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「技」とは?(はじまりの手紙より抜粋)

------------------------------------------------------

【技】とは?

------------------------------------------------------

「技」は、日々のトレードで実際に利益を
出していくためのテクニック、ノウハウの部分。

利益を出すための銘柄選びのコツから始まり、

いつ注文をして、いつ利食いをするのか?
継続的に利益を出すために必要な要素とは?
どうやって、よりよい成績がでるようにするのか?

といった、具体的で実践的な話をするつもりだ。

おそらく、今の君が一番興味を抱いているテーマが
凝縮されているカテゴリーだろう。

今、この手紙を読んでいる君の目が輝いているのを
感じるよ(笑)


他ならぬ君に「トレードを教える」と言った以上、
私も出し惜しみをしないで伝えていこうと思っている。

利益に直結しないウンチクばかりを聞いても、
飽きてしまうだろうからね。

ただ、君もこれからトレードを続けて行くと
テクニックだけを知っていても意味がない
ということを思い知る時が来るかもしれない。

「体」で説明した、前提となる知識が大切だったり、
「心」のメンタル部分がなかったせいで、
大きな利益をとり逃すこともあるかもしれない。

まぁ、今は脅かしてもしょうがない。
気楽に構えていてくれていい。

「技」はとても重要な要素だけれど、
あくまで3つの要素のうちのひとつなんだ、
とわかってもらえるように、私も説明をしていこうと思う。


これからの「技」の話は

・トレードルール
・マネーマネジメント

という、2つの科目に分けて話を進めていこうと
考えている。


「トレードルール」の方は、実際に
どの銘柄を、いつ買うのか・売るのか?
という話をする。

一番、君が身を乗り出す話だ(笑)

君が安定してトレードで利益をあげていくためには、
君自身の「トレードルール」というものが必要になる。

ある一定のルールに従って買い、そして売る。
その一定の売買を繰り返す。
という作業が必要だ。

そして、
利益をあげていくためのルールを作るために
必要な要素も、この科目で説明をしていく。

君が、君だけのトレードルールを作って、
継続して利益を出していくフォローをしていくつもりだ。


そして、
「マネーマネジメント」の科目。

この「マネーマネジメント」の科目では、
君の大切なトレード資金を、どうやって管理するか、
という話をしていく。

マネーマネジメントの概要を知ってもらうために、
ひとつ例を出そう。

例えばある時、君が2つの銘柄を買ったとする。
両方の銘柄ともに、100円で買えたとしよう。

銘柄Aは、君が買った後うまく上昇して
100円から105円に値上がりをして、
その105円で売却した。

銘柄Bは、残念ながら君が買った後 下落して、
100円から98円になってしまった。
君は98円で売却したとしよう。


銘柄A 100円買い→105円売り
銘柄B 100円買い→98円売り

さて、ここで問題。

今回の2銘柄の売買では、
両方あわせて利益が出ただろうか?
損失になっただろうか?

つまり、トータルでプラスとなっただろうか?
それともトータルではマイナスだっただろうか?

利益か損失かを考えてみてほしい。



さて。
頭のよい君なら、すぐに答えられるだろう。解答は
「この情報だけでは、わからない」
だ。

銘柄Aと銘柄Bを、同じ株数(=資金量)で
買っていれば利益が出る。

銘柄Aの方に、より多くの資金を注入していても
もちろん利益となる。

しかし、
銘柄Bに資金の大部分を入れてしまっていれば、
当然損失額が大きくなり、トータルでもマイナスとなる。

当然といえば当然なのだが、
この当然の話を見過ごしたままトレードをする人が
想像以上に多い。

巷に「勝率90%のトレード」などとうたって、
いかにも儲けていますよ、といった顔をしている
人もいるが、実際のところはわからない。

この「マネーマネジメント」ができて初めて
利益が確定する。

もうひとつの科目であるトレードルールも大切だが、
君のトレードの成績に、より重大な
インパクトを与えるのは、こちらマネーマネジメントだ。

なので、
どの銘柄をいつ買って、いつ売るのかを重要視するのと
同じか、それ以上にこの「マネーマネジメント」にも
力を注いでもらいたい。

もちろん、私が全力でサポートをする。


「技」については、以上だ。

「技」は、日々のトレードで実際に利益を
出していくためのテクニック、ノウハウの部分。

実践で利益を上げていくための、
具体的手法を伝えていくつもりだ。
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〔技〕 10年ずっとプラスのトレードルール


こんにちは、トレーダーの空也です。

第1回目のレッスンは、もしかしたら
君にとって、雲をつかむような話だったかもしれない。

そして、
「もっと具体的に利益の出る方法を教えてくれないと
 モチベーションがあがらない!」
という気持ちになったかもしれないね。

もちろん、君と私とのレッスンは、
精神論だけを話して君を煙に巻くつもりはない。

本当に利益の出せるトレーダーになってもらわないと、
この手紙を書いている意味もなくなってしまうからね。


なので、

今回は、今の君がもっとも興味を持っているであろう話題。

利益の出る銘柄選びと、売買の具体的ルールを
ひとつ紹介することにしよう。


今回のレッスンで紹介する売買手法は、
特別なトレードツールを用いなくても、
明日から銘柄を選び出すことが出来て、
実際に利益を出していける手法だ。

そして、
もし10年前から休まずに繰り返していれば、
今ごろ君の資産は十数倍になっている、という手法。

と書くと、たいていの人は
「そんなすごい手法があるとは! 早く教えてほしい」
と、目をギラギラさせながら食らい付いてくる。


でも、

利益の出る手法自体を作ることは、
実はそれほど難しいことではない。


銘柄選びを売りにする雑誌や
「勝率○○%のトレードテクニック」
などといううたい文句が世の中にたくさんある。

たくさんあるせいか、
「銘柄選びさえ出来れば稼げるのに」
とか
「今よりもっと勝率が高い手法をさがせば勝てる」
と考えている人が、あとを絶たない。


でも、残念ながら、

銘柄の選び方や、
買いのタイミングや、
決済のタイミングだけでは、
継続して利益を出すことは、できない。


「空也さん、そんなことはないでしょう。
 銘柄を間違えなければ、儲かるに決まってる
 じゃないですか」

と疑うかもしれないが、本当の話だ。

もし私以外で、継続して利益を出している
本物のトレーダーに会う機会があったら
聞いてみるといい。

「売買の手法は、どんなものがいいんですか?」
ってね。

その質問したトレーダーが、本物のトレーダー
だったとしたら、おそらく
「手法?なんでもいいんじゃない?」
と、あっさり答えることだろう。

実際は、本当にでたらめの「なんでもいい」
というわけではない。

ないのだけれど、真のトレーダーにとっては、
売買手法自体は「なんでもいい」と
言ってしまえるくらい、こだわりの薄いものなんだ。


なので、
今回紹介するルールも、私自身が
練りに練って作成した売買手法、というわけではない。

君が、「売買手法至上主義」ともいえるような
「株は銘柄選びや売買手法を手に入れれば、
 勝ったも同然」 
という勘違いをしないために、かなり短時間で
サンプルのために作ったものだ。


もちろん、今回紹介する売買手法で、
実際に利益をあげることは可能だろう。

だけれど、君と私とのレッスンで伝えたいことは、
もっと他にあるということを、頭において
読み進めていってくれると幸いだ。


さてそろそろ、
「ごたくはいいから、銘柄選びを教えてください」
と、君がしびれを切らせるところだろう(笑)

なので、手法以外に大切な話は
次回以降のレッスンで話すとして、
さっそく手法の紹介に移ることにしよう。


-----------------------------------------------------

【RSI短期スイングトレードルール】

〔エントリー条件〕
・直近25日間の平均売買代金が10億円以上
 かつ、
・銘柄絞りこみ当日の終値が100円以上の銘柄

 の中から、9日RSI値の低いものから順に3銘柄を
 翌日の寄り付きで成行き買い


〔手仕舞い条件〕
・エントリーから2営業日経った日の寄り付きで成行き売り


〔トレード銘柄対象〕
・東証1部、2部、大証、ジャスダック、マザーズ
 (+過去においてはヘラクレス)

-----------------------------------------------------

毎日3銘柄を寄り付きで買って、
翌々営業日の寄り付きで売る。

ただこれだけ。

このルールを、資金300万円で、
信用取引を使って、以下のように運用したとする。

・毎日300万円、1銘柄につき約100万円を投入。
 (銘柄の株価や購入株数によって、多少異なる)
・単利で運用。

信用取引を利用し、エントリー銘柄は必ず
翌々営業日に手放しているので、
理論上、資金量的な破綻はない。



「売買代金や株価が、一定以上の銘柄で、
 9日RSIが低いものを下から3つ、100万円ずつ買う」
「翌々営業日に決済売りをする」

ただこれだけ、これだけの売買手法。

この売買手法を、2000年から今まで続けていたら、
一体どうなったか?

結果は、このようなものになった。

RSIルールの結果

単利運用で、平均年利は120.87%。
いかがだろうか?

もし君が今まで
勝てる売買手法を求めて彷徨っていたのなら、
驚くパフォーマンスかもしれない。


ちなみに、
今回の手法を毎日のトレードで使うためには、
みずほ証券リサーチ&コンサルティングのページの
無料ツールを使えば、できる。

そして今回
「平均売買代金25日」

「RSIは9日」
としたのは、単にたまたま無料で使える
みずほのページの設定が
「平均25日」や「RSI9日」になっていたから
使っただけに過ぎない。

だから、もっとこの売買手法自体を
磨くこともできるだろうし、
これが最高の手法だ、なんていうつもりは
毛頭ない。

むしろ、穴や欠点もたくさん含まれている
トレードルールだといえる。

今回伝えたいのは、売買手法自体ではなく、
「手法自体は、こんなに簡単に
 見つかるものなんだよ」
「手法だけにこだわるのは、
 意味のないことなんだよ」
ということだけだ。

この売買手法を使うこと自体は自由だが、
これで
「やった!これで稼げるようになった」
などとは思わない方が賢明だ。


売買手法は、すぐに陳腐化する。

陳腐化したときに、本当に頼れるのは
手法だけではない、君自身の「心・技・体」だ。

なのでこれから一緒にしっかりと勉強していこう。




今回は、利益の出る売買手法そのものを
提供した。

レッスン第2回目にして、いきなり
銘柄の選び方から、買い、売りのタイミングを
伝えた。

それは、本当に大事なことが、
まだまだたくさんある、ということに
他ならない。

次回から、今回の売買手法にも含まれている
大切な考え方を伝えていこう。



■追伸

みずほ証券のリサーチ&コンサルティングのページは、
ネットで検索すれば、すぐに見つかるはずだから
探してみるといい。

また、今回の手紙でわからない言葉があれば、
ネットなどを使って自分で調べてみるといい。

私は君を本物のトレーダーに育てていくが、
君自身も自分で努力する必要もある。

分からないことがあれば聞いてもかまわないが、
「まずは自分で調べる」
というクセも、今のうちからつけるといいだろう。


今回も、どうもありがとう。
ではまた手紙を書きます。


空也




※ブログ管理人より補足があります。
 http://oogamifuusou.blog89.fc2.com/blog-entry-9.html

〔技〕 順張り・逆張りの特徴


こんにちは、トレーダーの空也です。

前回のレッスンでは、プロトレーダーは、

「あらゆる状況に通用する
 万能のトレードルールは、存在しない」
ということを知っている。

知っているからこそ
プロのトレーダーは自分にフィットした
適切なトレードルールを作ることが出来る。

自分にフィットしたトレードルールだから、
実践運用でもルールを守り続けることが出来る。

対して。
アマチュアのトレーダーは
万能のトレードルールがあるものだと思って
「とにかく勝てるルール」
「いつでも勝てるルール」
を探し続ける。

自分にフィットしているかどうかを考慮しないから、
ちょっとでも損失が続くと、
ルール自体を疑い始める。

そして、また別のルールを求めてさまよう
放浪者に逆戻りして、損失を重ねてゆく。

と、こんな話をした。


今回は、前回の話を土台・前提にしたうえで
トレードルールの基本となる
「順張り・逆張り」について話をする。

「順張り・逆張り」という言葉自体は
君も聞いたことがあるだろう。

だから、
「何をいまさら」
という気持ちがあるかもしれない。

ただ、前回のレッスンを踏まえた後に
あらためて「順張り・逆張り」を学ぶと
新しい発見があるだろう。

特に、
順張りには順張りの長所と短所があり、
逆張りには逆張りの長所と短所がある、
ということを、あらためて知っておくことは大切だ。

それぞれのやり方の長所と短所を
大枠でつかんでおくことで、
自分にフィットしたトレードルールを作りやすくなる。

今日の話を知ることで、
「勝率が高くて、1回の利益も大幅に良くて、
 損するときはちょっと。
 けっこうほったらかしでも
 利益がでているルールが欲しい!」
なんてことを、君が言うことはなくなる。

少なくとも1つのトレードルールで
全ての要素をカバーできるルールを作るのは
構造的に無理だということがわかるはずだ。

では、レッスンをスタートさせよう。



まず、
そもそも「順張り・逆張り」って何?
という復習から始めよう。

では、簡単なクイズから。

「順張り」とは、何に対して「順」で張るのか?
「逆張り」とは、何に対して「逆」に張るのか?

答えは、順張り、逆張りも同じで、4文字。
なんでしょう?

ちなみに、何を張るのか?というのは、
自分の資金を張る、ということだよね。
エントリーする、とか
ポジションをとるとか
いろいろ言うけれど、大枠では同様の意味だ。

さて、クイズの回答は出たかな?

話を引っ張るほどのクイズではないので、
答えを言おう。

順張りも逆張りも、エントリーする対象の
「トレンド」
に対して、「順」で資金を張ったり
「逆」で張ったりする。

当たり前の話なんだけれど、
たまに他の人とトレードの話をしている時に
「え?逆張りって、空売りのことでしょ?」
とかトンチンカンなことを言われることがあるので、
一応確認をしておきたくってね。



で、
ここからが本題。

どちらもトレンドに対して資金を張るのだが、
そのトレンドというものが、まず第一の課題だ。

市場全体で、あるいは個別銘柄で
トレンドが発生している期間というのは、
全期間の中で、2割くらいの期間しかない。
多く見積もっても、3割の期間で
トレンドが発生していればいいほうだ。

で。
「トレンド発生」は、事前に分かるものではなく
後になってチャートを見て分かるものなんだ。

「あ、これからトレンドが発生するぞ」
なんてことは分からず、
「あー、この期間はトレンドが発生していたんだ」
と、後になって振り返ると分かるものなんだ。

多くの場合は、
「あ、これからトレンドが発生するぞ」
と見せかけて、
今までの株価を行ったり来たりする値動きになる。

そして、
これまた当然なんだけれど、順張りの場合、
トレンドが完全に確認できてから資金を張っても
意味がない。

トレンドの終了間際にチョロチョロ
エントリーしても、順張りの真価を味わうことは
できない。

上昇しきった銘柄で、あとの伸びしろが
期待しにくい状況になってから買っても、
利益を取るどころか、大幅な損失を食らってしまう。



ここまではいいかな?

・トレンドが発生するのは、全期間中2~3割。
・順張りの真価を味わうためには、
 トレンドを完全に確認する前に資金を張る必要がある。

以上のことを踏まえると、
構造上、どうしても順張りは勝率が低くなる。

値動きの中に、トレンド発生の予兆を感じたときに
資金を投入する順張り。

しかし多くは「ダマシ」で、元の値動きに戻ってしまう。

だから勝率は低い。
勝率が低くなるのは、順張りの宿命みたいなものだ。

でも、
「じゃあ、順張りは良くない方法なんですか?」
というと、とんでもない!

たしかに、トレンドの発生しない時期は
損失を重ねてしまうことが多い。

だが、一度トレンドにうまく乗ることが出来たら、
その利益は計り知れない。

買いが買いを呼び、年初来高値を更新し、
出来高が出来高を呼び、
空売りしていた人が泣く泣く損切りの買戻しをする。
だからまた株価が上昇する。

さらに年初来高値を更新したということは、
最近買った株を塩漬けにしている人が
存在しないということ。

つまり
「自分が買った株価に戻ったら売ろう」
という“ヤレヤレ売り”も存在しないことになる。

だから、
一度ノッてしまうと、莫大な利益を生むのが
順張りの長所だ。

過去の高名なトレーダーは、
多くの利益を順張りでとっていたトレーダーも多い。

一度の利益の大きさが、逆張りに比べると
構造上大きくなる魅力があるからだろう。


もうひとつ、順張りの大きな魅力がある。
それは、
「損切りラインが明確」
ということだ。

順張りは、トレンドが発生しそうな予兆を感じて
資金を張る。

多くの場合は、今までの値幅(レンジ)から
飛びぬけた瞬間に資金を張るという戦略になる。

例えば、
・株価的に、○○日間は800円~900円の間で
 株価が行ったり来たりしていた。
・チャート的に、○○日間は900円の節目を
 越えていない。
・テクニカル指標的に、ここ数日は
 上昇トレンドの予兆がある。

という状況で、
「901円」
をつけた時に、
「トレンドが始まるかもしれない」
という想定のもと、資金を張る。

もちろん、自分のトレードルールにのっとって。
ということは、言うまでもないが。

で、もしこのまま
トレンドが発生しているのであれば
「901円」より下がることなく、上昇していく。

もし「ダマシ」だったとしたら
「901円」を割って、元の値動きに戻る。

「900円を超えて、901円になった」
というのが、エントリーの明確な理由なので、
エントリーの理由がなくなれば損切りをすればいい。

つまり今回の例の場合は、
「901円」を割り込んだら、
エントリー理由がなくなのだから、損切り。
というわけだ。

まぁ、実際の運用では、多少のアレンジが必要だが
基本形としては上記のようになる。


まとめると、
トレンドに乗る順張りの構造上の特徴は

・トレンド発生に乗る形だから、勝率は低め
・うまく行ったときの利益幅が大きい
・損切りラインが明確になりやすい

ということになる。

他にも特徴はあるが、
あとはこの3つの特徴から派生するものだ。

「勝率は低めだが、損小利大」
という、トレードの基本形を作りやすいのが
順張りトレードの特徴といえる。




そして、逆張りは順張りとは逆の特徴を持つことになる。

今まで説明をしてきたとおり、
トレンドが発生するのは、全期間のうちで2~3割。

あとの期間は、値動きがはっきりしない時期だったり、
一定の値動きの中で行ったり来たりする期間になる。

逆張りは、
「今回の値動きも、トレンド発生ではないだろう」
「もとの値動きに戻るだろう」
という想定のもと、資金を張るルール。


だから、

勝率としては高い勝率になりやすい。
資金を投入して、利益になる確率が高いわけだ。

しかし、逆張りは
「今までの値幅の中で値動きする」
というのが前提になっているから、
利益も、最大で今までの値幅の範囲に限定される。
当たり前すぎる話だが、けっこう忘れがちだ。

もちろん、結果的に想定していた値幅以上の
利益が出ることもあるだろうが、
それはイレギュラーケース、となる。

そして、もし
「今回の値動きも、トレンド発生ではないだろう」
「もとの値動きに戻るだろう」
という想定が裏切られて、トレンドが発生したときには、
大幅な損失を被りやすい。

今まで、高い勝率でコツコツためてきた利益が
ドカンと失われてしまうこともある。


さらに、
逆張りは順張りに比べると、
損切りラインも明確になりにくいというケースも多い。

実際の現場では、
「このポイントで下落から上昇に転じるだろう」
というポイントが、順張りよりも多く想定されるので、
資金を張るポイントも増えてしまう。

結果として、損切りすべきポイントというのも
いろいろな見方が出来てしまうことが多い。

なので、逆張りのトレーダーは
1つの銘柄のトレードに対して
あらかじめ資金を分散させて投入していく人も多い。

例えば、1銘柄に対して90万円使う予定をしている時、
最初のポイントでは10万円投入。
そのまま下落したら、次のポイントで20万円投入。
さらに下落したら、次のポイントで60万円投入。
と言った具合だ。

計画的に資金配分をして、
勝率を高めようという手法だね。


逆張りの特徴をまとめよう。

・なかなか現れないトレンド発生と逆に張るので、
 勝率は高め
・コツコツ少ない利益を積み重ねる。
 たまの損失は大きくなりがち。
・損切りラインが、順張りに比べると明確に
 なりにくい。


「高い勝率でコツコツ利益を積み重ねる。
 薄利、高頻度利益」
というトレードスタイルになるのが
逆張りトレードのもっている構造上の特徴だ。



「勝率は低めだが、損小利大」の順張りトレード。
「高い勝率。薄利、高頻度利益」の逆張りトレード。

野球で言うと、
大振りでホームランを狙う順張りトレーダー。
安打製造機で利益を重ねる逆張りトレーダー。
と言った感じかな。

トレードルールを作る方法はいろいろある。
ただ、まずは基本形として
今回の話を知っておくのはいいだろう。

で、トータルプラスのルールができたら、
順張りのルールでは勝率はあまり気にしないで
1銘柄ごとの利益を伸ばす方向で磨いていく。

逆張りだったら、勝率を伸ばす方向で
ルールを磨いていくというのが基本だろうね。

自分が選択したルールの基本構造に沿った形で
ブラッシュアップするのが、無駄の少ない方法だろう。


そして、

君がトレードルールを作るときには、
自分のライフスタイルや性格を考えるといい。

そして、
「日々の損失には耐えられるから、
 1発の極大利益を求めたい」
という場合は、まずは順張りをメインにした
ルール作りを目指せばいい。

「少なくてもいいから、日々利益を
 コツコツ積み重ねたい」
という場合は、まずは逆張りをメインにした
ルール作りを目指せばいい。

どちらのスタイルを選ぶかは、
もちろん君の自由だ。

まぁ、個人的には
資金量が少なかったり、
メンタルが出来ていないうちは、
逆張りの方がいいかな、と思う。

毎日続く損失に耐えるのは、
なかなか骨の折れることだからね。

逆張りで「利益の出る喜び」と
「損失を受けたときのメンタル」を体験し、
そのあと順張りを試すのがオススメだ。

とはいえ、
君のライフスタイルや性格が優先されるから
君の好きなほうから始めればいい。



さて、今回のレッスンは以上だ。

今回のレッスンでは、
順張りと逆張りの基本と、
それぞれが構造上持っている特徴を話した。

順張りは
・トレンド発生に乗る形だから、勝率は低め
・うまく行ったときの利益幅が大きい
・損切りラインが明確になりやすい


という特徴を持ち、

逆張りは
・なかなか現れないトレンド発生と逆に張るので、
 勝率は高め
・コツコツ少ない利益を積み重ねる。
 たまの損失は大きくなりがち。
・損切りラインが、順張りに比べると明確に
 なりにくい。


という特徴を持つ。

もちろん今回の話は基本なので、
基本から離れるルールもたくさん作れる。

例えば、以前のレッスンで紹介した
RSIの具体例は、基本逆張りのルールなのに
勝率が高いわけではない。
でも平均年利が+120%というものだったね。

なので、今回のレッスンで話したような
ルールしか作れないわけではない。


が、

順張り、逆張りそれぞれが持っている
基本的構造から大きく離れるようなルールは
ちょっと注意したほうがいい。

例えば、
「順張りルールで損小利大。
 さらに勝率も高く勝率90%」
みたいなルールは、絶対に作れないとは言わないが
構造に無理がある。

両方の「いいところどり」をしたつもりが、
どちらの真価も味わえないルールにもなりかねない。

注意が必要だね。


実は、本当のプロトレーダーになってしまうと、
「私は順張りルール」
「俺は逆張りルール」
といったこだわりはなく、
どんどん自分流に変化をさせてゆく。

ただ、プロトレーダーたちが
自分流を手に入れられるのは
一度基本を手にしたから。


大胆すぎる画風で有名なピカソも、
もともとは人体や風景を精密に書いていたらしいし、

「にんげんだもの」などで有名なあいだみつを氏も、
基本に忠実な書家だったという。

自分流を見つける前に、まず基本。
というのは、どの世界でも同じことなのかもしれないね。


今回もどうもありがとう。
ではまた手紙を書きます。


空也





※ブログ管理人より補足※
管理人です♪
今回の空也さんの手紙の中に出てきた
「以前のレッスンで紹介したRSIのルール」
の詳細は、こちらで確認できます。

〔技〕 10年ずっとプラスのトレードルール
http://oogamifuusou.blog89.fc2.com/blog-entry-8.html

〔技〕 利益を構成する3つの要素

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

前回は「期待値」という考え方を
君と一緒に確認してきたね。

一回一回の売買に関しては
プラスになるかマイナスになるか分からない。

でも、期待値がプラスのトレードルールを
何回も、何百回も繰り返すと、
トータルではプラスを積み重ねていくことが
期待できる。


期待値は、

平均利益(率)× 勝率 - 平均損失(率)× (1-勝率)

という計算式で表され、例えば
この値がプラス1万円ならば、
「1回の売買につき1万円を儲けている」
と考えることが出来る。

逆に、この期待値がマイナス1万円ならば、
そのトレードルールは
「毎回、株を売買するたびに
 1万円を市場に“寄付”している」
ルールとなる。

1回1回の成績は、マイナス5万円とか
プラス7万円とかかもしれない。

ただ、トータルで見ると、
期待値プラス1万円のトレードルールは、
1回につき1万円を受け取れている、
と考えるわけだ。

だから、
トレードルールをちゃんと吟味したあと、
プロトレーダーは30万円の損切りをしても、
「あ、これは1万円の利益の出るトレードの
 単なる一部分だ」
と思って、冷静に損切りする。


プロトレーダーは、1回1回の売買には執着しない。

しっかりと自分のトレードルールを吟味して、
期待値がプラスだと確信したら、
あとは淡々とトレードルールを繰り返す。


ひとつたとえ話を出しておこう。

人気メニューを持つ繁盛レストランがあったとする。
看板メニューはハンバーグで、
お客さんは、その店のハンバーグを食べに
わざわざ遠くからやってくる。

看板メニューのハンバーグは、
レシピが完全に出来上がっていて、
そのレシピが、お店の経営を支えていると
言ってもいいだろう。

そんな中、たまたま1日だけ
お客さんがまるで来ない日があったとする。

それは天気のせいかもしれないし、
曜日のせいなのかもしれない。

ただ、お客さんがまるで来なかったという
日があった。

そこで、
「ああ!今日は1日お客さんが
 ほとんど来なかった!
 材料費、光熱費、人件費で赤字だ!
 今まで作っていたハンバーグレシピは
 もうだめだ!レシピを捨てよう」
なんていう店主がいたら、
君はどう思う?

たった1日お客さんが来なかっただけで、
今までお店の屋台骨を支えてきた
ハンバーグレシピを捨ててしまう。

そんな店主がいたら、
あきれ返ってしまうよね。


そう。トレードも同じ。
プロになり、トレードルールを確立していれば、
ハンバーグのレシピと同じように
トレードルールを守る。

そして、調子のいいときもあったり
調子の悪いときもあるけれど、
トータルでは利益をしっかりと受け取る。

調子が悪いからといって、
すぐにレシピ(=トレードルール)を
コロコロ変えたりしない、というわけ。

君が“愚かな店主”にならないためにも、
レッスンを続けていこう。


さて。

今日は前回の「期待値」の話を土台において、
もう少し突っ込んだ話をしよう。

「トータルで利益を出す」
ということが大事だということは
今まで何回も繰り返してきた。

では、その「利益」とは、何で構成されているのか?
という話。


「え?
 利益は期待値で構成されているんじゃないんですか?」
と思ったかもしれないけど、そうじゃない。

期待値は大切な構成要素のひとつだけれど、
唯一のものではない。

具体的には、3つある構成要素のうちの1つでしかない。

期待値だけが利益を構成している要素だと考えると、
「とにかく期待値が高いルールを見つければいい!」
といった、
「期待値至上主義」
に陥る。

よくアマチュアのトレーダーが
「勝率至上主義」
から卒業したあとにハマる落とし穴が
「期待値至上主義」だ。

勝率至上主義よりも、とてもレベルアップしているが、
残念ながら、あと一歩だ。


君には、レベルの高いトレーダーになってもらいたい。

なので、
君が「期待値至上主義」に陥る前に、
トレードにおける「利益」の構成要素を伝えよう。



先ほどちょっとだけ、
「利益を構成する要素は3つある」
と言ったね。

実は、この利益を構成する3つの要素が、
掛け算で関係し合って利益というものは
成り立っている。

利益=A × B × C

という関係だ。


そして、利益を構成する要素のうち、
1つは「期待値」だという話もした。

なので、

利益=期待値 × B × C

となる。


さて問題。
あとの2つの構成要素、
君は何と何だと思う?

けっこうシンプルな答えなので、
ひねりすぎずに考えてみて欲しい。

君がトレードで利益をあげる上で、
どういう要素が関わってくるだろう?

今回のレッスンはここまで。
次回までに考えておいて欲しい。


などというつもりはないので、ご安心を(笑)

でも、
ここで読むのを一度やめて
自分へのレッスンだと思って考えてみるのも
いいだろう。




考えてみたかな?
それでは答えをひとつひとつ見て行こう。

まずは期待値
これは今までに説明したとおりだ。

期待値がプラスであれば、
まずは利益を出す方向に進んでいる。

そして今から話す構成要素の中で、
唯一「マイナス値」にもなる構成要素だ。

ここがマイナスだと、いくら他の要素に
恵まれていても、利益ではなく
損失になってしまうので、注意が必要だね。



次の要素。

ありえない話だが、仮に
今100円の株価が、確実に110円になると
分かったとする。

その時、君が
10万円分株を買って利益を出すのと、
100万円分株を買って利益を出すのとでは、
どちらが利益が大きくなるだろう?

期待値をパーセンテージで表して、
「期待値プラス1%」のルールがある時、
君の手元に10万円あるのと、100万円あるのとでは、
どちらが利益が大きくなるだろう?

言うまでもないよね。

なので、2つ目の構成要素の答えは
「資金量」
となる。

資金が多いのと少ないのとでは、
資金が大きいほうが利益が出しやすい。

当然といえば当然だよね。



そして最後3つめの要素。

これまたありえない話だが、仮に
1回トレードすれば、必ず1万円儲かるとする。

さて、
このトレードを、年間10回やるのと、
100回やるのとでは、どちらが儲かる?

確実に1回につき1万円儲かるとしたら、
10回と100回なら、どちらを選ぶ?

これまた言わずもがな。

なので、3つ目の構成要素の答えは
「売買回数」
となる。



計算式でまとめると、

利益=期待値 × 資金量 × 売買回数

という計算式で、利益は構成されている。

トレードでの利益は、
・期待値
・資金量
・売買回数
という要素が、掛け算で絡み合って
生み出されているということを、
まずは理解して欲しい。



「ふーん、利益って、
 こんな風に構成されているんだー」
だけで終わらせてはいけない。

この利益の計算式のミソは、

掛け算で構成されている。

というところにある。


掛け算で構成されている、
という特徴を、ちゃんと捉えてみると。

まず、ひとつでもゼロがあったら
他の要素がどんなに大きくても
利益は、ゼロ。

当たり前だが、いくら期待値が大きくても、
資金がゼロだったり、1回も売買しなければ
利益はゼロだ。


他には?
掛け算であるという意味は?

ひとつ、あるいは3つがマイナスならば、
答えはマイナスになる。
掛け算だからね。

そして、トレード利益の3つの構成要素のうち
マイナスになりうるのは、期待値だけ。

資金量や売買回数は、マイナスにはならない。

君に借金があって、貯金がマイナスだろうが、
トレードに「マイナス10万円エントリー」は
できないよ(笑)

売買回数も、当然マイナスにはならない。

なので、
マイナスになりうる期待値がプラスならば、
まずはお金持ち方向に進んでいけるというわけだ。


そして、もうひとつ。
とても大切な掛け算の特徴がある。

利益が掛け算で出来ている。
ということの、本当に大切な意味が、
ひとつある。

とてもシンプルな特徴だが、
意識して使うと、とてもパワフルだ。

ただ、今回は、まずこの利益の計算式を
しっかりと理解して欲しい。

なので、今回のレッスンはここまで。

次回のレッスンで、もうひとつの
「掛け算であるという意味」を見ていって、
その意味をどうやって実践で利用していくかを
一緒に学んでいこう。


今日は、トレードの利益は3つの構成要素で
成り立っていて、

利益=期待値 × 資金量 × 売買回数

という計算式になるということを学んだ。

掛け算であるという意味を、
君もまた考えてみるといいかもしれないね。


今日も手紙を読んでくれて、どうもありがとう。
ではまた手紙を書きます。



空也

〔技〕 利益の3要素を、実践に活かす

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

前回は、利益を構成する3つの要素
ということを伝えたね。

利益は、
3つの構成要素の掛け算で出来ている。

3つの構成要素とは
・期待値
・資金量
・売買回数
だったね。


そして利益は、

利益=期待値 × 資金量 × 売買回数

という計算式で算出されるという話をした。

ここでのポイントは、利益の構成要素3つが、
掛け算となっている、という点。


そのため、

・どれかひとつでもゼロだと、利益はゼロ。
・期待値がマイナスだと、どんなにがんばっても
 損失しか出ない。

という特徴が出てくるところまでが
前回の話だ。

今回は、もうひとつ
構成要素3つが掛け算であることの
重要な意味を一緒に考えていこう。



すべての構成要素が、掛け算でつながっている。

ひとつの要素が、ほかの2つの要素に対して
掛け算で影響を与えるということ。

そして、要素が3つあるということ。

このことを意識して、利益を増やすことを
考えてみよう。


例えば、すでに期待値がプラス1%の
トレードルールが出来ているとしよう。

毎回100万円をかければ、
プラスマイナスを繰り返しながらも、
トータルでは@1万円の利益をもたらすルール。

そのルールを使って、毎月10万円の利益を
出しているとしよう。

実際は、コンスタントに10万円の利益を
出すわけじゃないだろうけれど、
分かりやすくするための、仮の話としてね。


で、
この状況を改善したいと思い、
「毎月の利益金額を2倍にしよう」
と、君が思い立ったとする。

いきなり2倍!
これは、かなりハードな作業だ。

特に、
「利益を受け取るためには、
 期待値をあげるしかない!」
と思っている
「期待値至上主義」
の人にとっては、果てしなく高いハードルになる。



しかし。

前回から話している、利益の構成要素と
「掛け算である」という特徴を見れば、
なんとか利益2倍にすることは、出来るかもしれない。

期待値を2倍にするというのではなく、
それぞれの構成要素に“分担”してもらうわけだ。

実際やってみるとわかるが、
期待値をプラス1%から2倍にするのは、
相当大変な作業だ。

ただ、
期待値をプラス1%から、プラス1.3%にするのは、
しんどいが可能な作業だといえる。

まだよく練られていないトレードルールの場合は、
損切りラインを見直すことによって、改善が可能になる。
(もちろん、他のアプローチであっても
 かまわない)


そして、

資金量を3割り増しにすることが、
不可能かどうかを考えてみる。

信用取引を使うという手もあるかもしれない。

もし、今まではトレードの運用で
増えている分を、すぐに消費に使っていたのならば、
しばらくそのまま運用に使うという方法が
あるかもしれない。


さらに、

売買回数を3割増しにすることが、
どうやったら出来るかを考えてみる。

単に、やってないだけだったのかもしれないし、
トレードルールをすこしいじることによって
売買回数を増やすことができるかもしれない。


最終的に、もし3つの要素を
それぞれ3割り増しに出来れば、

利益
=期待値 × 資金量 × 売買回数
=1.3 × 1.3 × 1.3
=2.197

ということで、利益を倍化することが出来る。


期待値だけで2倍にすることは
非常に難しい。

が、
利益を構成している要素を
冷静に分析して、

期待値だけでなく、

資金量というアプローチでは?

売買回数というアプローチでは?

という別のアプローチを考えることで
道が開ける可能性が広がる。というわけだ。



ただ、これだけだと
「まぁ、理屈はそうなんですけど、
 難しいですよねー」
という、机上の空論になってしまうことも
あるだろう。

なので、
この利益の構成要素を
実践的に使うテクニックを伝えようと思う。


利益の構成要素である
・期待値
・資金量
・売買回数

この3つのうち、利益を上げるために
比較的いじりやすい要素が1つある。

君は、この3つの要素のうち
どれが いじりやすいと思う?


期待値?

期待値は、まずマイナスにならない
トレードルールを作ることで、
はじめは大変だ。

そして、改善しようといろいろ
いじっても、結局うまくいかなかったり
することが多い。

ある意味、もっとも
いじって効果を出しにくい
要素かもしれないね。

なので、期待値ではない。


では、資金量?

資金量を増やすのが簡単だ。
などと言うと、

「空也さん!お金を殖やすために
 トレードしているんですよっ!!」
「なのに、簡単に資金量をアップできるわけ
 ないじゃないですかっ!?」
という、君の声が聞こえてきそうだ。

実際、資金量をホイホイと
アップできる人は、そうはいないだろう。

少なくとも個人トレーダーの多くは、
限られた資金の中で、
どれだけうまく運用できるかが、
トレードの腕の見せ所。

(証券会社のディーラーだと、
 豊富な資金が首を絞めることもあるが)

なので、資金量という構成要素も
いじりにくい要素といわざるを得ないだろう。


では?
最後に残った「売買回数」は?

この売買回数が、今まで私がやってきた
トレードの中で、もっともいじりやすい要素だ。

トレードルールの見直しをする必要は
あるかもしれないが、

「期待値を上げるように見直す」のと
「売買回数を上げるように見直す」のとでは、
難易度がまるで違う。


売買回数を上げるための
トレードルールの見直し。
具体的には、

銘柄の絞込みを、今までより少しゆるくする。
保有期間を短くできるかを検証する。

という方法をとる。

特に、保有期間を短くできるかを
検証してみるのがいいだろう。

銘柄の絞込みをゆるくして、
候補銘柄が多くなっても、
今度は資金量の関係で、
全部にエントリーできなくなったりする。

なので、
実際の運用には向かないことも多い。


保有期間の短縮は、
そのようなデメリットはない。

保有期間が短ければ、
今まで保有している期間「眠って」いた資金が
売買回数アップにまわせることになる。

保有期間を短くすることで
連続下落している株を買ったまま保有、
といったリスクも、少々減る。

結果として、期待値もあがるケースも
あるかもしれない。


なので、君が期待値プラスの
トレードルールを作った後は、

保有期間を短くして、
売買回数を増やせないか?

という検証をしてみるといいかもしれない。


極端な話、期待値が少し下がっても、
売買回数を増やしたほうがいい場合もある。

たとえば、今のトレードルールが
ある期間において、

期待値プラス1%
資金量100万
売買回数10回

だとしたら、
プラス1% × 100万円 × 10回 =10万円
で、利益は10万円だ。

このルールをいじって、
期待値には目をつぶってダウンさせ、
売買回数をグッと増やすとする。

たとえば、

期待値がプラス0.7%にダウン
資金量が100万円で変わらず。
売買回数が20回で、倍化。

とすると、利益はどうなるだろうか?

プラス0.7% × 100万円 × 20回 =14万円

となり、利益は4万円もアップするわけだ。

期待値を下げているから、
勝率や平均利益は下がっているかもしれない。
平均損失は、悪化していることだろう。

でも、トータルの利益はアップさせることができる。


もちろん、期待値がマイナスになってしまったら
元も子もない。

元も子もないが、今まで私が実践してきた
ルール改善の中で、「売買回数アップ」が
もっとも直接的に利益につながった。

君も、このテクニックを覚えておいてもいいだろう。



さて、今回のレッスンはここまで。

今回は、利益の構成要素を、
実際の運用に役立てる方法を見てきた。

期待値を2倍にしなくても、
構成要素をそれぞれ3割り増しに出来れば
利益は2倍になる。

たとえ期待値を落としても、
売買回数を増やすことが出来れば、
利益を増やすことは可能。

今回紹介した方法以外にも、
君なりの利益アップ方法があるかもしれない。

この

利益=期待値 × 資金量 × 売買回数

という原則を覚えておけば、
いろいろ応用は出来るはずだ。

君も、考えてみてはいかがだろう?


今日も読んでくれてありがとう。
ではまた手紙を書きます。


空也

〔技〕 トレードルール作りの手がかりは?

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

前回は、トレードの利益を構成している
3要素の使い方を伝えたね。

利益の3要素である
・期待値
・資金量
・売買回数

が、掛け算で関係しあっているという特徴を使って、
それぞれの要素を少し見直すことで
利益をアップさせる方法。

特に、売買回数をアップさせて、
利益を増やす方法を確認した。

実際にやってみるとわかるけれど、
期待値や資金量をアップさせるよりも、
売買回数をアップさせるほうが、簡単に出来る。

そして、期待値がプラスである限り、
期待値を多少減らしてでも、
売買回数アップを狙った方が
トータル利益は上がることが多い。

実際に今まで私が検証してきた結果なので、
君にも役に立つ情報のはずだ。


とはいえ、

「空也さん、利益をアップさせる方法を
 教えてもらえるのはありがたいんです。
 けど、まだ私は期待値プラスの
 トレードルールを作れていないんです」

という、君の切実な現状もあるかもしれない。


君は今までの手紙を読んで、

「このまま行けば、私も豊かなお金持ちに
 なれるかもしれない!?」
という確信を深めている反面、

「でも、トレードルールも出来ていないのに、
 本当にお金持ちになれるんだろうか?
 いつになったらお金持ちになれるんだろう?」
という不安もかかえてしまっている、
という状態なんだろうね。

君の気持ちは、とてもよく分かる。

なぜなら、トレーダーとして確信を得るまで、
私自身が同様の不安を抱えていたからだ。

含み損のポジションを抱えたまま
「どうか明日だけは、俺の持ってる銘柄だけは
 騰がってくれ」
と、“毎日”祈ってみたり、

「エントリーする時、買いと売りを逆にしておけば
 今頃、ものすごいプラスだったのになー」
とか、今思えばどうしようもないことも
たくさん考えていた。

そして当時は、含み損と同様に、
大きな大きな不安も抱えていた。

誰も明日の保障をしてくれない孤独の中で、
気持ちがグラグラゆれっぱなしだったよ。

でも、
今はこうして君に手紙を通したアドバイスも
出来るようになっている。

君も、君が自分自身をあきらめない限り、
将来必ず 心豊かなお金持ちになれる。

一緒に進んでいこう。



今回は、
今 君が必要だと思っている
君が君自身のトレードルールを作るための
きっかけを見つける方法をアドバイスしようと思う。

今回の手紙を読むことで、
君が、君だけのトレードルールを作るために
どこから手をつければいいのかが分かる。

そして、必要に応じた知識のインプットを
することが出来るようになる。

トレードに必要な知識は、
本当にたくさんある。

その中で、とりあえず
今 君が利益を出すために必要な知識と、
あとから学べばいい知識とがあるだろう。

その知識の振り分けを出来るようになることも
とても価値がある。

では、さっそくはじめていこう。


さて。

自分自身のトレードルールを作る際に、
気をつけたほうがいいことは、なんだろうか?

「え?それは期待値がプラスということですよね?」
と、いう君の答えは その通り。

そして、期待値がプラスであるという事以外には
どのようなことが必要だと思う?

利益が出る、というのは当然として
その他に必要な要素があるとしたら?

それは。
君自身が、気持ちよく継続できるという要素。
これが必要だ。

なぜなら、
これから君が作っていくルールは、
日々、利益が出ているときも、損失が出ているときも
付き合っていくことになるルールだ。

病めるときも、すこやかなるときも(笑)
ずっと、君がトレードを続けていく限り
トレードルールとは付き合っていくことになる。

そのルールが、
「なんとなく性に合わない」
とか、
「ちょっと違和感があるんだよなー」
となると、
継続することが出来にくくなってしまう。


利益はもたらしてくれるんだけれど、
なんとなく性に合わないルール、
というものは、ある。

例えば、自分が逆張りの方が
「なんとなく」性に合っているのに、
順張りのルールであるとか。

買ったり売ったりしているのが好きなのに、
中長期で持っているルールであるとか。
いろいろだ。


友達でも、恋人でも、
いろんなプレゼントをしてくれたり、
君にメリットをもたらしてくれたりするんだけれど、
一生のパートナーにはなれない人って、いるよね?

そして、メリットはあるけれど、
相性がぴったりではない人とは、
毎日は一緒に遊んだりできないよね。

トレードルールも同じように、
利益というメリットを運んでくれるのに、
どうもピンと来ないルールがある。

ピンと来ないルールは、
プラスを出していても
「本当にこのまま利益が出るのかな?」
と疑ってしまうし、

もしマイナスが出たときには、
「うーん、ルールをちょっと変えちゃおうか」
と、本来のルールとは違ったことを
やりだしかねない。継続できないわけだ。

なので、
細かいことのように感じるかもしれないけれど、
“自分の性に合ったルール作り”
というのは、とても大切な要素だ。



では、
その“自分の性に合ったルール作り”をするために、
どのような所からはじめればいいのか?

ここからが、今日の本題だ。

“自分の性に合ったルール作り”
は、当たり前だけれど、
君にしか分からない。

君がどんなトレードを
「性に合ってる」
と思うかは、君にしかわからないからね。

そして、
君の性に合っているトレードルールのヒントは、
今までの君の株トレードの取引の中に
隠されている。

もう一度、繰り返そう。

君の性に合っている、
君自身がこれからずっと付き合っていく
トレードルール。

それは、すでに君が行ってきた
株の売買の中に隠されている。


どういうことか?
説明しよう。


君自身、今まで少なくとも何回かは
株を売買してきたことだと思う。

うまくいった取引もあっただろうし、
うまくいかなかった取引もあった。

ただ、君が取引をしたということは、
何かしら君が「取引しよう」と思った
きっかけがあったはずだ。

銘柄に関するニュースが出たのかもしれないし、
チャートの形が君の好みだったのかもしれない。

いずれにしても、
君が「この株を売買する」と
決めた何かがあったわけだ。

その、売買した銘柄の中で、
君にとって思い出深い、気持ちのいい売買
っていうのは、あるんじゃないかな?

「あー、あの時は儲かったなー」
でもいいし、
「あの時買ったのは、本当に正解だった」
とか、なんでもいい。

君にとって、
「気持ちがよかったなー」
と思える取引を、ひとつ思い出してみてほしい。

もし、思いつかないのであれば、
今までで、もっとも儲かった取引でもかまわない。

どんな取引を思い出してもかまわないが、
できれば
「人から教えてもらったから買った」
と言った銘柄ではなく、
なんとなくでもいいので、君自身が自分で
決めて売買した銘柄であるほうがいいだろう。

思い出せただろうか?

思い出せたら、その思い出した取引が
君にとって性に合うトレードルールの原型になる。

思い出した銘柄の取引を、
また再現できたら素敵だと思わない?

君が気持ちよく取引できたということは、
思い出した取引の中に、君の
「勝ちパターン」が含まれている可能性が高い。

なので、
その「勝ちパターン」を分析するところから
トレードルールを磨いていくわけだ。

分析は、はじめは
「株価が下がりきったところでエントリーしてるな」
とか、
「上昇してたのに、さらに上に行ったな」
とか、簡単なところから始めればいい。

その後、
出来高は直近と比べてどうだったのか?
ニュースは出ていたのか?
決算とのからみがあったのか?
特定のテクニカル指標はどんな数値だったのか?
ロウソク足の足組みはどうだったのか?
などなどなど・・・

たったひとつの取引を、
こまかくこまかく分析することによって、
君の「勝ちパターン」を見つけ出していく
きっかけにしていくわけだ。

自分の思い出深い取引が
ひとつに絞り込めない場合は、
いくつか同じ作業をしてみるといい。

もしかしたら、それぞれの取引の中に
共通項が見つかるかもしれないし、
見つからなくても、
「これが自分にピッタリ、しっくりくるトレードだ!」
というパターンは、発見できるだろう。

その上で、
「私は順張りが向いているんだな」
と分かれば、順張りに使われる
テクニカル指標から学んでいけばいい。

逆張りが性に合っているなら、
逆張りを勉強すればいい。

短期トレードではなく
長期投資が気持ちいいのであれば
ファンダメンタルズを学んでいけばいいわけだ。

まずは自分のトレードルールのための
勉強をして、他の知識はあとから学べばいい。

そして、自分のトレードルールのための勉強とは、
自分の思い出深い取引に、全てのヒントがある。
というわけ。

思い出深い取引を思い出して、
その取引の履歴を引っ張り出してきて、
さらにこまかくこまかく分析していく。

けっこう時間のかかる作業になるとは思うが、
「あの時の、あの気持ちのいい取引が再現できる」
と思えば、モチベーションも持続しやすいだろう。

君の今までの取引を振り返って、
気持ちの良かったトレードを振り返ってみては
どうだろうか?



さて、今回のレッスンはここまで。

今回は、君が自分自身の
トレードルールを作るためのきっかけ作りを
提供した。

君が作るトレードルールは
もしかしたら君が一生付き合うパートナーに
なるかもしれない。

パートナーとなるのだから、
君自身が、そのトレードルールに
愛着を感じたほうが、いいに決まっている。

そして、君にとって相性のいいトレードルールとは、
今までの君の取引の履歴に隠されている。

思い出深い取引を、
こまかくこまかく、
こまかくこまかく分析することで、
君のオリジナルトレードルールを作る
きっかけにしてみたらどうだろう?


君が、君にとっての最高のトレードルールという
パートナーとめぐり合えることを願っているよ。


今回も、本当にどうもありがとう。
ではまた手紙を書きます。


空也

〔技〕 パフォーマンスを左右する、マネーマネジメント

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

前回までしばらくは、
「相手の立場になって考えてみる」
「心のドアノブ思考」
「多重ドア戦略」
などの話をしてきたね。

仕組み作りの達人が、人の心理から
どうやって自分の仕組みを作るのか?
という話。

人の心理も、株の値動きも同じで
完全に予測・コントロールはできない。

なので、
完全に予測・コントロールはできない
という前提で、仕組みを構築しないと、
うまく仕組みは動かないということも一緒に学んだ。


そして、
前回までがトレードからは やや遠い話に
感じられているかもしれないので、
今回からしばらく直球でトレードの話をしよう。

今までも少しずつは話している話だが、
今回から数回に分けて、
「マネーマネジメント」について、
基礎的な話をまとめてしていこうと思う。


トレードにおいては、
トレードの「心・技・体」。具体的には、
基礎的な知識、
具体的なテクニック、
メンタル、
全てが大事だ。

大事だが、
その中でも、少なくともテクニック面で
マネーマネジメントさえ怠らなければ、
「大損害をくらって市場から退場」、
といった事には、ならない。

大損をする人は、たいてい
マネーマネジメントの概念を知らないか、
知っていてもマネーマネジメントを守れなかったかの
どちらかしかいない。

君が一流のトレーダーとなるまでには、
損失が1回も、まったくなかった、
というわけには、行かないだろう。

しかし、マネーマネジメントさえ抑えておけば、
資金的にも、精神的にも
再起不能になるような大損害をくらうことは、なくなる。


ここ数年でも、
一夜にして市場の様子が激変する大暴落が
何回もあった。

おそらく、これからも市場の大暴落は
起こり続けるだろう。

その中で、君は生き残って
安定して利益を出していきたいと思っていることだろう。

なので、
このあたりで、基礎的なマネーマネジメントを
抑えておくことは、
君にとって大切なことだと思う。

今回からの話を、きちんと実践に生かせれば、
少なくとも市場からの突然の退場は、ない。

市場にとどまり続けられる限り、
君の学びは継続し、
そして利益を出せるようになっていくだろう。

市場参加者の90%が損を出し、
そのうちの何割かが毎年 市場から退場する。

利益を出すのが最終目的だが、
まずは「負けない技術」も学んでおくことにしよう。

では、今回もはじめていこう。



さて。

そもそも、マネーマネジメントという概念は
どのような前提のもとにある概念なのか?

仮に、もし“勝率100%のトレードルール”
というものがあったら、マネーマネジメントは
無用の長物だ。

買った株が100%上がると分かっていたなら、

・自分の資金を全額投入して、
・信用取引の枠も全て使い、
・見込めるパフォーマンス以下の金利ならば
 借金をしまくって

エントリーすればいい。
それだけで、君は大金持ちだ。

しかし。

現実には、勝率100%のトレードルールもないし、
「絶対勝てる、この銘柄」も存在しない。

前回までの話でも見てきたとおり、
人の心理や値動きを完全に
予測・コントロールすることはできない。

全ての銘柄が
「絶対わからない、この銘柄」なわけだ。

たとえ勝率が99.9%の
トレードルールであったとしても、
1,000回に1回の負けが
次のエントリーで来ないとも限らない。

なので、現実的には、
「損失を出す可能性」も考慮に入れなければならない。

そこで出てくる考え方が、
マネーマネジメント(資金管理)だ。



マネーマネジメントがうまく出来るか出来ないかが
君のトレードライフを決定付ける。

トレードルールに重きを置く人も多いが、
はっきり言ってしまえば、
マネーマネジメントができれば
トレードルールは、かなり適当でもかまわない。

極端な話、トレードルールに相性のいい
マネーマネジメントができれば、
本来は期待値がマイナスのトレードルールでも
ちゃんと利益を出すことができたりもする。


そこで、
マネーマネジメントを分かってもらうために、
極端に単純な例を出そう。

君が、あるカードゲームに参加するとする。

カードゲームのルールは以下の通り。

・3枚のカードがあり、
 カードに書いてある字が
 「当たり」なら君の勝ち。
 「はずれ」なら君の負けとする。
・3枚のカードのうち、1枚が「当たり」
 2枚が「はずれ」と書いてある。
・「当たり」になれば、賭けていた金額が5倍になる。
・「はずれ」ならば、賭けていた金額が全部没収となる。
・全部で3回戦行う。
・1回戦目は、3枚のうち1枚を引く。
・2回戦目は、1回戦で引かれたカードを除いた
 残りの2枚のうち1枚を引く。
・3回戦目は、残った最後の1枚を引く。

以上だ。

当たれば、賭け金が5倍。
外れれば、賭け金が没収。
そして、3回戦のうち、必ず1回は当たりが出る。

さて、
君がもし30万円の資金を持って
このゲームに参加するとしたら、
どのような戦略をとる?


勝つ確率は、1回戦目は3分の1。
2回戦目は(1回目に当たりが出ていなければ)50%。
3回戦目は、100%勝つ。

どうしようか?


まず、もっとも利益が出る賭け方は、
どうなるだろう?

それは、
1~3回戦目のどこで「当たり」が出るかを
勘で予測する。
そして、自分の勘をたよりに30万円を
賭けるのが、最も利益金額が大きい。

30万円×5倍で、150万円となり、
利益は差し引き120万円だ。でかい!

ただし、「当たれば」だが(笑)

もし勘が外れた場合は、
よくて利益も損失もなし。
悪ければ、破産、となる。


では、もし30万円を3等分して
1回の勝負に10万円ずつ賭けていった場合は
どうなるだろう?

3回のうち1回は、必ず当たりが出て、
しかも勝てば資金が5倍となるので、

10万円ずつ賭けていった場合は、必ず1度は
10万円×5倍=50万円
となる。


資金の配分だけで、
「勝つか負けるか運任せのゲーム」が、
「100%お金を増やせるゲーム」
になるわけだ。

これが、マネーマネジメントを
考える意味になる。


もちろん、今回の例は、極端すぎるかもしれない。

ただ、マネーマネジメントを考えることで、
今回の例のゲームが、“バクチ”から
“資金回収マシン”にレベルアップする、
という意味は、わかってもらえるだろう。

そして。

ここまで単純という訳には行かないが、
トレードにおいても、今回の例のようなことは起こる。

大した期待値がないトレードルールでも、
マネーマネジメントしだいで、
相当回収率のいいパフォーマンスが出せるし、

期待値がすばらしいトレードルールでも、
マネーマネジメントが下手ならば、
あっという間に破産することができる。

なので、
一流のトレーダーになればなるほど、
トレードルール作りよりも
マネーマネジメントを磨く方に時間をかける。

マネーマネジメントを少し変えただけで、
年間のパフォーマンスが倍になる、
なんてことも、けっこう起こるからだ。



もし君が、ある程度トレードルールを
作り終えていて、
「なんか、もういじるところが思いつかないなー」
と思っているのならば、
マネーマネジメントの方をいじってみるのも
いいかもしれない。

パフォーマンスの飛躍的向上につながる
かもしれないからね。


とはいえ、

「空也さん、じゃあマネーマネジメントって
 具体的にはどうやればいいんですか?」

という疑問が湧いてくることだろう。

なので、
次回は、実践で使うことの出来る
マネーマネジメントの具体的な基本例を
レッスンしていこう。


今回は、まず

「マネーマネジメントは重要」

「マネーマネジメントしだいで、
 ギャンブルが資金回収マシンにもなりうる」

ということを、きちんと腹に落としてくれればいい。



君の大切な資金を
イチかバチかのバクチにさらす必要はない。

君のトレードルールに、もっとも相性のいい
資金管理を見つけていこう。


今回も手紙を読んでくれて、本当にありがとう。

ではまた手紙を書きます。



空也


 

〔技〕 時間分散の基礎に学ぶ

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

前回は、「マネーマネジメント」の重要さについて
一緒に学んできたね。

君のトレードルールに合った、
適切なマネーマネジメント(資金管理)をすれば、
「イチかバチかのギャンブル」

「資金回収マシン」
に変えることができる。
という話をした。

もちろん、トレードルールに合った
最適なマネーマネジメント方法を見つけるのは
骨の折れる作業だ。

しかしその骨の折れる作業は、
苦労に見合った「利益」という果実を
君にもたらしてくれる。

トレードにおける他の学習や実践に比べて、
君に直接的に利益をもたらしてくれるのが
マネーマネジメントだろう。

少なくとも、マネーマネジメントを知ることで
君が突然、一日で全資産を失ってしまう
なんていうことは、なくなる。

なので、
今回も、マネーマネジメントについて
くわしく見ていくことにしよう。

ここしばらく、数回はマネーマネジメントに
話を絞っていくので、君も集中して
マネーマネジメントに取り組むのも
いいかもしれない。

では、さっそくはじめていこう。



さて。

まず、マネーマネジメントは何で必要か?
というと、
「自分が次に行う売買が、
 利益になるか損失になるかわからないから」
ということになる。

前回も、詳しく説明したとおりだ。

では、
「利益か損失かわからない」
という前提の下にやるべき行為というのは、
どのようなものだろう?

前提は、
利益が出るかもしれないし、
損かもしれない。

ただ、トレードは1発勝負のギャンブルではなく、
資金の続く限り何回でも売買を
することができる。

何回でも売買ができる。というのがポイントだ。

となると、
1回の売買に、全ての資金を注ぎ込むのではなく、
何回もある売買に、計画的に資金を分散させればいい。
ということになる。

その「分散」のやり方が上手いか下手かが、
マネーマネジメントの真髄になる。というわけ。



では。
「分散」が、マネーマネジメントを決する、
となった時、資金を「何」に分散することができるのか?
を考えてみよう。

トレードの場合、分散できるものは
大きく分けると2つしかない。

2つというのは、
「時間」と、
「銘柄」だ。

自分の大切な資金を、
時間を分けて分散する。

もしくは、
複数の銘柄に分散する。

あとは、この2つの複合系しか
基本的には、ない。

そして、この
時間分散と、銘柄分散それぞれのやり方と
組み合わせで、トレードルールに合った
最適のマネーマネジメントを模索していく、
ということになる。



では実際に、どのような分散の仕方があるのかを、
見ていくことにしよう。

今回は、2つの大まかな分散のうちのひとつ、
「時間分散」
を詳しく説明する。

「銘柄分散」に関しては、また次回以降に
話していこう。




さて、時間分散。

ひとつの銘柄でも、
自分が買うタイミング、売るタイミングで
利益が出たり、損失が出たりするのは
もう理解しているだろう。

そして、どのタイミングで買えば
利益が出るのかがわからないから苦労する。
そうだよね?(笑)

ならば、買う、もしくは売るタイミングを
分散して、トータルで利益が出るようにしよう、
トータルで利益が増えるようにしよう、
というのが、時間分散の考え方だ。


前回、3枚のカードから「当たり」が出たら
利益が出るけれど、「はずれ」だったら
賭け金が没収、というゲームの話をした。

そして、資金を3等分すれば、
絶対勝てるゲームになってしまう、
という話をしたね。
覚えているかな?

あのときにした「資金3等分」が、
時間分散だ。

「当たり」が出てくるタイミングがわからないから、
資金を3等分して、「当たり」を待ったわけだよね。

タイミングをずらして、資金を投入していく、
これが時間分散の考え方だ。

時間分散は、基礎から応用までたくさんの方法がある。

その中でも、もっとも基礎的な話からしようか。

個人的には、けっこう「化石化」している話だけれど、
今でも有効であるともいえる「ドルコスト平均法」の話だ。


「ドルコスト平均法」
という言葉は、知っているかな?

投資の基本的な概念ともいえるけれど、
軽く説明しよう。


ドルコスト平均法のルールは、
「必ず同じ銘柄(商品)に、必ず同じ金額を
 一定のタイミングで投入していく」
というもの。

具体的に説明しよう。

分かりやすくするために、とんでもなく激しい
乱高下をする銘柄を例に出して、
さらに手数料などは考慮しないで説明する。

ある銘柄Aに、
君は総資金400万円を
ドルコスト平均法の考え方を使って
毎月100万円を投入していくことにする。

初月の株価は1万円。
100万円÷1万円=100株
なので、100株を買うことになる。

第二の月。株価は2万円。
100万円÷2万円=50株
なので、50株を買うことになる。

第三の月。株価は急落、5千円。
100万円÷5千円=200株
なので、200株を買うことになる。

最後、第四の月。株価は、2万円。
100万円÷2万円=50株
なので、50株を買うことになる。

合計では、
400万円で、400株を買えたことになる。
平均単価は、1万円。

平均単価を超える月が2回もあった。
もし株価が2万円の時に400万円全額を
使っていたら、半分の株数しか買えなかったんだから、
ドルコスト平均法で時間分散して、よかったでしょ。
という話になる。


計画的に資金配分をすれば、
ドルコスト平均法は、今でも有効な手なのかもしれない。

ただ、
株価が急落しているときに、
より多くの株数を購入するわけだから、
より多くのリスクを請け負うということになる。

ドルコスト平均法が有効なのは、
「急落するときもあるけれど、
 基本的には上昇トレンド」
という銘柄には、いいかもしれないね。

個人的には、のんびりした手法である
ということと、
全体が長期上昇トレンドではない現在に
そのまま採用するのは難しいと思っている。

ただ、応用の方法はたくさんあるだろう。
なにしろ、時間分散の基本だからね。


例えば、
ドルコスト平均法の時間軸を短くして、
さらに株価が下がったときだけ買う、
というのが、いわゆる「ナンピン」だね。

「ナンピン」の場合は、

・一定額を購入する
・一定株数を購入する
・下がっていったら、
 投入金額や購入株数を増やす

などなど、やり方は無限に広がる。

何回までナンピンするのか?
投入金額は一定なのか?
それとも増やしていくのか?
増やす場合は、どのような割合で?

どんどん、やり方が増えるわけだよね。

いずれにしても、
「資金が枯渇する前には上昇する」
「平均購入単価よりも、いつかは株価が上になる」
という前提で時間分散をしていく、
という方法だね。

うまくいくトレードルールと合わせれば、
相当の効果を生む方法だろう。

ただし、トレードルールとの相性を間違えると、
とんでもない含み損を抱えるので
注意したほうがいいだろうね(笑)



もうひとつ。
時間分散の話を踏まえたうえの、応用編の話をしよう。

「信用取引は、こわい」
「信用枠は、使いたくない」
「でも、パフォーマンスはあげたい」

なんていう時に使える方法だ。

仮に、
「1泊で必ず決済する」
というトレードルールを完成させたとしよう。

当日の寄り付きで買ったら、
翌日の寄り付きで必ず決済する、というルール。

そして、毎日エントリー候補銘柄が、同じように出てくる。
それで期待値がプラスだったとしよう。

上記のルールの場合、
現物取引しか使わない場合、
翌日エントリーに使う資金を残しておかなければならない。

400万円あれば、
・当日エントリー → 翌日決済 に200万円。
・翌日エントリー → 翌々日決済 に200万円。

という形にしないと、寄り付きで買うための注文が出せない。

時間分散という概念も考慮に入れつつ
トレードルールを構築しているのに、
資金効率的に、ちょっともったいない。

そこで、信用取引を使う。

信用取引を使えば、
・当日エントリー → 翌日決済 に400万円。
・翌日エントリー → 翌々日決済 に400万円。

という注文は、楽に出せる。


そして、実質上は、
前日エントリーしている銘柄を手放すのと、
当日エントリーしているタイミングはほぼ同時なので、
市場にさらしているリスクは800万円ではなく、
400万円のまま。となる。

ちょっと分かりにくいかな?

信用取引を使ってはいるんだけれど、
それはあくまで注文のためだけ。

寄り付きの9時には、ほんの一瞬だけ
投入金額が2日分の800万円になるんだけれど、
すぐに前日エントリーした分は決済される。

だから、実質上のリスクは400万円分となる。
という話。

もし理解しにくかったら、
何回か読み直してみてくれるとわかるだろう。
分からない場合は、また質問してくれてもいい。


信用取引で、使える金額は増やしているものの、
現物以上のリスクは、実質ほとんど取っていない。
ということもできる。という話だ。

時間分散という概念を理解した上で、
信用取引を使うと、上記のようなルールで
運用することも可能になる。

今回の例では一泊としたが、
応用すれば、また違った使い方も出来るだろう。

君も、いろいろ試してみると、いいかもしれない。




さて。
今回のレッスンはここまで。

マネーマネジメントの中の、分散。
その中でも、今回は時間分散について詳しく説明した。

「次の売買が、利益になるか損失になるか分からない」
   ↓
「売買は、資金のある限り何回でも出来る」
   ↓
「ならば、売買のタイミングをずらして、資金を分散しよう」

というのが、時間分散の考え方だ。

もちろん、今回説明したものだけが
時間分散のやり方ではない。

また、機会を見つけて、時間分散の話もしていこう。


次回は、もうひとつの分散である
「銘柄分散」の話をしていく。

複数の銘柄に、どれくらい資金を入れるといいのか?

というひとつの質問から、
さまざまな考え方をしていく
マネーマネジメント法だ。

こちらも、君のインスピレーションになることだろう。
楽しみにしていてほしい。


今回も手紙を読んでくれて、本当にありがとう。

ではまた、手紙を書きます。



空也


 

〔技〕 銘柄分散の基礎に学ぶ

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

前回は、マネーマネジメントの分散。
その中でも「時間分散」について一緒に学んだね。

「次の売買が勝つか負けるか分からないんだから、
 資金を分散しておこう」
「そして、また別のタイミングで売買しよう」

というのが、時間分散の考え方。


今回は、

「次の売買が勝つか負けるか分からないんだから、
 資金を分散しておこう」

という所までは同じなんだけれど、

「そして、また別のタイミングで売買しよう」
ではなく、
「そして、また別の銘柄でも売買をしよう」

という「銘柄分散」という考え方を学んでいこう。


実際のマネーマネジメントでは、
時間分散と銘柄分散を組み合わせて
マネジメントすることが多い。

でも、「時間分散」と「銘柄分散」がある、
ということを意識しながら組み合わせるのと、
ただなんとなくマネーマネジメントを
しているのでは雲泥の差がある。

なぜならば、

意味をしっかり分けて考えることができれば、
マネジメントを見直すときに
「ここは、時間分散を見直したほうがいいだろう」
とか、

「これは、銘柄分散に改良の余地があるかも」
といったように、はっきり原因を究明しながら、
目的を持って見直すことができるからだ。

「良くないところが、わからない」
「わからないところが、わからない」
では、改善のしようがない。

仮説を立て、検証し、改善をするためには、
大まかな概念の区別をしておいたほうがいい。

そのためにも、、
今回は「銘柄分散」にフォーカスをして、
勉強していくことにしよう。



さて。

銘柄分散は、
「勝つか負けるか分からないから、
 いくつかの銘柄に分けて資金を投入しよう」
という考え方。


ここでマネーマネジメント的な課題は

「それぞれの銘柄には、
 どうやって資金を振り分けるのか?」

というものがある。

トレードルールを作っていく際に、
だいたいどのような銘柄が
エントリー候補になってくるかは
決まってくる。

例えば
「この日は、○○という条件がそろった
 銘柄が5つ出てきたから、
 この銘柄群にエントリーするか」
ということが、トレードルールの
時点でだいたい決まる。

ここから先の作業が、
マネーマネジメントとなる。

期待値がプラスだということが
たとえ分かっていたとしても、
パフォーマンスを最大化できるかは
マネーマネジメントにかかっている。

ここから先の
「それぞれの銘柄には、
 どうやって資金を振り分けるのか?」
が、重大となってくるわけだ。

なので、
今回のレッスンでは、それぞれの銘柄への
資金の割り振り方法の中でも基礎的なものを、
いくつか紹介しよう。



さてさて、

最も単純なマネーマネジメントは、
「各銘柄の最低売買単位を売買する」
というもの。

最低売買単位が
1000株なら1000株。
1株なら1株を買って、売る。
という方法だ。

この方法のメリットは、
・少ない資金でも、実践が試せる。
・パーセンテージ単位で、
 実際に期待値の通りに運用できるか
 試せる。
などがあるだろう。

ただ、
・購入金額の差が、銘柄によって、
 相当差が出てしまう。
・自分の資金を充分に活用できない
などのデメリットも多い。

最低売買単位が数万円の銘柄もあれば、
百万円を超える銘柄もある。

そんな中、最低売買単位でバッサリ
区切ってしまうのは、少々乱暴だ。

なので、
「各銘柄の最低売買単位を売買する」
という方法は、あくまで練習用の
方法という感は否めない。
(もちろん、うまくいく
 トレードルールも、あるだろうが)


次に。
最低売買単位という
「株数」で区切る方法から発展したのが
「候補銘柄に同額資金を割り振る」
という方法。さっそく具体的に見てみよう。

候補銘柄一つに対して、
例えば30万円なら30万円。
100万円なら100万円と
自分で1銘柄あたりの売買資金を
あらかじめ決めて売買するという方法だ。

1銘柄に100万円を投入すると決めた場合、
候補銘柄が5銘柄出てきたら、
最低でも500万円は必要になる。

売買株数は、具体的には

一銘柄あたり投入資金÷株価

となるね。

もちろん、売買単元との
からみもあるので、完全にぴったりの
株数とはいかないだろうけれど、
だいたい一定金額を投入することになる。

メリットは
・期待値のパーセンテージに応じた
 損益を受け取ることが出来る。
・資金の管理がしやすい。
などかな?

デメリットとしては、
・候補銘柄が少なかった時は
 資金を寝かすことになる。
・候補銘柄が多かった時は
 全ての候補銘柄にエントリー出来ずに
 期待値が狂う可能性がある。

という感じ。
マネーマネジメントの基礎的方法なので、
期待値に素直に反応することが多い。

ただ、エントリー候補の銘柄数に
極端に左右されてしまうという欠点を
トレードルールの方で
フォローする必要のある方法とも
言えるだろう。


他には。
資金を最大限に有効的に
活用するという方法では、
「当日投入する資金全額を
 エントリー候補銘柄数で割る」
という方法もある。

この方法では、
エントリー候補銘柄が1つの日は、
資金の100%をひとつの銘柄に投入し、
エントリー候補銘柄が5つの日は、
各銘柄に資金の20%ずつを投入するわけだ。

・資金の無駄はない。

というメリットがあるが、
銘柄数が1つの日に、
該当する1つの銘柄に運命を託すという
リスクがある。

候補銘柄が少ない日の勝率が
高いトレードルールとは
相性のいい方法だと言える。

また、比較的短期の日数で資金を回す
ルールにも、相性がいいかもしれない。



今回のレッスンでは、あと一つくらい
紹介しておこうか。

今までの方法は
「トータルでは利益が出る」
ということに着目したマネーマネジメントだった。

次に紹介するのは
「もし損失になった時の
 ダメージを想定した」
マネーマネジメントだ。

具体的方法としては
「自分の総トレード資産の
 許容損失と、損切りパーセンテージから
 売買株数を決める」
という方法になる。

具体的に説明しよう。

例えば、
・自分の総トレード資産は500万円
・1回の取引の許容損失1%
・損切りは5%で損切りする
と決めたとする。

その場合、
1回の取引での許容損失額は

500万円 × 1% = 5万円

となる。

次に、5%で損切りしても
5万円に収まる金額は

5万円 ÷ 5% = 100万円

となるので、
1銘柄あたりに投入する金額を
100万円までとするわけだ。

これが例えば、

・総トレード資産が500万円
のまま変わらずに、

・1回の取引での許容損失2%
・損切りは4%
と決めた場合は、

500万円 × 2% ÷ 4% = 250万円

となり、1銘柄への投入資金量は
250万円までとなる。

自分のトレードルールと
許容損失額を考慮に入れた方法なので、
自分のトレードルールに合わせた
マネーマネジメントがやりやすい。

長くトレードを続けていくためには
1回の取引での許容損失額は
多くても2%程度までに
抑えておいた方がいい。

はじめは2%では、やや多いかもしれない。

自分で損失許容量を2%と決めていても、
不測の事態(例えば、ストップ安で売れない、とか)も
起り得るので、実践ではさらに多くの
損失を被る場合もあるしね。

このマネーマネジメントを採用する場合、
“逆指値”という注文方法が利用できる
証券会社を使うといいだろう。

はじめに決めておいた損切りのリミットで
躊躇なく損切りをするためには
逆指値を使っておいた方が楽だからね。



さて、
今回のレッスンは、ここまでにしておこう。

今回は、具体的な銘柄分散の
マネーマネジメント方法を
いくつか羅列してみた。

もちろん、今回見てきたもの以外にも
自分の資金の振り分け方法はたくさんある。


例えば、
トレードルールの条件を細分化していき、

Aという条件に合致した場合は10万円を投入。
AにもBにも合致した銘柄には30万円を投入。
AにもBにもCにも条件が合致した場合は50万円を
投入する。

なんていう方法もある。

勝率や期待値が高く見込まれるであろう場合は
投入資金を増大させるという やり方だ。

他にも、今回紹介したマネーマネジメントを
組み合わせたりする方法もあるだろうね。



銘柄分散のマネーマネジメントだけでも、
たくさんの方法がある。

時間分散と銘柄分散を組み合わせれば、
一人ひとり違った、
無限のマネジメント方法になるだろう。


そして、
最も大切なのは。

マネーマネジメントは、
運用する君自身との相性と、
トレードルール自体との相性によって
決めるべきだ、ということだ。

一番最初に紹介した
「最低売買単位に資金投入する」
というマネーマネジメント方法が最適!
というトレードルールだって、あるだろう。

逆に、非常に高度なマネーマネジメントの
手法を覚えたとしても、
君自身や、トレードルールとの相性が
ちぐはぐだったら、まったく機能しない。

すべては、全体のバランスだということを
覚えておいてほしい。


次回も、もう少し銘柄分散の
マネーマネジメントを一緒に見ていこう。

確率統計の概念を持ち込んだマネーマネジメント
などを紹介していって、
学習を深めていきたいと思っている。

君にとって最適のマネーマネジメントが
見つかるよう、頑張っていこう。


今回も手紙を読んでくれて本当にありがとう。
ではまた手紙を書きます。



空也


 

〔技〕 ATRを使ったマネーマネジメント

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

前回は、マネーマネジメントの中でも
「銘柄分散」に特化した話をしたね。

トレードルール上で候補に挙がってきた
それぞれの銘柄に、いくらの資金を投入するか?

というのが、マネーマネジメント上の課題。

その課題をクリアするために、
具体的なマネジメント法をいくつか紹介した。

そして、
たくさんあるマネーマネジメントのやり方の中で、
君自身と、使っているトレードルールに
マッチしたマネーマネジメントをする必要がある。
という話をしたね。


今回も、前回の話の続きだ。
具体的なマネーマネジメント法を紹介する。

今回は、前提となる知識のインプットも含めて話すので、
紹介する方法は、1つ。

今まで紹介した方法も、
トレードルールにマッチすれば相当の威力を発揮する。

そして、
今回紹介する方法は、今まで紹介した方法と
考え方が若干異なる方法だ。

うまく使えば、
君のトータル利益の増大と、
トレードを継続させる力になってくれるだろう。

では、今回もはじめていこう。



さて。

前回に紹介した様々な手法は
「一定の株数/金額/割合を投入する」
「トレードルールの損失許容量で
 一定の金額を投入する」
など、どの銘柄に対しても一定量を投入する方法だった。

もちろん、今まで話してきたとおり、
一定量を投入する方法がうまくいくこともたくさんある。

とはいえ、
また別の考え方があるのも事実だ。


例えば、
同じ1,000円の株価の銘柄でも、
1日にだいたい2~3円しか動かない銘柄もあれば、
数十円も激しく動く銘柄もある。
銘柄のクセ、みたいなものだね。

ここで、1日2~3円動く銘柄と、
数十円上下する銘柄を、
「同じエントリー候補銘柄」として
扱っていいのか?という話になる。

仮に、
・1日2~3円動く、株価1,000円の銘柄A
・1日に20~30円動く、株価1,000円の銘柄B

があるとする。

ある日、たまたま同じ日に、銘柄Aと銘柄Bが
エントリー候補銘柄にあがってきた。

トレードルール上は、エントリー候補
という意味においては、同じ。

だが、ここで同じ量の資金を投入するのが
本当に“公平”なのだろうか?

もし、トレードルールが
寄り付きで買って、引けで売るという
ルールだったとしたら、

銘柄Aは、1,000株買ったら、
2,000円~3,000円の利益、
もしくは損失で終わる可能性が高い。

そして、銘柄Bは、1,000株買ったら
2~3万円の利益、もしくは損失になる可能性が高い。

ここで、値動きが比較的落ち着いている銘柄と、
値動きの激しい銘柄に、同じ金額を投入することは
マネーマネジメント上、最も理にかなっているのか?
という疑問がわく。

この疑問に答えるようなマネーマネジメントが
今回紹介する「ATR」を考慮した方法だ。


該当する銘柄の、ある一定期間の値幅(レンジ)から、
「だいたい、このくらいのレンジで値動きするだろう」
という予測を立て、

・値動きの少ない、レンジ幅が狭い銘柄は
 多目の資金を投入する。
・値動きの大きい、レンジ幅の広い銘柄には
 少なめの資金を投入する。

そして、1売買ごとのリスク/リターンを
マネジメントしよう、という方法。


先ほどの例なら、
値動きの少ない銘柄Aには1,000株。
値動きの大きい銘柄Bは、100株の資金を投入する。

そうすれば、想定できる利益/損失は
同じように2,000円~3,000円となる。

想定される結果から、投入資金を調整しよう
という考え方で生み出された方法だ。



「なるほど、空也さん。
 こんな方法も、アリですね」
「じゃあ、実践では具体的にどうやるんですか?」
と、君が興味を持ってくれていることを期待して、
実践の話に移ろう。

実践の話をするために、
前提となる知識がひとつ必要だ。

それは、
「ATR(Average True Range)」
という知識。

まずは、このATRを少し解説しよう。


先ほどの

・値動きの少ない、レンジ幅が狭い銘柄は
 多目の資金を投入する。
・値動きの大きい、レンジ幅の広い銘柄には
 少なめの資金を投入する。

を実践するためには、
まず、該当する銘柄の値幅(レンジ)が
分からないと、どうしようもない。

なので、まずは
「銘柄の値幅がどれくらいか?」
をはかる必要がある。

で。
単純に「1日の値幅」ということだったら、

・当日の高値 - 当日の安値

で値幅(Range)が出る。


ただ、この方法だと、
「いきなりギャップアップして始まって、
 そのまま高値で推移した」
「ものすごいギャップダウンして始まって、
 そのまま安値で推移した」
という値幅を、
“狭い値幅”にカウントしてしまう。

極端な話、
寄り付きからストップ高で始まって、
そのままストップ高に張り付いたまま引けを迎えた銘柄は、
「値幅の狭い、比較的安全な銘柄」
にカウントしてしまうわけだ。

「そんなわけ、ないだろーっ!!!!」

という心の叫びがあったかどうかは知らないが、
ギャップアップ/ダウンを考慮するように生まれたのが、

真の値幅(True Range)という考え。


真の値幅は、

(1)当日の高値-当日の安値
(2)当日の高値-前日の終値
(3)当日の安値-前日の終値

のうち、最も数字の大きいものを「値幅」とする。
もちろん、どれかひとつを採用するので、
真の値幅自体は、1つの数値となる。

これで、激しいギャップアップ/ダウンがあった銘柄は
“大きい値幅”としてカウントされ、
投入資金をマネージするときの矛盾が解消されるわけだ。


そして、

欲しい数値は、
「該当する銘柄が、だいたい
 どのくらいの値幅を持っているのか?」
なので、1日だけの値幅を見ても、
ちょっと不安が残る。


たとえば、

今まで1週間ほどは上下4~5%の乱高下を
繰り返してきたのに、
たまたま「真の値幅」を見た日だけ、
ほとんど値動きがなかった、

なんてことだと、大きな勘違いを
しかねない。

「値幅は狭いんだ。じゃあ資金を大量投入しよう」
と、エントリーした瞬間、また激しい乱高下に
なってしまったら、値幅を見た意味がない。

なので、
ある一定期間の「真の値幅(True Range)」を
「平均(Average)」して、ならして見れば
いいだろう、と考え出されたのが、

「ATR(Average True Range)」だ。



ふぅ。
説明が長くなったね。
ちょっと深呼吸でもしようか。

さてさて。

長々と説明した「ATR」。

この「ATR」を使えば、
「該当する銘柄が、だいたいどの程度の
 値幅で動いているのか?」
ということを、推し量ることができる。

平均に使う日にちが多ければ多いほど
さまざまな場面で想定される値幅を
ならした値になるし、

平均に使う日にちが短ければ、
直近の値幅が想定できるわけだ。

たとえば、26日間のATRを見て
値幅を想定することも出来るし、
10日とか、5日間のATRを見て
値幅が狭いとか、大きいとか想定することも出来る。

どのくらいの日数を平均するのかは
君の自由裁量というところだ。

ただ、ガイドラインとしては
トレードルールとの相性を考えるのがいいだろう。

例えば、1泊2日の短期トレードルールなのに、
ATRは90日平均を見る、
なんていうのは、若干ミスマッチかもしれない。

うまく機能すれば、トレードルールは
「何でもあり」だが、始めのガイドラインとしては

・短期ルールには、短期平均ATRを
・長期ルールには、長期平均ATRを

採用するのがスマートだろう。



これで前提となる知識はマスターした。
あとは、簡単な計算式だけだ。

例えば、
全トレード資金が500万円あったとして、
1回のトレードでは、多くても全資金の2%までの
損失で抑えたいとする。

許容損失額 = 500万円 × 2% = 10万円


そして、
ある銘柄のATRが、10円だったとしよう。
一定期間を平均した、真の値幅が10円。

だとしたら、エントリーした後も上下10円の
値幅で動くだろうと想定して、
エントリー株数を決める。

損失許容額10万円 ÷ ATR10円 = 1万株

となる。


ATRが10円ではなく、激しく乱高下する銘柄で
500円だとしたら、

損失許容額10万円 ÷ ATR500円 = 200株

となり、該当する銘柄には200株だけエントリーする
ことになる。


以上が、ATRを使って、
同じトレードルール上で絞り込まれた銘柄の
リスク/リターンをマネージする方法。

ATRを使う場合、通常は
ATRの数値を2倍、3倍して使うことが多い。

例えば、ATRが10円だったら、
2倍して2ATR20円という値を使ったり、
3倍して3ATR30円という値を使ったりする。

想定する値幅を大きくすればするほど、
1銘柄にエントリーする株数は少なくなる。
分母が増えるからね。

結果として、リスクがどんどん減ってゆく形になる。



ものの本によると、
総トレード資金の2%を許容損失額として、
ATRは2倍して、
2ATRでマネーマネジメントするとよい、
というガイドラインがある。

個人的には、トレードルールによっては
この方法はリスクをとりすぎていると思う。

ある一定の範囲内で動いている
ボックスの値動きを狙うトレードルールなら
許容損失2%で、2ATRがうまくいくだろう。

ただし、
いわゆる逆張りなどの
「急激に上昇/下落した銘柄を狙う」
トレードルールだと、2ATRでは
リスキーなことも多い。

通常の値動きじゃない銘柄にエントリーするルールで、
通常の2倍程度の値幅しか想定しないのは、
個人的にはリスキーだと思う。

トレードルールしだいで、
3ATRや4ATRの幅を取ることも
選択肢に入れておいたほうがいいだろう。



今回のレッスンで見てきた
ATRを使ったマネーマネジメントは、
各銘柄の個性に合わせて資金を配分する方法なので、
リスクを調整しやすい方法だといえる。

ただ、ATRの計算が面倒なので、
パソコンの計算能力を活かして利用するのが
いいだろう。

システムトレードとは、相性のいい
マネーマネジメントだといえるね。



さて、今回のレッスンはここまで。

前提となる知識は、本来
「心・技・体」では、
「体」のカテゴリーなんだけれど、
君に伝えたいメインメッセージが「技」だったので、
「技」カテゴリとさせてもらった。

いかがだっただろう?


前回、今回とマネーマネジメントについて
具体的な方法を見てきた。

もちろん、今回でマネーマネジメントについての
レッスンが終わるわけではない。

むしろ、ここからスタートするといっても
いいくらいだ。

マネーマネジメントは
「時間分散」「銘柄分散」以外にも
いろいろあるからね。


たくさんのマネーマネジメントを見て、
君に最もフィットするマネーマネジメントを
構築していって欲しい。


今回も手紙を読んでくれて、本当にありがとう。

ではまた手紙を書きます。



空也
 

〔技〕 「良い」運用の3要素

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

前回までは、マネーマネジメントの基礎に特化して
話を進めてきたね。

マネーマネジメントの概要から始まり、
時間分散の概念、
銘柄分散の概念、
そして、具体的な分散の方法も、いくつか見てきた。

当たり前の話だけれど、
マネーマネジメントをするのは、
自分のトレードの成績、パフォーマンスを
最適化するために行うわけだよね?

じゃあ、何をもって
「最適化された」
と言っていいんだろう?

ある一定期間、たとえば年間トータルで
プラス利益になるトレードルールと
マネーマネジメントをすれば、
「最適化」したと言えるんだろうか?

年間トータル利益が高ければ高いほど、
「良いトレードルール」で、
「良いマネーマネジメント」
と言い切れるのか?

答えは、残念ながら「NO」だ。

もちろん、年間トータル利益が
高ければ、高いに越したことはない。


ただ、

トータル利益が高いというだけでは、
必ずしも「良い」とは言い切れないのが
本当のところだ。

事実、私が自分のトレードで使用している
トレードルール/マネーマネジメントは、
私が検証した中で、
「最もトータル利益の高いもの」
ではない。


なので、今回は
「良い」「最適化された」
トレードルール/マネーマネジメントとは
どんな要素を含んでいるのかを、一緒に見ていこう。



さて。

「良い」「最適化された」
トレードルール/マネーマネジメントには、
様々な要素がある。

もちろん、トータルで利益が出なければ話には
ならないんだけれど、それ以外の要素もある。

ただ、要素の中でも特に大切なことは、
たった一言で表現できる。

それは、
「君が、継続できること」。


もし君が一生満足できる金額を
短期間のトレードで得られるのならば、話は別だ。

「君が、継続できる」という条件は
なくてもいいかもしれない。

かもしれないが、たいていの場合は、短くても数年、
長ければ一生涯トレードというものは続く。

「お金を生み出す仕組み」を作り上げたのなら、
ずっと使い続けたいと思うのも人情だろう。

また、
満足できる金額を得るためには
ほんの数回のトレードで終えられる人は少なく、
何回も、何百回も、何千回もトレードを繰り返す
必要もあるだろう。

なので、
トレードルールを構築し、
マネーマネジメントをする時には、
「継続できる」
というポイントを抑えておいたほうがいい。


では。

「継続できる」というポイントを抑えるために
必要な要素とは、どんなことだろう?

資金的にも、体力的にも、精神的にも
継続できるトレードルール/マネーマネジメントじゃないと
意味がない。

以前のレッスンでも話したが、まず大前提としては、
君自身の性格やライフスタイルにフィットしている
ということは、必須の条件だ。

ライフスタイルに合ってないものは、
たとえ最高のパフォーマンスが出せるルールでも
ゴミ箱行きにしなければならない。

君は、トレードルールやマネーマネジメントの
主人なわけで、奴隷じゃないんだからね。

ま、ライフスタイルに合っているということは
最低限の条件だとして。

次に必要な要素は、何だと思う?



私が思う要素は、大きく分けると3つだ。

その3つとは、

・収益性
・安定性
・安全性

の3つ。

それぞれを説明していこう。


まず、「収益性」。
これは、単純な話。期待値の高さだ。

先ほどの話で、
「利益が高けりゃいい、ってもんじゃない」
とは言ったが、かといって
やればやるほどお金が減っていくのでは意味がない。

何のためにトレードをしているのか分からなくなるし、
資金が枯渇してしまったら、
「継続できる」
というポイントも、外してしまうことになるしね。

なので、
期待値が高く、トータルで利益が出る
トレードルール/マネーマネジメントを
するのは、必須の条件だ。



そして、「安定性」。
こちらも大切な要素だ。

例えば、とても期待値が高いトレードルールを
作ることが出来たとする。

しかし、そのトレードルールは
うまく機能すると、年間で+300%の利回りを
生むんだけれど、

機能しない年に当たると、年間で+1%の利回りにしか
ならない。というルール。

+300%の利回りは、とても魅力的だけれど、
残念ながら「良い」「最適化」されたルールという意味では
違うかもしれない。

さらに極端な話では、
「10年間で、トータルプラス期待値。
 ただ、ある年は+500%だけど、ある年は-100%」
なんていうルールは、ただの「ギャンブルルール」。

運の悪い、ある年に始めると
破産してしまうようなルールは、
安定性を欠いた、あまり良くないルールといえるだろう。


この「安定性」だが、
どのくらいの期間で「安定」しているかを決めるのは
君自身だ。

とりあえず年間で、毎年毎年トータルプラスならば
「安定している」、と見てもいいし、

3ヶ月区切りで、毎回トータルプラスになっていないと
落ち着かない。というのならば、3ヶ月区切りで
「安定性」を見てもいいだろう。


さらに、パフォーマンスのブレに
どのくらいの幅を許すのかも、君しだいだ。

「少なくとも年間で+20%をあげたい」
というのならば、+20%を「安定」のラインにしてもいい。

「年間で、プラスマイナス0%の利回りがあってもいいから、
 儲かるときにドカンと儲けたい」
なんていうのも、「安定」ラインになりうる。

期間の安定、パフォーマンス幅の安定。
全ては、君しだいだ。

トレードに使える資金の少ない、初期の段階では
比較的短い期間での安定を目指し、
資金が増えてきたら、高パフォーマンスを狙う
なんていう作戦も、アリかもしれないね。

いずれにしても、
君自身が継続できるための「安定」ラインを
模索してみて欲しい。



あとひとつ。「安全性」。
安定性に近い概念だけれど、ちょっと違う。

例えば、
「平均年利回りが+30%。
 この10年間、毎年毎年+20%の
 利回りを下回ることはない」

という、収益性、安定性ともに
悪くないルールがあったとする。

しかし、
「ただ、ある年に1回、
 全資金の80%が吹っ飛んだことがある」
というルールは、果たして「良い」ルールなのか?
という話。

机上の理論としては
「80%の資金が吹っ飛んでも、
 そのあと結果として年間トータルプラスに
 なったのなら、いいんじゃない?」
と思うかもしれない。


でも。

実際にトレードをしている時に、
80%の資金が吹っ飛んでしまったあと、
そのままのルールを使ってトレードできるか?

よほどの人じゃない限り、
そのままのルールに従ってトレードをすることは
出来ないんじゃないかな?

私が実際に検証したルールの中でも、
2008年の10月に資金の80%を失った
ルールがある。

そして、もし残った資金をそのまま
11月に運用していたら
失った資金を取り戻した上に、
30%も資金が増えた、というルールがあった。

その他の年は、安定した
成績を出していたルールだったけれど、
そのルールを採用することは、私には出来なかった。

80%の資金を失ったあと、
そのままのトレードルールを信頼できるかに
自信を持てなかったためだ。


もし君が
「80%の資金失っても、全然問題ない」
「そのまま淡々とトレードできますよ」
というのならば、安全性はさほど気にしなくても
いいかもしれない。

ただ、精神的に重圧のかかる
ドローダウンは、なるべくなら避けたほうがいいだろう。


この「安全性」に関しても、
どのラインを「安全」とするかは、君しだいだ。

君自身が耐えられるドローダウンを想定して、
トレードルールやマネーマネジメントを
構築するといいだろう。

ちなみに、
ドローダウンには、
「ドローダウン金額(パーセンテージ)」と、
「ドローダウン期間」がある。

「いきなり資金の80%が吹っ飛ぶ」というのは、
ドローダウン金額(パーセンテージ)の話で、

「もう5ヶ月もプラスになっていない」というのが、
ドローダウン期間の話だ。

人によって
「金額が吹っ飛ぶのは耐えられるけど、
 ずっとドローダウンが続くのはイヤ」
とか
「絶対に、ドローダウン金額が大きいのは
 耐えられない」
とか、いろいろある。

君の性格に合わせて、設計していくといいだろう。

ガイドラインとしては、
余剰資金が豊富な人は、
ドローダウン金額には目をつぶり、
ドローダウン期間を短くすることを目指す。

余剰資金がない人は、
できるだけドローダウン金額を抑えるように
設計するのがいいだろう。


さてさて、ここまでで、
・収益性
・安定性
・安全性
という、3つの要素を見てきた。

トレードルールを作り、
マネーマネジメントを考えていると分かるけれど、
この3つは、言葉を選ばずに言うと
「足を引っ張り合う」関係になりがちだ。

安全性を求めると、収益性がダウンする。
収益性を求めると、安定性や安全性が失われる。

リスク/リターンの話なので
当然といえば当然なのだが、
やきもきするシーンもあるだろう。


その時には、初心に帰って

「自分のライフスタイルに合った形は、どうなのか?」
「資金的にも精神的にも、より継続できる形はどれか?」

と自問自答してみるのもいいだろう。


「資金が少ないころは、
 できるだけ安定性・安全性を優先しよう」
という考え方もある。

「資金が少ないころは、
 多少のリスクをとってでも、収益性を求める!」
という考え方もある。

そして、どちらの考え方も正しい。


自分が 今、どんなライフスタイルで、
将来、どんなライフスタイルを望むのか?

望むライフスタイルを得るために、
許容しなければならないリスクは、どこまでか?

自分が最低限必要とするライフスタイルを
死守するために、とってはいけないリスクは
どこに設定するのか?

この答えだけは、君自身でしか出すことは出来ない。


今の私は
「資金が少ないころは、
 できるだけ安定性・安全性を優先しよう」
と思う。

けれど、
昔自分が実際にやってきたことは
リスクがいっぱいいっぱいの綱渡りトレードだ。

結果として、激しいドローダウンも経験したし、
利益も受け取ることが出来た。

どっちがいいとは、一概には言えない。

君が、君のなりたい方向を進めばいいと思う。
もちろん、できる限りの応援はしていくよ。
一緒にがんばろう。



さて、今回のレッスンはここまで。

「良い」「最適化された」
トレードルール、マネーマネジメントには

・収益性
・安定性
・安全性

の要素があり、3つの要素の根っこは
「君が、継続できる」ことだ
ということを学んだ。

そして、収益性・安定性・安全性の
3つのバランスのどこを「よし」とするかは
君しだい、という話もさせてもらった。

今回の話が、君のインスピレーションになることを
心から願っているよ。


今回も、手紙を読んでくれて本当にありがとう。
ではまた手紙を書きます。


空也
 

〔技〕 トレードルール構築を、仮説からはじめる

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

前回までの話で、空売りについての概要から、考え方、
そして下落時における値動きの特徴などを見てきたね。

株の値動きは、
「他の市場参加者は、多くの場合
 “買い”からエントリーする」
という事実と、
「人間は、得るチャンスを逃すよりも、
 失うことに敏感に反応する」
という心理から、

「株価は、ゆっくり上昇して、
 急激に下落する」

という形になりやすい、という話をした。


今回は、このような値動きを利用して、
空売りのトレードルールを作る際の
ポイントを一緒に見ていこう。

せっかく特徴的なことが分かっているのに、
実際のトレードルールに応用しないのは
もったいないからね。

トレードルール作りには様々なアプローチがあり、
今回紹介する方法が全てというわけではないが、
ひとつのプロセスのサンプルとして見てくれれば幸いだ。

では、早速はじめていこう。



まず、
トレードルールを作る際に
課題になるポイントを整理してみよう。

課題となるポイントは、おそらく3つ。

ひとつは、
「どのような銘柄を、空売り候補にするのか?」
というポイント。

もうひとつは、
「候補銘柄を、いつ、
 どのタイミングで空売りするのか?」
ということ。

そして最後に
「空売りした銘柄を、いつ、
 どのタイミングで買い戻すのか?」
ということが大切になる。

適切な銘柄に、
適切なタイミングでエントリーし、
買戻しができれば、
あとはマネーマネジメントさえ間違えなければ
順調に利益を出していけるだろう。

なので、今書いた3つのポイントに絞って
トレードルールの概要を考えてみよう。


では、ひとつめのポイント。
「どのような銘柄を、空売り候補にするのか?」。

今回空売り候補にする銘柄は、
「ゆっくりと上昇して、急激に下落する」
と思われる銘柄だ。

ゆっくりと上昇してきたけれど、
そろそろ下落するんじゃないかな?

と仮説を立てられる銘柄を、空売り候補にするわけだね。

なので、まずは“上昇している銘柄”というのが
最低条件だ。

ある一定の期間、株価を高値更新しているような銘柄が
候補に挙がってくるだろう。

そして、空売りをするわけだから
君がエントリーをした後は、下落してもらわないと
利益にならない。

ただ、下落が始まった後に銘柄を見つけても
利益が取れないので、
「今は上がっているけれど、
 そろそろ下がる可能性が高い」
という銘柄を見つける必要があるわけだよね。

「今は株価が上がっている」
ということは、まだ
「買いたい」
と思って、実際に買っている人がいるということ。

その「買いたい」と思っている人が
出尽くしてしまいそうな銘柄が候補となるわけだ。


「空也さん、そんな買い 出尽くしなんてことが
 分かるんですか?」
と、君は思っているかもしれない。

もちろん、100%完全には分からない。
ただ、傾向は、ある。

傾向をどこで見ればいいのかというと、
ひとつの目安としては「出来高」が挙げられる。

株価が上昇していて、かつ出来高が大きい。
ということは、
「すでにその銘柄を過去に買った人が
 高い株価で売るために指値をしているのに、
 その指値でもいいから買いたい、という人が
 現れてきている」
ということになるよね?

ちょっと分かりにくいかな?

例えば、しばらく上昇を続けていた銘柄Aを、私が
1,000円の株価で買っていたとしよう。

そして私が買った後も、
順調にその銘柄Aは上昇したとする。

そこで私は、銘柄Aを1,200円で売ろうと、
1,200円の指値で、売り注文を出したとしよう。

もし、この銘柄Aが1,200円で売れたのならば、
「1,200円を出しても買いたい」
という人が現れたという、何よりの証拠だよね。

そして、
「1,200円を出しても買いたい」
という人がいたということは、
「この銘柄Aは、1,200円以上に値上がりする」
と思って変われた可能性が高いわけだ。

で。
「この銘柄Aは、1,200円以上に値上がりする」
と思っている人が多ければ多いほど、
出来高の増加をともなった株価上昇になる、
という理屈。

だから、
出来高をともなった上昇を続けている銘柄は、
まだまだ上がっていく可能性が高いともいえる。

が、
出来高の急激な上昇があった場合は、
可能性として
「そろそろ買いたい人は、買いつくしたかも」
と考えてもいいわけだ。

ずっと銘柄をチェックしていて、
「いつ買おうかな」
と待っていた人が、

「おお!みんなが買っちゃってる!
 そろそろ買わないと間に合わない」
と焦って買った可能性が伺えるからだ。

なので、
・一定期間、上昇トレンドをしてきた
・さらに、直近の出来高が急激に上昇している
なんていう銘柄は、
「そろそろ終わり」
になる可能性が、他の銘柄よりも高いかもね。

というように、仮説を積み重ねていくわけだ。


次に、
「候補銘柄を、いつ、
 どのタイミングで空売りするのか?」
ということに触れてみよう。

上昇トレンドを形成していて、かつ
直近の出来高が急上昇した。

これは、そろそろ
「買い方出尽くしかも」
という銘柄があったとする。

しかし、
そういう銘柄がすぐに下落するかどうかは、
ちょっとわからない。

急激な出来高変化だと思っていたら、
次の日はさらに大きな出来高になった、
なんてことは、ザラだからね。

なので、
もう少し空売りに入るタイミングというものを
しっかり見極めたいよね。

とはいえ、急下落に乗り遅れてしまうのも
もったいない。

だとすると、何をヒントにタイミングを見極めれば
いいのだろうか?


タイミングを見極めるのは、本当に様々な方法がある。
今回は、そのひとつの例として
また株価と出来高に注目してみよう。

先ほどと同じように、
株価と出来高の関係で、将来起こりうる下落を
推察しようと試みるわけだ。

ただ、今度はエントリータイミングをはかるということで、
午前9時の「寄り付き時の株価と出来高」
を見てみる。


君も経験的に知っているかもしれないけれど、
「買いたい!」
「売りたい!」
と思っている人は、9時の寄り付きで行動する人が多い。

買うと決めたり、売ると決めたりしているんだから、
何も一日の途中で売買しなくてもいいや、
と思うのが人情なのかもしれないね。

そんな思惑が集中する寄り付きの株価と出来高。

もし、候補銘柄が
「今日一日も上昇、出来高も増加」
という値動きになるのならば、
寄り付きの時から勢いがあるのが普通だ。

勢いがあれば、寄り付きの株価は
前日終値を上回り、出来高もかなり多くなる。


反対に、

もう買いたい人が出尽くしてしまったのなら、
売りたい人のほうが増えて、
寄り付きの株価が下がっているかもしれない。

また、出来高も、元気がなくなっているかもしれない。

株価が下がり、出来高も元気がないならば、
「下落タイミングに入った」
として、君が空売りを仕掛ける好機になったと
考えてみるという方法もあるだろう。


寄り付きの出来高で、その日全体の
出来高を予測するのは難しいかもしれない。

ただ、経験則的には、少なくとも
寄り付きの出来高が前日の一日全部の出来高の
3%程度はないと、前日出来高を更新することは
難しいといえる。

銘柄によっては、4%とか、5%とか
バラツキはあるかもしれないけれど、
その辺は実際にエントリー候補に挙がっている
銘柄のクセを見極めてみるのがいいだろう。



最後に、
「空売りした銘柄を、いつ、
 どのタイミングで買い戻すのか?」
ということにも、簡単に触れてみよう。

うまく株価の下落に乗れた場合は、
いつ買い戻してもかまわないと思うが、

今回の例では「株価」と「出来高」で
銘柄候補とエントリーを決めているので、
決済も株価と出来高で決めてもいいだろう。

たとえば、
「保有中、株価が○%上昇したら決済」
とか、
「保有中、また出来高が増えてきたら決済」
とか、いろいろ考えられるはずだ。


もし株価が思惑通りに下落せず、
そのまま上昇して含み損になった場合も、
株価と出来高を参考にするという方法が
理にかなっている。

出来高の増加をともなった株価上昇をするようならば、
一度決済して、再エントリーのタイミングを見るのも
いいかもしれない。



銘柄選び、
エントリーのタイミング、
決済のタイミング、

様々な方法があるだろうけれど、
今回見てきたように
「株価は、ゆっくり上昇して、
 急激に下落する」
というような、

「○○の時は、××になりやすい」
「○○の時に△△になると、利益が伸びやすい」
という仮説を立て、
仮説に基づいてトレードルールを組み立てていく
という方法は、君のプラスになるだろう。


さて、今回のレッスンはここまで。

今回は、仮説に基づいてトレードルールを構築する
ひとつの例を紹介した。

もちろん、空売りのルールはこれだけではない。

ダラダラダラと、長期間にわたって
下落していく銘柄のトレードルールだってあるだろう。

今回のルールにしても、
実際に運用するときには、もっと詳細なルールを
作っておいたほうがいいだろう。

なので、今回の話は、実際にトレードルールを
構築する際のプロセスのサンプルだと思って読むと
いいだろう。


仮説を立て、
仮説に基づいたトレードルールを構築し、
検証し、
実際の運用に活かし、
トレードルールを見直す。

このような順番でトレードルールに磨きをかけると
君が作ったトレードルールは
君の体の一部のようにフィットしてくるだろう。


今回も手紙を読んでくれて本当にありがとう。

ではまた、手紙を書きます。


空也

 

〔技〕 仮説・ロジック追求の、光と影

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

前回は、トレードルールを作るプロセスの
ひとつのサンプルを紹介したね。

仮説を立て、
仮説に基づいたトレードルールを構築し、
検証し、
実際の運用に活かし、
トレードルールを見直す。

上記のようなプロセスを踏むことで
トレードルールを構築し
磨きをかけていく。

トレードルール構築のもっとも基礎的な方法なので、
はじめはプロセスにのっとって作るのが
いいかもしれないね。

今回のレッスンは、前回のレッスンの補足として
仮説を立ててトレードルールを構築していく
メリット・デメリットを話そうと思う。

どんな方法、どんなものでも
メリットとデメリットがある。

メリットとデメリットを理解して
活用するのと、
理解をしないまま、ただ漫然と利用するのとでは
雲泥の違いがある。

長所と短所を正しく理解して、
うまく活用していきたいものだよね。

特に短所、デメリットについて知っておくことは
君の大きな武器になるだろう。

では、早速はじめていこう。



まず前提として、トレードルールというものは、
機能しさえすれば、どんなものであってもかまわない。

機能するというのは、
繰り返し同じルールで売買することにより、
利益を積み重ねられるということ。

簡単に言えば、期待値がプラスのものであれば、
君がどんな風にトレードルールを構築しようが
それは自由だ。

極端な話、もし、
隣の家の犬が吠えたときに新日鉄を買うと
利益が出るというのならば、
それも立派なトレードルールになり得る。

君の住んでいる地域が雨の日には売り、
晴れの日には買う、というのも、
機能するのであれば、トレードルールになり得るだろう。


ただ、

犬や天気ではなく、もう少し論理的な仮説を立て、
その仮説を基にトレードルールを構築していく、
という方法を、君には勧める。

なぜならば、論理的な仮説を立てることにより、
比較検証・ブラッシュアップがやりやすくなるからだ。


前回の例で出したように
「株価はゆっくりと上昇するが、
 下がるときは急激に下がることが多い」
というような仮説は、
いろいろな側面からみて、論理立てて
説明をすることが出来る。

少なくとも、
「犬がほえると株価が上がる」
とか、
「天気が晴れだと、株価が上がる」
というロジックよりも、
人が分かりやすい説明をすることが出来る。

すると、
トレードルールを構築していく時に
「大きなロジックは合っているけれど、
 銘柄を抽出する○○の部分が、
 うまく機能していないのかもしれない」
とか、
「この仮説自体が、すでに機能しなくなっているのだろうか?」
などという形で、比較検証・ブラッシュアップが出来る。

もしこれが、「犬が吠えたら買い」というトレードルールだと、
大もとのロジックが説明不可能なので、
「うーん、今日の吠え方は、いつもと違ったのかな?」
なんていうことくらいしか、比較検証ができない。

長く、継続してトレードを積み重ねていくためには、
トレードルールをどんどん磨いていく必要がある。

なのに、ロジックが分からないので
比較検証・ブラッシュアップができません、
というのでは、話にならないというわけだよね。

ま、当たり前の話といえば
当たり前の話なんだけれど、
トレードルールは、筋の通る仮説の上に
積み重ねてゆくのが基本だということだね。



ただ、
筋が通ることにこだわりすぎると、
今度は別の弊害が出てくる。

こちらのデメリットのほうが、今回の本題だ。

論理的な仮説を、積み重ねることは大切なんだけれど、
あまりにも極端にロジックを積み重ねすぎると、
問題が起こることがある。

いくつか問題はあるが、
その典型的な例は、
「あまりに限定された仮説なので、
 売買をする銘柄候補が出てこない」
というようなことだ。

「○○の時は××。
 ただし、△△の条件が入ると□□になる。
 しかし、**の場合は・・・」
などといじくりすぎていると、
結局、売買候補銘柄が、1年に1回しか出ない。
なんていうことにも陥る。

以前に話したように、利益は
期待値×資金量×売買回数によって決まる。

ロジックの精密さを追いかけすぎて
売買回数を減らすよりも、
多少 抜けのあるロジックを使ったほうが
トータルの利益を伸ばせることもある。



さらに、ロジックを積み重ねすぎると出てくる
別の弊害もある。

それは、
「あまりに条件が限定されすぎていて、
 過去の売買では機能しているけれど、
 現実の売買では、機能しなくなる」
という弊害だ。

少し説明をしよう。

仮説・ロジックを積み重ねる場合、
過去、実際に起きた株価を検証して
積み重ねていくのが基本だ。

そして、過去に起きた事実こだわり過ぎて
トレードルールを作成すると
「そんな値動き、将来 起きねぇだろ!?」
というところまで突き詰めてしまうことがある。

極端な例を言えば、

「1979年10月に、セブンイレブン株1,000株を
 180万円出して買い、1997年11月に全株売却」

「そして、売却したお金全部を使って、
 1997年11月に上場したヤフー株を154万円で買い、
 2000年1月に全株売却」

ということが実現できれば、
はじめの180万円が、4百数十億円になる。

そして、この180万円→4百数十億円を夢見て、
過去のセブンイレブンやヤフーの状況を
いくら詳細に突き詰めたとしても、
将来、同じような結果にはならないだろう。

この例は極端すぎる例だが、
「○○の時は××。
 ただし、△△の条件が入ると□□になる。
 しかし、**の場合は・・・」

と、過去のデータをいじくりまくって、
過去においてよい結果が導き出せても、
将来には役に立たなくなることもあるので、
注意が必要だ。

(この、“いじくりすぎて役立たず”のことを
 “カーブ・フィッティング”というのだが、
 この話の詳細は、また別の機会に)

何事も、「過ぎたるは及ばざるが如し」
なのかもしれないね。


他のデメリットも見てみよう。

今度は今までとは逆に、ロジック自体がシンプルで
スマートな場合に起こってしまうケース。

それは、
「ロジックが洗練されているがゆえに、
 他の市場参加者も同じタイミングで
 エントリーし、うまく利益が出ない」
という問題。


たとえば、君も“ゴールデンクロス”という
テクニックを、聞いたことはあるだろう。

「短期の移動平均線が、長期の移動平均線を
 上抜けたときは、上昇トレンドに入ったから
 “買い”のチャンス」
といったテクニックだ。

(詳しく知りたければ、調べてみるのもいいだろう)


もし、このテクニックを、世界中の誰も知らずに、
君一人だけが使っていたとしたら、
君は、おそらく莫大な利益を手していることだろう。

しかし、
現実は、この“ゴールデンクロス”という
テクニックは、世界中のほとんどの
トレーダーが知っている。

知っているために、この“ゴールデンクロス”を
そのまま使っても、素直に反応しないことが多い。

みんなが知っているので、同じタイミングで
大勢のトレーダーがエントリーしたり、

みんなが知っているので、
逆に裏をかいてくる人などがいるためだ。


ロジックがシンプルで、スマート。
誰もが、大部分納得するトレードルール
というものは、諸刃の剣だ。

誰もが納得するルールというのは、
「他の誰かが、同じタイミングで入ってくる」
という危険も、常にはらんでいる。

昔まで機能していたトレードルールが
一般に広く知れ渡ってしまったために
機能しなくなってしまう。
なんてことも、実際に起こっていることだ。



ロジックは、緻密すぎてもエントリー機会を失ったり、
実際のトレードでは使い物にならなくなったりする。

かと言って、シンプルすぎても、
他の人と同じエントリーになってしまう。

ままならないものだよね。


でも、

その「ままならなさ」が、トレードの醍醐味であり、
トレードルール作りの奥深さだといえるだろう。

お互いに、成長していきたいものだよね。



さて、今回のレッスンはここまで。

今回は、仮説・ロジックを組み立てることの
メリットとデメリットを一緒に見てきた。

メリットは、
比較検証・ブラッシュアップがやりやすくなる
ということ。


デメリットは、
緻密すぎると、エントリー機会を失ったり、
実際のトレードでは使い物にならなくなったりする。

シンプルすぎると、
他の人と同じエントリーになってしまう。
ということ。


仮説・ロジックの上に
トレードルールを乗せることは必須。

ただし、そのバランスを大切にすることが
君の利益を増大させる、ひとつのカギになる。

これからも、一緒に頑張っていこう。


今回も、手紙を読んでくれて本当にありがとう。
ではまた手紙を書きます。


空也

 

〔技〕 勘違いだらけのトレードルール構築

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

前回は、仮説を立てて、そのロジックを積み重ねて
トレードルールを作る方法の
メリットとデメリットを紹介してきた。

大まかな仮説を立てて、
仮説を実現化させるようなロジックを組み立て、
トレードルールとして構築してゆく。

ただし、そのロジックは
緻密すぎても弊害が出るし、
シンプルすぎても機能しない。

バランスが非常に大切だ、
という話をしたね。

今回は、前回の話を踏まえて、
君が実際にトレードルールを作る際の
注意点をいくつか見ていこう。

普通の人がトレードルールを作るときに
ついつい やってしまいがちな事を
いくつか例に出していきたいと思う。

今回は、ややシステムトレード寄りの話になるが、
裁量トレードのトレードルール作りも
本質的には同じことだ。

君が自分のトレードルールを作るときの
参考にしてもらえれば幸いだ。

では、早速見ていこう。



まず、最初にやってしまいがちな勘違いは、
「ルールの条件が厳しければ厳しいほど、
 利益は出しやすくなる」

という勘違いだ。

例えば、
「移動平均乖離率が-5%のものより、
 -10%のものの方が利益が出るだろう」
とか、

「RSIが低ければ低いほど、
 反発が大きいだろう」
と決め付けてしまうこと。

たしかに、
移動平均乖離率だけとか、
RSIだけを単発で使った場合は、
条件を厳しくすればするほど、勝率が上がることが多い。

勝率が上がった結果、期待値もそれに伴って
上昇することも多いだろう。

しかし、通常は
自分のトレードルールを作るときに
たったひとつのテクニカル指標だけを使って
ルール構築をすることは まれだ。

2つ以上のテクニカル指標や、その他条件を
組み合わせる場合は、さまざまな条件が複雑に絡み合い、
「指標の条件を厳しくすればいい」
とは、言い切れなくなる。

どの指標を、
どの条件を、
どのくらい、
どのような優先順位で、調整するのか?

この辺のさじ加減が必要になってくる。

例として、ある指標Aと、指標Bを使ったときに
起こり得る現象を見てみよう。

指標Aと指標B、
単体それぞれでは条件が厳しければ厳しいほど
期待値が上がった。

なのに、
2つを組み合わせて使った場合は、
指標Bの条件を「緩めれば緩めるほど」
期待値が上がった。

なんていう現象も、けっこう頻繁に起きる。
おもしろいよね。


さらに、トレードルールを構築し終わって、
実際に運用をし始めたときにも、この
「ルールの条件が厳しければ厳しいほど、
 利益は出しやすくなる」
という勘違いは、悪影響を及ぼすこともある。

たとえば、
移動平均乖離率を使ったトレードルールを
実際に運用し始めたときに、
エントリー候補が複数出てきたとする。

その時、
「移動平均乖離率がパーセンテージが
 大きい銘柄のほうが、勝ちやすいだろう」
と安易に判断して、資金を多めに投入する。
なんてことをしがちだ。

これも、実際 移動平均乖離率が大きいほうが
勝率が高いのかどうかを、事前に調べてからでないと
やってはいけない行為だ。

この例のトレードルールでは、他の条件のせいで、
移動平均乖離率の幅が小さい方が
利益が出やすい可能性だってあるのだ。

トレードルールとマネーマネジメントを組み合わせるときは
慎重に進めたほうが いいかもしれないね。



他の勘違いも見てみよう。

先ほど見た
「条件が厳しいほど、利益は出しやすいだろう」
というのと同じような勘違いに、

「条件が多いほど、勝率も期待値も上がってゆくだろう」
という勘違いもある。

システムトレードの検証ソフトなどで
アマチュアが良くやってしまいがちなルール構築として、

とにかく知っているテクニカル指標や
思いつく限りの条件を盛り込んで、
とても複雑怪奇なルールを作ってしまうことがある。

たとえば、
「25日移動平均線が○%以下で、
 かつ、60日移動平均線が○%以下、
 かつ、RSIが○○%で、
 かつ、ボリンジャーバンドが○○で、
 そして、MACDが○○。 
 そして、足組みがはらみ線になっていて、
 出来高が前日に比べて××。
 さらに・・・」

なんていう、条件が10も20もあるようなルールだ。


もちろん、期待値がプラスで、
トータルで利益を出していけるのであれば、
トレードルールは、どのようなものでもかまわない。

とはいえ、

無駄な贅肉が付きすぎたルールは、
市場に不測の事態が起きたときに、
機敏に対応できなくなる恐れもある。

もし君が、数学や統計学に通じていて、
「たくさんの条件が組み合わされたルールでも大丈夫」
というのであれば、問題ないだろう。

ただ、数学や統計学の天才でない場合は、
あまりに複雑な条件の積み重ねは、やめておいた方が無難だ。

偉大なる投資家、ウォーレン・バフェットは、
自分が理解できる事業にしか投資をしていないという。

トレーダーである我々も、
自分が理解できるトレードルールを使って
富を重ねた方が、私は良いと思っている。


さて、
条件が増えすぎた場合の整理の方法として、
ひとつ、考え方のヒントを伝えておこう。

ある程度トレードルールが出来てきて
「ルールが出来つつあるけれど、
 条件が多いかもしれない。。。」
なんて思ったとする。

もし君が作ったトレードルールに
条件が多いのだとしたら、以下の方法を
試してみるといいだろう。

まず、君が作ったトレードルールの条件のうち、
任意に1つの指標を決める。

その後、
あえてその指標の条件を、ちょっとずらしてみるのだ。

例えば、君が作ったトレードルールに、
指標移動平均乖離率が含まれていたしよう。

そして、今作ったトレードルールの移動平均乖離率が
「25日移動平均乖離率が10%以上」
という条件だったとする。

今の時点で出来上がっているルールが
「25日移動平均乖離率が10%以上」
で機能しているところを、あえて、

「10日移動平均乖離率が10%以上」
とか、
「26日移動平均乖離率が10%以上」
とか、
「60日移動平均乖離率が10%以上」
とか、いろいろいじってみるのだ。

日にちをいじってみたら、次に、
「25日移動平均乖離率が5%以上」
「25日移動平均乖離率が20%以上」
「25日移動平均乖離率が-5%以上」
とかも、いじってみる。

もちろん、他のたくさんの条件は動かさないまま、
移動平均乖離率の部分だけを いじってみる。

そして、何回かいじってみた結果を見てみるのだ。
複数の検証データの比較が必要なので、
少なくとも3~4パターン、数値をいじってみよう。


その結果、大きく分けると、2つの結果が出てくる。

ひとつは、
・検証結果に、ある傾向が見られる
という場合。

もうひとつは、
・検証結果ごとに、バラバラ
という場合。


「検証結果に、ある傾向が見られる」
というのは、たとえば、

「移動平均する日にちを 伸ばせば伸ばすほど
 勝率が上がるが、ドローダウンが大きくなる」
とか、
「乖離率のパーセンテージを上げると
 勝率は上がるが、なぜか期待値は下がる」
とか、一連の関係性が見られる場合だ。

このように、一連の傾向が見られる場合は、
取り出したテクニカル指標は
君のトレードルールの中で「キー」となっている
可能性が高い。

なので、そのままトレードルールに
組み込んでおいたほうがいい指標だろう。


逆に、
「移動平均を5日に設定したときは
 勝率が上がって、ドローダウンも上がったのに、
 60日に設定すると、まったく逆になった」
とか、
「25日だと機能するのに、26日にすると
 ぜんぜん機能しない」
なんていうように、

「検証結果ごとに、バラバラ」
になってしまった場合は、注意が必要だ。

少なくとも、君が作ったトレードルールの
「キー」には、なっていない指標の可能性が高い。

実際のトレード現場では、
様々な値動きが起こる。

様々な値動きが起こったときに、
ちょっと指標がずれただけで
使い物にならなくなってしまうような
「ヤワ」なトレードルールでは、
実運用には、耐えられないだろう。


なので、

もし、ある特定の指標をいじってみたとき、
検証ごとに結果がバラバラになってしまうようであれば、
その条件は削除するか、大幅に見直すように
した方がいいだろう。


検証は検証。過去の結果でしかない。

あくまで、我々は将来に利益をもたらしてくれる
仕組みを構築する必要があるということを
忘れないでおきたいものだよね。



最後に、もうひとつだけ
やってしまいがちなルール作りを
一緒に見てみよう。

それは、

「“買い”ルールの真逆を使えば
 “空売り”ルールは完成する」

という勘違いだ。

これは、実際にシステムトレードのルール構築を
行ってみれば、すぐにわかる。

“買い”で機能したからと言って、その真逆のルールが
“空売り”で機能すると思ったら、大間違いなのだ。

たとえば、
「“買い”では、○○を+10%以上に設定したから、
 “空売り”では逆にして、-10%以下にすれば
 いいだろう」
なんていう作り方だ。


何度も強調して恐縮だが、
トレードルールは、機能すればそれでいい。

もし、作ったルールが
「“買い”を逆にしたら、“空売り”ルールも
 できちゃいました。機能しました」
というのであれば、全く問題はない。

ただし、
普通は、逆にしただけで空売りで機能することは、まれだ。

なぜだ?という理由は、たくさんある。

そもそも、買いでエントリー出来る銘柄と、
空売りでエントリーできる銘柄とでは、
銘柄数が圧倒的に違う。

買いでエントリーできる銘柄の、約3割程度しか
空売りは出来ないのだから、同じ条件が機能するのは難しい。

さらに、
以前に説明をしたように「上昇」の時と
「下落」の時では、市場参加者の心理が 全く違う。

多くの市場参加者は、買いからしかエントリーせずに、
株価の上昇を願っている。

そして、下落が始まると、急にビビッて
ポジションを投げてしまったりもする。

上昇と下落では、市場参加者の心理が全く違い、
結果として、値動きも上昇と下落では
描くラインが全く違ってくることが多い。

なので、
“買い”と、“空売り”では、
全く違う世界の市場のルールを作るつもりで
取り組んだほうがいいだろう。

もちろん、“買い”のルールが出来たのであれば
そのルールを土台にして“空売り”ルールを
作り始めるのは良いだろう。

ただし、
「基本的に買いと売りでは質が違う」
ということは、念頭においておいたほうが
いいかもしれない。



さて、今回のレッスンは、ここまで。

今回は、トレードルール構築における
よくある勘違いというか、落とし穴を一緒に見てきた。

「条件を厳しくすれば、より良い」
「条件がたくさんあれば、より良い」
「買いの真逆のルールで、空売りも対応できる」

といった考えは、単なる勘違いの都市伝説だ。


実際は、検証してみないと分からない。

そして、その検証がうまくいったとしても、
実際に、運用してみないと分からない。

実際にしばらく運用してみて、
トータルで利益が出ることを確認できてはじめて
「使えるトレードルールを構築した」
といえるんだろうね。

君が、より君にフィットした
トレードルールを構築できることを願って。


今回も、手紙を読んでくれて、本当にありがとう。
ではまた、手紙を書きます。


空也

 

〔技〕 1,000万円と3億円の、どちらを選ぶ?

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

前回までは、時間の使い方ということで、
トレードとは直接的にはつながらないように見える
話をしてきた。

実際のところは、時間の使い方もうまくなれば、
その分トレードの学習にも活かせるので、
まったく無関係、という話でもないんだけれどね。

どんな話も、どんな内容の知恵でも、
トレードに活かそうと思えば、なんでも活かせる。

一見関係のなさそうな話でも、
「この話は、今の自分に置き換えると
 どんな価値を生み出すだろう?」
なんて考え出すと、色々なアイディアが生まれる
こともあるだろうね。


とはいえ、
トレードがうまくなりたいから手紙を読んでいる君に、
トレード以外の話ばかりをするのも、
またおかしな話だよね。

なので、今回からはまた、
しばらくトレードの話に戻りたいと思う。

今回から数回に分けて、
“トレード資金”について話していこうと思う。

とかく、トレード資金は多い方が圧倒的に有利だ、
と思ってしまうことが多いけれど、
実はトレード資金が少ないからこそ
恵まれているものも、ある。

我々は、外国人機関投資家などから比べれば、
手元にあるトレード資金は、スズメの涙だ。

しかし、少ない資金だからこそ、
有利なポイントを考えてトレードをしていくことが
大切になってくる。

では、早速始めていこう。



まず。

仮に、君が あるお金持ちから依頼されて
トレードをやることになったとする。

その時、君の雇い主であるお金持ちが、
運用資金について、2つの選択肢を
君に提示したとしよう。

運用成績を、年利回りのパーセンテージで
評価される
としたら、
君なら、どちらの運用資金を選択する?

A.運用資金、1,000万円
B.運用資金、3億円



さて、君なら、1,000万円運用と、
3億円運用の、どっちを選ぶ?

「そりゃ空也さん、資金が多くあれば多くあるほど、
 稼ぎやすいに決まってますよ」
「だから、みんな“B”の3億円を選ぶに
 決まっているじゃないですか」
と、思ったかな?

たしかに、資金が潤沢にある方が、有利な面も多い。

一度に多くの銘柄に仕掛けることも出来るし、
精神的にも、トレード資金に余裕があるのは
心の余裕にもつながるからね。

でも、私だったら、この条件だったら、
A.の1,000万円を選択して運用する。


ちょっと、ひっかけ問題みたいな感じに見えるかな?
でも、落ち着いて考えると、この2つの選択肢だったら、
A.の1,000万円を選択する方が、
私には有利に思える。

理由を見ていこう。


まず大前提として、
評価方法が「実際に儲けた金額」ではなく、
「年間の運用利回りのパーセンテージ」である
と言うところが大きい。

仮に、年間で30%の利回りを目標にしたとすると、
A.の1,000万円では、300万円稼げば良いのに対して、
B.の3億円では、9,000万円以上を稼がなければ
評価が同等以上にならない。

これは、かなり厳しいハードルのように思う。

「いや、空也さん。
 同じ30%の年利回りだったら、
 ハードルは同じなんじゃないですか?」

と思うかもしれないが、実際の市場の売買の現場では、
表面上の数字からは分からないこともある。

分からないことの代表例としては、
この3億円という金額の「中途半端さ」だ。


株で儲けるためには、
安く株価を買って、高く売り抜けるということが必要だ。

その、安く買って高く売るためには、
大きく分けて
「株価の流れに乗る」
という方法と、
「株価の方向性、流れを自分で作って売買する」
という方法がある(らしい)。

多くの一般投資家/トレーダーは
「株価の流れに乗って」利益を出そうとするのに対して、
機関投資家などのメインプレイヤーたちは
「株価の方向性、流れを自分で作って」利益を出そうとするらしい。

では、3億円の運用資金の場合は、
どちらの戦略を基本にすればいいのだろうか?

「3億円」という金額は、たしかに非常に大きな金額だ。
しかし、1日の売買代金が1兆円もあったりする
株式市場の中では、かなり「半端」な金額であるともいえる。

我々一般投資家/トレーダーからすれば大きな金額だが、
株価の方向性に大きな影響を与える、機関投資家などの
「メインプレイヤー」からすれば、
3億円は、大した金額ではない。

3億円という運用資金で、
株価を自分で吊り上げたり、方向性を決めたりして儲けるのは
まず無理と言えるだろう。

なので、3億円という資金で
「株価の方向性、流れを自分で作って」利益を出す道は
閉ざされていると考えていい、と言える。


では。
自分で株価の方向性を形成できないならば、
株価の流れを読み、その流れに乗って
利益を出す必要があるのだが、
今度は3億円という金額が、足を引っ張る可能性がある。

「え?なんで?
 金額多いのが、なんで足を引っ張るんですか?」
と、君は思うかもしれない。

でも、売買の大原則である
「売り方と買い方がいて、始めて売買が成立する」
ということから落ち着いて考えれば、すぐに分かることだ。

1,000万円を使って買った株が値上がりした場合、
その株を売却しても、売買代金がある程度ある銘柄ならば
それほど大変じゃないだろう。

しかし、仮に3億円をひとつの銘柄に投下した場合、
よほどの流動性がある銘柄でも、
株価に影響を与えないわけには、いかない。

買うときは自分で株価を上げてしまって買うことになるし、
売るときは、自分の注文が株価を引き下げてしまうことも
非常に多くなるだろう。

もちろん、エントリーする銘柄を分散させれば、
重大な株価への影響は防げるかもしれない。

しかし今度は、そんなに都合よく
自分のエントリールールに見合った銘柄が
たくさん出てくるかというと、そうでもなかったりする。

自分の注文が株価に影響をほとんど与えずに、
エントリーに最適な銘柄に、常に無理なくエントリーするためには、
3億円という金額は、なかなか難しい金額である場合が多い。


株価の方向性を作るには少なすぎる金額で、
株価の流れに常に乗り続けるためには、やや多い金額。

「帯に短し、たすきに長し」
と言える金額に、私には思えるかな。

なので、一番最初の
A.運用資金、1,000万円
B.運用資金、3億円

の、年利回り勝負ならば、A.の1,000万円を
選択して、私は売買をすると思うよ。


もちろん、
3億円を選択して、3億円をうまく運用できる
トレードルールを作ることも可能だろう。

また、市場全体の大暴落→反発などの
大きな動きがある時には、大量の資金で
たくさんの銘柄を買いまくる方が有利になる時もある。

ただ、
トレードルール作成の難易度は
1,000万円を運用するルールのほうが作りやすいだろう。

さらに、いつおこるか分からない暴落を期待して
3億円をチョイスするのは、「トレーダー」ではなく、
暴落が起きるか起きないかに賭けている「ギャンブラー」
と言えるだろうからね。

やっぱり、選択肢としては、A.の1,000万円かな、
となる。


さて、今回のレッスンは、ここまで。

まず今回は、トレード資金について、
多くの人が考えている、
「資金が多ければ多いほど
 有利なことばかりだ」
という勘違いを、一度立ち止まって再考してみた。

トレード資金が多ければ多いほど有利、
とは一概に言えないのかもしれないな、
と、君が気づいてくれれば幸いだ。

次回は、もう少しトレード資金について
突っ込んだ話をしたいと思っている。

今回も、手紙を読んでくれて、本当にありがとう。
ではまた、手紙を書きます。


空也

 

〔技〕 大きな運用資金がもたらす弊害

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

前回は、トレードをする際の運用資金について
普通疑いもしない
「運用資金は、多ければ多いほど有利」
という考えを、再考してみた。

確かに運用資金が多ければ有利な
側面もあるのも事実だ。

利益は、期待値と売買回数と
運用資金によって決定するからね。

しかし、だからといって
有利な面ばかりかというと、そうでもない。

資金が多ければ、多いなりの
問題も出てくる。

なので、もし1,000万円の運用と
3億円の運用で、年利回り競争をするのならば
私だったら1,000万円での運用を
チョイスするね、という話をした。


まぁ、実際は
私たち個人トレーダーは、年利回りの
パフォーマンスを競争することは、まずない。

自分の運用資金の金額を、
どれだけプラスに出来るかが
もっとも興味のあるところだよね。

なので、
今回は、実際に私たち個人トレーダーが
現場で運用する場面において、
大きな資金を持っているがゆえに出てくる問題を
見てみようと思う。

君は、
「今のところ、自分が運用しているのは
 大した金額じゃないから、あんまり関係ないや」
と思っているかもしれない。

でも、本気でお金持ちを目指しているのならば
今のうちから
「大きな金額を扱うようになると、
 こんなことも考える必要があるんだ」
と対策を考えておくほうがいい。

さらに、今回の手紙を読んで
「大きな金額を扱っている人は
 こんなことを考えるんだ。
 ならば、それをどうにか今の自分に利用できないか?」
と考えることによって、君の明日からのトレードの
大きなヒントになるかもしれない。

どんな知識も、どう使うかは
自分自身の選択にかかっているわけだもんね。

では、本題に入っていこう。



さて。

実際の株式市場というトレード現場で
売買をする場合、まっさきに気になる数字は
「今、いくら儲かっているのか?
 損をしているのか?」
という“金額”だと思う。

かなりトレードの経験が深い人でも、
真っ先に、直感的に
「何%儲かっているのか?
 何%マイナスなのか?」
という“割合”で考えるよりも、
“金額”を先に考えるトレーダーのほうが
多いんじゃないかな?

金額で考えるのは、別に悪いことじゃないんだけれど、
運用資金が大きくなったときに、いつも
“金額”だけで考えていると、
メンタル的にしんどい場面にも出くわすことになる。


例を挙げて説明しよう。

たとえば、今 君が1,000円の株を
100万円分買ったとしよう。
ちょうど1,000株だね。

その場合、もし株価が1円騰がって
1,001円になった場合、
君の資産は+1,000円になる。

もし株価が買値より1円下がっても、
-1,000円。

このくらいならば、精神的にも
グラつくことはないだろう。

もし買値より10ティック、
10円下がったとしても
-1万円なので、
許容できる範囲の損失じゃないかな?


では。

今度は同じ1,000円の株を
1億円分買ったことにしよう。
(手数料や、実際の売買板に与える影響などは
 今は、考えなくていいことにしよう)

1億円分なので、10万株。

1円騰がっただけで、10万円の利益に
なるわけだ。

そして、もちろん、株価の気まぐれで
1円下がっただけで、10万円の損失が
出てきてしまう。

もし10円下がったら、
それだけで100万円の損失だ。


割合、パーセンテージで考えれば、
100万円分買ったときも、
1億円分買ったときも、
1,000円から1円動くと0.1%の
利益/損失になる。

しかし、目の前で10万円刻みで
利益と損失が行ったり来たりするのを、
1,000円の利益/損失と
同じように見ていられるかと言うと、なかなか難しい。

「空也さん。資産が1億円もあれば
 10万円のプラスマイナスなんて
 屁でもないんじゃないんですか?」
と、君は思うかもしれない。

でも、自分が精神的に許容できるリスクと、
保有資産は、別の話だ。

たとえば、君がいきなり明日から
今の100倍の資産を運用できるとして、
今の100倍の利益額/損失額が出る状況になったとしよう。

利益のほうはともかく、
今の100倍の損失額が出るかもしれないという状況で、
今とまったく同じ気持ちでトレードできるだろうか?

たとえ保有資産が増えていたとしても、
君の脳や無意識は、すぐには適応しきれずに
同じ精神状態ではトレードできなくなる可能性が高い。

保有資産と、その人が許容できるリスクは全く別の話で、
精神的に許容できるリスクは、
様々な経験によってしか広げることはできない。


なので、

運用資金が大きくなればなるほど、
今度はメンタル面のコントロールがより難しくなる、
という問題が発生する。

心の底から
「10万円のリスクでも、
 100万円のリスクでも受け入れる」
という精神状態にならなければ、
大きな資金を運用して、
継続した利益に結びつけるのは
難しいと言えるだろうね。



大きな資産を運用する問題は、
精神面だけではない。

トレードルールを作る際にも、
大きな資金は「大きなハードル」という
皮肉を生み出してしまいがちだ。


例えば、
「○○という条件に合致した場合、
 翌日の寄付きで成行注文する」
というルールを作ったとしよう。

検証の段階では、
作成したトレードルールで
素晴らしいパフォーマンスをあげていることが
確認できたとする。

「よし!
 このルールを使えば、
 爆発的に利益をたたき出せるぞ!」

と思ったのもつかのま。

運用資金が大きいと、検証どおりの
パフォーマンスが出ない事が、非常に多い。

なぜならば、
自分の資金が、株価を自分の不利な方向に
動かしてしまうからだ。

買うときは、株価を引き上げてしまい、
売るときは、株価を引き下げてしまう。

結果として、
検証であがってきたようなパフォーマンスには
とても届かない、残念な結果になってしまうことも多い。

「成行注文だから、株価を不利に
 上げ下げさせちゃうんじゃないの?
 じゃあ、指値にすれば大丈夫なんじゃない?」
と考えることも出来るが、そうなると今度は
売買板に自分の大きな指値注文が表示され、
他のトレーダーに無言の圧力となってしまう。

そこまで行かなくても、
自分の指値の順番に届かなくて、
ポジションを持ちたい銘柄が買えなかったり、
買えても、自分が注文した株数全ての注文が
約定しなかったりと、検証とズレることが多い。

保有資産が大きければ大きいほど、
トレードルール作成時点の検証と、
実際の運用とのズレが大きくなってしまう。

結果として、
ベストの検証結果ではない、
大きな運用資金でも運用可能なルールに
「下方修正改造」をしなければならないことも多い。

難しいところだよね。



今回のレッスンは、ここまで。

今回は、大きな資金を持っていると発生する問題のうち、
精神的な面をひとつと、
技術的な面をひとつ紹介した。

「大きな資金=圧倒的有利」
ではないことが、前回と今回で
理解できたことだと思う。

とはいえ、
「○○は問題だ」
「△△は有利とは言えない」
と言う話だけをしていても仕方がないので、

次回は、少ない資金を運用する時のメリットと、
実際にどのように運用するのがいいのか?

という話をしていきたいと思う。


今回も手紙を読んでくれて、本当にありがとう。

ではまた、手紙を書きます。


空也

 

〔技〕 小さな運用資金を活かす戦略

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

前回、前々回と、大きな運用資金をもっていると
起きる可能性のある弊害を見てきた。

大きな資金があるということが、
圧倒的に、いつでも有利になるかと言うと
実は そうとも限らないと言うことを
発見できたね。

大きな資金を運用するとなると、
自分で株価を不利に動かしてしまわないように
運用するための努力が必要だったり、

大きく保有資産が上下することに耐えるために
強靭なメンタルが必要だったりと、
必要になることが増えるわけだ。

我々はついつい大きな資金を持っている
機関投資家や、一部の外国人投資家を
うらやましく思ったりすることもあるけれど、
実は、我々には分からない、大きな悩みも
抱えているのかもしれないね。


さて、今回は、前回までの話を受けて、
今度は小さい運用資金を、どうやって運用すれば
最大限にメリットを活かすことが出来るのか?
ということを、一緒に考えていこう。

少ない運用資金には、
少ない運用資金なりの
ベストな運用方法があるのだろう。

資金が少ない時にベストである方法で
資金を増やして、大きな資金を作り、
大きな資金で運用する方法に移行していくのが
理想的な運用方法だよね。

では、さっそく見ていくことにしよう。



さて、前回までの話で見てきた、
大きな資金で運用する際のデメリット。

このデメリットは、裏を返せば
「小額資金で運用する際のメリット」
に出来るものが あるかもしれない。

大きな資金が足かせとなっている
デメリットなんだから、
資金が小さくなれば、そのデメリットは消え、
メリットだけが残る。ということになる。

まずは、デメリットをひっくり返すことで
メリットに出来ないかを探ってみよう。


では、前回までに見てきたデメリットは
具体的には どんなものだったかを、
改めてみてみることにしよう。

具体的には、

・ちょっとの株価変動で、自分の資産が大きく動いてしまう
 という、精神的な負荷が大きいこと。

・自分の注文が株価を動かしてしまい、
 自分に不利な売買しか出来なくなってしまう。
 さらに過去検証とのズレが大きくなってしまう。
 という実質的なデメリット。

という、精神的、実質的なデメリットだった。

この中で、精神的なデメリットについては、
個々人が抱いているメンタルの
キャパシティによる所が大きいので、
誰にでも共通するメリットを見つけるのは難しいかもしれない。

ただ、誰でも売買する金額が少なくなれば、
精神的プレッシャーは減ることは間違いない。


なので、

もし君が、いわゆる“スランプ”の状態になり、

「いくら売買しても利益が出ない」
とか、

「エントリーするのが怖くなってしまった」
なんていう状態になったら、
売買する金額を、極限まで下げて“リハビリ”するのは
有効な手段だろう。

「損をしても、大した金額じゃない」
と思える中で、ストレスフリーな状態で売買することにより、
調子を取り戻すことができたり、
今まで見えていなかった 新しい売買テクニックを
思いつくきっかけになるかもしれない。

「小額の運用資金で売買するメリット」
とまでは行かないが、
小額だからこそ 自分の調子を取り戻して、
スランプを脱出できるのであれば、
積極的に「小額」を試してみるのも、アリだろう。



さて、ここからが本日の本題。

先ほどおさらいした
「大きな資金での運用のデメリット」
の中に、

・自分の注文が株価を動かしてしまい、
 自分に不利な売買しか出来なくなってしまう。

というものがあった。


ということは、

逆に、小額の資金であれば、
自分が株価を動かしてしまうという心配をせずに
いくらでも売買ができる、ということだ。

考えてみれば当たり前だし、
そんなことを意識せずに、今まで売買をしていたかもしれない。

でも、
これは非常に大きなメリットだ。

想像してみて欲しい。

大口の外国人投資家や、
機関投資家が、自分の資金の大きさに
身動きが出来ないでいる状況の中、

君は、身軽に利益を取っていくことが出来るわけだ。


例えるならば、
大口の外国人投資家や機関投資家が、
大型マグロ漁船みたいな
バカでかい船。

そして、我々は小型のボートだ。

大型の船は、大がかりな仕掛けをして
大漁を狙うが、いつも“大物”を狙えるような
海の状況では ないときもある。

“大物”が狙えそうにないときは、
大型マグロ漁船は 何もすることがないだろう。

しかし、
小型のボートである我々は、
どんなときでも釣り糸を垂れて、
自分が満足できるだけの“獲物”を獲ることができる。
というわけだ。

トレードで言えば、
市場全体の出来高が少なくて、
大口が活発に動こうにも動けないときも、
我々は売買を繰り返すことが出来る。

「いつでも動ける。好きなだけ動ける」
というのは、実は非常に大きなメリットであるといえるよね。


メリットその2。
はるかに大きな資金を持った大口トレーダーは、
株価を自分で動かしてしまう。

結果として、好むと好まざるとにかかわらず、
自分で「株価の流れ」を作らざるを得ない。

自分で「株価の流れ」を作って、そこで儲けなければ
儲けることが出来ないわけだ。

我々のように、買った株がちょっと下がった後
「たまたま」「運が良くて」
株価が上昇してきて助かった、なんてことは、まず ない。

大口は自分が仕掛ける前から
どうやって売り抜けるかをグランドデザインしてからじゃないと、
利益を出すことができないだろう。

そうでなくとも、証券会社のファンドの運用者なんかは、
「なぜ、この株を買ったのか?」
「なぜ、この株を売ったのか?」
と言うことを、上司やお客さんに説明できるように
しておかなくちゃいけないしね。

その点、小額を運用しているトレーダーは、
「株価の流れ」に乗るだけでいい。

もちろん、流れを読み間違えると
手痛いダメージを負うことになるが、
大口が「株価の流れ」を作りそこなった時よりも、
はるかに少ないダメージですむ。


先ほどの漁船の例で言えば、
我々は、大型マグロ漁船が、漁を出来ないときにも
魚を獲ることができる。

そしてさらに、大型マグロ漁船が大きく
“獲物”を獲る時にも、
大型マグロ漁船が作った「流れ」に乗って、
利益を確保することも出来る。
というわけだね。



メリットその3。
小額であれば、もし自分の売買が損失を生みそうなときには、
すぐに損切りをすることができる。

損切りするときに、成行売りをしたところで、
1~2ティックのダメージで済むことが多いだろう。

しかし、大口は、そうはいかない。

大口は、仕掛けを作ってから売り切るまでを
かなり計画的にやらないと、
そもそも望まれている利益を出せないので、
動きが我々よりは遅くなる。

もし、損切りをするとなって成行で売ったりしたら、
10~20ティックは、簡単に自分で値を下げてしまうことも
多いだろう。

すばやく体勢を立て直すことが出来るのも、
小額ならではのメリットと言えるだろう。

先ほどの漁船の例で言えば、
急に海が荒れて、大風雨となったとする。

海が荒れて、舵がきかなくなった時にも、
小さな漁船なら、なんとか大破することなく
生き残ることが出来ることが多い。

しかし、
大型漁船は、難破・沈没をしてしまうことすら
珍しくはないのだ。
っていう感じだろうね。



さて、今までで、小額ならではの3つのメリットを見てきた。

3つのメリットとは、

・市場が活発じゃなくても、売買ができる
・自分で「株価の流れ」を作らずに、流れに乗ることができる。
・すばやく撤退することができる。

という3つだ。


この3つのメリットを踏まえると、
小額の運用資金であることを活かして
利益を出すために、ベストな戦略が見えてくるだろう。

それは、
ともかく、売買するチャンスの多さと身軽さを活かすこと。

持っている資金が小さければ小さいほど、
大きな株価の流れを待つだけでなく、
日々の小さな株価の動きでもつかむこと。

そして、株価の流れが出来たときには、
その流れにもキチンと乗れるような「相場師の目」を
養っておくこと。

さらに、ひとつひとつの売買に執着せずに、
フットワークの軽さを活かして
利益確定/損切りをこなすこと。

ということじゃないかな?


メリットを活かすためには、
日々の売買回数は、多い方がいいだろう。

せっかく、どんな市場の状況でも
コツコツ稼げるのであれば、「漁」に出るのは
多い方がいい。

さらに、「漁」に多く出ていることによって、
株式市場と言う「海」に慣れることも出来る。

慣れれば、大きな流れにもキチンと乗れるようになるだろう。

そして、たくさんの売買を繰り返すためにも、
損切りにためらわず、塩漬け株を減らし、
とりそこなった利益にも執着せずに
淡々と日々の売買を重ねていくのが、
ベストな戦略と言えるんじゃないかな?



さて、今回のレッスンは、ここまで。

今回紹介したメリット以外にも、
もっとたくさんのメリットを見つけることが
できるかもしれない。

自分が持っているものを
「少ない」
「足りない」
「デメリットだ」
と、捉えることは、誰だって出来る。

でも、
その中で、自分が今 持っているものを
どう有利に活用できるのかを考えてみることが、
現状打破のセオリーなのかもしれないね。


今回も手紙を読んでくれてありがとう。
ではまた、手紙を書きます。


空也

 

〔技〕 運用資金の大小に合わせたセオリー

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

今回は、しばらく話をしてきた
運用資金の大小によるメリット/デメリットを
ひとまずまとめておきたいと思う。

運用資金は、大きいければ大きいほど
何事も有利!というわけではない。

大きな資金を運用するには、
強靭なメンタルトレーニングも必要だし、
自分が株価を動かしてしまうという
逃れられないデメリットが存在してしまう
と言う話をした。

逆に、運用資金が小額ならば、
小額ならではのフットワークの軽さを活かせる
トレードをするのがいいだろう、
という話もしたね。

具体的には、

資金を有効に回すためや、
相場観を養うためにも
出来る限り、日々の売買をたくさん繰り返すこと。

そして、フットワークの軽さを活かして
ひとつひとつの売買に執着しないで、
早めの決済を心がけてゆく方がいいだろう。
という話をしたね。


その上で、
今回は、君がトレードを重ねてゆくのに、
資金が小額の時期から、資金が大きくなってゆく
モデルケースのガイドラインを示していこう。

自分の資金が大きいか小さいかに合わせて、
自分が市場の中でやるべきことは変わってくる。

その、ひとつの目安となれば幸いだ。

では、早速始めていこう。



まずは、資金が少ない時。

少ないと言っても、人によって感じ方は
あるだろうが、
まぁ、数十万円から5百万円に満たない時
くらいを目安に考えてみて欲しい。

運用資金が5百万円に満たないときに、
君が持っている最大の「武器」「メリット」は
なんだろう?

それは、
前回の手紙でも伝えたとおり、
「フットワークの軽さ」
が、君のもつ最大の「武器」だ。

ある程度売買が活発な銘柄であれば
自分が株価を不利に動かしてしまうと言う心配はないし、
いざと言うときには、すぐに損切りができるという
利点を、最大限に発揮することが出来る。

で。
運用資金が少ない時は、
往々にして、トレードの経験や知識も
豊富ではないことの方が多い。

なので、
運用資金が小さいときには、
フットワークの軽さを活かしつつ、
しかもトレードの経験を重ねていけるような
トレードスタイルが好ましいだろう。

トレードの経験を積むための方法は
いくつかあるが、やはり「売買回数」に勝る
トレード経験は少ないだろう。


ただ。

ただ単に、闇雲に売買回数だけを
重ねたところで、効率的な経験を
積むことは難しい。

ひとつひとつの売買は丁寧に、
しかも売買は多くしていくことが
もっとも実りのあるトレード経験になるだろう。

ひとつひとつの売買を丁寧に行うためには、
エントリーから、
保有中の値動きから、
決済、
そして自分が決済をした後、
の全ての値動きを見る必要がある。

その全てのタイミングでの値動きを見るためには、
一度にたくさんの銘柄にエントリーしていたのでは
なかなか集中して見ることが出来ない。

運用資金も限られているわけだから、
銘柄の分散は極力避けて、
少ない銘柄数で売買するほうがいいだろう。

具体的には、1度に同時にエントリーしている銘柄は
1~2銘柄に限定するくらいがいい。
多くても、3銘柄くらいまでが、同時に見ていられる
銘柄数の限界じゃないかな?

1回1回は少ない銘柄数で売買し、
丁寧な売買をして経験を積み重ねていく。

そして、売買を量的にもアップさせるために、
市場に参加している日数を増やすのが、
ベストな戦略と言えるだろう。

「ひとつひとつは丁寧に売買し、
 市場参加日数を出来る限り増やす」ことで、
トレード経験を、質的にも量的にも
アップさせていくのがいいだろう。

結論としては、

・ひとつひとつの売買を丁寧に見るために、
 1度にエントリーする銘柄は、1~2銘柄に限定する。

・売買経験を多くするために、
 出来る限り、市場参加日数を増やす。
 出来れば、毎日トレードに参加をする。

という方法が、小額の運用資金のメリットを活かし、
かつ経験も蓄えられる方法だと思う。


なので、

トレードルールを作成する際も、

「市場が大暴落した時にだけ
 エントリー候補が出る」

といったルールではなく、
ほぼ毎日エントリー候補が出てくるような
トレードルールのほうが好ましいだろう。

ほぼ毎日、エントリー候補が出てきて、
そのうち一度にエントリーするのは、
1~2銘柄である、というようなトレードルール。

さらに付け加えると、
何日も保有しているようなルールだと、
保有している間は資金が眠ってしまうことになるので、
デイトレードや、数日間だけ保有するような
ルールのほうが、資金効率が良くなるだろう。


蛇足だが、トレード経験が浅いうちは
敗けが重なると、精神的に辛くなってくるので、
ある程度勝率も気にした方がいいかもしれない。

今回の手紙では、
具体的なルールについては言及しないが、

例えば、株価や出来高の上昇率ランキングの
高いもの1位と2位をエントリー候補にする、
などのトレードルールは、
発想のスタートとしては、いいかもしれないね。



期待値プラスのルールであれば、
売買を重ねているうちに、トータルでは
利益を重ねていくことが出来るだろう。

そのうち、運用できる資金量が増えてくることになる。

すると、今までの
「1~2銘柄」
「毎日参加」
のルールが、最も効率が良いルールでは
なくなってくる可能性も出てくる。

1~2銘柄だけのエントリーでは、
自分が(わずかながら)株価を動かしてしまうことになったり、
デイトレードよりも、多少は保有していたほうが
トータルの利益が増える公算も出てきたりする。

そうなったら、ルールを見直してもいいかもしれない。

ルールを見直すだけの「相場観」や「経験」を
積んだだろうしね。


例えば、
ひとつひとつを丁寧に見るトレードルールではなく、
1度にエントリーする銘柄数を増やして
トータルでの売買回数を増やしてみる方法もあるだろう。

また、今までよりも保有日数を延ばして、
期待値をアップさせることが出来るかどうかを
試してみるのもいいだろう。

さすがに、大口の外国人投資家や機関投資家のように
「株価の流れを作る」というような真似は
難しいだろうけれど、
一番最初の資金量/経験よりも、
自分のスタイルのバリエーションを増やすことは
出来るはずだ。

トレードを「儲ける技術」として
色々試せる、楽しい時期だといえるだろうね。



そして、
さらにさらに運用資金がアップしてくると、
こんどは資金が大きいがゆえの「足かせ」が
目立ってくるようになるだろう。

自分の買い/売りが、株価を大きく動かしたり、
強靭なメンタルトレーニングが必要になってくる。

今までのように、
「偶然、株価の上昇があって助かった」
みたいなケースは、極端に減ってくるわけだよね。

もし、そこまで大きな資金が運用できるようになったら、
日々の売買で儲けるトレードではなく、
会社の決算や企業価値を見てゆく
長期投資や、別の商品への投資にシフトしていく方が
いいのかもしれないね。

大きな資金は、フットワークではなく、
重厚で長期的な資産運用で殖やしていくのが
まさに“王道”と言えるだろう。



よくある間違いが、

運用資金が数十万円なのに、
「私は長期投資家だ」
「ウォーレンバフェットにあこがれているので、
 企業価値を見て投資する」
なんて言って、
フットワークの軽さという利点を活かさず
暴落に巻き込まれたりする人がいる。

たとえ成功しても、
数十万の資金が数年間で20%くらいなのに、
暴落は、しっかり食らってしまう。


逆に、
会社の退職金などで、まとまったお金が入った人が
お金と時間(=暇)があるからという理由だけで
自分の持っているお金の大半を使って
「デイトレごっこ」をやってしまうこともある。

ある程度たくさんのお金を持っている
というメリットを活かさず、
何の経験も積まないままデイトレに興じる。

結果として、またたくまにお金をなくして
途方に暮れる、という悲惨な運命を背負ってしまう。

当たり前の話だが、期待値がマイナスならば、
大きな資金をもっていても、利益は出ない。

それどころか、雪だるま式に損を重ねてしまうという
目も当てられない事態が待っている。


小さな資金で経験を重ねながら利益を出していき、
ゆくゆくは重厚長大な長期投資をするのが
セオリーだ。

君には、決して
小額な資金で
「ウォーレンバフェットごっこ」
をやったり、
ある程度まとまったお金を使って
「デイトレごっこ」
をやったりするという、
愚かな道は選択しないで欲しい。

お互い、気をつけていこう。



さて、今回のレッスンは、ここまで。

小さな資金には、小さな資金のもつ長所があり、
大きな資金には、大きな資金を活かせる方法がある。

どんな道具でも、同じだよね。
小さなカッターと、大きな斧では、
同じ刃物でも使い方が違う。

お金も、私たちにとって
とても身近で大切なツール、道具だ。

役割に合ったところで、
役割に合った使い方をするのが、
道具も喜んで最大限の力を発揮してくれる
秘訣なんだろうね。


今回も手紙を読んでくれて、本当にありがとう。
ではまた、手紙を書きます。


空也

 

〔技〕 注文方法をマスターする~指値編

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

ここしばらく、トレードとは一見
無関係なように見える手紙が続いたね。

無関係なように見えているかもしれないけれど、
実は、トレードにとても関連性が深い話を
しているつもりだ。

君なら、私が伝えたいことの意を汲んでくれている
とも思っているよ。

とはいっても、
もう少し直接トレードに役立つな話も
ちりばめた方が、より理解が深まっていくだろう
というのも、事実だろう。

精神論ばっかりじゃ、やっぱり具体性に欠けるからね。

なので、今回から数回は、ダイレクトに
トレードのテクニックの話をしていきたいと思う。


今回からしばらくとりあげるテクニックは、
売買の注文方法に関するテクニックだ。

買い、もしくは売りの注文方法としては
「指値」「成行」といった基本的な注文方法から、
「逆指値」「トレーディングストップ」「W指値」など、
応用編の注文方法もあるよね。

その注文方法を、どう使うのがいいのか?
という話をしていく。


よく
「どの注文方法がいいんですか?」
と言った質問をされることがあるけれど、
それは
「時と場合による」
としか答えられない。

指値で売買したほうがいい場合もあるし、
成行で売買しなければいけないという時もある。


例えば君が、株を始めたばかりの人に

「新日鉄の株は、買えばいいんですか?
 それとも売ればいいんですか?」
と質問されても、
「それは、時と場合によるよ」
としか、答えられないだろう?

別にイジワルをしているわけじゃなく、
一概には答えられない質問ってのは、あるよね?

注文方法はどれがいいか?
というのも、一概には答えられない質問なんだよね。

ただ、
「○○の場合は、指値を使ったほうがいい」
とか、
「△△の時は、成行を使う場合が多い」
という「セオリー」「定石」みたいなものは、ある。

なので、
今回から数回に分けて、
「注文方法を使い分けるセオリー」
を話していこう。

では、内容に入っていこうか。



さて。

今回は、注文方法のひとつである
「指値」について、まずは軽く話していこう。

言うまでもないけれど、指値注文と言うのは、
売買する株価を自分で指定して、

「**円以下ならば、買う」
もしくは、
「**円以上ならば、売る」

と「予約」して売買をする注文方法だ。


一般的に言われている長所は、
「予想外の株価で約定することがない」
ということだよね。

自分が想定していたよりも、
はるかに高い株価で買ってしまったり、

逆に、利益確定のつもりで売ったら
株価が急落してマイナスになってしまった。

なんてことが避けられる。
と言われている。


たしかにその通りだし、
指値を使う大切な意味の一つだといえる。

ただ、それだけで「指値」を理解したと思ったら
もったいなさ過ぎる。

そもそも、この
「予想外の株価で約定することがない」
という特徴は、とても独りよがりな特徴の捉え方だ。

「自分が想定していない株価では、約定しない」
って、たしかに当たり前なんだけれど、

完全に
“株式市場では、たくさんの人が売買をしている”
という事には、目を向けていないよね?

自分だけのことを考えて、
取引相手をまったく見ていない視点だ。

現場での取引は、当然市場参加者とやり取りをするんだから、
そこを考慮に入れた考え方も、しておいたほうがいい。

指値を使えば、予想外の株価で約定することがない
なんていうのは、当たり前の話で、その上で

「他の人が、どう今の状況を判断しているのか?」
「トレーダーとして、どう売買すれば利益になるのか?」
という判断が正しくなければ、利益には繋がらない。
当然だよね。


さて、他の市場参加者がいるということを
加味した上での指値の最大の特徴は

「売買板に注文が表示される」

ということだ。

当たり前の話かもしれないが、
実際のトレードの現場では、この
「売買板に注文が表示される」
ということが、どういう意味を持つのかということを
把握しているかしていないかは、大きな違いを生む。

特に、デイトレードなどの超短期トレード、
しかも裁量トレードの場合は、
非常に大きな意味を持つ。

なので、特に「超短期裁量トレード」での意味を
重点的に話していこう。


まず、自分が指値注文を出す場合のことを考えてみよう。

売買板に対して、自分の注文する株数が少なければ
大した影響は感じないかもしれない。

けれど、
大きな資金を動かすようになると、
自分が「この株価で買います/売ります」という
“宣言”は、たいていの場合デメリットになってしまう。

例えば、買った株がうまく上昇して、利益確定をしたいときに
目立つ株数を指値で売り注文すると、他の市場参加者には

「これは、もう上がりそうにない」
という、心理的圧力になってしまう。

エントリーの場合も、
「今から、これだけ買いますよー」
という“宣言”は、自分に有利に働くことは少ない。

トランプゲームに例えるならば、
自分の手札を、相手に見せてしまっているような状態に
なってしまうという感覚かな。

あまり有利には、ならないイメージだ。


逆に、
自分以外の参加者が指値をしていた場合でも、
売買板に注文が表示される。

これは、売買するにあたって、
大きなヒントになることも多い。

相手の手札を見ながらポーカーゲームを
しているようなものなので、
売買板の読み方に慣れてくると、
トレードのヒントになってくる。

ポーカーゲームのたとえを続けると、指値は

「相手の手札は見たいけれど、
 自分の手札も見せることになってしまう」

という矛盾を抱えながら使わざるを得ない。

特にデイトレーダーなどの裁量トレーダーにとっては、
永遠の課題とも言える話なのかもしれないね。


その中で、あえてうまく指値を使うテクニックを
挙げてみようか。

個人の超短期裁量トレーダーに
許されている方法で、指値をうまく使う基本は、
「なるべく、自分が指値をしているものは、
 売買板での表示時間を短くする」
というものだろう。

どういう意味かを説明するね。

たとえば、
1000円で買った株が上昇をしたとしよう。

時と場合によるが、
売買板がそれほど厚くない場合、
その株を、1020円で売りたい場合、
1020円の指値をして待っているのは、
あまりうまい方法ではない。

君の1020円の指値が、
他の参加者の心理的圧力になってしまう可能性もあるからだ。

ケースバイケースであることを強調しておくが、
この場合は、1020円を超えて
1021円、1022円まで待つという
方法をとるといいだろう。

そして、1021円、1022円と
株価が上昇してきたところで、あえて
「1020円」の指値で注文をする。

成行とは違い、1020円以下での約定にはならないし、
他の参加者に心理的圧迫をかけることなく
注文が完結する。

1020円以上で約定する株もあるだろうしね。


あと、
私がデイトレードを主にトレードをしていたときに
よく使っていた手としては、
「指値変更をうまく利用する」
という手だ。

こちらも、具体的に説明しよう。

まず、自分の買い注文が約定したら、
すぐさまその株を、その日のストップ高の株価で
指値売り注文を出してしまう。

もちろん、そのままでは
ほとんど注文が約定することはないので、
後で指値を変更するのだが、注文自体は出してしまう。

なぜそんなことをするのかと言うと、
「新規返済注文より、指値変更のほうが
 注文スピードが速いから」
という理由からだ。

私が使っていた証券会社では、新規返済注文の場合、
・銘柄
・指値か成行か
・指値の場合、株価
・返済する株数
・パスワード
の入力が必要だった。

それが指値変更の場合は
・変更する指値
・パスワード
のみで済むので、その分早い発注が可能だった。

「そんな細かいこと!?」
と、君は笑うかもしれないが、
実際のトレード現場では、一瞬の約定スピードの違いが
天地を分けるなんてことは、よくあるんだよね。

なので、
小さいことでも、細かいことでも、
色々試してみていた、というわけだ。


いずれにしても、指値を使うときに、なるべく
自分の“手札”は、見せないようにするというのは、
ひとつのセオリーかもしれないね。

(もちろん、トレード手法によって
 いろいろ考え方はあるだろうけれどね)

ちょっとでもヒントになってくれれば幸いだ。


今回の手紙は、ここまで。
いつも手紙を読んでくれて、ありがとう。
ではまた、手紙を書きます。


空也


 

〔技〕 注文方法をマスターする~成行編

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

前回は、売買の注文方法である
「指値」の、具体的な利用方法を見てみたね。

「自分の想定した株価を超える約定はない」
というメリットだけでなく、
「他の市場参加者に、売買の意思が見えてしまう」
ということも意識して使っていくといいだろう。
という話だった。

今回は、指値と並んで
注文方法の代表格である「成行」注文について
勉強していこう。

成行注文は、指値注文とは対照的な特徴がある。

それぞれの注文方法の特徴をつかんでおいて、
どんなときに、どちらの注文方法で発注するのかを
瞬時に判断できるようになれるといいね。

では、早速はじめていこう。



まず、成行注文の基本的事項を
軽くおさらいしておこう。

成行注文は、
「いくらでもいいから、買う(あるいは売る)」
という注文方法だよね。

成行注文が発注された直後の
もっとも安く提示されている「売り」から順に、
発注した株数に達するまで買う。

あるいは、
もっとも高く提示してある「買い」から順に、
発注した株数に達するまで売る。
という注文方法だ。

自分が想定していたよりも高く買ってしまったり、
逆に安く売ってしまったりするという
リスクはあるけれど、
成行注文をした方がいい場面というのは、かなりある。


まず、成行注文には、
指値注文の弱点である
「売買板に注文が表示される」。つまり
「他の市場参加者に、売買の意思が見えてしまう」
という弱点は、ない。

他の市場参加者に、売買の意思が伝わる前に
注文が完了してしまうので、
他の市場参加者は、君の売買意思を読むことが出来ない、
というのは、成行注文のメリットのひとつだ。


しかし、成行注文を使った方がいい場面というのは、
もうひとつの大きな特徴を最大限に利用しなければ
いけない時と言えるだろう。

成行注文の最大の特徴、それは。

「確実に売買が完了する」

というものだ。


「なぁんだ。当たり前じゃん」
と、君は思うかもしれない。

しかし、その“当たり前”を、きちんと利用
できている人は、意外と少ない。

「確実に売買が完了する」
ということを、うまく使うべき具体例を
いくつか出しておこう。


まずシステムトレードで起こりうる事例を見てみよう。

システムトレードでは、
過去の検証の精密さが求められる。

また、過去の検証上、どんなに素晴らしい
パフォーマンスであっても、
現実のトレードでは実現しないルールも
全く意味をなさない。

その上で、例えば、ある一定の法則で絞り込んだ銘柄に
「前日終値と同じ価格で、指値でエントリーする」
というルールを作ったとしよう。

そのルールを検証したところ、
非常に素晴らしいパフォーマンスを叩きだす事が
過去のデータから導き出されたとする。

しかし、
「指値でのエントリー」という時点で、
このシステムトレードのルールは、
まず間違いなく、実トレードでは誤差が出てくることが
運命付けられてしまう。

なぜか?説明しよう。

例えば、終値が500円の株が
システム上エントリー候補に挙がってきたとする。

「明日、500円の指値で1,500株買ってください」
という、売買指示だったとしよう。

君は、場が開いていない夜のうちに
売買指示どおり、指定された銘柄を1,500株、
500円の指値をして買い注文をだしたとする。

明けて次の日。
指定された銘柄は、朝9時
前日終値と同じ500円で寄り付き、
そのまま500円を割ることなく、上昇をしたとしよう。

システムトレード上は、文句なく
「勝ちトレード」
となる。

前日終値である500円で始まり、
そのまま上昇しているんだから、文句はない。


しかし、

実際、君がこの銘柄で含み益となっているかどうかは、
別の話だ。

「え?だって、500円の指値だったんだから、
 間違いなく含み益じゃないですか?」

と、思ったかもしれないが、
ここに現場とシステムの差が出てしまう場合がある。

たしかに、500円の指値で買い注文を入れた。
そして、始値が500円で、そのまま上昇した。

しかし、君が500円で1,500株買えているかどうかは、
わからないよね?

例えば、
500円での売り注文と、成行の売り注文が
合計8,500株で、

500円の買い注文と、成行の買い注文が
合計10,000株だったとしたら?

そして、その中の指値注文の一番最後の注文が
君の注文だったとしたら、
君の注文だけ約定しないまま、株価は上昇をしてしまった
可能性がある。

ここまで極端な話ではなくても、
1,500株の注文のうち、100株しか約定しなかったり、
株価的には君の指値に到達しているのに、
君の注文は、まったく約定をしないということが
頻繁に発生する。

こうなると、いくら素晴らしい
システムトレードのルールでも、
過去の検証データどおりの売買ができないという
悲しい結果になってしまう。

他にも過去の検証と現実に誤差が発生する可能性は
あるのだが、少なくとも検証どおりに売買を約定させるためには、

「確実に売買が完了する」
という、成行注文を使った方がいい、と言うことになる。



もうひとつ「確実に売買が完了する」成行注文を
使った方がいい具体例を紹介しておこう。

成行注文を使った方がいい時。
それは、単純に「損切りの時」。

裁量トレードであっても、
システムトレードであっても、
損切りをするということは、

「自分のトレードルールで想定していた
 値動きにならなかったとき」
であるといえるだろう。

よほど複雑なトレードルールの場合は別かもしれないが、
基本的には
「自分のルールにそぐわなくなった」
と言うのであれば、
「確実に売買が完了する」成行注文で、さっさと
損切りをしてしまう方が、理にかなっている。

「自分のルールにはそぐわなくなったんだけれど、
 せめて損失は○○円までに抑えておきたい」
なんていうのは、単なる未練がましい執着でしかない。

さっさと成行注文を使って、確実に売買を完了させて、
手元に戻った現金で、新たなトレードに進めばいい。

当たり前の話だけれど、
けっこう出来ていなかったりすることも、あるよね。


今回の手紙は、ここまで。

指値とは対照的な特徴を持つ「成行注文」の使い方が
見えてきただろうか?

「確実に売買が完了する」

という成行注文の有効性は、今回出した事例以外にも
たくさんの場面で出てくることだろう。

君自身でも、どのような場面で
成行注文を使いこなすかを、ぜひ考えてみるのもいいだろう。


いつも手紙を読んでくれて、本当にありがとう。
ではまた、手紙を書きます。


空也

 

〔技〕 注文方法をマスターする~逆指値編

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

前回、前々回と、売買の基本的注文方法である
「指値」「成行」の特徴と、具体的な
使い方を勉強してきたね。

まずは、「指値」「成行」の
二つの注文方法の特徴を理解して、
意識して使い分けが出来るようになると、
君のパフォーマンスに好影響をもたらすようになるだろう。

「指値」「成行」の注文方法の使い分けは、
抜本的トレードルール改正や、
マネーマネジメントに比べると、影響は小さいかもしれない。

小さいかもしれないが、
コツコツと積み重ねることによって、
着実に差をつけていくことが出来るテクニックのひとつだ。

大幅なパフォーマンスの改善も目指し、
細かい部分にも気を抜かずにレベルアップを目指す。

そんな姿勢が大切なのかもしれないね。


さて、今回は注文方法についての3回目。
「逆指値」について話をしていこう。

指値や成行に比べると、まだ歴史の浅い注文方法だけれど、
使いようによっては、非常に便利な注文方法だ。

では、早速内容に入っていこう。



まず最初に、逆指値という注文方法の定義から
おさらいをしていこう。

逆指値注文とは、通常の指値注文とは違い、

「指定の株価以上になった時に買い注文を発動」
あるいは、
「指定の株価以下になった時に売り注文を発動」
させる注文方法のことだよね。

買う場合は安い株価の方がいいので、
現在の株価よりも安い株価を指定するのが
通常の指値注文。

これに対して、現在の株価よりも高い株価を指定しておいて、
指定した株価以上になった時に限って
注文を発動させるのが、逆指値注文だ。


例えば、現在の株価が500円の株があったとする。

その株には、通常の指値の場合、
500円以下の株価を指定して、買い注文を出す。

(仮に、501円以上の株価で指値注文をした場合は、
 即座に注文が約定してしまう)

ただ、逆指値の場合は、501円以上の株価を指定して
買い注文を出すことになる。

そして、その株が500円よりも上昇しなかった場合は、
逆指値注文は画面上にも表示されず、
いつまで経っても約定せず、
実質上は“注文なし”と同じような扱いになる。

しかし、もしその株が501円以上になり、
指定していた株価に到達すると、
注文が発動するというわけだ。

逆指値注文は「逆“指値”」というネーミングだが、
注文執行は成行で出すことも出来る。

先ほどの例で言えば、
「501円以上になったら、成行で買い」
みたいな注文方法も可能だ。

逆指値注文で言うところの“指値”は、
あくまで注文を発動させる株価を指定する、
という意味のようだね。


で、

逆指値を、どのようなときに使うことが多いかと言うと、
「決済の時」と、
「ブレイクアウトのトレードルールでのエントリー」が
代表的な使い方だろう。


「決済の時」というのは、

たとえば、500円で株を買ったとする。

その後、510円まで株価が上昇したのを確認した。

このまま上昇が続くかもしれないし、
下落してしまうかもしれない。
でも、ずっと値動きを見ていられる状況じゃない。

と言った場合に、

「まぁ、505円まで下がってしまったら、
 利益確定するために売っちゃおう」
なんて場合に、逆指値を利用する。

逆に、500円で買った株が、そのまま下落していたとして

「うわ!
 495円まで下がっちゃったら、損切りをしよう」
という場合にも、逆指値を使うことが出来る。


また、
「ブレイクアウトのトレードルールでのエントリー」
という場面で使うのは、以下のような場合だ。

ここしばらく、ずっと480円から500円の間を
行ったり来たりしている株があったとしよう。

しかし、君の見立てでは、そろそろ上昇する
タイミングが来ているのではないか?
という感じがする。

と言った場合に、
「もし500円を超えて、
 501円の株価をつけた場合は
 そのまま急上昇する可能性が高い。
 だから、501円以上になったら、買い」
という逆指値注文を使うという方法があるだろう。



さて、ここまでは逆指値注文の基本編と言うか、
少々株を実践している人ならば知っていることだ。


そして、

逆指値注文にも、今まで話してきた「指値」「成行」と
同じような、あまりスポットライトを浴びない特徴がある。

君には、その特徴を話さないと、
手紙を読んでもらっている意味がないからね。
話していこう。


普通、あまり語られない、逆指値の特徴。

それは、

「逆指値の節目は、狙われる」

という特徴だ。



以前(と言っても、10年ほど前だが)は、
個人のトレーダーには「逆指値」という注文方法は
ほとんど許されていなかった。

ところが、ネットでのトレードが主流になり、
「普段、ザラ場を見られない人でも
 お手軽に売買ができるように」
と、逆指値注文ができる証券会社が増えてきた
という経緯がある。

ずっとザラ場を見ていられる人で、
損切りをためらいなく遂行できる人にとっては、
逆指値という注文方法は、特に必要ないからね。

自動売買を使う人や、
平日は別の仕事をしていてザラ場を見ていない
人のために開発・開放された注文方法と言えるだろう。


この経緯自体には、まったく問題はない。

しかし、

この逆指値注文が流布すればするほど、
株価の節目での値動きが、“素直”ではなくなった
と思うのは、私だけだろうか?


株価の節目というのは、
例えば先ほどの例で言えば
「480円から500円の間を
 行き来していた株の501円」
とかが、それに当たる。

また、シンプルに
「1,000円」とか
「1,200円」とか、キリのいい株価も
“株価の節目”と言えるだろう。


人間の観察眼なんて、それほどたくさんの
バリエーションがあるわけではない。

「ここら辺で、ブレイクするだろう」
「この株価になったら、あきらめよう」
「この株価で買いたいな」

なんて思う場所、株価というのは、
個人個人で、それほど大差はない。

なので、
市場参加者のみんなが、大体同じような場所・株価で
逆指値注文をつけたがる。


すると、どういうことが起こるか?

個人個人の注文は少なくても、
まとまれば大きな株数になる。

大きな株数になると?

そう。大きな資金を持っているメインプレイヤーの
格好の“エサ”になる可能性も増えるということだ。

資金が大きいから、身動きがとりにくい
機関投資家などのメインプレイヤーが、
ワザと“わかりやすい株価の節目”を超えさせたり、
割らせたりする。

そして、個人の逆指値注文を発動させて、
その後メインプレイヤーの有利な値動きに
「させられてしまう」。
というのは、充分考えられるシナリオだ。


ここからは、全くの想像だが、
逆指値の注文は、すべて証券会社に発注される。

個人は、どんな株価で、それぞれの
逆指値の注文が出ているのかを確認することはできない。

しかし、証券会社は、その限りでは、ない、よね?


あからさまなアンフェアなことは
証券会社もしないだろうけれど、

だからと言って、自分の会社の自己売買部門が
あえて損をするような施策も、とらないんじゃないかな?

ま、これは、単なる想像だけれどね。



さて。

いままでの逆指値の特徴を、実践に活かすとしたら、
君なら、どういう方法を思いつくだろう?

自分が逆指値を使うときは
あからさまに分かりやすい“株価の節目”には
設定しない、という防御策もあるだろう。

あるいは、メインプレイヤーが、どのように考えて
逆指値を「利用」してくるかを考えてみるのも
いいかもしれないね。


いずれにしても、
逆指値という便利な機能は、充分に使えばいいと思う。

ただし、
どのような人が、どのように使っているのかだけは、
イメージをしておいた方が、痛い思いをしないで済むだろう。


今回の手紙はここまで。
今回も手紙を読んでくれて、ありがとう。

ではまた、手紙を書きます。


空也

 

〔技〕 注文方法をマスターする~トレイリングストップ編

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

トレードで使用する注文方法の使い分け方、
だいぶ分かってきてくれただろうか?

私が提示している 各注文方法の特徴や
実践テクニックは、あくまで一例だ。

君自身がトレードをしていく中で
もっとたくさんのことに気が付くだろうし、
君が「自分流」の使いこなし方をみつけて
行ってくれるのを期待しているよ。

さて今回は、また比較的新しい注文方法である
「トレイリングストップ」について話していこう。

この「トレイリングストップ」も、
前回話した「逆指値」と同様、
ザラ場を見ていなくても
有利な取引が出来るような仕組みだ。

うまく使いこなしていけるように勉強していこう。



まずは、
「トレイリングストップ」の基本的な概念を
理解していこう。

「トレイリングストップ」は、前回説明した
逆指値注文の進化形と言える注文方法だ。

時々刻々変化していく株価の
高値、あるいは安値に着目して、
その高値(安値)を基準に逆指値する株価を
順次自動修正していく注文方法だね。

もう少し噛み砕いて説明すると、
売り注文の場合は、

【その時点の高値】 - 【指定金額】

を逆指値の発動株価にする。

例えば、
500円で買った株が現時点で530円まで
上昇していたとしよう。

そこで、トレイリングストップを利用して
利益確定をすることにした。

今回は、トレイリングストップの
【指定金額】を、たとえば【5円】としたとしよう。


すると、
現時点での株価は530円なので、

【その時点の高値530円】 - 【指定金額5円】
=525円

となり、現時点では525円まで株価が下がると
逆指値注文が発動して、持っていた株は
売却されることになる。

しかし、もし530円の株価が、さらに上昇して、
531円が高値になったとしよう。

すると、「トレイリングストップ」注文は、
自動的に

【その時点の高値531円】 - 【指定金額5円】
=526円

に、逆指値の発動株価を切り上げてくれる。

このまま同様に537円とかに上昇すると

【その時点の高値537円】 - 【指定金額5円】
=532円

というように、さらに逆指値の発動株価を
切り上げてくれる。

説明は売り注文でしたけれど、
買い注文の場合は、逆指値発動株価が

【その時点の安値】 + 【指定金額】

という計算式で決まると言うだけで、基本的考え方は
変わらない。

「もし上がるならば、利益は追いかけたいけれど、
 利益そのものは確保したい」
というニーズに応えた注文方法と言えるだろうね。


先ほども書いたとおり、「トレイリングストップ」は
逆指値注文の進化形と言える注文方法なので、
特徴も逆指値注文に似ている。

ただ、自動的に注文発動株価を修正してくれるので、
「株価の節目を狙われる」という弱点は
やや補っているといえるかもしれないね。

しかし、トレイリングストップが万能かというと
そんなわけは あるはずがない。

トレイリングストップを使う場合は、
「株価の節目を狙われる」と言った外的要因ではなく、
トレイリングストップを使う側が注意しておかなければ
ならない要因がある。


それは、

「指定金額の設定固定化」だ。


君がトレードルールを作る際に、
「決済はトレイリングストップを使う」
という風に決めるのは、全く問題がない。

しかし、
「トレイリングストップで指定金額を5円にする」
とか、
「指定金額を5ティックにする」
とか、
「指定金額は、株価の○%にする」

なんていう決め方は、あまりお勧めできない。


なぜならば、
各銘柄によって、値動きの幅はまるで違うからだ。

1日に1%も動けばいいという大型株もあれば、
1日に5%も6%も動く、値動きの荒い銘柄もある。

値動きがまるで違うという現実の中で、
トレードルールだけ固定していると言うのは、
なかなか機能しにくいことが多い。

もちろん、他の決済方法を採用したとしても
同じことは言えるんだけれど、
特にトレイリングストップという
柔軟性を求めた決済方法だと、悪影響が強い。

指定金額が低かったばかりに、
利益が取れるところでとりそこなったり、

指摘金額が高かったから、
利益確定が遅すぎてしまった、
なんて事が頻繁に起こってしまう。


なので、

もしトレイリングストップを
自分のトレードルールに取り入れるのであれば、

トレードルール全体を
トレイリングストップと相性のいい形に
組んでいく必要がある。

例えば、
エントリーする銘柄を、極端に絞ってしまう
という方法もあるだろう。

同じような値動き、同じような値幅での動きをする
と分かっている銘柄だけにエントリーすると言う前提で
トレードルール全体を構築する。

この方法は、うまくいく可能性が高いだろう。


もしくは、
トレイリングストップで指定する金額を
固定化しない方法をとることもできる。

例えば、以前にマネーマネジメントの項目で勉強した
ATR(真の値幅)から、各銘柄ごとに
トレイリングストップで指定する金額を
導き出すという方法もあるだろう。
(ATRが分からない場合は、以前の手紙を読んで
 復習してみて欲しい)

そうすれば、速すぎる利益確定や、
遅すぎる決済ということも、比較的少なくなるだろう。

どんどん、トレードルールが煩雑になってくる
という宿命は背負ってしまうけれどね。


さて、今回の手紙は、ここまで。

トレイリングストップという、
一見万能に見える注文方法も、
チグハグな使い方をしてしまったら
チグハグな結果しか返ってこない。

全体がうまくコーディネートされていて、
かつ君自身にフィットするトレードルールでなければ、
やはり継続的に利益を出すことは難しいんだろうね。

今回も手紙を読んでくれて、ありがとう。
ではまた、手紙を書きます。


空也

 

〔技〕 注文方法をマスターする~その他編

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

しばらく注文方法についての話を続けてきたけれど、
君のインスピレーションには繋がっただろうか?

今回で注文方法についての話は一度まとめて、
次回からはまた別の話をして行こうと思っている。

さて今回は、前回までの手紙で触れてこなかった、
その他の注文方法について話していこう。

今は各証券会社によって、様々な注文が出来るように
なってきていて、サービス合戦が続いているよね。

その中で、いくつかの注文方法について
取り上げていこう。



さて。

他の注文方法も様々あるとは言ったものの、
大きく分けると3種類の注文方法しかない。

その3種類とは、

・「株価を基点にする注文方法」
・「約定を起点にする注文方法」
・「時間を起点にする注文方法」

の3つだ。
それぞれを説明していこう。


「株価を基点にする注文方法」というのは、
「ある銘柄の株価が○○になったら、注文を執行する」
という注文方法。

今まで説明をしてきた、
「指値」「成行」「逆指値」「トレイリングストップ」
すべてが、なんらかの形で、株価を基点にしている。

もっともメジャーで、もっとも注文のバリエーションも
多い注文方法だといえるね。

トレードにおいては、株価が絶対的な
判断基準になることが多いんだから、
当たり前といえば、当たり前なんだけれどね(笑)


今まで説明をしてきた注文方法以外には、

ひとつのポジションに対して
指値や成行の注文を2つ同時にセットしておける
ダブル指値とかツイン指値とか言われる方法や、

前日の終値だけではなく、始値などを基準に
「そこからプラス(マイナス)○○円」と言った形で
指値注文が出来る方法。

あとは、複数の市場に上場している銘柄限定で、
その時点で最も安い株価を提示しているものを
自動的に探し出して買うことの出来る注文方法
なんていうのもあるらしい。
(私は、使ったことがないけれどね)


「約定を起点にする注文方法」というのは、
「いま保有している銘柄が約定したら、注文を執行する」
というタイプの注文方法だ。

たとえば、
今まで「買い」でポジションを持っていた銘柄を
売り切ることが出来たら、今度は「空売り」の
ポジションに切り替える注文方法とか、

いま持っているポジションを全て手放したら
新規で別の銘柄のポジションを持つ注文をする。
という注文方法だね。


株価の底や天井を探るようなトレードルールである場合は
ドテン買い・ドテン売りという注文方法が
役に立つこともあるだろう。

また、ポジションを手放したら、
別ポジションを持つという注文方法は、
資金の有効活用最大化に繋がったりするし、
ポートフォリオ理論などを駆使して売買するトレーダーには
有効な場合も多いはずだ。


最後。
「時間を起点にする注文方法」というのは、
「ある一定の時間になったら、注文を執行する」
という注文方法だね。

寄り付きの時に注文を執行したり、
引けの時に注文を執行したりするタイプ。

最近は、自分の好きな時間を指定して
注文を執行させるものまで出てきた。
かなり柔軟性が出てきているといえるだろう。


今回挙げた注文方法は、証券会社によっては
使えないものも多い「高度な注文方法」だろう。

もし君の使っている証券会社では
使うことの出来ない注文方法があったとしても
実はそれほど大した問題ではない。

たしかに、さまざまな注文方法を使いこなすことが出来れば、
自分が知らないうちに利益を確保してくれるという
メリットは、あるかもしれない。

しかし、
すべての注文方法が、注文の基本である
「指値」と「成行」さえ使えれば、
同様の注文ができるというのも、事実だ。


そして、
基本的な「指値」と「成行」をうまく使えないうちは、
どんなに高度な注文方法を駆使したとしても、
それほどの成果はあがらないだろう。

なので、

まずは、「指値」「成行」と言った注文方法を
しっかりとマスターし、
出来る限りザラ場を観察し、
「○○の時は、こんな値動きになるのか」
ということを、君自身の肌で実感して欲しい。

その後、便利な注文方法を使うという順番が、
継続的に利益をあげていくためには最も効果的だろう。


裁量トレードにしても、
システムトレードにしても、
ヒントは必ずトレード現場と、
自分自身がおこなったトレード履歴にある。

高度な注文方法は、
過去のトレード現場で起きたことから、
先人たちが自分のトレード履歴を振り返り

「こんな注文方法があると便利だな」

と思って開発してきたものばかりだ。


まずは、現場を知る。

そこからはじめてみても、遅くはないんじゃないかな?


いつも手紙を読んでくれて、本当にありがとう。
ではまた、手紙を書きます。


空也

 

〔技〕 どの時間軸を採用するか?

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

前回までは、しばらくトレードと
直接の関係は少ない話が続いたけれど、
今回から、またトレードの話をしていきたいと思う。


今までの話で、トレードで継続的に儲けるためには
・トレードに対する基礎的知識
・自分のトレードをするための環境整備
・自分に合ったトレードルールの構築
・トレードルールにマッチしたマネーマネジメント
・メンタル
 (思考回路のスイッチをオンするもの、オフするもの)

などといったものが必要だよ。
と言う話をしてきた。

その中で、最初につまづいてしまいがちなのが、
やはり「自分に合ったトレードルールの構築」
のようだね。

「自分に合ったトレードルール、と言われても
 どうもピンときません」
「儲かれば何でもいいので、
 自分に合っているもなにも、ないんですが」

という意見が、どうも多いみたいだ。

ある程度のトレード知識はあるのに、
自分に合ったトレードルールの方向性すら
わからないのは、シンプルに
“自分とのコミュニケーション”不足と言える。

自己分析を、もう少し深めた方がいい、
と言ってしまえば、それまでだ。

とはいえ、
「自己分析をしろ」
ということ、そのもののハードルが高い、
という気もする。

なので、
今回は、トレードルールを作るための
自己分析のやり方を、ちょっと紹介しようと思う。

ある程度トレードルールを構築していたとしても、
「本当に、このルールでいいのかな?」
という、漠然とした不安がある場合も、
今回紹介する分析をやってみるといいだろう。

では、早速内容に入っていこう。



今回紹介するのは、まず自分のトレードルールの
時間軸を決める方法だ。

トレードルールには、時間軸があることは
知っていると思う。

時間軸と言うのは、
ある銘柄にエントリーしてから、決済をするまでの
時間の事を言う。

短いものは数秒~数十秒というスキャルピングもあるし、
長いものは十年とか、数十年という長期投資がある。

で、

大雑把に捉えると、
時間軸が短くなればなるほど、
年利回りベースで狙えるリターンが大きくなる代わりに、
損失リスクも高くなる。

時間軸が長ければ、
年利回りベースで狙えるリターンは少なくなるものの、
損失リスクも抑えることができる、
と言われている。

ざっくりと期待する
時間軸によるリスク/リターンとしては、

【スキャルピング】
保有する期間:数秒~数十秒
1売買の利益:1%未満
期待年利回り:数百%(500~800%くらい?)
失敗時リスク:下手したら、1年のうちに何回も破産する

【デイトレード】
保有する期間:数分~最長でその日の寄り付きから引けまで
1売買の利益:0.5~数%程度
期待年利回り:数百%(100~400%くらい?)
失敗時リスク:1年のうちに破産できる

【スイングトレード】
保有する期間:数日間~数週間
1売買の利益:数%~十数%程度
期待年利回り:100%いけば成功
失敗時リスク:1年のうちに、資金半減

【ポジショントレード】
保有する期間:数週間~数ヶ月
1売買の利益:10%~30%程度
期待年利回り:トータルで50%いけば成功
失敗時リスク:1年のうちに、3割程度の資金減

【長期投資】
保有する期間:数ヶ月~一生
1売買の利益:年間で20%程度
期待年利回り:トータルで20%いけば成功
失敗時リスク:銘柄による

とまあ、こんな目安だ。
(あくまでも目安なので、保証はできないけどね)


で。

この中から、自分のトレードルールの
時間軸を決めるわけだが、その「決め方」の
指針を提示しようと思う。

指針の材料となるのは、

・現在の資産総額
・年収と、年間支出
・望む資産総額とリスク受け入れ許容度

それと、

・君の年齢

だ。


まず、現在、君はいったいいくらの資産を
持っているのだろうか?

「資産」というと、範囲がかなり広くなってしまうので、
流動性金融資産、つまり現金や、すぐに現金化できる
資産に限定して考えてみよう。

100万円だったり、300万円だったり、
1,000万円、数千万円と、いろいろだろう。


次に、今の年収と年間支出を考えてみる。

トレードをしている最中も、当然日々の生活はしているわけで、
霞を食べて生きているわけではない。

なので、現在の収入がいくらなのか?
そして支出との差はどれくらいあるのかを
考えておく必要がある。

もし、トレード以外からの収入がゼロの場合は、
年間の食いぶちはトレードからの稼ぎからとなるので、
その分は、差し引いて運用をしていかなければならない。

で、

その後に君が望んでいる資産総額を考えるわけだ。

いつまでに、いくらの資産を持っていることを
望んでいるのか?

そりゃ、資産は多ければ多いほどいいだろうから、
「できるだけ早く、3億円!」
とか、思う気持ちもわかる。

ただ、
現在の資産総額と、望む資産総額の差が
大きければ大きいほど、受け入れなければいけない
リスクも大きくしなければならない。

君が本当に、心の底から
「何回破産しても、這い上がって
 3年以内に億万長者になる!!」
と望んでいるのならば、
全てを捨ててトレードに臨めばいい。

(全て、というのは、文字どおり
 時間も、お金も、プライドも、友人関係も
 今まで君が築いてきたもの全て、と言う意味だ)

ただ、
やはり受け入れられるリスクというものは
バランスがあるだろうから、
自分自身と向き合って、
本当に受け入れられるリスクから
望む資産総額を考えてみよう。


現在の資産、年収と支出、望む資産総額と受け入れるリスク。

全てが見えると、自分に必要な年間利回りが
出てくるだろう。

そして、必要な年間利回りから、
自分が採用すべき時間軸が、
おぼろげながら見えてくるだろう。

「今の資産総額が○○万円で、
 年間の収入、支出から、○○万円は貯金できる。
 5年後には○千万円は得ていたいから、
 少なくともスイングトレード程度の
 リスクはとらないとダメだ」

とか、

「今の資産総額は○百万円。
 専業トレードだから、生活費に年間○○万円。
 3年後には○千万円にはしたい。
 今のトレードルールでは、まったく足りない」

とかね。


あと重要になってくるのが、自分の年齢。

現在の資産から、望む資産を逆算し、
自分の年齢を考慮すると、
ポジショントレードや長期投資を選ぶことが
できない、と言う人もいるだろう。

年をとっている人のほうが、
なんとなく長期投資をやっていて、
若者がデイトレードをやっているようなイメージが
なんとなくあるかもしれない。

でも、実際は、それではダメな場合が多い。

若者のほうが、残されている時間が多いので、
長期投資でも、望む資産に到達する人が多い。

逆にお年寄りは、失礼ながら残されている時間が短いので、
リスクを大きめにとらないと
望む資産総額に到達しないと言う場合も多いのだ。

(現在貯蓄が少ないお年寄りは、
 若者が思っているよりも大きなリスクを抱えている。
 失敗すると、復活できるための仕事がない、
 突然の医療費が発生する、
 新しい知識を吸収するキャパシティをつくる努力が必要、
 などなど。
 まぁ、いつも言っているように
 「自分が恵まれている」か、
 「自分が損な境遇」かは、ものの見方によるんだけれどね)


まずは、自分の現状を踏まえ、
望んでいる結果と期限を考える。

その上で、選択する戦略を決めていく、
というのが、何事においてもセオリーだ。


もちろん、長期投資をやっていても、
年間で100%を超すパフォーマンスを出すこともあるだろう。
そして、逆に長期投資銘柄が大暴落して、破産することもある。

スキャルピングよりも、スイングトレードの方が
パフォーマンスが出る、という人もいるに違いない。

ただ、戦略の考え方として、
より可能性の高い方法を選ぶのは、当然のことだ。

君が億万長者になるためには、
億万長者になる可能性のある行動をしなければならない。

「私は、億万長者になりたいです。
 今やっていることは、コンビニのバイトです」
というのは、戦略上は好ましくない。

別に、コンビニのバイトが悪いわけではない。

望む結果と、戦略・行動がミスマッチだというだけだ。


今現在 君がしている行動は、
本当に君が望んでいる結果にマッチしているだろうか?

もし違うのであれば、
他にどんな戦略を持てば、望む結果に近づくだろうか?

考えてみるのも、楽しいかもしれないね。


今回も、手紙を読んでくれて、本当にありがとう。

ではまた、手紙を書きます。


空也

 

〔技〕 感情で損切りポイントを決める

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

前回は、自分のトレードルール構築の方向性として、

・現在の資産総額
・年収と、年間支出
・望む資産総額とリスク受け入れ許容度
・君の年齢

から、採用するトレードの時間軸を決めよう、
と言う話をしたね。

まずは、自分の現状を踏まえ、
望んでいる結果と期限を考える。

その上で、選択する戦略を決めていく、
というのが、何事においてもセオリーだ。

望んでいる結果とミスマッチな戦略を選んでも、
望む結果を得られる可能性は、きわめて低い。

現状認識と、望む結果が明確になればなるほど、
採用すべき戦略がはっきりして、
望む結果に到達し易くなる。

シンプルな話だよね。


この「戦略」について、確認をしておきたいことが
ふたつある。

ひとつは、
君の現状と、望む結果がいくら離れているように見えても、
望む結果に行き着く戦略は、必ずある。
ということ。

世の中には、借金とりに毎日おびえているような生活から、
億万長者になった人の話なんて、ごまんとあるし、

実際、私の友達も、私自身も
「このまま行ったら、やべぇ。食うものも食えねぇ」
という経験を経て億万長者になっている。

だから、現状がいくら悲惨な状況だからと言って
あきらめる必要はない。

望む結果にマッチした戦略をみつけだし、
行動をしていけば、必ず活路は見出せる。


もうひとつ確認をしておきたいこと。

それは、
「君は、どんなことを望んでもいい」
ということ。

当たり前の話に聞こえるかもしれないが、
数日前に友人と話をしていて、つくづく痛感した。

もし、君にとって、もっとも豊かな時間というのが、
オンラインゲームをしている時間なのであれば、
「オンラインゲームをする」
というのが、君が「豊か」になるための
最適の戦略だし、

一日中寝ているのがいい、
と言うのであれば、
「寝ていられる」
という“望む結果”を得るために、
支出を抑えて、各種保険をうまく使うのが
最適な戦略になるかもしれない。


“お金持ちになる”というのは、
単なる好みの問題で、
「お金持ちにならなくちゃいけない」
とか、
「生まれてきたからには、稼がなきゃ!」
なんてこともない。

生きるためだったら、
過疎地の村に行って、農場を貸してもらって、
畑を耕すという生き方も、選択肢としては
素敵な選択肢だ。


また、人から好かれる人格になるというのも、
好みの問題。

人から好かれるのが絶対善というわけでもないし、
君が望まなければ、
人から好かれなくたって かまわない。

ただ、人から好かれるためには、
「人のためになることをする」という原則があり、
人から好かれたいのであれば、
結果に即した行動をする必要がある。
ただそれだけだ。


望む結果と戦略には、難易度と言うものはある。
でも、何を望むのが正しくて、
何を望むのは正しくないのか?というものは、ない。

「お金持ちになりたい」というのも、
「○○というゲームで、最強のキャラクターを育てたい」
というのも、
それはその人の好みの問題だ。

自分に与えられている時間の中で、
何を行って、何を結果として得るのか?
どの道を選んで、どの道を選ばないのか?
完全に自由だ。

外国の王族ですら、離婚をする時代。

君を縛っているものは、ない。
あると思っているとしたら、
それはただの幻想に過ぎない。

君が本当に望んでいるものを考えて、
それを得るための戦略どおりに行動する。

それが、君に課せられた最大の責任だ。


原因があり、結果がある。
望む結果があり、戦略がある。

結果に結びつかない、ミスマッチの戦略は、ある。
君の望むものには、到達しない戦略は、ある。

でも、
なんの結果も生み出さない戦略というものは、ない。
なにかしらの結果は、絶対生み出すわけだ。

なので、望んでいる結果を明確にして、
その結果にマッチした戦略を立て、行動することが大切。
お互いに、根っこを間違えないようにしたいものだよね。



さて、前置きが長くなった。
今回も、トレードルール、
そしてマネーマネジメントの話だ。

トレードルール構築の中で、時間軸と共に
悩むポイント、それは
「損切りポイントの設定」
だと思う。

どこで、どうやって損切りポイントを
決めればいいのか?

通常は、
「エントリー理由が破綻した時」
というのが、損切りポイント決定の基本だ。

順張りであるならば、例えば
「株価1,000円をブレイクしたから
 買いでエントリーした」
という理由があれば、
株価が反落して1,000円を切ったら
損切りをするべきだ。

逆張りであるならば、例えば
「反発しそうなポイントを
 株価が通過したから買いエントリーした」
というのであれば、
一定時間の経過後に反発しなければ
手仕舞いをするのが基本になるだろう。
(はじめから予定していた
 分割買いがある場合は、別だが)

とはいえ、はじめから厳格に
トレードルールが決まっているなんてことは
ほとんどないだろう。

なので、
今回は、トレードルール構築の過程で
「このようなプロセスは、アリ」
という話をしたいと思う。

すでに、トレードルールが出来ている人は
今回の方法をとる必要はない。

「ああ、こんなアプローチもあるのか」
というくらいに見ておいてくれればいい。


まず、トレードに慣れていないうちは
できるだけ早く決済をしてしまう癖を
つけるのがいい。

「損小利大」
が、トレードの理想ではあるが、

まずはエントリーして、
ちょっとでも下がったら損切りする。

エントリーした後、利益が上がって、
ちょっとでも反落したら、すぐに利益確定、
という方法をとるのだ。

すぐに決済するという癖、いわゆる
「損小利小」
の癖が、長いトレード人生においては
非常にいい癖になるだろう。


そのうち、ある程度市場に慣れてきたら、
自分なりの損切りポイントを
設定することになる。

「損切りポイントなんて、
 どこに設定すればいいのやら」

と、完全に戸惑ってしまっている場合は、
シンプルに、自分の感情に聞いてみるのがいい。

自分が
「もう駄目だ。もう株価は戻らない」
と思うのは、エントリー価格から何%下落したら
思うだろうか?

ある人は5%かもしれないし、
ある人は10%かもしれない。
人によっては20%かもしれない。

そこまで持っていて、
でも株価が回復しないのならあきらめられる、
というポイントを損切りポイントに設定してOKだ。

ただし、
「損切りポイントは20%」
と決めて、そのまま自分の資金をつぎ込むと
とんでもないダメージが待っているので、
今度はもう一つの質問をする。

もう一つの質問とは、
「自分が恐怖を感じる損失金額は、いくら?」
という質問だ。

人によっては1万円かもしれないし、5万円かもしれない。
10万円や、50万円の人もいるだろう。

自分が「リカバリーはきつい」と思う
金額は、いくらなのかを考えてみる。

この
「もう株価は戻らないと思うパーセンテージ」
と、
「自分が恐怖を感じる損失金額」
から、エントリー金額を決めるのだ。

例えば、10%で株価は戻らないと思い、
5万円の損失が痛いと思うのであれば、
エントリーしていい金額は

5万円÷10% で、50万円になる。


20%で株価は戻らないと思い、
5万円の損失が痛いと思うのであれば、

5万円÷20% で、25万円となる。


もちろん、自分のトータル資金との
かねあいはある。

総資金50万円のトレード資金で
「恐怖を感じる損失は50万円」
なんてのは、行き過ぎの感覚だ。

また、株価が戻らない%というのも
「50%」なんていうのは、楽天家すぎる。

50%下落した後、元の株価に戻るためには
100%の上昇が必要になる。
つまり株価が倍加しないと、元の株価に戻らない。

なので、現実的な考えも考慮に入れたうえで
コツコツトレードルールを構築していく
というのが、いい方法だろう。


今回紹介した方法は、
あくまでトレードルール構築の
「最初の一歩」だ。

きちんと検証しながら
トレードルールの精度を増していく必要がある。

ただ、
「どうやって決めていいか、
 まったく見当がつかない」
といって途方に暮れているのであれば
こんな荒っぽい方法であったとしても
作り始めた方がいい。

そこから、いろいろ見えてくるものも
あるだろうからね。


君が、自分の望む結果に向けて
どんな形であれ行動を始めてくれることを
願っているよ。

今回も、手紙を読んでくれて、ありがとう。
ではまた、手紙を書きます。


空也

 

〔技〕 どの銘柄にエントリーするのか?

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

前回は、トレードルールの作り方のひとつとして、

君が「もうダメだ、株価は戻らない」
と思う損失パーセンテージと、
君が「これ以上失ったら、やばい」
と、恐怖を感じる損失額を考える。

そして、そこから
損切りラインと投入金額を決める、
と言う話をしたね。

継続的に利益を出していくためには、
より詳細な検証をしなければならないのは
言うまでもない。

言うまでもないんだけれど、もし君が
「トレードルールって、
 どこから手をつければいいのやら」
と、途方に暮れているのであれば、
こんな所からはじめてもいいかもしれないね。

損切りラインと
投入金額が決まれば、
あと決めるべきことは3つだけだ。

ひとつは、どんな銘柄をエントリー候補にするのか?

次に、決めた銘柄に、いつエントリーするのか?

そして、もうひとつは、思惑通りだった場合、
いつ利益確定するのか?
だよね。

当たり前だけど、トレードルールは

・どの銘柄をエントリー候補にするか?
・いつエントリーするか?
・いつ利益確定するのか?
・いつ損切りするのか?

で決まり、あとは

・いくらエントリーするのか?

をマネーマネジメントして、
利益を積み重ねていくわけだ。


前回、君のトレードルールの
原型を作るための

・いつ損切りするのか?
と、
・いくらエントリーするのか?

は説明したので、これから残りの要素を
話していくことにしよう。



まず今回は、

・どの銘柄をエントリー候補にするか?

という課題の、基本的な考え方を話そう。

もちろん、今回話す考え方は
「こういう考え方があるよ」
という“基本”だ。

なので、今回私が話したことを踏まえて、
ぜひ君流にアレンジもしていって欲しい。


まず、私がエントリーする銘柄の必須項目として
考えているのが、「流動性」だ。

流動性とは、その銘柄が、活発に売買されているか?
それともほとんど売買されていないのかをはかる指標で、
通常は1日の出来高とか、売買代金で表される。

活発に売買されていて、出来高や売買代金が高い銘柄、
つまり「流動性の高い銘柄」は、
君が好きなときに、株価に影響をほとんど与えることなく
エントリーできて、
好きなときに決済ができる。

逆に、流動性の低い銘柄は、
活発に売買がされていないので、
君が買おうと思っても、売ってくれる人がいない。

もしくは、ものすごい高値で売ろうとしている、
とか、
君が決済しようと思ったんだけれど、
君の持っている株数をさばくためには、
相当の値崩れを覚悟しなければならない、
なんてことが起きる。

なので、エントリー候補銘柄は、
最低限の流動性が必要だ。


私は、流動性の節目として
「1日の売買代金が10億円以上」
というのを目安にしている。

運用資金が少なければ、
もう少し売買代金の少ない銘柄も候補になると思うが、
ひとつの目安として「売買代金10億円以上」を
使うことをお勧めする。

理由としては、まず、
たとえ今、君の運用資金が少なかったとしても、
将来的には運用資金が増える可能性が大きいことが
挙げられる。

運用資金が増えていったときに、
エントリー候補の根本を見直さなければならないのは、
けっこう しんどい作業になるだろう。

ならば、はじめから、君の運用資金が増えたときにも
対応できるルールにしておいた方が良い、
という理由からだ。

さらに、売買代金が10億円いく銘柄と
10億円いかない銘柄だと、
株価の動き方の“クセ”が、かなり違うように見える。

いずれは売買代金の大きな銘柄しか運用しないのであれば、
“クセ”の違う銘柄群を見慣れるよりも、
大きな流動性の中にある銘柄群を見慣れるほうがいいだろう。


ちなみに、私がトレードをし始めたときは、
売買代金の低い銘柄でもトレードをしていた。

あまり流行らない新興市場の銘柄の中でも、
売買代金がかなり低い銘柄にもエントリーしていた。

結果として、利益を出してはいたんだけれど、
なんか、取引画面を通じた「相対取引」みたいになって、
再現性が全くないトレードばかりが続いた。

今回は儲かったけれど、次は全く分からないと言う、
完全に、100%運任せのトレードだったんだよね。

また、流動性の低い銘柄で「相対取引」をやった後、
流動性の高い銘柄の売買板を見ると、
「板酔い」というか、
注文数と値動きに、目がついていけなくなって
難儀したこともある。

いずれにしても、変なクセがついてしまったのを
取り払うのにひと苦労した。

トレードをマスターする上で、
他でいろいろ苦労することは あるだろうから、
君は はじめから変なクセをつけないほうがいいだろう。


あと、流動性のもう一つの注意点としては、
「決済時の流動性」がある。

例えば、直近の売買代金は10億円以上を
ゆうにクリアする銘柄があったとしよう。

ただ、その銘柄は、一時的なニュースで
出来高が急増し、売買代金が10億円を超しただけで、
普段は1億円にも満たないような銘柄
という場合もある。

その場合、一時的な「ブーム」が過ぎ去ってしまうと、
売買代金がスカスカになってしまい、
自分の保有株をさばくのに苦労する、ということがある。

特に、保有期間の長いトレードルールを作ろうとしている時は、
直近の売買代金だけでなく、
中長期の流動性の高さも考慮したほうがいいだろう。

「買いました。でも売れません」
じゃあ、スマートなトレードとは言えないからね。

目安としては、保有予定期間と同じ日数分の売買代金を見て、
その日数の間は売買代金10億円を大きく下回らない銘柄を
エントリー候補にするといいだろう。

具体的には、1泊2日の保有期間を予定している
トレードルールならば、
直近過去2日の売買代金が、
1日あたり10億円以上あることが望まれる。

もし、保有期間を30日としているトレードルールを
作る場合は、直近過去30日間の売買代金が、
1日あたり平均10億円以上あり、
10億円を大幅に下回るような日がない銘柄を
エントリー候補にするのがいいだろう。



ある程度の流動性が確保されていることを確認できれば、
あとは、

・どの銘柄をエントリー候補にするか?

というのは、特に何でもいい、と言える。

腕のいいトレーダーと話をすると、
「銘柄なんて、何だっていい」
という結論に達することが多い。

流動性さえ確保されていれば、
値動きさえあれば、利益を出すことが出来るからだ。


トレードにおける銘柄選びでは、

・どの銘柄をエントリー候補にするか?

よりも、次の課題である

・いつエントリーするのか?

の方が、はるかに大切だ。

長期投資の場合は、会社の成長性などを
見定めて投資するので、
「どの銘柄をエントリー候補にするか?」
というのは、とても大切だ。

しかし、特に短期トレードにおいては
「どれ」よりも「いつ」の方が重要で、
「いつエントリーするか?」を見誤らなければ、
利益を重ねていくことが出来るだろう。

先日話した「時間軸」が短ければ短いほど
「いつ」というタイミングが重要視され、
「時間軸」が長ければ長いほど、
「どの銘柄」という選択が重要になっていく
ということだね。


次回の手紙では、
「いつエントリーするのか?」という
指針を、一緒に考えていきたいと思う。

できるだけシンプルに、でも実践に活かせるような
話が出来るように準備をしておくよ。


今回も、手紙を読んでくれて、本当にありがとう。
ではまた、手紙を書きます。


空也

 

〔技〕 いつエントリーするか?

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

“トレードルールを作る”
というと、
「そんな作業、本当に出来るのかな?」
「私には、無理なんじゃないかな」
と、腰が引けてしまいそうになるかもしれない。

でも、考えてみればトレードルールを構成する要素は

・どの銘柄をエントリー候補にするか?
・いつエントリーするか?
・いつ利益確定するのか?
・いつ損切りするのか?

の4つしかなく、あとは

・いくらエントリーするのか?

というマネーマネジメントが決まれば、
とりあえずは実践投入ができる。
(どこまで実践投入するかは別として)

そして、前回まででトレードルールと
マネーマネジメントを決める5つの要素のうち、
3つの要素については
荒削りながらも、作り方を伝えてきた。

前々回は

・いつ損切りするのか?
と、
・いくらエントリーするのか?

という話をして、前回は、

・どの銘柄をエントリー候補にするか?

ということを伝えたね。

なので、残りは
・いつエントリーするか?
と、
・いつ利益確定するのか?

という要素を、どうやって
決めていくのかを伝えれば、
君のトレードルールの原型となるものを
作り始めることができる。


今回は、おそらく最も重要な要素である

・いつエントリーするか?

について話をしていこう。

今回の話も、どちらかといえば
まだトレードルールを作れていない人向けの話だが、
すでにトレードルールを持っていたとしても
考え方は参考に出来るだろう。

では、早速内容に入っていこう。



さて。

トレードにおいては、
「いつエントリーするか?」
で、利益が決定するといっても過言ではない。

3日後に上場廃止が決まっている銘柄でも、
タイミングを間違うことなくエントリーできれば
利益を出すことは出来るし、

逆にタイミングを見誤れば、
どんなに優秀な業績を出している企業の株を売買しても、
損を出し続けることになる。

「仕掛け(エントリー)と仕切り(決済)、
 どっちが大事か?」

という、およそ実のない問答があるが、
トレードルールにおいては、エントリーの方が
はるかに大切だと考えている。

適切なトレードルールを構築し、
適切なエントリーができれば、
決済は容易になってくる。

決済時の
「もっと儲けられたのに、
 はやく決済してしまった」
とか、
「損切りのタイミングを
 誤ってしまった」

なんていう、決済時の悩みは、
どちらか言うとメンタルに比重がある。

どんなに精密なトレードルールでも、
毎回毎回ドンピシャな決済なんてできない。

そこは、メンタルで乗り越えるしかないからね。


おっと、ちょっと脱線してしまった。
では、本題。

ある程度エントリー候補を絞ったら、
次は、そのエントリー候補に入るタイミングを
決めるわけだが、その指針になるものは
なんだろうか?

ちょっと読むのをやめて、考えてみるのも
いいかもしれない。

「エントリーの“いつ?”を決めるのに、
 もっとも大切な要素は、何だろうか?」

私の考える要素は
「出来高」
とか、
「株価の上昇」
みたいに、ひと言で説明できるものではない。

君ならではの答えを考えてみてくれると、うれしいね。


考えてみてくれたかな?

では、先に進もう。

私の考える、
「エントリーの“いつ?”を決める要素」
は、

「自分以外の市場参加者が
 今、その銘柄に対して
 アクションを起こす理由があること」


だと考えている。

ちょっと説明しよう。

例えば、君がある銘柄を買ったとする。

もちろん、君が買うということは、
その後の値上がりを期待しているから
買っているわけだよね?

では、君が買った銘柄が値上がりするためには、
何が必要だろうか?

それは、

「君以外の、他の市場参加者が、
 君が買った銘柄を、買うこと」
だよね?

新規の買いだろうが
空売りの買い戻しだろうが、形はともかく、
君以外の誰かが買わないと、
あたりまえだけど株価は上昇しない。

そして、君がエントリーした直後から
他の誰かがアクションを起こしてくれることが
もっとも望ましいよね?

じゃなかったら、他の銘柄に
エントリーしたほうが、資金効率は良かった、
と言う話になるからね。


なので、

・いつエントリーするか?

という問題に答えるためには、

「他の市場参加者は、どんなタイミングで
 アクションを起こすか?」
ということを考えれば、
自然に答えにいきつくわけだ。


「空也さん。そんなこと言われても、
 いまいちピンと来ません」
と、君が思うのであれば、
君が最もよく知っている市場参加者に聞いてみればいい。

「どんな時に、アクションしたくなりますか?」
ってね。

君にはバレバレだと思うが、
「君が最もよく知っている市場参加者」
っていうのは、他ならぬ君自身だ。

君がある銘柄を見て、
「買いたいなー」
「売りたいなー」
「利益確定したいなー」
「損切りしないとやばい!」
「決済せざるを得ない」
と思うタイミングは、
他の市場参加者もアクションを起こしたいと
思っている可能性が高い。

なので、
君が作るトレードルールのエントリータイミングは、
「自分も買いたいし、他の人も買いたいと思うタイミング」
「自分だったら売るし、他の人も売りたくなるタイミング」
というのを、基本指針にするのがいいだろう。

どんなタイミングで、自分が買いたくなるのか?
どんなタイミングで、自分が売りたくなるのか?

そして、その前兆は、どこに現れるのか?

この辺を突き詰めて考えれば、
君にマッチしたトレードルールというのが
おのずと見えてくるだろう。

株価上昇や、出来高変化などのランキングに
上位にあがったものは、
他の人がアクションを起こすきっかけになるかもしれない。

貸借倍率が、異常に偏った銘柄は、
決済せざるを得ない人たちで
あふれかえっているのかもしれない。

他の市場参加者が冷や汗をかいているようなシーンを
リアルに想像できるような値動きは、
他の人のアクションを呼び起こすのに
なんの苦労もないだろう。


基本的に、トレードルールというと、
非常にロジカルなものだというイメージがある。
よくわからない数学を駆使したりもするしね。

たしかにロジカルなものではあるんだけれど、
その根っこには、人間の欲と感情が渦巻いている。

他の市場参加者の欲が、ウズウズ動き出すタイミング。
他の市場参加者の、恐怖・有頂天・絶望・怒りなどの
偏った感情が発生してしまうタイミング。

それが、エントリータイミングを決める、
根本的な要素だ。

そして、君のトレードルールは、
君がもっとも感情の動きを知っている
君自身を客観的に見つめ、ロジックに落とし込んだときに
作り出される。


どんなロジカルな指標だろうと、根本は

「自分以外の市場参加者が
 今、その銘柄に対して
 アクションを起こす理由」


を見出そうとして作られている。


けっこうシンプルだと思うけれど、
突き詰めて考えている人は、けっこう少ない。

今回の手紙をきっかけに考えてみると、
また違ったトレードスタイルが見えてくるかもしれないね。


今回も手紙を読んでくれて、本当にありがとう。
ではまた、手紙を書きます。


空也

 

〔技〕 いつ利益確定するのか?

 
こんにちは、トレーダーの空也です。

前回は、トレードルール構築の要素のひとつ

・いつエントリーするか?

について書いたね。

いつエントリーをするかは
様々なテクニカル指標があり、
長年たくさんの市場参加者が
ロジックにロジックを重ねて研究してきている。

しかし、株価を動かすのは
根っこのところでは人間の欲望であり、感情だ。

なので、
君がトレードルールを作るときには、
君自身の気持ちの動きに耳を傾けて、
「どんなタイミングで感情が動き、
 トレードで どんなアクションを起こしたくなるのか?」
ということを原型に持ってくるといいよ、
という話だったね。

君が感じた感情と、君が動きたくなったことへの
“賛同者”が多いほど、君の利益は大きくなる。

君が感じたことと同じことを感じる人が多ければ
君が買った後から買う人が多くなり、
結果として株価は上昇する。

君が動いた後に、君と同じように
動きたくなった人が多ければ、
結果として、株価は君の思惑どおりになる。

「人が、どういう時に、どういう感情になり、
 どういう行動をするのか?」
ということを理解し、察知して、
人より“半歩”早く行動できるようにする。

それが目指すべきエントリータイミング
ということになるだろうね。


私が、君への手紙で、よく
人とのコミュニケーションについて取り上げるよね。

それは、もちろん君が「豊かな人生」を送るために
本当に必要だと思っているからという理由が最も大きい。

ただ、株トレードの世界も、
画面を通した人とのコミュニケーションだ。

なので、君のコミュニケーションについての
理解が深まると、トレードのパフォーマンスにも
素晴らしい影響を与えるとも思っているから
手紙に書き続けている。

“自分とのコミュニケーション”を深め、
“人とのコミュニケーション”に磨きをかけることで、
トレードの成績を上げる。

お金も殖やすことが出来て、
人間関係も円滑になる。
一石二鳥とは、このことだよね(笑)

トレーダーと言うと、
ひきこもりチックなイメージがあるかもしれないが、
私の知っている優秀なトレーダーは、
コミュニケーション能力に長けている人が多い。

トレードは、人の欲望、感情がダイレクトに
交差する現場。

その現場で、
「他の人は、どう考えるだろうか?」
と考えた上で、適切な行動をとれる人が
優秀なトレーダーなわけだから、
当然と言えば当然なのかもしれないね。



さて今回は、トレードルール構築のための
要素の、ラスト1。

・いつ利益確定するのか?

について話すことにしよう。

全部で4回にわたって書いてきた
トレードルール作りの手紙。

今回の話を聞き終われば、
君のトレードルールの原型は
構築できるようになる。

もちろん、
荒削りなトレードルールが出来ただけで、
すぐにバンバン儲けられるかというと、
そうではないだろう。

しかし、
「トレードルールとは何なのか?」を理解し、
どういう方向でブラッシュアップしていけばいいのかは
明確になることだろう。

君のスタイルにマッチした
トレードルールが作れるように頑張っていこう。

では、はじめよう。



さて。

今までの

・どの銘柄をエントリー候補にするか?
・いつエントリーするか?
・いつ損切りするのか?
そして、
・いくらエントリーするのか?

という4つの要素を鑑みれば、だいたい
どこで利益確定をすればいい、
と、私が言うかは、想像できてしまうかもしれない。

利益確定についても、やはり根っこにあるのは
感情以外の何者でもない。

で、

利益確定の場合は、ひとつの感情変化に
焦点を当てるといいだろう。

その感情とは、
その銘柄に参加している人の「緊張から弛緩」の感情変化。

噛み砕いた表現をすれば、銘柄参加者が
“ほっ・・・”とする瞬間、といえばわかりやすいかな?


この“ほっ・・・”とする感情変化は、
君と同じポジションを持っている人たちと、
君と逆のポジションを持っている人たちで、
若干の違いがあるんだけれど、
“ほっ・・・”とすることには変わりない。

両方の立場を説明しよう。


まずは、君と同じポジションの人たちの
「緊張から弛緩」

ここで言う“君と同じポジションの人たち”
というのは、何も、君と同じタイミングで
株を買った人たちだけじゃない。

君より前に買っていた人も含まれるし、
君より後に買った人も含まれる。

さらに、買おうと思っていたけれど、
結局まだ変えていない人も、ここでは
「君と同じポジションの人たち」だ。

買いのエントリーで説明すると、

まず君がある銘柄にを買った後、
他の市場参加者も追随して株を買ったから、
株価は上昇したんだよね?

で、ある一定のところまで株価上昇が進むと、
君と同じポジションの人は、

「あ、ここまで株価が上がれば、
 けっこうな利益になるな」
とか、
「少なくとも、含み損にはならないな」

なんて思い始める。

ずっと買いポジションを保有したまま
塩漬けにしていた人たちは、

「おー、だいぶ含み損が減ったな」
とか、
「やっと、プラスに転じた」
なんて形で、“ほっ・・・”とする。

そして、買おうと思ってたけれど
タイミングを逸して買えなかった人たちは
「あー、ここまで上昇しちゃったら、
 いまさらエントリーするのは、やめとこう」
なんて思い始める。

いずれにしても、今までは
「買った銘柄の株価は、どうなるんだろう?」
「儲けられるのか?損になるのか?」
と、ハラハラドキドキ、緊張していたのが、

“ほっ・・・”と力が抜けるタイミングがある。

文字だけで説明するのは難しいけれど、
君も実際にトレードの現場で売買しているときには
感じることがあるんじゃないかな?

その安堵、その力が緩む時が、
利益確定のポイントだ。

他の市場参加者の多くの人が
“ほっ・・・”としたのであれば、
その後、買う人はいなくなる。

買う人がいなくなるということは、
株価は、今以上には上昇しなくなる。
ということだよね。

そして、
「まぁ、これくらい儲けられたから、いいか」
「ずーっと塩漬けだったけれど、これくらいの被害で
 済んだのだから、そろそろ決済するか」

と、他の人も決済をしだすタイミングでもある。
他の人が決済をしだす“半歩前”が、最良の決済タイミングだろうね。


もう一方の立場を見てみよう。
君とは逆のポジションをとった人の立場だ。

逆のポジションとは、君が買ったのならば
その銘柄に対して空売りをした人たち、
ということになるね。

君が買った銘柄に対して、空売りを仕掛けた人は、
株価の上昇により、みるみるうちに
含み損が膨れ上がっている状況に陥っている。

含み益になっている君よりも、
アドレナリンが出っ放しの緊張状態にあると言えるだろう。

そして、ある一定の株価になると、
空売りのポジションを持っていた人の、心が折れる。

「もうダメだ・・・損切りをしよう」

と決断するわけだね。

そして、損切りのためにキーボードを叩き、
泣く泣く注文ボタンをクリックする。

その決済が終了するのを確認すると、
「ああ、ダメだった」
と、落胆するわけだ。

ただ、その時点で、今までの極度の緊張状態から
“ほっ・・・”と気持ちが緩むことは、間違いない。

君と逆ポジションの人が損切りをしてくれるということは、
君にとって、さらに有利な値動きを作ってくれる。

しかし、一定の人が損切りをし終わった後は、
君のポジションを「手助け」してくれるような注文は
どんどん減っていくという状況になる。

結果として、やはり逆ポジションの人の
“ほっ・・・”とするタイミングも、
君の利益確定のポイントである、と言えるだろうね。


さて。

どのポイントを“緊張から弛緩”のポイントと見るかは、
採用しているトレードの時間軸によって変わってくるだろうし、
人によっても若干の違いはあるだろう。

でも、まずは君が採用している時間軸で、
君が“ほっ・・・”と気を抜くようなタイミングが
一番のタイミングと言えるだろう。

チャートを見て、
「どのタイミングで、私は“ほっ・・・”とするかな?」
というのを考えて、それをロジックに落とし込んでいくと
いいだろう。


“ほっ・・・”とするタイミングは、
株価が下落する直前のサインであるとも言える。

もし株価が下落しないのであっても、
これ以上株価の上昇が見込めないのであれば、
さらに活発な値動きが期待できる銘柄に
資金を移動したほうがいい。

自分のエントリーが思惑通りに推移した場合、
利益確定をして、ポジションを閉じるのは、
大きく分けて3つの理由があるだろう。

その3つとは、

1.これ以上の利益の伸びが期待できず、
  別の銘柄に資金を移動した方がいい場合。

2.このまま保有していても利益が増えそうだが、
  さらに利益の上昇が見込まれる銘柄が出てきた場合。

3.このまま保有していると、利益が減っていく
  可能性が高く、現金化した方がいい場合。

株価は、上がるか下がるか横ばいかの
3つしかないんだから、決済のケースも
3つになるわけだ。

もちろん全てがロジック通りにうまくいくわけではないが、
整理して考えると上記のようになる。

そして、
この3つのケースのどれもが、
やはり君の感情と、他の市場参加者の
感情によって決まってくる、というわけだね。

緊張から弛緩、
弛緩から緊張、
この2つを繰り返して、値動きは形成されていく。

この2つの感情の変化を見極めることが出来れば、
利益を出し易くなっていくだろう。



今までの話で、

・どの銘柄をエントリー候補にするか?
・いつエントリーするか?
・いつ利益確定するのか?
・いつ損切りするのか?
そして、
・いくらエントリーするのか?

という、5つの要素を説明してきた。

今回は、君のトレードルールの原型を
作ってもらうのが目的だったので、
あえてバラバラな感じで説明をしたけれど、
本来は全てが連動しあっている。

ある銘柄のエントリータイミングは、
もし逆ポジションをすでに持っていたのであれば
利益確定のタイミングだったりするし、

利益確定のポイントは、
損切りのタイミングであったりもする。

ただ、ひとつひとつを丁寧に考えたあと、
君の中で統合していく方が、
わかりやすいかな?と思って
今回のような説明にさせてもらった。


全てを考えた上で、
5つのポイントのバランスを見ていってほしい。

利益確定のポイントを
「買値から+2%」
としているのに、

損切りのポイントを
「買値から-20%」
とかしていたら、なかなか儲けることは難しいし、

リスキーなエントリーポイントで
多くの資金を一度に投入するのは、
やはり控えたほうがいい。


ひとつひとつを考えて、
その上でバランスを見る。

そして、少しずつ実践に投入していって、
ルールをブラッシュアップさせていく。

そんな形がいいかもしれないね。


今回も手紙を読んでくれて、本当にありがとう。

ではまた、手紙を書きます。


空也

 

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〔管理人そらまめより〕
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参加申し込み締め切りを6月20日(月)の23時59分までと
させていただきたいと思います。

たくさんのご質問と、参加表明、ありがとうございます!
当日を楽しみにしていますね!


では、空也さんからの「手紙」を
どうぞお楽しみくださいませ~

---------------------------------------------
 
こんにちは、トレーダーの空也です。

今日は久しぶりに、トレードルールについて
大切なことを、君に伝えようと思う。

ここのところ、雑談が続いていたからね(笑)


さて。

君は、自分のトレードのルールを持っているかな?

もし持っていなかったとしても、
「トレードルールっていうのは、こんなもんだろう」
というイメージはあるかもしれないね。

たとえば、

「○○のテクニカル指標を越えてきたらエントリー」
「○%の利益が出たら、利益確定」
「○%の損失が出たら、損切り」
「○日経ったら、どちらにしても決済する」

みたいな感じだね。

自分のトレードルールを持つことの重要性は、
今までの手紙でも、何回か言ってきたとおりだ。

自分が完全に信頼できるルールじゃないと、
途中でどうしても、メンタルが揺らいでしまうからね。

(他にも理由があるんだけれど、
 それはまた後日説明しよう)


さてさて、今日の話は、
トレードルールを作るという作業の中で、
けっこう多くの人が忘れている、ある大切な項目がある、
という話だ。


トレード上級者の中でも、

「トレードルールを作ったんですけれど、
 ついついルールを破ってしまうんです」
とか、
「本当に、このトレードルールを使い続けていいのか、
 いつも不安になるんです」

という人は、結構多い。

そういった人は、メンタルコントロールを
学ぶということも大事だろうし、
今回話す、「トレードルールに大切な、ある要素」
について、考えていない場合も多いかもしれない。


ためしに、君がトレードルールを構築するときに
必要だと思われる要素を、
頭の中で思い浮かべてみて欲しい。

たとえば、
「エントリー候補の絞込みルールは必要だ」
とか、
「利益確定のルールは必要だ」
とかだね。

思いつく限り、いま
「この要素については、決めておかないとな」
というものを、列挙してみて欲しい。



やってみてくれたかな?

おそらく、

エントリールールとして
・エントリー候補の絞込み
・条件が重なった銘柄のエントリー優先順位
・実際のエントリー方法
・買いでエントリーするか、売りでエントリーするか
 などなど、

決済ルールとして
・利益確定/損切りのポイント
・最大保有日数(時間)
 などなど、

それに、資金管理はどうするか?

なんてことは、イメージできたかもしれない。

まったくその通りで、
ここに挙げた要素が絡み合って
実際のトレードルールというものは出来上がるし、
普段の運用においては、充分すぎるものだろう。


しかし。

あとひとつ、大切なルールを
あらかじめ考えておくと、運用が非常にスムーズになる。

その、大切なルールとは、

「ルール破棄のルール」

だ。


破棄のルールといっても、
「こういう時は、ルールを破っていい」
ということではない。

破棄のルールというのは、

「もし、○○という事態になったら、
 ルールそのものが機能しなくなった可能性がある。

 なので、○○になったら、
 一度ルールを破棄して、ルールそのものを再構築する」

という決め事だ。


たとえば、

「ドローダウン金額が、○○円以上になったら、
 ルールを一度破棄する」

とか、

「連続○日、マイナスが続いたら、
 このルールは機能しなくなったのかもしれない。
 なので、一度ルールを破棄する」

とか、

「一ヶ月運用してみて、○○以下の
 パフォーマンスだったら、ルールを疑ってみる」

といった感じ。


トレードルール構築のときには、ついつい
「このやり方でやれば、すっごい儲かるんじゃないか!?」
という視点だけで、ルールを作ってしまいがちだ。

しかし、実運用に耐えられるルールと言うのは、
「まぁ、ひどいときには、○○のマイナスを
 くらうこともあるだろう」
ということも想定してあるルールのほうだ。

「○○になったら、ルールを破棄する、見直す」
という決め事があるだけで、
日々、トレードルールどおりにトレードしやすくなる。

最悪を想定しているからこそ、
最高を目指せる、というわけだ。


徹底的に君にカスタマイズした、
ジャストフィットするトレードルールがあれば、
メンタルコントロールは、非常にやりやすくなる。

そのための大切な要素として
「ルール破棄のルール」
を作っておくことは、とても大切なことになる。


そして、一度「ルール破棄のルール」を作ったら、
日々の運用は、一貫してルールを守り続ける。

どんなにひどいパフォーマンスになっても、
「ルール破棄のルール」
に触れない限りは、守り続けるんだ。

市場は、いつか答えてくれる。

それまで、市場のドアをノックし続けるんだ。
という気持ちで。


今回も、手紙を読んでくれて、本当にありがとう。

ではまた、手紙を書きます。


空也

 

〔技〕 資金が少ないと、億万長者になれないか。

〔管理人そらまめより〕
現在、7月9日(土)に行われる
空也セミナー、参加者募集中です!
詳細は、コチラをクリック
セミナーに関するQ&Aは、コチラをクリック

募集人数に到達しそうですので、
参加申し込み締め切りを6月20日(月)の23時59分までと
させていただきたいと思います。
たくさんのご質問と、参加表明、ありがとうございます!
当日を楽しみにしていますね!

では、空也さんからの「手紙」をお楽しみくださいませ~

---------------------------------------------
 
こんにちは、トレーダーの空也です。

今日は、君に直感的にわかってもらいたくて、
ある画像を用意した。

君は、もしかしたら
「億万長者になるといっても、
 手元の資金が少ないしなー」

とか、

「やっぱり、資金があった方が
 有利に決まってるよなー」

と思っているかもしれない。

たしかに、そういう一面があることは
否定しない。


けれど、

だからといって、資金が少ないと
もう完全にアウトか?
というと、そういうわけでもない。

今回の手紙についている画像を見てみて欲しい。

システムトレードソフトのひとつである
「イザナミ」で開発した、わたしのルールの一つの
運用成績の画像だ。

ドローダウンが高いとか、
実運用としては、もう少し検討しなければならない
トレードルールだけれど、
今回は、ルールうんぬんの話ではない。


画像の下のほうを見て欲しい。

一つ目の画像は、初期資金3千万円のもの。

もう一つの画像は、初期資金が百万円のものだ。

まったく同じルールで、初期資金だけが違う
と言う状況だ。

初期資金から、ずーっと複利運用した結果を
比較してみて欲しい。


(初期資金3千万円の運用結果)
3千万円運用



(初期資金百万円の運用結果)
百万円運用


初期資金3千万円のほうは、
2000年から現在まで運用すると、
約56億8千万円の利益になる。

一方、初期資金百万円のほうは、
2000年から現在まで運用すると、
約44億9千万円の利益になる。


この結果を見て、君は

「うわ、やっぱり初期資金が多くないと
 50億円は越えないんだなー。がっかり」

と、思うだろうか?


あまり多くは語る必要がないだろう。


今の資金が少ないと思ったとしても、
だからなんだというのだ?

億万長者への扉は、
開けようと思えば、開けることができるんだ。

今回も手紙を読んでくれて、本当にありがとう。

ではまた、手紙を書きます。


空也

 
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