話したとおり、
「魔法のテクニカル指標」なんてものは
この世に存在しない。

あるのは、今回のたとえ話の
「1枚だけ見ることの出来るカード」
くらいの効能しかないものだ。

でも。
しかし。

その「1枚だけ見ることの出来るカード」のおかげで、
我々は自分のトレードルールというものを
持つことが出来る。

どんなに体調が悪かろうと、
どんなに不機嫌な朝だろうと、
他のことで頭がいっぱいになっていようとも、

ロジカルに、一貫したエントリーをして、
一貫した利益確定、損切りが出来る。

だから、
テクニカル指標とは、
「魔法を見つけるため」
ではなく、

「自分のトレードルールを一貫させるため」
に勉強して、付き合っていけばいい。


現実のトレードでは、
トレードルールに一貫性を持たせることは、
非常に意味のあることだ。

勘だけに頼って売買したら、
いつまでも勘しか武器にならない。

体調が悪かったり、年齢を重ねたりして
勘が鈍ってきたときには、もうおしまいだ。

しかし、
自分の一貫したトレードルールを持つことが出来れば、
体調が悪かろうと、
年齢を重ねて勘が鈍ろうと、
今までと同じトレードを再現してくれる。

さらに、
トレードルールを一貫させていれば、
「ここは、もう少しこうした方がいいな」
という改善をすることも出来る。

勘だけに頼っていたら、
勘を磨くくらいしか改善が出来ない。

改善に改善を重ねれば、
先ほどのカードゲームの例ならば、
「見ることの出来るカード」を
1枚ではなく、5枚くらいにまでは
増やせるかもしれない。

「改善ができる」
というポイントも、テクニカル指標というものが
あればこそなんだね。



さて、今回のレッスンはここまで。

「一貫性を持たせることが出来る」
「改善をすることが出来る」
という、非常に大きなアドバンテージを得るために
テクニカル指標というものは使えばいい。

「ダマシがあるから、このテクニカル指標は使えない」
と考えるのではなく、
「このテクニカル指標のおかげで、
 本来、なんのロジックもない市場で、
 一貫したルールを持つことが出来る」
「そして、ルールを改善させることが出来る」
と考えてみるのは、どうだろうか?


テクニカル指標は、その名の通り“指標”。

市場という大海原を航海しつづけるための
指標=コンパスとして付き合うのが、
お互いに最も幸せな付き合い方だろう。

今回も手紙を読んでくれて、本当にありがとう。

ではまた、手紙を書きます。


空也

 

〔体〕 指標を効果的に学ぶ、3つのポイント

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

前回のレッスンでは、テクニカル指標というものを
どのように捉え、
どのように付き合うのがベストか?
という話をしたね。

どんな時も、君に安定的に利益をもたらしてくれる
「魔法のテクニカル指標」
なんてものは存在しない。

存在しないし、そもそもテクニカル指標というものは
君に「魔法」を授けてくれるためにあるんじゃない。

テクニカル指標は、その名の通り“指標”。
市場という大海原を航海するためのコンパスでしかない。

しかし、その指標、コンパスがあるおかげで、
私たちは、一貫したトレードルールというものを
持つことが出来る。

そして、一貫したトレードルールの中から
改善点を見つけ出して、次のトレードに
活かすことが出来る。

指標に“魔法”を期待するのではなく、
本来の使い方をすれば、
君に最大限の恩恵を与えてくれるだろう、
という話だったね。

さて今回は、前回までの話を踏まえたうえで、

たくさんあるテクニカル指標を
どうやって、どこから学んで行けばいいのか?
という話をしよう。

君が効率的に利益を出していくために、
「テクニカル指標を学ぶ指標」を
一例として紹介する。

君の利益につながってくれれば幸いだ。
では、さっそく見ていこう。


さて。

テクニカル指標を学ぶ順番というのは、実に様々だ。

目に付いたものから学んでいく方法もある。
必要に応じて学んでいく方法もある。

広く、たくさんのテクニカル指標を
まずは学ぶ方法もあるし、
ひとつの指標に精通するという方法もある。

でも、
「学ぶ方法はたくさんのアプローチがある」
では、何の指針にもならないので、
今回は羅針盤として、ひとつの方法を紹介する。

「私は別の方法で学んだ」
という場合でも、参考になることはあるだろう。


今回紹介する方法は、
「自分のトレードスタイルから、
 必要に応じたテクニカル指標を絞って学ぶ」
という方法だ。

これまでのレッスンの手紙を読んできた
君ならば、漠然と
「トレードルールというのは、こんなものかな?」
といったイメージはあるだろう。
(もちろん、なくても焦る必要はないが)

なので、
君がイメージしているトレードルールのスタイルに
合ったものから勉強をしていけばいい。
という形にした。

たぶん、手紙という形では、
最も分かりやすい形だろうからね。


具体的には、以下の3つのポイントから
君に必要なテクニカル指標を絞っていこうと思う。

3つのポイントとは、

1.財務系指標 or トレード系指標?
2.トレンド系 or オシレーター系?
3.順張り系 or 逆張り系?


の3つだ。

いつものように、一つ一つを順に見ていくことにしよう。


まず、
「1.財務系指標 or トレード系指標?」
から見ていくことにする。

指標には、大きく分けて、
財務系指標とトレード系指標の
2つのタイプの指標がある。
(君にとっては、当たり前の話かもしれないが)

財務系指標の代表例としては、
PERとか、PBRとか、ROEなんていうものがある。

興味があれば調べてくれればいいが、要は
その銘柄の企業価値を分析するための指標だ。

その企業の持つ力が、どのくらいあるのか?

今の株価は、企業の持つ価値に対して
割安なのか・割高なのか?

というようなことをはかるための指標だ。

この指標は、今の株価は大切なものの、
今までの値動きがどうだったのか?とか、
前日に上がったのか下がったのか?
なんていうことは関係がない。

もっと長期的な展望、投資的なものの見方をする時に
効果を発揮する指標だといえる。


対して。
トレード系指標というのは、
移動平均線、RSI、一目均衡表と言ったものがある。

種類は色々だが、要は
その銘柄の値動きをはかるための指標だ。

今までの値動きの経緯はどのようなものなのか?

ある一定の期間中の株価と比べて
今の株価は安いのか・高いのか?

というようなことを見る指標。

トレード系指標は、
企業の価値や能力は関係ない。

値動き・株価の変化だけを見て、
ガイドラインにするための指標だ。

企業の能力は見ない指標なので、
短期的に値幅をとるための、まさにトレードのための
指標といえるだろう。


財務系指標とトレード系指標は、
性格を全く異にする指標だ。

ちょっと慣れてくれば、財務系の指標なのか、
トレード系の指標なのかはすぐにわかる。

指標の数値を算出するのに、
決算書に出てくる数字が必要なものは
財務系指標。


指標の数値を算出するのに、
チャートに描かれる株価だけを使用するのが
トレード系指標だ。



財務系指標とトレード系指標を
あわせて使用する投資・トレード手法も
もちろん存在する。

ただ、
はじめのうちは、混ぜて使用するのは
混乱するだけの場合が多い。

特に君は、短期的に利益を出したいと願う
「トレーダー志望」の人だ。

なので、
まずは「トレード系指標」に絞って
勉強すればいいだろう。

財務系指標は、君の余裕資金が
もっと増えてから深く学んでも、遅くはない。



次に。
「2.トレンド系 or オシレーター系?」
を見ていこう。

どちらも、先ほどの分類でいくと
トレード系の指標だ。

なので、“トレーダー”を目指す君には
どちらも必要な指標だといえる。

ただ、テクニカル指標としての性格が違うので、
その違いを、まずは把握しておこう。


トレンド系の指標は、
その名の通り株価の「トレンド」を見るための指標。

移動平均線などが、その代表例といえるね。

ある一定期間の株価の“方向性”が、
上昇トレンドなのか?それとも下降トレンドなのか?

ということを見るための指標で、
オシレーター系に比べると、
やや中長期で株価を見るのに適している。


対して、
オシレーター系の指標は、
株価の「値幅」「値動き」を見るための指標だ。

RSIなんかが、代表例なのかな?

ある一定期間の株価の“振れ幅”が、
大きいのか?小さいのか?

ということを見るための指標で、
トレンド系よりも短期的な株価を見ることが多い。


かなりざっくりと大ナタをふるった説明だが、
イメージはつかめたかな?

トレーダーである君は、どちらも学ぶ必要はあるものの、
まずは自分のトレードスタイルの時間軸、
(超短期なのか、短期なのか、中期なのか、など)で
最初に学ぶ指標を決めてもいいだろう。



最後に
「3.順張り系 or 逆張り系?」
を見てみよう。

順張り、あるいは逆張りという話は以前にしたが、
君はどちらのスタイルが好みかな?

両者とも、よく使われるテクニカル指標には差がある。
なので、その違いを見てみよう。


順張り系の指標というのは、
その名の通り順張りでよく使用される指標だ。

グランビルの法則、ゴールデンクロスなどは
その代表例といえるだろうね。

順張りをするためには、順張りに必要な
テクニカル指標を使う必要がある。
当たり前の話だね。


逆張り系の指標も、同じことで、
逆張りに使用される指標のことだ。

移動平均乖離率なんかは、代表例と言えるかもしれない。

順張り系と同じように、逆張りを行うためには
逆張りに適したテクニカル指標を選び、
逆張りに適した指標の使い方をしないと意味がない。


この、最後の「順張り系 or 逆張り系」に関しては、
「○○という指標は、必ず順張りだ」とか、
「△△は、必ず逆張りにしか使わない」ということはない。

例えば、ボリンジャーバンドなんかは、
使い方しだいで、順張りにも逆張りにも使える。

なので、自分のトレードスタイルに合った使い方を
マスターしていこう、という話になる。

これは、また近々 詳しく話していこう。



さて、ここまで見てきて いかがだっただろうか?

君の中に漠然とあるトレードスタイルを整理して、

1.財務系指標 or トレード系指標?
2.トレンド系 or オシレーター系?
3.順張り系 or 逆張り系?


という3つのポイントから
今の自分に必要な指標を絞り込んでゆく。

まずは無駄なく知識を吸収してから、
しだいに知識を広げていこう、
という考え方だ。

最初に言ったように、
学び方の道筋は、たくさんある。

たくさんあるが、早く利益を出すのに
最も効率的であろうと思う方法を
今回は紹介した。


もし君が、すでにある程度の種類の
指標を知っているのならば、
今回の3つのポイントにしたがって
知識を整理してみるのもいいだろう。

「これは財務系の指標だな」
「これはトレード系」
「こちらはトレンド系だけど、
 オシレーター系の性格も持っているかも」
「これは順張り系の指標だと思っていたけど、
 逆張りで使うことも出来るのかな?」
なんてね。

今回の話が、君の利益に結びつくことを
願っているよ。


今回のレッスンは、ここまで。

今回も手紙を読んでくれて、本当にありがとう。

ではまた、手紙を書きます。


空也

 

〔体〕 バカのひとつ覚えは、アリ?ナシ?

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

前回のレッスンでは、君が利益を出すために、
とりあえず、どのテクニカル指標から学べばいいのか?
という疑問に答える、ひとつのガイドを示した。

結論は、君がイメージするトレードルール、
トレードスタイルによって、
まず学ぶべき指標を絞り込んでみようという
ことだったね。

今回は、前回の話を補足する意味で、
さらに突っ込んだ、ある意味大ナタをふるった
テクニカル指標の学び方を一緒に見ていこう。

今回の話は、かなり偏りのあるやり方に
感じられるかもしれない。

ただ、今まで私が試してきたり、
他の人に教えてきた方法の中では、
最も利益に結びつきやすい方法だった。

なので、君も今回の話を叩き台にして、
君に最もフィットする勉強法を探る
きっかけにしてもらえると嬉しいね。

では、さっそく見ていこう。



さて。
前回の話で、まずは君のイメージする
トレードスタイル、トレードルールによって
学ぶ指標を選ぼうということを提案した。

自分が、財務分析をする投資家なのか?
値動きをとるトレーダーなのか?

中長期のトレンド・方向性を見るのか?
株価の振動を見るのか?

順張り派なのか?逆張り派なのか?

といったスタイルだ。


自分のスタイルとマッチしていない
指標から学んでも、実践には使うことはないので
やや無駄といえる。

また、この「学ぶ指標を選ぶ」という作業は、
自分のトレードスタイルというものを
自分の中で明確にできるという意味もある。

なので、そういう意味を踏まえた上で
学ぶ指標を選ぶという作業をしてみるのも、いいだろう。


イメージとしては、例えば
自分が料理人になる、と想像してみよう。

料理人にも、さまざまな料理の料理人がいる。

和食、中華、フレンチ、イタリアン・・・
様々な料理人がいて、それぞれ素晴らしい料理を
楽しませてくれる。

そして、
和食をつくる料理人には、和食を作る道具があり、
中華をつくる料理人にも、中華独自の道具がある。
フレンチでも、イタリアンでも同じだ。

「○○料理」という、料理のスタイルによって、
使う道具も異なってくる。

それぞれの料理を作るのに、最適な道具というものが
長い年月をかけて作られているからだ。

繊細な和食を作るのには、
中華包丁では難しいし、逆もまた難しい。

自分が ある料理の料理人になるためには、
自分が何の料理を作るプロになるか?
というスタイルを決めて、
そのスタイルに合った道具を揃えることになる。

トレードで使う指標も、
まったく同じことが言える。

例えば。

自分が超短期のデイトレードをして、
短期的な売買益を得ようと思っているのに、
会社の利益と株価の関係を見る、
財務系の指標であるPER(株価収益率)を使っても
効果的に利用することはできない。

順張りを自分のトレードスタイルにしようとしてるのに、
株価の行き過ぎをはかるテクニカル指標を
そのまま使っても効率的ではないだろう。

自分のスタイルを決め、
自分のスタイルに合った道具である
テクニカル指標を身につけたいものだよね。


さて、ここからが今回のレッスンの本題。

自分のトレードスタイルも、なんとなくは分かった。

そして、自分のトレードスタイルに合った
指標というものに、どんなものがあるのかも、
だいたい理解できたとする。

その後、どう勉強していくのが、
利益を出すために、もっとも効率的な
勉強法なんだろうか?

自分のトレードスタイルに合った指標は、
まんべんなく使ってみて、広く学んだほうがいいのか?

それとも、
たったひとつの指標だけに絞って
勉強を深めたほうがいいのか?


もちろん、考え方にはいろいろある。
いろいろあるが、君にオススメする方法は、
「たったひとつの指標に絞って勉強してみる」
という方法だ。

「空也さん、たったひとつの指標を覚えるだけだと、
 なんか 偏りが出てきませんか?」
「選んだ指標が、使えない指標だった場合、
 目も当てられない感じがするんですけれど」
と、君は思ってしまうかもしれない。

でも、
いままで何人かにトレードを教えてきたけれど、
まんべんなく指標を知っている人より、
バカのひとつ覚えで、たったひとつの
指標に精通している人のほうが、成長が早かった。

そして、成長が早かったのは、
ちゃんと理由があると思うんだよね。

その理由には、大きく2つある。


ひとつは、
「どのテクニカル指標も、
 まったく独立した考え方はしていない。
 なので、ひとつを深くマスターすれば、
 応用が楽になる」
という理由。

どんなに複雑に見えるテクニカル指標も、
基本的な考え方は、どこかで必ず共通点がある。

たとえば、
移動平均線に比べると、ボリンジャーバンドは
複雑な計算式を使っていて、
はじめは全く別の指標に見えるかもしれない。

でも、よく分解してみると、
基本的な考え方は、移動平均線と
ほとんど同じだったりする。

ひとつの指標に精通することができれば、
自分の中に「軸」「基準」というものが出来上がる。

その基準に照らし合わせて
「ここは、私の知っている指標と同じ考えだ」
「この部分だけを学べば、あとは応用できるな」
などという判断ができる。

新しいテクニカル指標を学ぶときに、
ひとつのテクニカル指標に精通できていれば、
自分の腹に落とすのにかかる時間を
大幅に短縮できるだろう。


もうひとつの理由。
こちらの理由のほうが、はじめのうちは大きい。

その理由とは、
「ひとつに精通すると決めた時点で、
 “魔法の指標探し”を始めてしまう
 愚を犯さなくなる」
というものだ。

例えば、君が
「まずは移動平均乖離率をマスターすることにしよう」
と決めたとしよう。

自分が
「移動平均乖離率に関しては、もうマスターした」
と感じられるまでは、決して他の指標には
目もくれないと決断をしたとする。

もし君が決断をしたとしても、おそらく、
移動平均乖離率をちょっと勉強して、
ちょこちょこ実践したところで、
すぐには利益を出せるようにはならないかもしれない。

そこで、普通は
「もしかしたら、“移動平均乖離率”という
 指標そのものが、よくないのかもしれない」
と考える誘惑に駆られてしまう。

ゴルフのドライバーの飛距離が伸びないのを
ゴルフクラブのせいにするのと同じように。

そして、私が一番はじめに
自分が儲からないのを、ゴールデンクロスのせいに
したのと、おなじように(笑)

しかし、
「絶対に、移動平均乖離率をマスターする」
と、決めていれば、そんな“指標探しの旅”に
出ることは、ない。

さらに深く深く、移動平均乖離率の
長所と弱点を追求するだけだ。


以前のレッスンで話したとおり、
テクニカル指標は、あくまでも“指標”“コンパス”だ。

「○○という指標なら儲けられるけれど、
 △△だと儲けられない」
ということは、まずない。
(よほどマイナーな指標を、君が選ばない限り)

なので、安心して指標を選び、
ひとつの指標を深く深く追求してみて欲しい。

選び方は、前回のレッスンで話した
自分のトレードスタイルにマッチしていさえすれば、
あとは君の直感でかまわない。

逆張りの短期トレードというスタイルならば、
RSIでも、W%Rでも、サイコロジカルラインでも
なにをはじめに学んでもいいだろう。

ただ、あまりにマイナーな指標から勉強するよりは
ネットで調べてすぐに情報が入手できるような
ある程度メジャーな指標から着手することを
オススメする。


「まずはひとつ」。
君のプロトレーダーのスタートは、
「ひとつ」からはじめてみては、いかがだろうか?



さて、今回のレッスンは、ここまで。

今回は、
テクニカル指標の勉強を進めるにあたって、
まずはひとつの指標をマスターしよう
という話をした。

料理人の世界でも、
まずはひとつの道具が使えることは
とても大切だろう。

包丁一本。
鍋ひとつ。

その、ひとつひとつを丁寧に
学んでいける人だからこそ、
プロ中のプロの料理人になれるんだろうと
私は思う。

君は、どう考えるかな?


今回も、手紙を読んでくれてありがとう。
ではまた、手紙を書きます。


空也

 

〔体〕 理解を深める、3つのレベル

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

前回は、テクニカル指標の勉強を進めるにあたって、
まずはひとつの指標をマスターしよう
という話をした。

ひとつのテクニカル指標をマスターすることによって、
自分の中にひとつの「軸」「基準」が出来上がる。

「軸」「基準」が出来上がってしまえば、
他のテクニカル指標を学ぶときには、
スピーディに、効率的に学ぶことができる。

そして、「軸」「基準」を作っている間は、
存在するはずのない“魔法の指標探しの旅”を
始めてしまう心配もなくなる。

という話をしたね。


今回は、前回までの話を伝えたことで、
やっと君に話せる話をしよう。

今回は、「テクニカル指標をマスターする」
ということがどういうことなのかを
君に伝えよう。

君が、テクニカル指標を学ぶ時の
ポイントにしてくれれば幸いだ。

では、早速はじめていこう。



テクニカル指標の勉強は、
大きく分けると3つのレベルがあると思う。

3つのレベルとは、
・頭で分かるレベル
・胸、ハートで分かるレベル
・腹で分かるレベル

の3つだ。
(この理解のレベルは、なにもテクニカル指標に
 限ったことでは、ないんだけれどね)

これだけでは、意味が分からないと思うので、
ひとつひとつ順を追って説明していこう。


まず。
テクニカル指標の勉強というのは、
どこから始まるか?というと、
「そのテクニカル指標の存在を知る」
というところから始まる。

たとえば、
移動平均乖離率ならば、
「テクニカル指標の中には
 “移動平均乖離率”というものがある」
と知るところから、学習スタートだ。

ま、当たり前だよね(笑)

そこから、
指標の概要を知り、
指標算出の計算式を知る。

さらに必要に応じて、どのような経緯で
そのテクニカル指標が生み出されたのかを
知ると、何かのヒントになるかもしれない。

そして、ここまでは、知識レベルの理解だ。

そのテクニカル指標について書かれた本を読むとか、
テクニカル指標について、ネットで調べれば
いくらでも情報が得られる。

そして、ここまでが先ほどの3つのレベルで言うと
「頭で分かるレベル」
ということになる。


まずは知識で、頭で理解できないと、
先に進むことができない。

この「頭で分かるレベル」をおろそかにすると
後で困ることになるので、
じっくりと得られるだけの情報を収集しよう。


特に大切なのが、そのテクニカル指標を算出している
計算式の理解だ。

どのような計算をして、指標が算出されているかを、
ちゃんと頭で理解しておかなければ、
最終的にマスターすることは、出来ないといっていいだろう。

計算式を理解せずに指標を使っているということは、
料理にたとえると、
「自分で料理を作っているのに、
 材料や調味料については、全く知らない」
というのと同じだ。

材料や調味料について理解しているからこそ、
おいしい料理も作れる。

砂糖が甘くて、塩がしょっぱいと知っているから、
料理を作るときに大失敗をしなくてすむ。

計算式を理解しているから、
テクニカル指標を誤って使うことなく
大損失を避けることができる、というわけだね。


テクニカル指標の中には、
単純な計算式ではなく、少々難解な式を使うものもある。

日常では使わないような、標準偏差とかね。

でも、もしそのテクニカル指標をマスターしたいと思うなら、
ちゃんと計算式の意味を知っておくことは大切なことだ。

もし、
「標準偏差とかは、ハードルが高い!」
と思うのならば、最初に学ぶテクニカル指標を
選びなおすという選択肢もある。

自分のものに出来る!と確信できる指標を選ぼう。



では、次に進もう。

「頭で分かるレベル」の学習が済んだら、
次は実践となる。

実際に少ない金額を使って運用をしてみるか、
運用をしているつもりになって、
学んだテクニカル指標と、実際の値動きを
照らし合わせてみるわけだ。

すると、
「あれ?勉強したとおりに機能しない!?」
とか、
「機能する銘柄やタイミングはあるけれど、
 機能しないものも、たくさんあるじゃん!?」
などと言った発見があるわけだ。

「頭レベル」で、机上の空論で理解してきた指標が、
機能したり機能しなかったりして、
君の感情を揺さぶるわけだ。

「あれ?」
「どうして?」
「ああっ!なるほど!」
「この場合は・・・?」

などと、疑問と発見を繰り返して、
知識・頭レベルの情報が、君の感情レベルでの理解に
落とし込まれていく。

ここでの理解のレベルが、第2のレベル
「胸、ハートで分かるレベル」
というわけだ。

シミュレーションを通して、
机上の空論では絶対に到達できなかった
理解レベルに、深く入っていく。

ここまできて、やっとそのテクニカル指標が
君のものになりつつある、と言えるだろう。


この「胸、ハートで分かるレベル」での注意点は、
現時点では あくまで学習であることを忘れないこと。

いきなり自分のトレード資金全額を使ったり
しないように。

学習のために、実際に売買してるつもりで
チャートを見るとか、
実際にエントリーするにしても、
小額のエントリーまでにとどめておこう。

理解をしないうちから大きな資金を入れるのは、
それはトレードではなく、破滅型ギャンブルだ。

多くの市場参加者が、この破滅型ギャンブルをやって
痛い目を見ている。

気をつけたいところだよね。



そして。

最後のレベルに到達したところで、
君はひとつのテクニカル指標について
マスターしたことになる。

そのレベルが、
「腹で分かるレベル」だ。

第2レベルである「胸、ハートで分かるレベル」を
繰り返していると、

そのテクニカル指標の持っている長所や弱点、
どんな時に機能しやすくて、
どんな時には機能しにくいかが分かってくる。

そして、
特に意識をしなくても、そのテクニカル指標に
基づいて売買が出来るレベルに到達する。

ここまでくると、完全に そのテクニカル指標は
君のものになったといえるだろう。

“君の腹に落ちた”
と言うわけだ。


この「腹で分かるレベル」と、
第2レベルの「胸、ハートで分かるレベル」には、
はっきりとした境界線は ないかもしれない。

ただ、今の自分が
「胸、ハートで分かるレベル」なのか、
「腹で分かるレベル」に到達したのかをはかる
目安みたいなものは、ある。

目安として、2つほど例を挙げておこう。


1つ目。

もし君が、あるテクニカル指標について
「腹で分かるレベル」に到達したならば、
そのテクニカル指標について、
自分の言葉で、弱点を説明できるだろう。

長所については、理解レベルの序盤に
けっこう説明が出来る。

テクニカル指標の説明なんかにも、
たいてい長所は書いてあるしね。

ただ、短所となると、
なかなか説明をしてあるものは少ない。

単に「ダマシが多い」なんてことが書いてあるだけ、
なんてものが多い。


もし君が、あるテクニカル指標を
「腹で分かるレベル」まで理解したのならば、
そのテクニカル指標の“弱点”を
君自身の言葉で、語ることが出来るようになるだろう。

「自分の言葉で」と言うところが重要で、
君の知識、経験、感情すべてに裏打ちされた言葉で
語れるようになったら、
君は そのテクニカル指標についての
マスターと言っていいだろう。


もう1つの目安は。

君が、なんのラインも引かれていない
“素のチャート”を見たとしよう。

ローソク足だけが並んでいる、
何の変哲もないチャート。

その“素のチャート”に、
だいたい、大雑把にテクニカル指標の
ラインが描けたり、数値が分かったりすれば、
それは「腹で分かるレベル」になったといえるだろう。


例えば移動平均線ならば、
“素のチャート”を見ていると、
ボーっと、5日移動平均線とか、
25日移動平均線がイメージ上で見えてくる。
みたいな感じ。

ここまでくれば、立派な変態・・・
ではなく、マスターレベルになったと
いえるだろうね(笑)

そのテクニカル指標を使って、
トータルで利益を出していけるのは
時間の問題だと言えるレベルになった、
と言い切ってしまって、いいかもしれない。



さて、今回のレッスンは、ここまで。

理解のレベルには、

・頭で分かるレベル
・胸、ハートで分かるレベル
・腹で分かるレベル


という、3段階のレベルがある。

日本語は素晴らしいね。
頭、胸、腹と理解が深まるにつれて、
どんどん「落とし込まれて」いく。
っていう表現があるんだもんね。


どのレベルもおろそかにすることなく、
順を追って理解をしていけば、
君はひとつのテクニカル指標のマスターに
なれるだろう。

そして、その努力の成果として
生涯、利益を出し続けることの出来る
トレーダーになっていける、というわけだ。

一緒に、頑張っていこう。


今回も手紙を読んでくれて、本当にありがとう。
ではまた、手紙を書きます。


空也

 

〔体〕 オギノ式避妊法を、トレードに活かす

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

前回は、テクニカル指標の理解を
段階的に はかる事によってマスターしていこう、
という話だったね。


理解のレベルには、

頭での理解、
胸・ハートでの理解、
そして、腹まで落とし込んだ理解

という3レベルがあることを説明した。

腹まで落とし込んだ理解をして、はじめて
ひとつのテクニカル指標をマスターした、
と言える。

テクニカル指標をひとつマスターすれば、
その努力の成果は、利益という形になって
君に報いてくれるだろう。

一緒に頑張っていきたいよね。


今回は、前回の話を踏まえたうえで、
「テクニカル指標をマスターしたうえで、
 次に考えてみること」
の一例を 君に伝えよう。

君がテクニカル指標をマスターした暁には、
今回の話を思い出してみるのもいいだろう。

君がすでに、なにかひとつのテクニカル指標に
精通しているのであれば、
今日の話をヒントにして、
新しいトレードルールを構築できるかもしれない。

では、さっそく見ていくことにしよう。



さて。

話は唐突だが、君は
“オギノ式”
っていうテクニックがあるのを、知っているかな?

いやいや、
これはトレードのテクニックではなくて、
避妊なんかに使われるテクニックなんだけれどね。


「なんだ?
 空也さん、どうかしちゃったのか?」

と思うかもしれないが、ちゃんとトレードの
話につながるので、続いて読んでみて欲しい。


“オギノ式”を簡単に説明をしよう。

“オギノ式”は、過去半年間の月経周期データから、
次の月経予定日を割り出し、その月経予定日の
12日~19日前の8日間を
「妊娠しやすい時期」とする、という方法だ。

なので、妊娠を避けるためには、
上記の計算で算出した8日間を避ければいい、
という避妊法だね。

避妊法としては、確実性に欠けるとか、
いろんな説があるんだけれど、
かなり昔から流布している避妊法のひとつだ。


しかし、

もともとこの“オギノ式”は、避妊法を作るために
生み出されたテクニックではない。

もともとは、子供が欲しいのに、
なかなか出来ないというご婦人方のために、
不妊治療の方法として編み出された知恵だ。

しかしどちらかというと“オギノ式”は、
不妊治療としての認知度より、
避妊法としての知名度のほうが高い。

妊娠したいという人より、避妊したいという人の方が
人数的にはニーズが高いせいかもしれないね。

いずれにしても、本来の目的のためとは、
まったく逆に利用されることのほうが多くなった。
ということのようだ。



ふぅ。
ここから、ちょっとずつトレードの話に戻していこう。

トレードで使うテクニカル指標の中にも
“オギノ式”と同じような経緯を持っている指標がある。

“オギノ式”と同じ経緯を持つ指標というのは、
ボリンジャーバンドのことだ。

ボリンジャーバンドという指標についての
詳しい説明は、ここでは省く。

簡単に説明すると、統計学からヒントを得て、
ジョン=ボリンジャーという人物が
開発したテクニカル指標のひとつだ。

ある一定期間の株価のばらつきが、
「通常よくあるもの」なのか、
「通常から飛びぬけている」のかをはかり、
その度合いをチャート上に、
上下の帯(バンド)として表示する、
というテクニカル指標。

現在では、株価の行き過ぎをはかる
「逆張り系」の指標として愛用する人も多い
メジャーなテクニカル指標のひとつといえるだろう。

しかし。

このボリンジャーバンドを考案した
ジョン=ボリンジャーという人物は、
このボリンジャーバンドを、はじめは
「順張り」のテクニカル指標として使うために
開発をしたんだよね。


「通常よくある」値動きから飛びぬけた株価ということは、
いわゆる順張りで言うところの「ブレイクアウト」と
同じ状態の株だ。

なので、ボリンジャーバンドを
ある一定の範囲で突き抜けた株を買えば、
そのまま上昇していくだろう。
という仮説を立てて、実際に運用をしてみたらしい。

ところが、まったくうまく機能しない。

機能しないどころか、買った株は、ことごとく
下落していくという悲惨な状態だった。

その結果(なのかどうかは、推測の域を出ないが)
ジョン=ボリンジャー氏は相場で破産している。

ことごとく機能しないのならば、
じゃあ逆に使えばいい、ということで
順張りの指標ではなく、逆張りの指標として
有名になってしまった、というわけだ。

「順張り」という本来の目的とは、
まったく逆に利用されている、と言えるだろうね。



さて、
今回のレッスンで、私が君に伝えたいことが
見えてきただろうか?

“オギノ式”も、“ボリンジャーバンド”も、
開発された当初の目的とは、全く逆の利用法で
現在は認知されている。

認知されているということは、
有用性を、多くの人が認めているという
何よりの証拠だ。

有用性があるのならば、本来の目的とは
まったく違う使い方をしても、
それは「間違った使い方」ではない。


そして、この逆に使っても良いという法則は、
今君が使っているテクニカル指標や
トレードルールにも当てはまる。


君の使っているテクニカル指標を、
一度リセットして見直してみて欲しい。

君がテクニカル指標をマスターしているのであれば、
通常 世間で言われているような使い方だけに
こだわる必要は、ない。

順張り系のテクニカル指標を、
逆張りに使ってみるのを試してもいいだろう。

短期の株価の振動を見るための指標を、
長期に転用できないかを考えてみるのも
大いに試してほしい。


君が作ったトレードルールにしても同じことだ。

売買すればするほど損が蓄積していくルールは、
売りと買いを逆転させれば
素晴らしいパフォーマンスを叩き出す
ミラクル・ルールになるかもしれない。

勝率が低すぎるルールは、
勝率の高いルールに生まれ変わらせることが
できるかもしれない。


ある程度のレベルに到達している必要は
あるかもしれないが、
既存の考え方を、あえて壊してみるのは
価値のある行動だ。

「○○という指標の使い方は○○じゃないといけない」
なんて考え方を一度壊して、
君自身の新しい使い方を研究してみるのも
とても大きな発見につながるかもしれないね。


さて、今回のレッスンはここまで。

いきなり“オギノ式”の話で
ビックリしたかもしれないけれど、
私が君に伝えたい内容は、伝わったかな?

はじめは、基本に忠実であることも大切だ。

大切だが、学んだ知識を、あえて意識的に壊したり、
離れてみたりすることも、同じように大切だ。

「トレードで利益を出す」
という目的を見失わずに、
学んだり、壊したり、離れたり、
試行錯誤を繰り返してみて欲しい。


今回も手紙を読んでくれて、本当にありがとう。
ではまた、手紙を書きます。


空也

 

〔体〕 2010年、相場では。

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

気持ちよく新年を迎えるために、
仕事とか、大掃除とか、忘年会とか
とにかくあわただしい毎日が続いているかもしれないね。

そんな、いつもよりも時間に余裕のない中、
手紙を開いてくれてありがとう。

今、私の手紙を読むという選択を
してくれていることを後悔させないためにも、
限られた時間の中で、最大限の気づきを得られるような
内容を紹介しよう。



前回の手紙でも少しだけ触れたように、
今年の、特に前半は、熟練したトレーダーも
思うように利益を出せなかった人が多かったようだ。

少なくとも、私の周りにいるトレーダー仲間は、
「前半は、結果として利益が少なかった」
と言う人が多い。

では、なぜ儲けにくかったのだろうか?
ということを、いくつかピックアップしていこう。

とはいえ、
毎年毎年、後から振り返ってみて
「いやぁー、今年は儲けやすかったなぁー」
「本当に、順風満帆だった」
なんていう年は皆無と言っていい。

そして、ある人が儲けにくさを感じているとき、
別の人は儲けやすさを感じることもある。

なので、ピックアップするのは、例年とは違った
今年に限定した要因だけにとどめることにしよう。



1.大きなトレンドの発生が少なかった

例年に比べると、市場全体が比較的穏やかな値動きで、
後半はともかく、トレンドの発生が
やや少なかったかもしれない。

ここ数年の中では、
激しい暴落も少なかったので、
「ここでエントリー!」
のポイントが少なかったかもしれないね。

結果としては、出来高/売買代金についても
ものすごく増えたことがなかったので、
おとなしい値動きで終わったかもしれない。



2.アローヘッドの導入

2009年の終わりから今年の初めにかけて
トレーダーたちの中で もっとも興味深かったニュースは
「2010年からのアローヘッド導入」
だったんじゃないかな?

今までよりも格段に注文反映の
スピードが速くなり、
個人が見られる売買板の表示も増えた。

一見、いいことづくめのような感じだ。

だが、導入される前は
どんな風に影響があるかわからない
と言う理由で、個人トレーダーの中では、
懐疑的意見が多かったのも事実だ。

中には
「各証券会社のファンド運用のディーラーたちに
 有利な売買が出来るようなシステム構築がされている」
と言ったような、嘘か本当かわからないような
“都市伝説”も生まれたみたいだしね。

実際には、アローヘッドが
ファンド運用者に有利なシステムに
なっているかどうかは、わからない。

分かったところで、我々個人トレーダーが
そのシステムに対抗しうる手段を構築できるのかも
疑問だしね。


分からないことは、分からないこととして、

大きな事実としては
アローヘッドの導入により、
日々の流動性を作っているトレーダーたちが慎重になり、
前半は売買を控えていたということがあった。
ということだけだ。

それも、大勢にはほとんど影響がなかったことかも
しれないけれどね。



3.呼び値の変更

もし、今年が例年に比べて儲けにくい年だったとしたら、
この「呼び値の変更」が大きいんじゃないかな、と思う。

特にその日のうちにエントリーと決済を済ませてしまう
デイトレーダーや、数日間の保有で決済してしまう
スイングトレーダーにとっては、
呼び値の変更は大きかったと思う。


アローヘッド導入と時期を同じくして、
呼び値の変更が行われた。

(*管理人注~呼び値については、こちらを参照)

変更が行われる前は、例えば
2,000円で買った株が、1ティック上昇すると
2,005円になることがあった。

3,000円で買った株は、1ティックの上昇で
10円の値上がりをすることもあった。


しかし今は、
2,000円で買った株が1ティック上昇しても
1円の上昇にしかならず、
3,000円でも、5円の上昇にとどまる。

非常に細かいことだが、
日々のトレードの中で、1ティックで5円とか10円が
上昇するのが変更になったことは、
超短期トレーダーにとっては、大きいことだ。

さらに、今まで2,000円から2,005円の売買は、
1つの売買板に集約されていたのが、
1円刻みとなった結果、5ティックの売買板に
分散されてしまった。

結果として、板の厚みがなくなり、
ある程度大きな資金を動かしているトレーダーにとって、
心理的に売買がしにくくなったということも
挙げられるかもしれない。


もし君がシステムトレードで資金を運用していて、
なぜか、今年に限って運用成績が悪いという場合は、
この「呼び値の変更」が影響しているかもしれない。

よかったら、調べてみて欲しい。



さて、今回も前回に引き続き、
あっさり目の手紙で終わることにしよう。

トレードを継続していく上で、
儲けにくい年とか、比較的堅調にいく年というのは
ある程度あるだろう。

しかし、
実際のトレード現場で
「楽だなぁ」と感じることは少ないし、
誰でもうまくいくという時期は本当に限られている。

やはり、日々の積み重ねが
とっても大切になってくるということだろうね。


その中で、今回は あえて
「今年、儲けにくかった理由」
というのを挙げてみることにした。

客観的な事実に基づいて、
その事実が、どのような影響を与えたのか?
それとも、影響がなかったのかを考えるのは
有意義なことだろう。

来年からのトレードに備えて、
起きた事実を見据えてみるというのも
プラスになるかもしれないね。


今回も手紙を読んでくれてありがとう。
ではまた、手紙を書きます。


空也

 

〔体〕 証券会社選びよりも、先に選ぶこと。

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

お正月気分も少しずつ抜けて、
世の中もだんだんと普段の生活に戻っていっているね。

年の初めに友人に会うと、かなり高い確率で
「私も今年は、株でもやってみようかなー?」
と、相談される。


プロのトレーダーとして生計を立てている私からすると、

「今年は、株でもやってみようかなー?」
という相談は、
「今年は、プロ野球選手になってみようかなー?」
というのと同じくらい、あまりに気軽な決意に聞こえる。

「え?そんな お気楽な調子で大丈夫?」
と思ってしまうんだけれど、
友人として付き合っている人の相談には、
出来る限り乗ってあげたいとも思う。

そこで、
相談の内容を聞くことになるんだけれど、
どんな人も、聞きたい内容は似通っているものだよね。


質問される内容ベスト3は、

・「これから株は上がると思う?」

・「どの銘柄買えばいいの?」

・「証券会社は、どこにすればいいの?」

かな。

たしかに、3つとも気になる内容なんだろうな、
と思わないでもない。

でも、
意地悪をするつもりは全くないけど、
どの質問も、それだけでは答えにくいものばかりだ。

今まで私の手紙を読んできた君には分かると思うけれど、
株で利益を出すと言っても、アプローチの仕方は様々。

アプローチの仕方が違えば、
専門知識も変わってくる。


例えるならば、、
大きなくくりでは「お医者さん」でも、
専門分野は、さまざまに区分けされているよね。

なのに、
眼科医に「虫歯が痛いんだけれど、どうすればいい?」
と言っても、できることは限られているだろうし、

大学病院の研究者に、盲腸の手術を頼んでも
困った顔をされるだけだろう。


株の世界も同じで、自分の得意とする
やり方以外のことは、概要のアドバイスをするのが
関の山、ということも多い。

私のやり方である、短期の株価の値動きを狙う
トレーダータイプには、3つの質問のうち

「これから株は上がると思う?」
「どの銘柄買えばいいの?」

という2つの質問には、
ほとんどアドバイスできることがない。


一つ目の質問である、
株が上がる=市場全体が上がるか下がるかは、
自分のパフォーマンスにほとんど関係がないので、
見ていないことも多い。

トレーダーの私に気を遣って
「今日の日経平均は○○円だったよね。
 やっぱり、雇用統計の影響かなー」
なんて話を振ってくれる友人に対して、

「あ、そうなんだ」
と私が答える、なんてこともあるくらいだからね。
(さすがに極端な例だけれど)

市場全体が上がるか下がるか?
それは国の機関とか、
証券アナリストが研究する分野であって、
短期トレーダーが、人様にアドバイスできるような
代物ではない、と思う。


二つ目の質問である
「どの銘柄買えばいいの?」
も、その質問だけでは、ちょっと答えにくい。

シンプルに、値上がりが期待できる銘柄を
教えればいいんだろうけれど、
これがまた難しい。

その人の運用資金によって変わってくるし、
短期で儲けたいのか、長期投資をしたいのかによっても
まるで違ってくるだろう。

感覚的には、恋人募集中の友人に
「いい人紹介してよ!」
と言われているのに近い。

「いい人」って言われても、
どんなお付き合いをしたいのか、
どんな性格の人と付き合いたいのかによって、
全然違うのに、紹介。って難しいよね。



そんな中、
強いて言うと、三つ目の質問である
「証券会社は、どこにすればいいの?」
については、多少はアドバイスできることがあるかな。

とはいえ、
この「ベストな証券会社」というのも、
株との付き合い方によって、多少の差がある。

一番はじめに目が行きやすい
売買手数料にしても、安ければ安いほどいい、
とは限らない。

私の友人の長期投資家は、
「自分が気軽に売買をしないため」に、
あえて売買手数料の高い証券会社の口座を
メインの口座にしている人もいる。

ネットでの売買もできるのに、
あえて手軽さを排除して、窓口での
取引だけにしている口座を持っている人もいる。

手数料が高かったり、窓口での取引にすることによって、
ちょっとしたニュースで
「売りたい」
と思っても、簡単にできないような“自分への枠”を
作っている、と言うわけだ。


長期投資家でなかったとしても、
手数料の安さだけでは比較できない要素もある。

要素をちょっと挙げてみても、

・注文方法の多彩さ
(逆指値や、トレーディングストップがあるか?)

・有料サービスや、フォローの充実度
(フォローが充実していそうでも、
 フォローの電話が全く繋がらないなんてこともある)

・注文画面の使いやすいさ
(超短期トレーダーにとっては、
 発注開始から注文完了までの、画面の少なさも
 大切な要素だ)

・注文完了後から、実際に約定されるまでのスピード
(コンマ何秒の世界で戦う超短期トレーダーには重要。
 どうも、規模の小さい証券会社の約定スピードは
 若干遅い可能性もある)

・自動売買ができるかどうか
(特定のシステムトレーダーには必須で、
 自動売買が出来る証券会社は、日本に数えるほど
 しかない)

などなどなど。。。
要素を出していったら、きりがない。


今までの手紙で話してきたような、
トレードルールやマネーマネジメントよりは
ナーバスになる必要のない事だけれど、
証券会社選びも、自分のスタイルにフィットしたものを
選ぶ必要があることが、分かってもらえるだろう。

たとえば、
1回の売買手数料が300円の証券会社と
1,000円の証券会社があったとする。

もし仮に、君が1日3~4銘柄、1年で1,000銘柄を
売買するようなスタイルだったとしよう。

1,000トレードという、かなりアクティブな
トレードをするスタイルだった場合、

1回300円の証券会社の場合は、1年で30万円の手数料。
1回1,000円の証券会社では、1年で100万円がかかる。

「買い」「売り」往復で手数料がかかることが多いので、
その差は

100万円×2 - 30万円×2 = 140万円

となる。

運用資金にもよるが、140万円の差額が出るわけだから、
アクティブな運用の場合は、面倒くさがらずに
手数料コストの削減は やる方がいいだろうね。

特に、数年間 証券会社を変更していないという場合は、
今まで知らなかったような証券会社が
自分のスタイルにフィットすることもある。

今から株の売買を始めるというわけではない君も、
あらためてチェックしてみるのも、いいかもしれない。



今回の手紙は、ここまで。

「株を始めたい!」という場合でも、
今までの見直しをする場合でも、
いずれにしても、やはり はじめに用意するのは
証券口座でもなく、運用資金でもない。

自分の中の、株の運用スタイルを考えなければ、
何ひとつとして はじまらない。というわけだね。

今回も手紙を読んでくれて、本当にありがとう。
ではまた、手紙を書きます。


空也

 

〔体〕 “美人投票”で語られない前提

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

ここしばらくの手紙では、トレードで
利益を出すために必要な「心・技・体」のうち、
「心」の話が続いていたね。

新しい年を迎え、気持ちがリフレッシュされている
状態の時に、君に「心」の話を伝えたいと思ったので、
立て続けに書かせてもらった。

ただ、「心」の話をしていただけでは
実際の利益になっていかないので、
「技」の話や「体」の話も、ぼちぼちしていこう。


今回は、株式市場の原則中の原則の話をしよう。

原則なので、言われてみれば当たり前の話に
聞こえる話かもしれない。

けれど、
理屈では分かっているのに、
その理屈どおりに行動していない場合もたくさんあるので、
確実に、君の腹の底に叩き込んでおいて欲しい話だ。

では、早速はじめよう。



さて。

君は、生まれたときから今までに
いろんな教育を受けてきていると思う。

親のしつけだったり、
学校でいろいろ習ったり、
社会に出て、社会人として学んできたり。

たくさんの教育の中で、
君が好むか好まないかに関わらず、
君の脳には、たくさんの「刷り込み」が
行われている。

「刷り込み」というと大げさかもしれないけれど、
君が普段は意識もしないまま
「○○は、△△なのが普通だろう」
「○○は、□□なのが正しいだろう。常識だろう」
と思っちゃっていることは、たくさんあるだろう。

例えば、
「人を傷つけちゃいけないだろう」
とか、
「お金は汗水たらして働いて得るものだ」
とかだね。

この「刷り込み」は、普段の日常生活を送る上では
とても大切なものもあるし、「刷り込み」のおかげで
社会の秩序が保たれていると言えるだろう。

ただ、株式市場においては
今までの「刷り込み」が、まったく通用しなかったり、
逆に邪魔になってしまったりすることも、よくある。

「会社の価値が下がるのを喜ぶなんて、良くない」
なんていう刷り込みが、空売りで儲けるブレーキに
なっていたり、

「超短期で売ったり買ったりしているだけなんて
 社会に何も役に立っていない」
なんていう刷り込みが、トレーダーのプライドを
傷つけていたりするのが、いい例だ。

そして、

そんな「刷り込み」の中で、
最も利益に直接弊害をもたらすもののひとつが、
「多数決の原則」
というやつだ。


我々は、小学校に行き始めたころから
「多数決の原則」
というやつを、直接間接に刷り込まれ始める。

「意見が分かれたときは、
 賛成する人の多い意見の方に決めましょう」

という原則は、確かに平等な感じで、
不満も少なくて済むだろう。

だから、様々な場面で重宝に利用されて、
いつの間にか君も

「意見が分かれたら、多数決で決めるのが、普通だろう」
と、刷り込まれているかもしれない。


しかし。

残念ながら、株式市場は、「多数決の原則」では
動いていない。

「多数決の原則」と、似て非なる原則で
株式市場は動いている。


なんとなく表面上は「多数決の原則」が
株式市場でも働いているように見えるし、

普段の自分の「常識」「刷り込み」を、
そのまま持ち込んでも大丈夫なように見える。

だが、そんなノンビリとした気持ちのまま
株式市場に参加すると、文字通り
身包み はがされてしまいかねない。


株式市場は「多数決の原則」では、動いていない。

株式市場は「多数決の原則」と似て非なる原則、
「多額決の原則」で動いている。


「多額決の原則」とは、文字通り
「買いと売りの意見が分かれたときは、
 買う金額と売る金額の、どちらか多い方に動きましょう」
という原則だ。

買う方の金額が多ければ、株価が上がる。
売る方の金額が多ければ、株価が下がる。

とてもシンプルな原則だ。


「え?空也さん。
 これって、多数決の原則と、どこが違うんですか?」
と思ったかもしれない。

たしかに、見た目は「多数決の原則」と同じように見える。

しかし、「多数決の原則」と「多額決の原則」は
意味合いが全く違う。


よく、
「株式は美人投票だ」
という 例え話を目にするだろう。

「株は、自分が美人だと思う人に投票するのではなく、
 みんなが美人だと思う人に投票しなければ 儲からない」
っていう話だ。

「多数決の原則」の社会の中で生きている人が
そのままこの“株は美人投票”という話を聞くと、

「あー、やっぱり株の世界でも、多数決の原則が
 生きているんだなー」
と勘違いする。

しかし、
このたとえ話は、的を得てはいるんだけれど、
とても重要な前提が語られないまま 一人歩きしている。

その重要な前提とは、

「その美人投票は、1人が1票ずつ投票するとは限らない。
 1票しか持っていない人もいれば、
 1万票持っている人もいる」

という事実だ。

1票を持っている人が9999人が、美女Aを
「一番美人だ!」
と思っても、
たった1人で1万票を持っている人が美女Bに投票すれば
コンテストの優勝者は、美女Bになる。

100万円を持っている9999人が、ある株を
「買いだ!」
と思ってエントリーしても、
100億円を持っている1人が、
「売りだな」
と思って空売りエントリーすれば、株価は下がる。

そして、

市場に参加している8割の人が持っている資金合計より、
残りの2割の人が持っている資金合計のほうが
圧倒的に多いというのが、株式市場の現実だ。

多数決は、通用しない。
通用すると思っていると、痛い目を見る。


だから、
君がこれから銘柄を見るときには、

「この株は、みんなが買いそうかな?」
と見るのではなく、

「この株は、圧倒的資金を持っている人が買うかな?」
と思って見ないと、儲けることは出来ない。


ちょっとした、ほんのわずかな視点の違いだけれど、
この違いが、君に大きな変化をもたらすだろう。


株式市場は、
「多数決の原則」では、動いていない。

株式市場は、
「多額決の原則」で、動いている。



決して勘違いしないように、
これからもトレードを続けていこう。


今回も手紙を読んでくれて、本当にありがとう。
ではまた、手紙を書きます。


空也

 

〔体〕 差がつく株式掲示板の読み方

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

前回は、株式市場における原則中の原則である
「多額決の原則」
について話したね。

株式市場では、君が今までの生活の中で
刷り込まれてきた常識が通じないことも多い。

頭では「今までとは違う」と分かっていたとしても、
強く意識していないと、ついつい勘違いをしたまま
行動を決定してしまうこともある。

パッと見ると、株式市場は
「多数決の原則」
が働いているように見えるけれど、

実は、全く意味合いが異なってくる
「多額決の原則」
によって、動いているんだよ。
という話をしたね。


今回は、前回の話を踏まえて、
巷に飛び交っている情報で売買することが
いかにバカバカしいかを話して行きたいと思う。

では、早速はじめていこう。



さて。

君は、ネット上で 株式の掲示板というのを
見たことがあるかな?

現在の市況や、個別銘柄について
掲示板を見ている個人個人が、
自分の意見を好きなように書ける、共有スペースだ。

株式掲示板を読んだり、書き込んだりすることで、
ネット上で「同好の士」とコミュニケーションを
取れたりするわけだ。

読み方さえ間違えなければ、株式掲示板は
一種の娯楽としてはいいかもしれない。

ただ、
株式掲示板に書かれていることを
そのまま鵜呑みにして売買の判断をする
なんてことは、やめておいた方がいいだろう。

では、なぜ鵜呑みにしてはいけないかを
順を追って、少し説明していこう。


まず、

前回の手紙で話したように、株式は
「多額決の原則」で動いている。

そして、市場参加者全体の2割程度の人が、
残り8割の市場参加者の資金合計よりも
たくさんの資金を動かしている、
というのが、株式市場の現実の構図だ。

そして困ったことに、
市場参加者の2割しかいない「多額決の強者」は、
ほとんどの場合、とても忙しい。
もしくは、逆に本当に優雅な生活を送っている。

なので、よほどの人でなければ、
「多額決の強者」は、株式掲示板を見にも来ないし、
ましてや掲示板に書き込むなんてことも、しない。

つまり、株式掲示板の書き込みをした人の99%以上は、
株価の流れを作り出すことが出来たり、
正確に株価の流れを読んだりすることの出来ない、
「多額決の弱者」の書き込みでしかない。

株は、上がるか下がるか横ばいかの
3つの動きしかないんだから、
書き込みの中には「予想が当たった」ものも
当然あるだろう。

しかし、それは「多額決」の方向に
たまたま沿っていた予想だったと言う意味以外には
大した意味はないといえるんじゃないかな?

前回話した“美人投票”の例で言えば、
1票しか持っていない人たちが
ガヤガヤ井戸端会議をしているだけ、と言う感じ。

1万票を持っている人は、
その井戸端会議には、参加していない。


さらに、
株の掲示板に書き込んでいる人が、
どんな気持ちで書いているのかを考えると、
ますます売買判断には使えないことが分かる。

株の掲示板と、他の趣味の掲示板などを比べると、
明らかに書く側の意識が違っていることがある。

普通、趣味の掲示板などに書き込みをする場合は、
書く人が望んでいる気持ちは、
「他の人と仲良くなれたらいいな」
とか、
「同じ趣味の人と、楽しく話せたらいいな」
という“つながり”を求めて書かれる場合が多いだろう。

しかし、

株の掲示板で、“つながり”を求めて記事を書く人は
ほとんどいない。

“つながり”の代わりに、
「自分のポジションを、有利に出来ないかな」
「株価が上がって/下がって欲しいな」
という、“コントロール”を求めて書かれるか、

「自分の見方が正しいと、賞賛を浴びたい」
「人から一目置かれたい。自己満足したい」
という、“エゴ”から書かれているものの
どちらかの場合が多い。

“コントロール”、あるいは“エゴ”。
どちらの立場で書かれているものも、
純粋に“つながり”を求めて書かれたものよりも、
捻じ曲がっている可能性が高いのは、
君なら簡単に想像ができるだろう?

特に、トレーダーとしての訓練がされていない人が
多いであろうと思われる株式掲示板の中だ。

書いた人のコントロール欲求やエゴから
発生した内容をもとに、君の売買の判断をするのは
危険であることは、分かってもらえるんじゃないかな?



上記2つの
「掲示板には、多額決の強者は まずいない」
「掲示板は、ほとんどの場合、
 “コントロール”か“エゴ”で書かれている」
ということを理解しながら読めば、
株式掲示板の情報に流されて売買することはなくなるだろう。


最後にもうひとつ。

読む側の気持ちとしても“コントロール欲求”は
出てくる場合があるので、注意が必要だ。

自分がポジションを持っていると、つい
「買った株が上がって欲しいな」
「売った株が下がって欲しいな」
と思ってしまう。

結果として、掲示板を見たときに
自分のポジションに都合のいい情報だけを
信じてしまうという錯覚に陥ることがある。

掲示板に書き込むといった
積極的なコントロールではないものの、

掲示板を読んで、
「やっぱり損切りは、もう少し待とう」
なんて思うのも、消極的なコントロールと言える。

掲示板を読むときは、常に
フラットな気持ちで見るように、注意しておきたいものだよね。


今回の手紙は、ここまで。

私は別に「株の掲示板は、読んじゃダメ!」
なんて言うつもりはない。

読む場合は、
「へー、こう思っている人もいるんだな」
「これは、どんな気持ちで書かれた文章かな?」
「情報に、自分でフィルターかけないように気をつけよう」
と思いながら読めばいいと思っているよ。


今回も、手紙を読んでくれてありがとう。
ではまた、手紙を書きます。


空也

 

〔体〕 ドローダウン対処法

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

しばらく株トレードとは ちょっと離れて、
人とのコミュニケーションについて話してきた。

君が、どのような生き方を選んだとしても、
人とのコミュニケーションというものはついてまわる。

誰ともコミュニケーションをとることなく
味わい深い人生を送ることは、まず無理だし、
たとえ君が
「誰一人とも、話さない」
と決めたとしても、最後の最後まで
“自分とのコミュニケーション”は残るからね。

また今度詳しく話すけれど、

自分自身に、どのような質問を投げかけ、
自分に起きた出来事を、どのように解釈し、
自分が行動するために、
どのような言葉を自分に投げかけるのか?

といった、“自分とのコミュニケーション”で、
人生は非常に大きな影響を受ける。

なので、コミュニケーションを学ぶことは
今より豊かな人生を歩みたいと願っている君にとって、
とてもとても大切なことだと考えている。

なので、今後も ちょくちょく
コミュニケーションについての話は
君に伝えて行きたいと思っている。

君に伝えられることが増えていくのは、
本当に楽しいことだ。


さて、今回は、私のトレーダー仲間からもらった
一通のメールからヒントを得て、手紙を書いてみようと思う。

お題は、「ドローダウンの対処法」だ。

長いことトレードをやっていると、
自分の保有ポジションが激しく逆行し、
資産にダメージをくらってしまうことがある。

そんなドローダウンは、どんなトレーダーでも経験することだ。

そのドローダウンに、どのように対処すればいいのか?

と言う話を、君に伝えて行きたいと思う。
では、早速内容に入っていこう。



ドローダウンの話を始める前に、
まず大前提の話をしておこう。

ドローダウンという「事故」に耐えたり、
改善をするという話は、少なくとも、
すでに期待値がプラスのトレードルールは持っている時に
効力を発揮する話だ。

「このままトレードをしていれば、
 かなり高い確率でトータルプラスは出せるはず。
 でも、実際の現場でトレードをしていると、
 ドローダウンが辛い」

という場合に必要な話だ。


そうではなくて、

「なんとなく気分で売買しているけれど、
 大きくダメージを食らってしまって、辛い」

なんていう場合は、
まず期待値プラスのトレードルールを用意するところから
はじめた方がいい。
(もちろん、君は分かっているだろうけれどね)


さて、では本題に入ろう。

長くトレードをしていると、どんなに優れたルールでも
ドローダウンを食らってしまうことは、ある。

ドローダウンによるダメージを軽減するためには
3つの方法があるが、どれも一長一短だ。


ドローダウンによるダメージを軽減する3つの方法とは、

1.ルールを変える。改善する。
2.マネーマネジメントを変える。
3.ドローダウンの解釈を変える。

という3つだ。
それぞれの詳細と、メリット/デメリットを話そう。


まず、
「1.ルールを変える。改善する。」
というのは、今現在持っている期待値プラスのルールを
変更することによって、ドローダウンを避ける方法だ。

たとえば、
逆張りをしていたところを順張りに変えたり、
使っていたテクニカル指標を変更したり、
テクニカル指標の細かい数値をいじったり、という感じだ。

よく、トレードを始めたばかりの人が、この
「ルール変更」によるドローダウン回避をやりたがる。

メリットとしては、
エントリーする銘柄や、
エントリータイミングが変わるんだから、
その時くらっていたようなドローダウンは、
完全に回避することが出来る。と言う点だ。

これ以上のドローダウン回避方法は、ないだろう。


しかし、
デメリットとしては、
今までにくらっていなかったドローダウンを
くらってしまうということが挙げられる。

つまり、根本解決には、全くならないわけだ。

どんな場面、どんな相場環境、どんな状態でも
ドローダウンを避けて利益を重ねられるルールは、ない。

たとえ一時期は完全に機能するルールがあったとしても、
相場の状況が変われば、全く機能しないルールに
なってしまうことだろう。

もちろん、トレードルールをどんどん改善していって、
ドローダウンを軽減することは、できる。

しかし、根本的に
「ドローダウンがまったくなくなる」
というルールは、探し続けるだけ無駄なので、
他のダメージ軽減方法も併用する必要があるだろうね。



では、次。
「2.マネーマネジメントを変える。」
をみてみよう。

こちらは、ドローダウンのダメージを軽減させるために、
投入資金を調整する方法だ。

例えば、
ボラティリティ、値動きが大きな銘柄には
資金を少なめに入れるとか、

相場全体を鑑みて、
自分のトレードルールが機能しない相場状況のときは
資金を抑制するとか、

過去ドローダウンした銘柄の傾向を検証して、
資金を調整する、などという方法だね。

メリットとしては、
マネーマネジメントすることによって、
大ダメージを負うことはなくなり、
トレードルールを大改造することなく、
継続して利益があげやすくなることだ。

デメリットとしては、
資金を調整することによって、
大きな利益をあげられたはずのトレードを
みすみす見逃してしまったり、
小額利益で終わってしまうということも
出てきてしまうという点かな。

ドンピシャで株価の底/天井を
当てられないのと同じように、
完璧な資金のコントロールも、なかなかできない。

「儲けられるトレードには、資金を多く。
 損するトレードには、資金を少なく」
というのは、トレードの理想であって、現実ではない。

なかなか、難しいといえるだろうね。



そして、最後。
「3.ドローダウンの解釈を変える。」

これは、自分の心理的な話だ。
ドローダウンは、実際にはくらっているんだけれど、
“自分とのコミュニケーション”によって、
心理的なダメージを軽減する、という方法だ。

期待値プラスならば、トータルでプラスになることは
ほぼ分かっている。

不確実かもしれないけれど、でも明るいであろう
未来を迎えるために、一時的なドローダウンという事実は
すべて受け入れるという方法だ。

メリットとしては、
この方法を実践することによって、
トレードルールを破ったり、
変な情報商材の誘惑に負けたりすることがなくなる。

継続して、淡々とトータルの利益を
積み重ねることが出来るようになるわけだ。

デメリットとしては、
気持ちは落ち着いていたとしても、
ドローダウンという事実自体は変わらないこと。
今起きている事への、実質的な効果はないことかな。



ここまでで、3種類のドローダウン対処法を見てきた。

基本的には、見てきた順番で試してみることを
お勧めする。


まずは、
「1.ルールを変える。改善する。」
で、今のトレードルールを
根本的に変えたほうがいいのかどうかを検討する。

トレードルール自体は、
そんなにコロコロ変えるべきものではない。

しかし、
自分のライフスタイル、
自分の資金量にマッチしているのか?

そして、本当に期待値がプラスなのか?
再起不能になるようなドローダウンはしないのか?

などは、検討したほうがいいだろう。


そして、その次に、
「2.マネーマネジメントを変える。」
を試してみる。

特に、自分のトレードルールが機能しないときに
資金量を抑えてトレードするという方法は
分かりやすいかもしれない。

一般的には、
市場全体にトレンドが発生しているときは
順張りルールが機能しやすく、

市場全体にはトレンドが発生していないときは
逆張りルールが機能しやすいといえる。

現時点は、トレンドが発生していると
言っていい時期なので、
逆張りルールの場合は、資金を抑えるという
方法も、あるかもしれないね。


で、最後に
「3.ドローダウンの解釈を変える。」
わけだ。

どんなにルールを磨いても、
マネーマネジメントを改善しても、
ドローダウンをゼロにすることは、できない。

なので、最終的には自分のメンタルに寄り添って
“自分とのコミュニケーション”を
しなければならない。

逆に言うと、
この「3.ドローダウンの解釈を変える。」
というところまできていると言うことは、
相当熟達したトレーダーになっている、
と言っていいだろう。


最後は、メンタル。
どんな世界でも、一緒なのかもしれないね。


次回の手紙では、もう少し突っ込んだ話ができると思う。

今回も手紙を読んでくれて、本当にありがとう。

そして、今回の手紙を書くヒントをくれた
親愛なるトレーダーFさん、ありがとう。

ではまた、手紙を書きます。


空也

 
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